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[E3 2011]「SIREN」の外山圭一郎氏が手がけるPS Vitaローンチタイトル「GRAVITY DAZE」をさっそくプレイ。浮遊感とスピード感,そして独特のグラフィックスがたまらない
……と書き出してはみたものの,「『GRAVITY DAZE』ってなに?」という人がほとんどだろう。
本作は「SIREN」のディレクターとして知られる外山圭一郎氏が手がけるゲームだ。PS Vitaがかつて「NGP」として発表されたときのイベントでチラリと紹介されただけだったため,覚えてない人がいても不思議ではない。これまで本作の内容はほとんど公開されていなかったが,今回実際に本作を試せる機会を得たので,そのインプレッションをお伝えしよう。なお,本作はPS Vitaのローンチタイトルとなることを目指して開発が進んでいるとのことだ。
「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動(仮称)」公式サイト
本作は,フレンチコミックのような独特のタッチで描かれたグラフィックスが目を引くタイトルだが,そのストーリーの見せ方も独特だ。ゲーム中にムービーを挿入することでストーリーを理解させる仕掛けのゲームは多いが,本作はそこにコミックを使っている。吹き出し付きのキャラクターが描かれた絵が表示され,画面を指でスライドすることで,次へ次へとコマを移って内容を把握していくのだ。
ゲーム部分はオープンワールド型になっており,プレイヤーはマップを自由に移動できる。「Rボタン」を押すと少女は重力から解放されてふわりと浮き上がり,画面にターゲットマークが表示される。例えばそのマークを壁に合わせて再びRボタンを押すと,そこが少女にとっての「下」となり,――常人から見た――垂直の壁だろうがなんだろうが,地面と同じ感覚で歩けるようになるのだ。
Rボタンを押して浮き上がっている最中は,PS Vita本体のジャイロセンサーか右アナログスティックを使って移動方向をある程度コントロールできるのだが,ふわふわと浮いている中でターゲットを定めるのはなかなか難しい。狙った場所とは微妙にずれてしまうことが多かったが,それもかえって浮遊感の演出に一役買っており,なんともいえない気持ちよさを覚えた。
この変化した重力は,「Lボタン」を押すことで一瞬にして元に戻せる。一瞬ということはつまり,壁の高いところにいたりすると,ものすごい勢いで地面に真っ逆さまということだ。
この落下速度が半端ではなく本当に“ものすごい勢い”なのだが,Rボタンを押したときの浮遊感とほど良いコントラストになっており,これまたちょっと快感だ。もっとも,のんきに気持ち良さを満喫できるのは,どんなに高いところから落下してもなぜか死なないことになっているからだろう(ただ高所恐怖症気味の筆者は,初めて落下したときはその勢いにビビリ,慌てて「Rボタン」を再度押してしまったが)。
この重力を操る能力は移動だけでなく,戦闘にも生かせる。普通に地面を歩きながら蹴りを入れることもできのだが,一旦空中に浮いて,その状態から蹴りを繰り出すと,落下速度分の勢いが加わったグラビティキックとなり,破壊力が増す。敵によっては,一度グラビティキックをお見舞いして,装甲のような外殻を破壊しなくてはならないものもいる。
筆者はすぐに操作に慣れなかったので,かなりたどたどしく浮き上がったり蹴りを入れたりしていたが,きっとうまい人がプレイすれば,敵の周りをそれこそ縦横無尽に跳び回りながら攻撃する,なんてことができるような気がしてならない。プレイアブルデモはまだまだ開発途中のバージョンとのことだったが,PS Vita本体と同時に買いたいと思わせられる,高い魅力を感じた作品である。
「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動(仮称)」公式サイト
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GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動
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