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[G-Star 2011]「リネージュ」から250年後のアデン大陸で展開される,爽快感溢れるハック&スラッシュ。質疑応答で見えてきた「Lineage Eternal」の姿とは
同イベントのプレゼンテーションレポートでお伝えしたように,LEはリネージュシリーズの世界観を継承したハック&スラッシュタイプのオンラインRPGで,正式リリース時期は未定。G-Star 2011でも映像出展のみという,まだまだ開発段階のタイトルなのだが,プレゼン後に行われた質疑応答において,細かな設定や仕様がいくつか明らかにされた。
本稿では,韓国メディア/日本メディアそれぞれに対して行われた質疑応答の中から,興味深いやりとりをいくつかピックアップして,LEに関するさらなる情報をお届けしよう。
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Q:
このタイミングで「リネージュ」IPの新タイトルを発表した意図は?
A:
「リネージュ」シリーズは今でもプレイヤーに愛されているが,MMORPGとしては古い作品になってしまいました。そんなリネージュシリーズを,現在のニーズに応える形で作ったのがLEです。
Q:
LEの時代設定は,シリーズ作品の中でどのあたりに位置するのでしょうか。
A:
リネージュ2,リネージュ,LEの順に新しい時代を描いています。具体的には,一番古い時代を描いたリネージュ2の150年後にリネージュがあり,LEは,リネージュの250年後の世界を描いた作品になります。リネージュシリーズの最新作ということで,過去シリーズでお馴染みのキャラクターなども,当然登場します。
Q:
開発の進捗は?
A:
今回披露したデモムービーは,あくまで戦闘システムにフォーカスしたもの。いずれはリネージュらしい,大規模PvPや攻城戦などを盛り込みますが,まだまだプロトタイプの開発段階です。開発の進捗をパーセントで表せる状態ではありません。
Q:
「Lineage Forever」というタイトルも噂されていましたが,なぜ「Lineage Eternal」というタイトルになったのでしょうか? また,ジャンルはMMORPGとのことですが,MOタイプのオンラインRPGのように見えます。実際のところはどうなんでしょう。
A:
リネージュのIPを使ったプロジェクトは,NCsoft社内でいくつか動いていました。「Lineage Eternal」は,社内でも初期段階に生まれた企画で,“Forever”は別のプロジェクトになります。
LEのジャンルはあくまでMMORPGです。今回紹介したデモムービーは,クラスやスキルをアピールするために,あえてMOっぽい構成にしました。でも開発側が想定しているのはMMORPGで,インスタンスの比重はそれなりに高いですが,数十人〜数百人が同時にプレイできる作品になる予定です。
Q:
開発期間および開発スタッフの規模を教えてください。
A:
開発期間は約3年です。NCsoft作品でいうと,「The Tower of AION」以降,MMORPGプレイヤーの年齢層が幅広くなっています。LEは,それらを取り込むためのタイトルといえます。開発メンバーは約80人です。
Q:
正式サービス時に実装予定のクラス数を教えてください。
A:
今回のデモムービーに登場したウォーリアー系,ソーサラー系,アーチャー系のほか,2〜3のクラスを追加する予定です。
Q:
LEのここに期待してほしい,という要素があれば教えてください。
A:
「新しい戦闘の経験」が味わえるところです。現時点で具体的に話せることは少ないですが,地形や特殊なオブジェクトなど,“環境”を利用した戦闘に注目してください。
Q:
家庭用ゲーム機などに移植する計画はありますか?
A:
今のところ計画はありません。先ほども言ったように,今は戦闘システムを中心としたプロトタイプを開発している段階であり,各種基本システムを検証しているところです。
リリース時期は未定ですが,来年の下半期に社内テストを行うのが目標です。
Q:
破壊できるオブジェクトや,画面内に同時に表示されるキャラクター数が多いようですが,LEをプレイするにはハイスペックなPCが必要ですか?
A:
ハイスペックなPCは想定していません。ローンチ時には多くの人がプレイできるよう,推奨スペックを低めに調整する予定です。
Q:
クォータービューを採用した理由と,「こういった遊び方をしてほしい」という希望があったら教えてください。
A:
スクリーンショットだけだとクォータービューの作品に見えますが,開発側では「スマートビュー」と呼んでいます。視点は固定ではなく,たとえば肩越しの視点でプレイできたり,NPCやマイキャラクターをクローズアップしたり,特定のスキルでカメラが動いたりします。ちなみにエンジンは自社開発です。
Q:
ダッシュしたり敵を吹っ飛ばしたりと,派手な演出が目立ちましたが,演出面での工夫はありますか? また,タイトルのウリの一つにもなっている“大規模戦闘”は,どれくらいの規模にする予定なんでしょうか。
A:
演出過剰になるとプレイの邪魔になるので,うるさくなりすぎないよう気を付けています。大規模戦闘は,攻城戦やPvPコンテンツを検討しており,開発側の目標としては,エリア内に500くらいのキャラクターを登場させたいところです。
Q:
PKは可能ですか?
A:
リネージュ,リネージュ2ではほとんどの空間でPvPが可能で,その自由度の高さは大きな魅力でもあります。しかし,それによって一部のプレイヤーがストレスを感じたり,トラブルに巻き込まれたりすることもあります。LEは過去作とは別のタイトルであり,想定するプレイヤー層も違うので,いわゆるPKを盛り込む予定はありません。
Q:
リネージュシリーズは,ストーリーの見せ方が弱いと考えているプレイヤーは少なくありません。LEではそのあたりにも注力する予定ですか?
A:
MMORPGにおいて,ストーリー重視のトレンドが上昇していることは把握しています。ストーリーの見せ方については従来作以上に注力し,プレイヤーがゲームに没入できる,クエスト中心ではない仕掛けを検討しています。
Q:
ドラッグスキルは,円や直線を描いてスキルを発動するシステムとのことですが,より複雑な図形を描くドラッグスキルも存在するのでしょうか。
A:
ゲームのテンポが悪くなる恐れがあるため,複雑なジェスチャーを盛り込む予定はありません。目指しているのはプレイの爽快感なので,複雑な操作はゲームに合わないと考えています。同じ直線でも向きによってスキルが違うなど,そういった工夫はしています。
以上が,Lineage Eternalに関する質疑応答の内容だ。ちなみに,質疑応答の中で,開発者側から日本のメディアへ向け「デモムービー内の韓国的な表現をどう思ったか」という質問が投げかけられる一幕があった(このムービーは,後日公開予定)。
その中では個人的に特別“韓国的だ”と思えた箇所はなく(あえて挙げるとすれば,若干見せ方の弱いNPCとの会話シーンくらいだろうか),このやりとりはそれ以上は発展しなかったのだが……この問い自体がある意味で日本展開を前提としたものとも取れるわけで,我々としては思わぬ収穫が得られた形だ。
そんな日本のメディアに対し,開発者側も「LEは最初からグローバルコンテンツとして開発しています。いつかは当然,日本でも運営されます」と苦笑まじりのコメントも用意してくれていた。まずは,来年上半期に行われる予定だという,NCsoft社内でのテストの結果と,そのあたりに公開されるかもしれない新情報に期待したいところだ。
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Lineage Eternal
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