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ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン公式サイトへ
  • スクウェア・エニックス
  • 発売日:2012/08/02
  • 価格:通常版:3800円(税抜),Wii USBメモリー同梱版:8980円(税込)/ オンラインサービスは月額課金制
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Wii「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」とはどのようなオンラインRPGなのか。ベータテストのプレイレポートを掲載
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印刷2012/04/28 13:41

プレイレポート

Wii「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」とはどのようなオンラインRPGなのか。ベータテストのプレイレポートを掲載

 シリーズ初のオンラインゲームとしてのリリースが決定している,スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」Wii / Wii U)。現在開発中である本作の,Wii版のオンラインベータテストが,2月23日より実施されている。

「ドラゴンクエストX」ベータテスト版のタイトル画面。残念ながらここで「序曲」は流れない。製品版までお楽しみということだ
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 一般のユーザーからテスター希望者を募集し,抽選で当選した人が参加できるクローズドスタイルで行われているこのベータテストだが,このたびその内容についての取材が解禁となった。そこで今回,このドラゴンクエストシリーズ最新作が,一体どのようなオンラインゲームとなっているのか,実際に遊んでみて分かったプレイフィールの紹介を交えてお伝えしていこう。なお今回プレイした内容は,あくまでベータテストバージョンなので,製品版とは仕様が異なる可能性があることをご了承いただきたい。

「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」公式サイト

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16GBのUSBメモリーにゲームをインストール

アップデートにも対応した快適なプレイ環境が実現


ベータテストへの応募には,スクウェア・エニックスアカウントの取得が必要となる。ログインはそのIDとパスワードで行う
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 オンラインゲームのベータテストといえど,天下のドラゴンクエストシリーズの,しかも正規ナンバリングタイトルを事前にプレイできるとあって,最初期の応募はかなり競争率が高かったようだ。筆者の周りでも何名か応募したという人の話を聞いたが,「外れた」という結果ばかりで,誰も当選している様子はなかった。
 当選者には,スクウェア・エニックスからWii用のディスクが送付されるのだが,これはあくまでスタートアップディスクであり,これとは別にデータをインストールするための16GB以上のUSBメモリーが必要となる。なおテスター希望者は,Wiiでの動作が保証されたUSBメモリーが同梱されたキットを選ぶこともできた。
 ゲーム開始時は,まずディスクを起動して,接続したUSBメモリーにゲームの内容をインストールし,さらにインターネットから最新のファイルをダウンロードして更新する必要がある。製品版をプレイするのに,このような手順が必要になるのかどうかはまだわからないが,Wiiソフトとしては初めての試みなのではないだろうか。それなりに時間がかかるのがやきもきさせられるが,ソフトのアップデートにも対応できるし,ディスクを入れ替える必要などもないので,その後のゲームプレイに煩わしさを感じることもなかった。


1アカウントにつき3キャラクターまで作成可能


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 さてここからは,待望のゲーム本編のスタートである。まずは当然のごとくプレイヤーキャラクターを作成することになるのだが,筆者はここで前作「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」以上に悩まされることとなった。
 今回は種族を5種類から選べ,ルックスも男女それぞれ,大きさ(身長)/肌の色/髪型/髪の色/輪郭/顔/目の色の7か所を自由に変更可能だ。それぞれ数種類のパターンが用意されていて,スライダーなどで無段階調整できるような要素がないとはいえ,今後の長丁場を戦っていく自分の分身を作るとなると,やはりいろいろと考えてしまうのであった。
 このベータテスト版では,全員が同じ場所からのスタートとなるが,本編は種族によってプロローグや旅立ちの地も変わるとのことなので,製品版をプレイしようと考えている人は,今から事前情報をもとにじっくり考えておくのがいいかもしれない。ちなみに今回,筆者は何度かの作り直しをしつつ,ウェディの武闘家とドワーフの盗賊(いずれも♂)を作ってみたが,ゲームプレイ初期の段階では,種族と職業のバランスで違和感などを感じることはなかった。ちなみに本作では,1アカウントにつき3キャラクターまで作成可能だ。

これからしばらくつきあうことになるキャラクターなので,よく考えて作りたい。製品版でどんな序盤を体験できるのかも楽しみなところだ
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 キャラクター完成後,プレイヤーはいよいよ新しいドラゴンクエストの世界“アストルティア”へと降り立つ。このベータテスト版の序盤にストーリー展開はなく,参加者全員がオーガの故郷であるオーグリード大陸のランガーオ村からのスタートとなっている。
 毎度ワクワクさせられる“堀井節”の利いたオープニングからゲームに入ることができないのは少々残念でもあるが,それでも,すぎやまこういち先生の最新楽曲をBGMに,大勢のプレイヤーとともに冒険できるという,26年続いたシリーズにして初めての光景をいち早く見ることができたのは,実に感慨深い。


旅人同士の一期一会の気遣いが心地いい


 村で簡単な旅立ちの準備を整えたら,いよいよフィールドへと足を踏み出す。当然,オンラインの仲間とともに旅立つ選択肢もあるのだが,まず最初は好奇心を優先し,おっかなびっくり1人で旅に出てみることにした。
 仲間に頼ることもなく攻撃から回復まで,何事も自給自足でやりくりしなくてはならない感覚は,初代「ドラゴンクエスト」を思い起こさせてくれる。スライムを初めとする序盤に出会うモンスターも,これまでより若干強めに設定されているようで,少なくともこのベータテストの段階では,サクサク敵を倒して次の拠点へと行くという感触ではなかった。

村ではまず何より,教会でルーラストーンをもらおう。これは1つにつき1カ所,拠点の教会を登録でき,MPなどを消費せずにその場所へ一瞬で戻ってこられる,旅の必需品だ
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もう一つ,オーガのセダからもらえる写真機。これを道具として使うと道中や戦闘時の写真を撮影でき,撮った写真は公式サイトのマイページの「思い出アルバム」にアップロードされる
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ランガーオ村で売っている武器や防具はそれほど強いものではないが,先に進むためにはぜひとも装備しておきたい。なお武器防具は一度装備すると,他のキャラクターが装備することはできなくなる
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 筆者が最初に選んだのが武闘家ということもあり,序盤の自身のHP回復がアイテム頼みというのがなかなかに厳しく,手持ちの薬草が切れては,ルーラストーンでランガーオ村に帰るという行動を繰り返していた。
 そんな序盤の一人旅を続ける中で本当に嬉しかったのが,戦いで疲弊したキャラクターを,通りすがりのプレイヤーがアイテムや呪文で助けてくれたことだ。本作はパーティを組んでいなくとも,道すがら出会ったプレイヤーにアイテムをや呪文を使ったり,戦闘中の相手に“おうえん”コマンドを使ってテンションを上げたりできるのだ。
 後に経験する,仲間プレイヤーとのロールプレイしながらの旅はもちろん楽しいのだが,こういった一期一会の助け合いは,本作で初めてオンラインゲームに触れるプレイヤーが,オンラインゲームの魅力を最初に知るきっかけとなるのではないだろうか。
 初心者の自分が体験した助け合いのありがたみは,同様の立場なら同じようにありがたいはず。そんな考えを頭の片隅に置きつつ,パーティを組まずに1人気ままに旅しているときは,親切の押し売りにならない程度の適度な助け合いを心がけるようになった次第である。

フィールドでは,自分以外にもいたるところでプレイヤーたちが戦っている。パーティを組んでいない場合は,呪文や“おうえん”などで間接的に干渉することはできる
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リアルタイム要素のある,コマンド式のバトルシステム


 本作の戦闘は,前作のドラゴンクエストIXと同様にシンボルエンカウント制で,敵のモンスターはフィールドにそのままの姿で出現し,接触すると戦闘となる。シンボルが単体でも,戦闘になるとモンスターの数や種類が複数になることもあるが,別のシンボルが戦闘中に接触してモンスターが増えるというようなことはなかった。

ドラゴンクエストXの世界ではゲーム内時間が流れており,昼と夜が存在する。昼夜で登場する敵が異なったり,敵が寝ていたりすることもある
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 コマンド入力式というシリーズの基本部分に変わりはないが,コマンドの受付には多少のリアルタイム要素が導入されている。感触としては「ファイナルファンタジー」シリーズのアクティブタイムバトルのDQ版……というのがしっくりくるかもしれない。コマンドを選ぶのが遅ければ敵は先に行動してくるので,たとえば逃げるためにフィールドの端まで移動したりしていると,確実に攻撃を受けてしまう。このあたりがこれまでのターン制の戦闘とはひと味違うところだろう。

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敵から少し離れた場所にある境界線を越えれば,バトルから離脱できる。ただし1人の場合敵は画面から見えなくなっても攻撃は当たるので要注意
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パーティを組んで移動しているときは,誰かが敵のシンボルと接触すると戦闘となる。ただし接触した仲間が離れているときは戦闘にはならず,戦闘中の仲間に近づくと戦列に加わる仕組みだ
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パーティでの戦闘ではシンボル接触時に多くの敵が出現するが,実入りも大きい。もちろん旅も大幅に楽になるだろう
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チャットは周囲全体・パーティの仲間・フレンドとそれぞれ対象相手を切り替えられる。緑色のフキダシは,パーティのみに表示されるものだ

 また1人で戦っているときは,敵との位置関係はあまり関係なく,自身と敵が離れていても互いの攻撃はヒットするが,複数のプレイヤーでパーティを組んでいるときは,その位置どり自体も重要な戦略となる。敵の傾向にもよるようだが,通常攻撃を行うときは対象の近くまで接近してから攻撃するため,HPが低いキャラクターは,敵から離れるのが定石となる。一方こちらが攻撃するときに敵から離れていた場合,コマンドを入れると対象が武器の攻撃範囲内に位置する場所まで接近してから攻撃するという傾向もある。
 こういった戦闘時の戦略も含め,1人でいるときとパーティを組んでいるときでは,プレイヤー同士のコミュニケーション以外にも考慮すべき要素が増えるという,ドラゴンクエストX独自のバランス設定といっていいだろう。

フィールドで光っている場所を調べると,アイテムが見つかる。敵が落とした宝箱と同様に,プレイヤー全員が取ることができる
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まず先に“なかまにさそう”のが,パーティを組む第一歩!?


ゲーム中の画面にドラキーの“お知らせナビ”が表示されることも。仲間に誘われたときや,運営側からの重要なお知らせなどが表示される
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 プレイヤー同士のコミュニケーションの手段は,チャットなども用意されているが,現在のベータテストの様子では,同じぐらいのレベルのプレイヤーを見つけて,直接“なかまにさそう”でパーティに誘ってみるのが一番手っ取り早いようにも思えた。特にテスト中の現在は,ストーリーを進めるのではなく,敵と戦って成長を楽しむことに重みが置かれているので,仲間と一緒のほうが何かと有利なのは間違いない。筆者も実際に誘われて3〜4人の仲間と旅に出てみたが,1人のときと比べて成長効率が段違いで,パーティ内でそれぞれの役割をこなす楽しさもここで初めて体験することができた。
 MMORPGでは常識の範疇ではあるが,ドラゴンクエストという世界観とゲームシステムの上で,それをやっているというのが何より重要であり,「ああ,ついにドラクエもここまで来たか」というなんとも言えない気持ちが,最初のパーティプレイを終えたあと,筆者の心にひしひしと湧いてきたのであった。

特定の場所まで進むと,イベントが発生する場面もある。こういうシーンを見るとやはりドラゴンクエストシリーズなんだなと,ちょっと安心してしまった
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プレイ中非常に便利だったのがこのオートラン。特定のボタンを押すことで自動的に前進し,左右のコントロールだけで移動ができる。移動中のチャットやウィンドウを開くときなどに有効だ
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 なお操作感覚については,「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」で体験した,3Dフィールドを自由に歩き回れるスタイルで,Wiiリモコン+ヌンチャク,もしくはクラシックコントローラーを使ってプレイが可能だ。ロートルの筆者にはやはり後者がしっくりくるのだが,ヌンチャクやWiiリモコンを振ってジャンプをしたり,視点のセンタリングを行うのが楽な人もいるかもしれない。ゲーム中はポインタを画面に向ける操作はないので,ヒザの上にチャット用のキーボードを置きながらプレイするのも楽である。
 なおキーボードは,市販のUSBキーボードが使用可能だ。よく使うセリフのショートカットやソフトキーボードなどもあるにはあるが,快適に会話をしたいのならキーボードは用意しておいたほうがいいだろう。ちなみに,筆者はロジクールのワイヤレスキーボードを使用していたが,何も問題なくプレイができている。また,製品版の発売の頃に,キーボードとコントローラーを融合させた動作保証の確実な周辺機器の発売に期待するのもいいかもしれない。


現在もベータテスターは募集中!


 今回のベータテストのバージョンは,フェーズごとに少しずつアップデートされ,現在はフェーズ2.0として実施中だ。2月の開始当初は平日の昼に3時間程度行われるだけだったが,現在はサーバーも増強されたようで,休前日や休日も含めた深夜までのスケジュールで行われている。

このベータテスト版では,鍛冶職人を体験することもできる。旅をそっちのけでずっとハンマーを打ち続けているプレイヤーの姿も!? 完成した武器は,バザーに出品することもできる
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大陸間鉄道を使えば,大陸を一気に移動可能だ。見知らぬ地へと移動するのはやはりワクワクする
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 テスト開始からすでに2か月が経過し,プレイヤーキャラクター間のレベル差もやや開きつつあるが,参加者も増え,親切なプレイヤーも多いのでこれからやろうと思っている人も心配することはない。テストバージョンとはいえ,一部ストーリーに絡むクエストなども存在し,職人となって武器防具を作ったり,住宅を購入できたり,鉄道を使って別の大陸へと移動できたりと,これまで公開された一連の情報にあった各種要素も体験できるので,本作の雰囲気を味わうのには最適だ。
 ベータテスターは現在も公式サイトにて募集中で,一度応募しておけば今後のテスター増員のたびに抽選の権利が発生するとのことなので,ネット環境を用意できるWiiユーザーで,特にドラゴンクエストシリーズのファンはぜひ応募して,その新しさを体験する機会をつくってみるといいだろう。

 筆者もこのベータテスト版をもうしばらく遊んでみて,可能な限りこのドラゴンクエストXの世界について見聞を広めてみようと思っている。ウェディの“ガライ”,またはドワーフの“ラゴス”をどこかで見かけたら,ぜひ旅にお誘いいただければと思う。

敵キャラクターの攻撃もゲームが進むにつれ多彩になってくる。彼らの動きを見るのも楽しみの一つとなるだろう。周囲の敵は調べることもできる
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