「イクシオン サーガ DT」火風紺役の江口拓也さんとエカルラート姫役の三上枝織さんに，ゲーム版ボイス収録の感想やアニメ版の話を聞いてきた

　カプコンのオンラインチーム対戦アクションRPG「イクシオン サーガ」（PC）では，無料で参加できる長期オープンβテストを現在実施中だ。
　本作は，アニメやコミック化，ノベライズといったクロスメディア展開を行っており，なかでもアニメ「イクシオン サーガ DT」は，その衝撃的な内容で注目を集めている。以前「こちら」や「こちら」の記事でお伝えしたように，アニメ「イクシオン サーガ DT」のメインキャスト陣によるボイスを，プレイヤーキャラクターボイスとして利用できるイベントが期間限定で実施されるなど，ゲーム版とのコラボも積極的に行われている。


　今回4Gamerでは，「イクシオン サーガ DT」から火風紺役（以下，紺）の江口拓也さんと，エカルラート姫（以下，ヒメ）役の三上枝織さんにインタビューする機会を得たので，その模様をお伝えしよう。ゲーム版のボイス収録時のエピソードをはじめ，アニメ版の今後についてなど気になる話を聞かせてもらえたので，ぜひ最後まで読み進めてほしい。

「イクシオン サーガ」公式サイト

TVアニメ『イクシオン サーガ DT』公式スペシャルサイト

江口拓也さん（写真左）と三上枝織さん（写真右）

火風紺

エカルラート姫

4Gamer：
　本日はよろしくお願いします。
　アニメ「イクシオン サーガDT」のキャラクター達のボイスが，ゲーム版「イクシオン サーガ」に収録されるという話ですが，お二人は，ゲーム版への出演オファーをどのように受け止めましたか？

江口さん：
　そのときまでは，アニメの出演だけだと思っていたので，すごく嬉しかったです。お話をいただいたときは「僕にやらせていただけるんだ！」って思いましたね。

三上さん：
　私も，ゲームとアニメが連動しているのであれば「ゲームのほうにも出られるかな？」なんて密かな願望はあったんですけど，アニメがあのような内容でしたので……（笑）。実現するとは思っていなかったので，お話をいただいたときは嬉しかったですね。

4Gamer：
　ボイス収録の感想を聞かせてください。

江口さん：
　ボイス数はすごく多かったのですが，アニメで構築済みのキャラクターで演じられたこともあって，収録自体は比較的短時間で済みました。
　「DTって言うな！」とかアニメでおなじみのセリフもあるので，とくにアニメから入った人には，笑っていただけると思います。以前のイベントでゲームを遊ばせていただいたときにも，出演者全員がキャラに「DTって言うな！」ってセリフを連呼させていましたし（笑）。

三上さん：
　私も，「下僕どもをしばいてやろう」とか，ヒメらしいセリフをずいぶんしゃべらせていただきました。アニメとつながりがあるとは言っても，PCのああいう格好いい世界のゲームで，「下僕」なんて毒舌を吐ける機会ってなかなかないですよね（笑）。

4Gamer：
　ゲームの音声収録だと，画面がない状態で収録することが多いと思いますが，今回はどんな感じだったんですか？

江口さん：
　スクリーンにキャラクターの動きを出してもらって，それを見ながらの収録でした。台本にどんな場面で使われるのかも書いてあったので，すごく演じやすかったです。

三上さん：
　私も，ゲームで画面のある収録は初めてだったんですけど，「こうやって動くんだ」って見ながら演じられたので，すごくやりやすかったですね。

4Gamer：
　ゲームのボイスだと，セリフがメインのアニメとは違って，攻撃時のかけ声なども多かったと思いますが，そのあたりでの苦労はありましたか？

江口さん：
　セリフには，攻撃時や魔法を唱えるときなど，バリエーションがたくさんあったんですけど，「モンスターハンター」をよくプレイしていることもあって，そういった声の表現は心得ていました。ダッシュして斬るとかいったアクションのときは，「こんな感じかな？」って思いながら演じさせてもらいました。

三上さん：
　私も「モンスターハンター」が好きなので，そんな感じでした。あと，アニメだとヒメは攻撃するようなセリフをほとんどしゃべらないので，収録のときはけっこう興奮しました（笑）。

4Gamer：
　アニメでは，同じカプコンの「モンスターハンター フロンティア オンライン」がネタとして使われていましたし，イメチェンサービス^※のオファーがいつ来ても大丈夫そうですね。

※ハンター（プレイヤーキャラクター）のボイスを好きな声優に変更できるサービス。現在19人の声優が起用されている。

江口さん：
　「モンスターハンター フロンティア オンライン」にもぜひ出たいです！　……いや，今日はそっちの話じゃないですよね（笑）。
　実際にどういう形になるかはまだ聞いていないんですけど，「イクシオン サーガ」を紺のボイスでプレイできるようになったら嬉しいので，楽しみにしています。ゲームでは，エレク様がキャラクターとして登場しているそうなので，紺もキャラクターとして登場するといいなあ……。

4Gamer：
　ちなみに，お二人ともプライベートでゲームをよくプレイするんですか？

江口さん：
　ゲームは好きですね。最近では「バイオハザード6」をプレイしました。バイオハザードシリーズは全部プレイしているんですけど，小学生の頃にクリスマスプレゼントでもらった「バイオハザード2」が最初でした。当時，雑誌で見たリッカーがすごく気になって，親にねだって買ってもらったんです（笑）。
　あと，「VS.シリーズ」も好きですね。対戦格闘ゲームはうまくないんですけど，家でもしっかり遊べるように，アーケードスティックも買いました。アーケードスティックでプレイしていると，なんか格好いいじゃないですか（笑）。

三上さん：
　私は，携帯ゲーム機でアドベンチャーゲームとかを遊ぶことが多いですね。アクションゲームはあまり得意ではないんですけど，「モンスターハンター」は遊んでいます。

4Gamer：
　ちなみにお二人は，「モンスターハンター」でどの武器種を使うことが多いんですか？

江口さん：
　100％大剣です！　「モンスターハンターポータブル 2nd G」の頃，大剣で400時間ぐらいプレイしたあとに別の武器も使ってみたんですけど，うまくいかなかったのでそれ以降は大剣しか使っていません（笑）。

三上さん：
　私は，格好良さそうだったから弓で始めたけどダメで，次に双剣も使ってみたんですけど，結局大剣に行き着きました。やっぱり重さのある武器っていいですよね，すごく斬りごたえがあって（笑）。まだ江口さんにはかなわないので，いつかは超えられるようにがんばります。

キャストも台本を見るまで内容を知らなかったという「イクシオン サーガ DT」。紺のDT感は，男性なら誰もが一度は通った道

4Gamer：
　ここからは，アニメ「イクシオン サーガ DT」の話について聞かせてください。このアニメは，イベント「イクシオン サーガ ジャパン・プレミア」で試写が上映されるまでは，あのような内容のアニメになることが隠されていたわけですが，お二人がアニメの内容を聞いたのはいつ頃だったんですか？

江口さん：
　どんな作品なのかというのは，いただいた台本を読んだときに薄々分かってはいたのですが，全体的な話の方向性や世界観など，ガッツリとした内容を知ったのは，最初の収録のときですね。

三上さん：
　私の場合，オーディション台本を見たときは，オーソドックスなファンタジーものだと思っていたんです。ですから，ヒメ役が決まったあといただいた台本に目を通して，収録現場でお話を聞いたら，「まさか！」という展開でした。エレク様がとくに……。

4Gamer：
　第1話から衝撃の展開でしたよね（笑）。
　江口さんは，火風紺というキャラクターを演じてみて，どのような部分が印象的でしたか。

江口さん：
　紺は，DTをこじらせているというのもあるんですが，とにかく主人公らしくない顔をするんですよ。エレク様のタマを粉砕したときなんかは極悪人の顔でしたし，ペットと戦うときも，相手が動物ということを忘れて冷酷無比な顔をしていますから。でも，ところどころでいいヤツになるんです（笑）。それが印象深かったかな。
　アニメはまだまだ続きますが，一つだけ言えることは，その点について，紺は最後までぶれていません。

4Gamer：
　演じるうえで，自分と似ていると感じた部分などはありましたか？

江口さん：
　紺のDT感というのは，なんというか，男性諸氏なら誰もが一度は通った道で……ってなんで笑ってんの！

三上さん：
　いや，なんかあらたまって話しているなーと思って（笑）。

江口さん：
　そりゃあ，あらたまりますよ！　紺の葛藤や憤りは，男子なら大なり小なり，必ずこじらせるものですから。
　でも紺には，捨てるときの怖さもあると思うんです。捨てたいけど捨てたくないという，複雑な思いがあるんじゃないかなと。

三上さん：
　……男性って奥が深いんですね。勉強になります。男性の気持ちは，私には一生分からないですから。


4Gamer：
　三上さんはヒメを演じてみた感想はいかがでしたか？

三上さん：
　ヒメは，内に秘めた思いはあるんですが，基本的には自分の言いたい気持ちをズバズバ言ってしまうキャラクターなので，ある意味，演じていてすごく発散できました。
　でも，意外に寂しがり屋なんじゃないのかな，とも思います。紺くんを下僕と罵ってはいますが，信頼関係があるからこそ罵っているわけで，いざいなくなることを考えたら，寂しいと思う人情深さは持っているんじゃないかなと。

4Gamer：
　ヒメは高貴な身分ということもありますが，普段あまり口にしないようなセリフが多いですよね。

三上さん：
　そうですね。最初の収録のときは，マネージャーさんにも「ああいうセリフ，言ったことないでしょ」ってツッコまれましたし。

江口さん：
「下僕」って，普段はあまり使わないよね（笑）。

三上さん：
　実は，第6回声優アワードの授賞式^※で江口さんにお会いしたとき，「三上さんって，ドSですね」って笑顔で言われたんですよ！
　そのときはまだ「イクシオン サーガ DT」の収録は始まっていなかったんですけど，私はそれがすごく印象に残っていて，「そうなのかな……？」と思いつつヒメを演じていました。

※第6回声優アワードで，江口さんは新人男優賞，三上さんは新人女優賞を受賞している

江口さん：
　でも，Webラジオ「イクシオン サーガ PR」にゲストで出ていただいた回では，三上さんの毒舌が炸裂して，僕はひたすら罵られていましたよ。

三上さん：
　だって，収録のときの江口さんの服装が……。

江口さん：
　そのとき，僕は赤と紺色の水玉の服をたまたま着ていたのですが，それがテントウムシに見えたらしいんです。三上さんがテントウムシ嫌いというのは，Wikipediaに書かれるくらい有名な話なんですよね。「このテントウムシ野郎！」と罵っていただきました（笑）。

4Gamer：
　そんなことがあったんですか（笑）。せっかく話題に出たので，Webラジオの聴きどころについても教えてください。

江口さん：
　毎回出演者の方をゲストに呼んで，「イクシオン サーガ DT」のことについて話したり，「イクシオン サーガ」の情報などをお届けしています。とにかく，ゲストの方の個性が毎回すごくて，回によっては“ド”が付くくらいの下ネタに走ったり，カオスになったりと，非常に面白いです。
　三上さんに出ていただいた回では，ツッコミの不在感がすごかったですね。普段僕は，どちらかというとツッコミ役なんですが，そのときは両者ボケまくりだったので，どこまで行けるか，あえて突っ走ってみました。12月4日/18日に前後編で配信予定なので，そのあたりを楽しみにしていてください。

江口さんが歌う「DT捨テル」の紺バージョンは，高松監督直々に演出。DTのこじらせっぷりに注目

4Gamer：
　アニメの主題歌「DT捨テル」ですが，CDの初回限定版Bでは，江口さんが歌う“紺バージョン”が収録されています。収録の感想を聞かせてください。

江口さん：
　ゴールデンボンバーさんの原曲もすごくエネルギッシュな曲ですし，現場では高松監督に直接演出していただいたので，収録はすごく楽しかったです。僕としては，とにかくDT感丸出しで歌わせていただきました（笑）。

4Gamer：
　公式サイトでも試聴できますよね。個人的には，「あいつがかたくなる」のところに一番力が入っていたように感じました。

江口さん：
　「アルマギアが戦闘状態になる」ですからね（笑）。1コーラス目も“ひどい”ですけど，2コーラス目がさらに輪をかけてDTをこじらせていて，最後には壊れていきますので，ぜひ初回限定版Bを買ってフルで聴いていただきたいです。ヒメのコーラスも綺麗で，一行で歌っているいい感じに仕上がっていると思います。

三上さん：
　ありがとうございます。私も聞きましたが，紺くんの情熱と必死さが耳に残る曲でした（笑）。
　私は，原曲にもコーラスで参加させていただいたんですけど，ゴールデンボンバーさんのエネルギッシュな声に，女である私がどうコーラスを乗せたらいいか試行錯誤しながら収録させていただきました。

4Gamer：
　ところで，コーラスを収録したとき，歌詞にルビはふられていたんですか？

三上さん：
　私達も，歌詞がルビでああいう風に読むというのは，アニメが放送されて初めて知ったんですよ。それを見て，奥が深い歌詞だなあと思いました（笑）。

江口さん：
　バックの映像もルビどおりでしたからね。「右腕と決別さ」（みぎてとさよならさ）のところで，アルマフローラがちゃんと右手を出していたり。

DVD/Blu-rayには，メインキャスト総出演の「ツッコメンタリー」を全話に収録

4Gamer：
　12月5日に発売される「イクシオン サーガ DT」のDVD/Blu-ray第1巻には，初回限定仕様特典で「ツッコメンタリー」^※が収録されますよね。公式サイトで視聴させてもらったのですが，内容もテンションもかなりすごいことになっていそうですね。

※メインキャストと高松監督によるオーディオコメンタリー。第1巻のツッコメンタリーの一部は，公式サイトで視聴可能。

江口さん：
　普通のオーディオコメンタリーだと，見ている人がちゃんと話を聞けるように3人くらいで話すんですけど，今回は，視聴者の方が僕たち10人と一緒に，だらだらとアニメを見ているという感じです。
　ただ「イクシオン サーガ DT」は大勢で見るとより楽しめる作品なので，ツッコメンタリーは，このアニメが本来あるべき姿なんじゃないかとも思います。

三上さん：
　ぜひお菓子を用意していただいて，私たちと一緒に楽しんでください。

江口さん：
　実際の収録も，目の前にあるお菓子を食べてもいいし，トイレに行ってもいいという，とにかくカオスな状態でした。
　高松監督もいるので世界観とかの話も聞けたりするんですが，映像を見ながら全員が自由にしゃべっています。最初は，エピソードごとにピックアップされるキャラクターを演じている方が中心になって話を進めるんですが，最終的にはあまり関係なくなっちゃいますしね（笑）。

4Gamer：
　ということは，編集なしの一発録りですか？

三上さん：
　そうですね。よほどのNGワードがない限り，編集なしだと思います。しかも，それを最終話まで続けると公言しちゃっていますからね。

4Gamer：
　どんな内容になるか想像もつかないですが，Blu-ray/DVDの発売を楽しみにしています。それでは最後に，読者に向けてメッセージをお願いします。

三上さん：
　アニメのほうは，2クールということで1話1話が丁寧に描かれていて，丁寧すぎるがゆえ，ツッコミどころが満載な作品でもあります（笑）。テレビ東京では日曜の深夜という時間帯での放映ですが，月曜日に向けて笑いと元気を届ける作品だと，私自身その時間帯に見ていて感じました。男女問わず面白さが広まって，ヒメとしては大きな国を築いてほしいと思っています。
　ゲームのほうも，オンラインゲームの中でもかなり美しく描かれているゲームですし，アニメと連動した部分がたくさんあります。誰もが「イクシオン サーガ」の世界に入り込んでいる気持ちになれるゲームだと思います。私も近いうちにコントローラを買って本格的に遊ぼうと思っていますので，どこかでお会いしたときにはよろしくお願いします！

江口さん：
　このインタビューが載る頃には，アニメの1クール目もだいぶ過ぎているかと思います。アニメを見ていただいている方はお分かりかと思いますが，このテイストが最後まで続きます。
　とにかく期待を裏切らない展開で，毎週心底笑っていただける作品になるよう，スタッフの皆さんも僕らも努力していますし，そういった作品になっているという自信もあります。
　「イクシオン サーガ DT」の世界はすごく不思議で，何度見ても同じ瞬間に笑ってしまうくらい面白いんですよね。見ている方の斜め上を行く発想には，僕らも驚きながら楽しませてもらっています。
　そして，アニメに出演したことをきっかけにゲームにも出演させていただけたのは，本当に嬉しかったです。僕もゲームを遊びつつ，紺の追加ボイスや今後も何かしらの続きがあることを個人的に期待しています。
　もしかしたら，あなたと一緒に遊んでいるのが僕かもしれません。そのときはぜひよろしくお願いします。

4Gamer：
　アニメ・ゲームともに今後の展開に期待しています。本日はありがとうございました。


　記事の冒頭でも書いたが，ゲームの「イクシオン サーガ」では，江口さんと三上さん，そして神谷浩史さん演じるエレクと福山 潤さん演じるマリアンデールのボイスは，期間限定イベントで11月29日まで体験できたため，ゲーム内で確認したという読者も多いだろう。今後の予定は明らかにされていないが，“先行”と謳っているだけに，今後何らかの形で入手できる可能性はあるはずだ。ゲームで体験しそびれてしまったという人は，今後の情報公開を期待して待とう。

　またアニメ「イクシオン サーガDT」は，テレビ東京系およびAT-Xで放映中のほか，「ニコニコ動画」や「あにてれしあたー」で有料配信されている。また，AT-Xでは12月31日の13:00〜19：00に第1話から第12話まで一挙に放映予定なので，まだアニメを見ていないという人は，ぜひこの機会を活用してほしい。

　なお，今回は読者プレゼントとして「イクシオンサーガ DT」第1巻（Blu-ray Disc）を提供してもらった。もちろん，「イクシオン サーガ」で使える，紺の武器をモチーフにしたハンマー（ブレイド）と防具のDTシャツ，「モンスターハンター フロンティア オンライン」で使用可能な紺の武器をモチーフにしたハンマーのシリアルコードが封入されている初回限定仕様である。今週土曜（12月15日）にWeekly 4Gamer内「今週のプレゼント」コーナーで掲載予定なので，お楽しみに。

「イクシオン サーガ」公式サイト

TVアニメ『イクシオン サーガ DT』公式スペシャルサイト