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MSI,「Ivy Bridge」対応のZ77搭載マザーなど7モデルを発表。従来の機能を継承しつつ,細かい部分を強化
今回発表されたのは全部で7モデル。いずれの製品もまもなく市場投入されるとのことだ。
早速順番に紹介していこう。
●Z77A-GD65
店頭想定売価 1万8800円前後
Z77チップセットを搭載した製品で,フォームファクタはATXとなる。「DDR3-2667までのDDR3メモリモジュールをサポートする」という。
拡張スロット構成は,PCI Express x16×3,PCI Express x1×4。PCI Express x16スロットはいずれもPCI Express 3.0をサポートいるとのことだが,レーン数の詳細は明らかになっていない。なお,2-wayのSLIもしくは3-wayまでのCrossFireXによるマルチGPU構成を構築できるとのことである。
●Z77A-GD55
店頭想定売価 1万5500円前後
Z77チップセット採用のメインストリーム向けとなるモデルで,拡張スロット構成はZ77A-GD65と同じくPCI Express x16×3,PCI Express x1×4だ。ただし,3本のPCI Express x16スロットのうちCPUソケットから最も遠いスロットはPCI Express 2.0対応になるとのことなので,PCHからの接続になるのだろう。本機も2-wayのSLIもしくは3-wayまでのCrossFireX対応だ。
●Z77A-G45
店頭想定売価 1万3800円前後
Z77A-GD55をベースにした廉価版となるモデルだ。Z77を採用している点や,拡張スロット構成といった点はZ77A-GD55と同じ。ただ,3-wayまでのCrossFireXをサポートする一方,SLIには非対応となる。
●Z77MA-G45
店頭想定売価 1万2800円前後
今回発表された製品で唯一MicroATXフォームファクタを採用したモデルだ。Z77チップセットを採用し,拡張スロット構成はPCI Express x16×2,PCI Express x1×2となっている。PCI Express x16スロットはいずれもPCI Express 3.0対応で,2-wayのCrossFireXをサポートする。
●Z77A-G43
店頭想定売価 1万1800円前後
Z77チップセット採用マザーボードで唯一PCIスロットを備えたマザーボード。PCI Express-PCIブリッジチップによりPCIのサポートを実現しているとのこと。拡張スロット構成は,PCI Express x16×2,PCI Express x1×2,PCI×3となっている。本機も2-wayのCrossFireX対応だ。
●ZH77A-G43
店頭想定売価 9800円前後
チップセットに「Intel H77 Express」を採用したATXフォームファクタのモデルだ。PCI Express x16×2,PCI Express x1×2,PCI×3という拡張スロット構成になっており,2-wayのCrossFireXに対応する。
●B75A-G43
店頭想定売価 8800円前後
ビジネスPC向けの「Intel B75 Express」チップセット採用モデル。拡張スロット構成はPCI Express x16×2,PCI Express x1×2,PCI×3となっている。
従来のマザーボードが備える機能をベースに細かく強化
- 「MSI独自機能」
- 「オーバークロック機能」
- 「豊富な搭載機能」
それぞれ順番に紹介してみよう。
まずは「MSI独自機能」だ。今回発表されたマザーボードでも,同社の品質規格である「Military Class III」,自動オーバークロック機能の「OC Genie II」,UEFI(≒BIOS)とWindows上で動作するアプリとで共通のUIを備えた「Click BIOS II」といった,従来から採用されている機能が基本的に採用されている。ただし,いずれの機能も少しずつアップデートされているのがポイントだ。
また,Click BIOS IIのアップデートでは,日本語を含めた15か国の言語に対応するようになっているほか,トラッキング解像度設定の高いマウスを利用した場合でもスムーズに操作ができるようになっているとのことだ。
2つめの「オーバークロック機能」のアップデートを見ていこう。これは,
「Intel Z68 Express」(以下,Z68)搭載マザーボードとZ77搭載マザーボードとで,Sandy Bridge世代のプロセッサを同じ動作クロックで動作させた場合に,Z77搭載マザーボードのほうが「3DMark Vantage」や「Hyper Pi」といったベンチマークでいいスコアが出るということが挙げられる。
Z68搭載の「Z68A-DGD65」とZ77搭載のZ77A-GD65とで比較すると,Hyper Piの3200万桁を実行した場合,10秒以上短縮したと三好氏は言う。
ほかにも,従来のアナログPWM回路よりも省電力性を確保しつつ,マイクロプロセッサを組み合わせることでデジタルPWM回路並のプログラマブル性能を実現したと謳われる「Hybrid Digital Power」を電源回路に採用している点も特徴とのことだ。
以上,MSIの新マザーボードを見てきたわけだが,基本的には従来製品が搭載していた機能を引き継ぎつつ,Ivy Bridgeに対応するZ77などのチップセットを採用したモデルを出してきたという認識で間違いないだろう。
固体コンデンサやSFC(Super Ferrite Choke),Hi-c CAP(Highly-conductive Polymerized Capacitor)といった高品質が謳われている部品を採用している点はもちろんこれまでどおりなので,そういった品質による安心感を得たいという人にはよさそうである。
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Intel 7
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