プレイレポート
Wii「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」とはどのようなオンラインRPGなのか。ベータテストのプレイレポートを掲載
一般のユーザーからテスター希望者を募集し,抽選で当選した人が参加できるクローズドスタイルで行われているこのベータテストだが,このたびその内容についての取材が解禁となった。そこで今回,このドラゴンクエストシリーズ最新作が,一体どのようなオンラインゲームとなっているのか,実際に遊んでみて分かったプレイフィールの紹介を交えてお伝えしていこう。なお今回プレイした内容は,あくまでベータテストバージョンなので,製品版とは仕様が異なる可能性があることをご了承いただきたい。
「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」公式サイト
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16GBのUSBメモリーにゲームをインストール
アップデートにも対応した快適なプレイ環境が実現
当選者には,スクウェア・エニックスからWii用のディスクが送付されるのだが,これはあくまでスタートアップディスクであり,これとは別にデータをインストールするための16GB以上のUSBメモリーが必要となる。なおテスター希望者は,Wiiでの動作が保証されたUSBメモリーが同梱されたキットを選ぶこともできた。
ゲーム開始時は,まずディスクを起動して,接続したUSBメモリーにゲームの内容をインストールし,さらにインターネットから最新のファイルをダウンロードして更新する必要がある。製品版をプレイするのに,このような手順が必要になるのかどうかはまだわからないが,Wiiソフトとしては初めての試みなのではないだろうか。それなりに時間がかかるのがやきもきさせられるが,ソフトのアップデートにも対応できるし,ディスクを入れ替える必要などもないので,その後のゲームプレイに煩わしさを感じることもなかった。
1アカウントにつき3キャラクターまで作成可能
今回は種族を5種類から選べ,ルックスも男女それぞれ,大きさ(身長)/肌の色/髪型/髪の色/輪郭/顔/目の色の7か所を自由に変更可能だ。それぞれ数種類のパターンが用意されていて,スライダーなどで無段階調整できるような要素がないとはいえ,今後の長丁場を戦っていく自分の分身を作るとなると,やはりいろいろと考えてしまうのであった。
このベータテスト版では,全員が同じ場所からのスタートとなるが,本編は種族によってプロローグや旅立ちの地も変わるとのことなので,製品版をプレイしようと考えている人は,今から事前情報をもとにじっくり考えておくのがいいかもしれない。ちなみに今回,筆者は何度かの作り直しをしつつ,ウェディの武闘家とドワーフの盗賊(いずれも♂)を作ってみたが,ゲームプレイ初期の段階では,種族と職業のバランスで違和感などを感じることはなかった。ちなみに本作では,1アカウントにつき3キャラクターまで作成可能だ。
キャラクター完成後,プレイヤーはいよいよ新しいドラゴンクエストの世界“アストルティア”へと降り立つ。このベータテスト版の序盤にストーリー展開はなく,参加者全員がオーガの故郷であるオーグリード大陸のランガーオ村からのスタートとなっている。
毎度ワクワクさせられる“堀井節”の利いたオープニングからゲームに入ることができないのは少々残念でもあるが,それでも,すぎやまこういち先生の最新楽曲をBGMに,大勢のプレイヤーとともに冒険できるという,26年続いたシリーズにして初めての光景をいち早く見ることができたのは,実に感慨深い。
旅人同士の一期一会の気遣いが心地いい
村で簡単な旅立ちの準備を整えたら,いよいよフィールドへと足を踏み出す。当然,オンラインの仲間とともに旅立つ選択肢もあるのだが,まず最初は好奇心を優先し,おっかなびっくり1人で旅に出てみることにした。
仲間に頼ることもなく攻撃から回復まで,何事も自給自足でやりくりしなくてはならない感覚は,初代「ドラゴンクエスト」を思い起こさせてくれる。スライムを初めとする序盤に出会うモンスターも,これまでより若干強めに設定されているようで,少なくともこのベータテストの段階では,サクサク敵を倒して次の拠点へと行くという感触ではなかった。
そんな序盤の一人旅を続ける中で本当に嬉しかったのが,戦いで疲弊したキャラクターを,通りすがりのプレイヤーがアイテムや呪文で助けてくれたことだ。本作はパーティを組んでいなくとも,道すがら出会ったプレイヤーにアイテムをや呪文を使ったり,戦闘中の相手に“おうえん”コマンドを使ってテンションを上げたりできるのだ。
後に経験する,仲間プレイヤーとのロールプレイしながらの旅はもちろん楽しいのだが,こういった一期一会の助け合いは,本作で初めてオンラインゲームに触れるプレイヤーが,オンラインゲームの魅力を最初に知るきっかけとなるのではないだろうか。
初心者の自分が体験した助け合いのありがたみは,同様の立場なら同じようにありがたいはず。そんな考えを頭の片隅に置きつつ,パーティを組まずに1人気ままに旅しているときは,親切の押し売りにならない程度の適度な助け合いを心がけるようになった次第である。
リアルタイム要素のある,コマンド式のバトルシステム
本作の戦闘は,前作のドラゴンクエストIXと同様にシンボルエンカウント制で,敵のモンスターはフィールドにそのままの姿で出現し,接触すると戦闘となる。シンボルが単体でも,戦闘になるとモンスターの数や種類が複数になることもあるが,別のシンボルが戦闘中に接触してモンスターが増えるというようなことはなかった。
コマンド入力式というシリーズの基本部分に変わりはないが,コマンドの受付には多少のリアルタイム要素が導入されている。感触としては「ファイナルファンタジー」シリーズのアクティブタイムバトルのDQ版……というのがしっくりくるかもしれない。コマンドを選ぶのが遅ければ敵は先に行動してくるので,たとえば逃げるためにフィールドの端まで移動したりしていると,確実に攻撃を受けてしまう。このあたりがこれまでのターン制の戦闘とはひと味違うところだろう。
また1人で戦っているときは,敵との位置関係はあまり関係なく,自身と敵が離れていても互いの攻撃はヒットするが,複数のプレイヤーでパーティを組んでいるときは,その位置どり自体も重要な戦略となる。敵の傾向にもよるようだが,通常攻撃を行うときは対象の近くまで接近してから攻撃するため,HPが低いキャラクターは,敵から離れるのが定石となる。一方こちらが攻撃するときに敵から離れていた場合,コマンドを入れると対象が武器の攻撃範囲内に位置する場所まで接近してから攻撃するという傾向もある。
こういった戦闘時の戦略も含め,1人でいるときとパーティを組んでいるときでは,プレイヤー同士のコミュニケーション以外にも考慮すべき要素が増えるという,ドラゴンクエストX独自のバランス設定といっていいだろう。
まず先に“なかまにさそう”のが,パーティを組む第一歩!?
MMORPGでは常識の範疇ではあるが,ドラゴンクエストという世界観とゲームシステムの上で,それをやっているというのが何より重要であり,「ああ,ついにドラクエもここまで来たか」というなんとも言えない気持ちが,最初のパーティプレイを終えたあと,筆者の心にひしひしと湧いてきたのであった。
なおキーボードは,市販のUSBキーボードが使用可能だ。よく使うセリフのショートカットやソフトキーボードなどもあるにはあるが,快適に会話をしたいのならキーボードは用意しておいたほうがいいだろう。ちなみに,筆者はロジクールのワイヤレスキーボードを使用していたが,何も問題なくプレイができている。また,製品版の発売の頃に,キーボードとコントローラーを融合させた動作保証の確実な周辺機器の発売に期待するのもいいかもしれない。
現在もベータテスターは募集中!
今回のベータテストのバージョンは,フェーズごとに少しずつアップデートされ,現在はフェーズ2.0として実施中だ。2月の開始当初は平日の昼に3時間程度行われるだけだったが,現在はサーバーも増強されたようで,休前日や休日も含めた深夜までのスケジュールで行われている。
ベータテスターは現在も公式サイトにて募集中で,一度応募しておけば今後のテスター増員のたびに抽選の権利が発生するとのことなので,ネット環境を用意できるWiiユーザーで,特にドラゴンクエストシリーズのファンはぜひ応募して,その新しさを体験する機会をつくってみるといいだろう。
筆者もこのベータテスト版をもうしばらく遊んでみて,可能な限りこのドラゴンクエストXの世界について見聞を広めてみようと思っている。ウェディの“ガライ”,またはドワーフの“ラゴス”をどこかで見かけたら,ぜひ旅にお誘いいただければと思う。
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