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MSI,「Ivy Bridge」対応のZ77搭載マザーなど7モデルを発表。従来の機能を継承しつつ,細かい部分を強化
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印刷2012/03/30 00:00

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MSI,「Ivy Bridge」対応のZ77搭載マザーなど7モデルを発表。従来の機能を継承しつつ,細かい部分を強化

 2012年3月29日,MSIの日本法人であるエムエスアイコンピュータージャパンは,東京・都内で報道関係者向けの「MSI インテル7シリーズ発表会」を開催。「Intel Z77 Express」(以下,Z77)チップセット搭載製品など,Intelの次期CPU「Ivy Bridge」(アイヴィブリッジ,開発コードネーム)に対応するマザーボードを発表した。
 今回発表されたのは全部で7モデル。いずれの製品もまもなく市場投入されるとのことだ。
 早速順番に紹介していこう。

●Z77A-GD65
店頭想定売価 1万8800円前後

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 Z77チップセットを搭載した製品で,フォームファクタはATXとなる。「DDR3-2667までのDDR3メモリモジュールをサポートする」という。
 拡張スロット構成は,PCI Express x16×3,PCI Express x1×4。PCI Express x16スロットはいずれもPCI Express 3.0をサポートいるとのことだが,レーン数の詳細は明らかになっていない。なお,2-wayのSLIもしくは3-wayまでのCrossFireXによるマルチGPU構成を構築できるとのことである。

●Z77A-GD55
店頭想定売価 1万5500円前後

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 Z77チップセット採用のメインストリーム向けとなるモデルで,拡張スロット構成はZ77A-GD65と同じくPCI Express x16×3,PCI Express x1×4だ。ただし,3本のPCI Express x16スロットのうちCPUソケットから最も遠いスロットはPCI Express 2.0対応になるとのことなので,PCHからの接続になるのだろう。本機も2-wayのSLIもしくは3-wayまでのCrossFireX対応だ。

●Z77A-G45
店頭想定売価 1万3800円前後

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 Z77A-GD55をベースにした廉価版となるモデルだ。Z77を採用している点や,拡張スロット構成といった点はZ77A-GD55と同じ。ただ,3-wayまでのCrossFireXをサポートする一方,SLIには非対応となる。

●Z77MA-G45
店頭想定売価 1万2800円前後

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 今回発表された製品で唯一MicroATXフォームファクタを採用したモデルだ。Z77チップセットを採用し,拡張スロット構成はPCI Express x16×2,PCI Express x1×2となっている。PCI Express x16スロットはいずれもPCI Express 3.0対応で,2-wayのCrossFireXをサポートする。

●Z77A-G43
店頭想定売価 1万1800円前後

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Z77チップセット採用マザーボードで唯一PCIスロットを備えたマザーボード。PCI Express-PCIブリッジチップによりPCIのサポートを実現しているとのこと。拡張スロット構成は,PCI Express x16×2,PCI Express x1×2,PCI×3となっている。本機も2-wayのCrossFireX対応だ。

●ZH77A-G43
店頭想定売価 9800円前後

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チップセットに「Intel H77 Express」を採用したATXフォームファクタのモデルだ。PCI Express x16×2,PCI Express x1×2,PCI×3という拡張スロット構成になっており,2-wayのCrossFireXに対応する。

●B75A-G43
店頭想定売価 8800円前後

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ビジネスPC向けの「Intel B75 Express」チップセット採用モデル。拡張スロット構成はPCI Express x16×2,PCI Express x1×2,PCI×3となっている。


従来のマザーボードが備える機能をベースに細かく強化


エムエスアイコンピュータージャパン 営業部 コンポーネント営業1課 課長 三好正行氏。今回発表されたラインナップには含まれていないが,Z77搭載マザーボードの最上位モデルに予定している「Z77A-GD80」が披露された
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 さて,発表会では,エムエスアイコンピュータージャパンの三好正行氏が登壇し,新マザーボードの特徴を解説している。氏によれば,従来のMSI製マザーボードから次の3点がアップデートされているとのことだ。

  • 「MSI独自機能」
  • 「オーバークロック機能」
  • 「豊富な搭載機能」

 それぞれ順番に紹介してみよう。
 まずは「MSI独自機能」だ。今回発表されたマザーボードでも,同社の品質規格である「Military Class III」,自動オーバークロック機能の「OC Genie II」,UEFI(≒BIOS)とWindows上で動作するアプリとで共通のUIを備えた「Click BIOS II」といった,従来から採用されている機能が基本的に採用されている。ただし,いずれの機能も少しずつアップデートされているのがポイントだ。

MSI独自機能における変更点を示したスライド
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 たとえば,OC genie IIでは,「My OC genie」という機能が追加され,オーバークロック設定を保存できるようになるという。
 また,Click BIOS IIのアップデートでは,日本語を含めた15か国の言語に対応するようになっているほか,トラッキング解像度設定の高いマウスを利用した場合でもスムーズに操作ができるようになっているとのことだ。

 2つめの「オーバークロック機能」のアップデートを見ていこう。これは,
「Intel Z68 Express」(以下,Z68)搭載マザーボードとZ77搭載マザーボードとで,Sandy Bridge世代のプロセッサを同じ動作クロックで動作させた場合に,Z77搭載マザーボードのほうが「3DMark Vantage」や「Hyper Pi」といったベンチマークでいいスコアが出るということが挙げられる。
 Z68搭載の「Z68A-DGD65」とZ77搭載のZ77A-GD65とで比較すると,Hyper Piの3200万桁を実行した場合,10秒以上短縮したと三好氏は言う。

オーバークロック時だけでなく,定格動作においても,Z68搭載マザーボードよりZ77搭載マザーボードのほうがパフォーマンスが向上するのこと
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大幅な変更ではないが,細かく機能がアップデートされている
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 最後に3つめの「豊富な搭載機能」では,オンボードのサウンドチップがRealtek Semiconductor製「ALC898」となっていたり,単体GPUとCPU統合型グラフィックス機能とを負荷に応じて切り換える「Virtu MVP」に高パフォーマンス設定が追加されていたりするそうだ。Virtu MVPについては3月6日に掲載した記事で詳しく解説しているので,そちらを確認してみてほしい。
 ほかにも,従来のアナログPWM回路よりも省電力性を確保しつつ,マイクロプロセッサを組み合わせることでデジタルPWM回路並のプログラマブル性能を実現したと謳われる「Hybrid Digital Power」を電源回路に採用している点も特徴とのことだ。

 以上,MSIの新マザーボードを見てきたわけだが,基本的には従来製品が搭載していた機能を引き継ぎつつ,Ivy Bridgeに対応するZ77などのチップセットを採用したモデルを出してきたという認識で間違いないだろう。
 固体コンデンサやSFC(Super Ferrite Choke),Hi-c CAP(Highly-conductive Polymerized Capacitor)といった高品質が謳われている部品を採用している点はもちろんこれまでどおりなので,そういった品質による安心感を得たいという人にはよさそうである。
  • 関連タイトル:

    Intel 7

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