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ハイエンドスマホ向けSoC「Snapdragon 8s Gen 3」が発表に。最上位モデルからCPUやGPUのスペックを引き下げ
Snapdragon 8s Gen 3とSnapdragon 8 Gen 3は,CPUコアの構成と動作クロック,GPUで対応するレイトレーシング機能,内蔵する通信モデムのスペックが異なる。
CPUコアである「Kryo」を見ると,既存のSnapdragon 8 Gen 3では,最も性能が高い「プライムコア」が1基,それを支える高性能コアが5基,高効率コアが2基の計8基を組み合わせた8コア構成だ。これに対して,Snapdragon 8s Gen 3は,プライムコア×1,高性能コア×4,高効率コア×3となっている。つまり,高性能コアが1基減り,その分,高効率コアが増えたというわけだ。
また,動作クロックも,Snapdragon 8s Gen 3では,プライムコアと高性能コアが400MHz分,高効率コアが300MHz分,引き下げられた。加えて,対応メモリも最大4800MHzから最大4200MHzに引き下げられているので,相応の性能低下が予想できる。
GPUコアの「Adreno」は,例によってコア数などの詳細は明らかになっていないので,この部分に関する違いは分からない。ただ,Snapdragon 8s Gen 3は,リアルタイムレイトレーシングによるグローバルイルミネーションへの対応が明記されていたが,Snapdragon 8s Gen 3ではこの記述が消えている。なお,ハードウェアベースのリアルタイムレイトレーシング自体には対応するとのことだ。
このほかにも,Snapdragon 8 Gen 3で可能だった8K/30fps,4K/120fpsの動画撮影が,Snapdragon 8s Gen 3では非対応となっているのも目に付く違いと言えそうだ。
通信モデムは,ひと世代前のハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 2」と同じ「Snapdragon X70 5G」を採用しており,下りの最大通信速度は5Gbpsとなる。
Qualcommによると,Snapdragon 8s Gen 3は,ハイエンド市場向けとの位置付けだが,Snapdragon 8 Gen 3とのスペック差は大きいように感じられる。この差が性能や搭載製品の価格にどのように影響するのが気になるところだ。
QualcommのSnapdragon 8s Gen 3製品情報ページ
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