9月24日から始まる「イクシオン サーガ」プレオープンβテストでの新要素や各種コラボ情報が発表。「CAPCOM presents イクシオン サーガ ジャパン・プレミア」をレポート

　イベント「CAPCOM presents イクシオン サーガ ジャパン・プレミア」が，9月23日に東京ダイバーシティで行われた。
　本イベントでは，カプコンのPC向けオンラインアクション「イクシオン サーガ」の今後の展開に関する発表や，一般招待客を招いたテレビアニメ「イクシオン サーガ DT」の第1話/第2話の試写＆出演声優陣によるトークセッションが行われた。


　「イクシオン サーガ」は，チーム対戦に特化したオンライン専用のアクションRPGで，最大8人対8人の対戦を楽しめる。超人的な力を与えられた世界の調停者“ハイペリオン”となったプレイヤーが，剣・銃・魔法のせめぎあう世界で傭兵として戦闘を繰り広げるというものだ。
　また，本作ではテレビアニメ，漫画，ライトノベルなどと連動したメディアミックスの展開が予定されている。アニメ「イクシオン サーガ DT」は，テレビ東京では2012年10月7日25：05（10月8日1：05）から放送が開始される。そのほかの放映スケジュールは公式サイトの「こちら」のページを参照してほしい。
　アニメの監督は，「こち亀」「スクールランブル」「銀魂」など人気マンガのアニメ化を手がけている高松信司氏だ。キャストには，江口拓也さん，神谷浩史さん，三上枝織さん，細谷佳正さん，梶 裕貴さん，杉田智和さん，鈴村健一さん，斎賀みつきさんら，豪華声優陣が名を連ねている。

杉浦一徳氏

　イベントの冒頭では，カプコン CS開発統括 東京制作部 部長の杉浦一徳氏より，本作の開発経緯が語られた。
　「イクシオン サーガ」は，「モンスターハンター フロンティア オンライン」（PC/Xbox 360）に続くオンラインゲームを生み出す動きの中で草案が生まれ，カプコンというブランドを活かした，オンライン対戦格闘ゲームというジャンルにしようというのが，制作のきっかけだったという。
　しかし杉浦氏は，オンラインの対戦格闘ゲームは開発/運営が非常に難しいと感じていたこともあり，当初は企画に反対したこともあったそうだ。しかし，スタッフの熱い想いに突き動かされ，制作が決まったそうである。
　オンラインゲームはさまざまな考え方の人が集まる場所なので，アクションゲームとしてのゲーム性以外の部分においても魅力となるものを用意すべく，スタッフが一丸となってさまざまな取り組みを行ってきたとのこと。杉浦氏は，カプコンブランドに恥じないゲームとして作り込んでいて，オープンβテスト以降もさらに進化するので，ぜひ楽しんでみてほしいとコメントしていた。
　ちなみに杉浦氏は，プレイヤーの支持を受けられれば，PC版から“次のプラットフォーム”への広がりもあり得ると，今後の展開を匂わせる発言もしていた。

10月4日から，大型アップデートの実装を含む約2か月間のオープンβテストを実施。

早川泰彦氏

　続いて，本作のプロデューサーであるカプコンの早川泰彦氏より，プレオープンβテスト以降のスケジュールが発表された。
　誰でも参加が可能なプレオープンβテストが9月24日から9月27日まで開催されたあと，オープンβテストが10日4日から開始される。オープンβテストのキャラクターデータやアイテムデータは，正式サービスに引き継げるとのこと。
　プレオープンβテストは，カプコンオンラインゲームズ（COG）とハンゲームのアカウントを持っていれば参加が可能。なおCOGでは，Twitter/facebook/Google＋/mixiのオープンIDでも参加できるようになる。
　早川氏曰く，このテスト最大の“挑戦”は，2か月もの間オープンβテストを行うという点。さらに11月には，大型アップデートも実装するとのこと。正式サービスは2012年末の予定で，大型アップデートも2013年2月を予定しているという。


　早川氏からは，プレオープンβテスト以降の新要素も発表された。
　まず，大型イベント戦「天承ノ儀」の開催だ。プレイヤーが所属するユニオンで，4人の“承者”と呼ばれるキャラクターの中から支持する人物を1人選び，その承者のために戦いを繰り広げて，ポイントを競い合うという内容だ。

　キャラクター関連では，成長要素である「スタイルスロット」が紹介された。こちらは，武器と成長タイプの組み合わせに幅を持たせることで，同じキャラクタークラスでもプレイスタイルに合わせた個性をより出しやすくするというものだ。

ストライカー

ブラスター

キャスター

　対戦のマッチングについては，ロビーであらかじめチームが組めるようになることで，友達と一緒のチームで戦えるなど，柔軟性が増すそうである。また，オープンβテスト以降は，実力の近いプレイヤー/チーム同士で対戦できるよう，調整が施される予定だ。
　なお，ロビー「エルピシエ」については，プレイヤーの居心地のいい空間を目指して見直しが計られるという。アニメ「イクシオン サーガ DT」のワンシーンを思わせる場所も随所に用意されているとのこと。そのほか，プレオープンβテスト以降，新ステージの「コロシアム」，チュートリアルも実装されることも明らかにされた。

ラガルト皇国

ジャグラバーク連邦

　オープンβテストでは，11月に実装する大型アップデートで，大規模イベント「国家戦」が追加される予定だ。こちらは，“ラガルト皇国”と“ジャグラバーク連邦”の二大国家の争いという設定で，戦略マップが表示される戦略性の高い戦闘を楽しめるイベントとなる。国家戦の開催に伴い，外見と性能の組み合わせを選択可能にし，好きな見た目と好きな性能でのカスタマイズが可能になるようだ。

　12月に予定されている正式サービスでは，ストーリーモードが実装され，アニメ版の要素を絡めた物語もつづられていくとのこと。
　また，新キャラクターについてもドライデン・ワゴナー（CV：東地宏樹さん）やライラ・ハイドランジア（CV：生天目仁美さん）など，続々と新キャラクターが投入されるという。なお，アニメ版キャラクターについても，正式サービス時に火風 紺(CV：江口拓也さん)，エレク（CV：神谷浩史さん），エカルラート姫（CV：三上枝織さん），マリアンデール（CV:福山 潤さん）のボイスが実装される予定である。


　そのほか，プレオープンβテストで開催される「天承ノ儀」に参加したり，オープンβテストでスタイルレベルを10以上にしたりすると，オリジナルの武器がもらえるキャンペーンも発表された。

イクシオン サーガ推奨パソコンの特典となる装備品

　また，各種コラボ企画の発表も行われ，別冊少年マガジン11月号には「どうぶつの国」のキャラクター「ピーマン」を模した大胆なデザインのロッド，「週刊少年マガジン」No.45には「山田君と7人の魔女」をイメージした唇のロッドが，コラボデザイン武器として各誌にで配布される。
　
　さらに，「イクシオン サーガ DT」×「MHF」×「イクシオン サーガ」のトリプルコラボとして，アニメ内で火風 紺が使用している武器が，「イクシオン サーガ DT」Blu-ray第1巻の特典として同梱される。この武器は，「イクシオン サーガ」ではブレイド，「MHF」ではハンマーとなる。また，「イクシオン サーガ DT」アニメオリジナルデザインのTシャツ装備も同梱されるそうである。

別冊少年マガジン「イクシオン サーガ」
(C)小宮山優作/講談社

コミックZERO-SUM「イクシオン サーガED」
(C)双葉はづき/一迅社

講談社ラノベ文庫「イクシオン サーガ 盗賊の傭兵団」
著：秋口ぎぐる / イラスト：みやこかしわ

　発表会のあとは，アニメ版の出演キャストである江口拓也さん，神谷浩史さん，三上枝織さん，梶 裕貴さん，鈴村健一さん，斎賀みつきさんがステージに登場。それぞれが担当するキャラクターボイスが実装された特別バージョンの「イクシオン サーガ」で，4対4の対戦プレイを披露した。なお，本コーナー以降はフォトセッションを除き撮影禁止だったため，キャスト陣の写真がない点は，あらかじめご了承いただきたい。

写真左から斎賀みつきさん，鈴村健一さん，梶 裕貴さん，神谷浩史さん，早川泰彦氏，高松信司氏，杉浦一徳氏，江口拓也さん，三上枝織さん

　バトルは，沼地ステージを舞台に，江口チーム（江口さん，三上さん，鈴村さん）と神谷チーム（神谷さん，梶さん，斎賀さん）による白熱の戦いが繰り広げられた。
　堅実に相手プレイヤーをキルしていく江口チームに対し，神谷チームは「へーい，へーい」と掛け声が絶え間なく上がり続けるなど，ノリ重視（？）の戦略。結果として，勝利は江口チームの手に渡ったが，対戦中の気合いの入り具合は神谷チームの圧勝だと感じられた。
　中でも，ブラスターを使っていた鈴村さんが，敵を自分のテリトリーまでおびき寄せて爆弾を起爆する“ひっそりと置き爆弾”など，早くもクラスの特性を生かした戦法を駆使していたのが印象的だった。
　対戦後，キャスト陣からは「楽しい」という声が上がり，今回は4対4での対戦だったが，8対8での対戦になったら賑やかでもっと盛り上がりそうだという声も出ていた。また，操作方法を見ただけで簡単にプレイできる手軽さや，女性の視点から見ても楽しめるといったコメントもあった。

　ゲームのプレイデモのあとは，登壇したキャスト陣に監督の高松信司氏が加わり，トークセッションが行われた。その模様を本稿の締めとしてお伝えしよう。ただし，ネタバレに関する部分は省略しているので，その点はあらかじめご了承を。
　一つだけ書いておくと，「銀魂」を手がけた高松信司氏が監督する作品なので，“そっち方面”のクオリティは保証済みであるというのが，第1話/第2話を先行視聴させてもらった筆者の感想だ。


――アニメ版の時代設定はゲームの20年前という設定になりますが，今回，アニメのキャラクターを演じてみていかがでしたか。

江口拓也さん（以下，江口さん）：
　喜怒哀楽が激しく，今までアプローチしたことのないキャラクターなので，演じていて楽しかったです。

神谷浩史さん（以下，神谷さん）：
　今回の対戦では負けてしまいましたけど，アニメの中でのエレクは，たった1人のハイペリオンであり，負けなしの強力な戦士です。戦士であるがゆえに，品行方正であることを求められ，それを生き方とした信念を持った人です。
　力を持った部下を率いているという面においても非常に信頼できて，また信頼を裏切らぬように行動することを自分に課している男です。

――先ほどのゲームプレイでは，皆さんで和気あいあいとプレイしていましたが，アフレコ現場の空気感も，あのような雰囲気なのでしょうか。

三上枝織さん（以下，三上さん）：
　アフレコ現場は，役者さん達の魂と魂がぶつかり合うような熱の入った現場だと思います。

鈴村健一さん（以下，鈴村さん）
　非常に情熱的な現場だと思います。1つの目標に向かって，それぞれのキャラクターが抱えているものに葛藤しながらお芝居をしていますね。

――「イクシオン サーガ DT」内で，気になるキャラクターを教えてください。

セングレン

エレク

梶 裕貴さん（以下，梶さん）：
　魅力的なキャラクターがたくさんいて，どの方も気になってしまいますね。ぱっと見た感じからして人ではないも生き物もいるので，何者なのか気になります。あと，セングレンさんがカッコよくて，物語をきゅっと締めてくれるので，彼に注目するとさらに楽しめるんじゃないでしょうか。

斎賀みつきさん（以下，斎賀さん）：
　皆さんは，割と水色の謎の生き物に惹かれると思います。登場するキャラクターはどれも個性的で，誰か1人に決められないくらい気になるところです。
　KTというキャラクターを演じる立場から選ぶならば，エレク様。彼を崇拝するキャラクターということもありますので，ぜひエレク様に注目をしていただければと思います。

火風 紺

レオン

マリアンデール

ペット

バリアシオン

ギュスターヴ

エカルラート姫

KT

――ジャパンプレミアに参加して今一番伝えたいことと，メッセージをお願いします。

江口さん：
　イベント冒頭では，壮大な世界観のPV，戦闘アクションが上映されましたが……アニメはどうしてこうなったんでしょうね（笑）。
　アニメの回避アクションがゲームと一緒になっているなどの共通点もあるので，アニメとゲームの世界，それぞれの楽しみ方があると思います。オーディオコメンタリーを10人で収録する回があったり，そのワイワイした空気も楽しみどころの1つかもしれません。
　ゲームのスタイリッシュな楽しさ，アニメの面白さを1人のファンとして楽しみつつ，みなさんに伝えていければと思います。1週間に1回，どうぞ笑ってください！

神谷さん：
　毎回，非常に楽しくアフレコに参加させていただいています。ゲームのほうは真面目なプロモーションでしたが，アニメもふざけているわけではないですからね！　毎週楽しく収録しているものが，10月から毎週放送されます。インタビューなどを読んだ方々は真面目な作品だと感じているかもしれませんが，ここからは“異世界勇者の日常”が丁寧に描かれていきます。なんでもないのに笑える作品を楽しみにしていただければと思います。

三上さん：
　女性の目線からすると，アニメの男性にしか分からない部分はなかなか分からないですね（笑）。8歳でありながら政略結婚をしなければならないという姫的には，2話以降にも困難や試練が待ち構えていますので，そういった見どころや面白いポイントを日曜深夜に見ていただいて，次の週の活力にしていただければと思います。

梶さん：
　やはり，男にとって譲れないものってあるんだな……って（笑）。僕はこれからもそれを大事にしていき，そしてこの作品を盛り上げていきたいです。
　1，2話だけでなく第3話での動きも見届けていただければと思います。アニメのコメンタリーも収録中で，序盤でキャストが一番盛り上がったのが第4話になります。そこの回はDTらしさがでていますので，目指せ4話！

鈴村さん：
　伝えたいことはほとんど出たなー（笑）。強いて言えば，“愛”かな。
　アニメの中にはいろんな愛の形が詰まっています。男性が見れば恐怖なのか共感なのか，女性が見たらどう思うのか……。1週間に1回、必ず腹を抱えて笑える作品になっていますので，「銀魂」のスタッフが作ったこのアニメを見てね！

斎賀さん：
　女子にはよく分からないけれど，すごく大変そうだよね（笑）。そんな状況にある彼を，我々が状況を分からないままに、いかに支えていけるかです。とりあえず言えることは，面白いってことです！　OPやEDの歌詞も面白いことになっていますので，そこも楽しみにしていただければと思います。

高松信司氏：
　アニメの内容はジャパンプレミアを見たまんまですが，とにかく「イクシオン サーガ」のプロジェクトの1つであるアニメを任せてもらい，カプコンさんは本当に心が広い会社だなと感じました。
　同じ世界を共有しながらも，アニメの舞台はゲームよりも昔の世界。ゲームの世界で登場するハイペリオンは，アニメではまだエレクしかいません。そんな中，2人目のハイぺリオンとして紺が加わるお話になっています。
　今後，ゲームの話とリンクされるはずなんですけども，まだ制作中なのでどんなつながり方をするかは未定です（笑）。

鈴村さん：
　え？　監督が知らなくて大丈夫なんですか？

一同：
（笑）

早川泰彦氏：
　先ほど，カプコンはいろいろと挑戦していると言いましたが，これが一番の挑戦でしょうね（笑）。
　オンラインゲームは多くの人が集まる場ですので，常に楽しく面白い話題が入ってくることが重要であると考えています。プロジェクトはアニメだけでなく，コミック，ノベルと展開し，その中心でハブの役割を果たすのがゲームとなっています。
　アニメのボイス，コラボ武器，アニメやコミック等の設定に出てきたものをストーリーモードで登場させるなど，さまざまなものを結びつけるお祭りの場がオンラインゲーム「イクシオン サーガ」であるとご理解ください。
　明日から始まるプレオープンβテスト，アニメ，コミック，ラノベを含めて，すべてを楽しんでいただければ幸いです。ありがとうございました。

「イクシオン サーガ」公式サイト