インタビュー
「学園モノならコレ!」と言われるオンラインRPGを目指す。「魔導学院エスペランサ」の運営・開発プロデューサーにインタビュー
今回,東京ゲームショウ開催中に短い時間ではあるが,本タイトルがどのようなゲームであるのかを,崑崙日本 GAME事業部 運営課 運営チーム プロデューサー 駒形重紀氏と,東京ゲームショウを訪れていた,開発元のLagerNetwork Technologies プロデューサー 陳 恒帆氏に聞く機会を得たので,お伝えしよう。
戦闘にメリハリをつける「カルマカード」システムとは?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,魔導学院エスペランサがどういったゲームなのか,教えてもらえますか?
中世ヨーロッパ風の世界観を持った,ファンタジーMMORPGです。本作の世界には魔法を学ぶ「魔導学院」があり,プレイヤーはその生徒という設定で,クラスメイトであるほかのプレイヤーと一緒に切磋琢磨していきます。
魔導学院は全部で5つあり,学校対抗の要素もありますが,競うというよりは,お互いに高めあっていくようなイメージです。
4Gamer:
ゲームシステム的には,割とオーソドックスなタイプのMMORPGに見えるのですが,特徴となる要素はどこになるのでしょうか。
まずは,自動で敵と戦闘して経験値を稼いでくれる「補習特訓」システムですね。本作がサービス中の中国や香港では,MMORPGにオートバトルシステムは実装されていて当たり前,という状態なので,これは自然に導入が決定しました。
陳 恒帆氏(以下,陳氏):
回復アイテムやスキルの使用タイミング,さらにBuffスキルの使用を秒単位で指定できるなど,かなり細かい設定が可能です。
4Gamer:
細かい設定ができるとはいえ,日本でも,オートバトルを組み込んでいるゲームは増えてきていますよね。そのため,特徴というには若干インパクトが弱い気はするのですが……。
陳氏:
はい,それは我々も承知しております。そこで,単調なゲームにならないよう,操作にメリハリを付けられるシステムとして考案したものに,「カルマカード」というものがあります。
駒形氏:
カルマカードは,いわゆる必殺技を放つためのシステムです。ゲーム内で入手できるさまざまなカルマカードには,4つの色に分かれた属性が表示されています。例えば,あるカードには“赤”“赤”“黄”と表示されており,その順番で対応する属性のスキルを使用していくと,エネルギーがチャージされて,そのカードが持つ強力な「カルマスキル」を発動できます。
4Gamer:
適当にスキルを連打するのではなく,持っているカードに合わせて,どのスキルを使うか考えながら戦うことになるわけですか。
駒形氏:
そのとおりです。さらにカルマカードは,カードゲームのようにデッキを組めるので,プレイヤーごとのスタイルが打ち出せます。火属性に特化したデッキを組んで,火属性のスキルを連発したり,あるいは全体的にバランスよく揃えて,状況に合わせてデッキを組み替えることも可能です。
4Gamer:
特化とバランスのどちらを取るか,といった場合,よくバランス型は器用貧乏でイマイチ……という状況に陥りがちですが,本作の場合はいかがでしょう?
駒形氏:
バランス型にも,有効なシーンがきちんとあります。例えば,火属性で固めればカルマスキルは発動しやすいですが,火属性に強い敵が出てくると,デッキを変える必要がでてくるはずですよ。
4Gamer:
なるほど。カードのデザインはどういったものがあるのでしょうか。発表時に公開された資料では12星座をモチーフにしたものが掲載されていましたが。
天使セットや堕天使セットなど,魔法を連想させるようなものをモチーフとしたセットが登場します。
12星座のカードは最初に入手できるセットですね。抵抗なくシステムに慣れていただくため,最初は属性のイメージが沸きやすいものをモチーフにしてみました。
駒形氏:
また確定ではないのですが,日本オリジナルのカードセットも企画・検討しています。
4Gamer:
カードが増えれば,そのぶんデッキを組んで戦術を考えるのもより楽しくなりそうですね。
陳氏:
日本では,台湾や香港よりも,戦略や戦術を重視した遊び方が好まれると捉えています。カルマカードシステムによる戦闘の奥深さを体験していただきけると嬉しいですね。
制服,旧スク,スパッツ,ブルマ……
尖ったアバターで学園モノを強くアピール
4Gamer:
それでは,これからの展開について教えてください。
駒形氏:
崑崙日本では,これまでブラウザゲームばかりを扱ってきたのですが,魔導学院エスペランサは初のクライアント型のタイトルになります。本作では,今まで以上に日本市場にアピールしていきたいと思っています。
4Gamer:
本作のどういった点が,日本のゲーマーにアピールするポイントになりますか?
まずは,プレイヤー同士が争うのではなく,協力して楽しめる内容にしていく方針だということです。日本では,対戦よりも仲間との協力を好む人が多いと感じており,協力プレイを重点的に強化していきます。
陳氏:
他国とは異なる日本市場向けのローカライズ,チューニングも行っていくので,ご期待ください。台湾版に入っているシステムを順次実装しつつ,それと並行して,新たなシステムや日本独自の要素を導入していく予定です。
駒形氏:
それともう1つ,学園という舞台に合わせたアバターアイテムにも力を入れていきます。例えば,制服だけでなく,部活用のジャージやユニフォームにもこだわりたいです。スクール水着なら旧タイプと競泳用を実装,体操着ならスパッツとブルマの両方を用意するなど,いろいろバリエーションを揃えたいですね。
4Gamer:
とんでもなくマニアックな部分を攻めてきますね(笑)。
駒形氏:
逆にいうと,そのぐらい尖らせなければ,今の市場では学園系タイトルとして注目されないはずです。アバターは「学園系オンラインゲーム随一の品揃え」と言われるぐらいの内容を目指す意気込みでいます。
4Gamer:
開発チームに了解は得ているんですか? 開発チームのいる台湾では,制服に対する認識が日本とは異なるのではないかと思うんです。日本の制服文化,特に学生が着る制服に対する思い入れは,ある意味,特殊ですから。
そこは熱い思いを伝えたので,大丈夫です。陳さんも,日本の女子高生は可愛いと言っていました(笑)。逆に,日本の制服アバターを台湾や香港で実装することにもなるかもしれません。
ほかにも,タイアップ企画が進行しています。まだ詳細は発表できないのですが,タイアップしてアバターアイテムを実装する予定です。
4Gamer:
学園モノだけでなく,とにかくアバターには力を入れていくわけですね。
そろそろお時間が迫ってきましたので,最後に4Gamer読者に向けて,メッセージをお願いします。
駒形氏:
崑崙日本という会社,そしてコラムゲームというゲームポータルは,まだまだ日本に浸透していない存在です。しかし,今,社内には日本のオンラインゲーム業界で5年以上経験を積んだ人材が揃っています。私自身,これまで10タイトル以上のオンラインRPGの運営に携わってきましたので,魔導学院エスペランサの運営にも自信を持っています。そういったベテラン達が運営するタイトルですから,ぜひ安心して遊んでください。
陳氏:
今回,日本で魔導学院エスペランサを展開する機会をいただきました。ぜひ多くの皆さんに,台湾のゲームの魅力に触れていただきたいです。もし,プレイしてみて要望などがあれば,ぜひお伝えください。それを汲み取ってゲームに反映することが,我々開発チームの仕事ですから。
4Gamer:
ありがとうございました。
駒形氏は魔導学院エスペランサの展開について,台湾版を単純に日本語化しただけの内容に留まらない,日本で親しまれる学園系オンラインRPGにしていきたいと強い意気込みを見せていたのが印象的だった。中でも制服などのアバターアイテムには本当に力を入れていきたいとのことなので,学園モノ好きはチェックしておくといいかもしれない。
ちなみに,本作のクローズドβテストは2011年11月中旬が予定されている。崑崙日本初のクライアント型タイトルがどのようなものになるのか,続報を待ちたい。
「魔導学院エスペランサ」公式サイト
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魔導学院エスペランサ
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