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Imagination,PowerVR6シリーズの上位版GPU群を発表。従来比で50%もの性能向上を実現
G6XEはG6XTの低コスト版といった位置づけで,G6XTがハイエンドタブレットやスマートフォンなど,G6XEはデジタルテレビやセットトップボックスが主なターゲットになるという。
以下,基本となるG6XTをベースに紹介していくが,G6XTで挙げられている特徴は,ニュースリリースによると,次のとおりとなっている。
- 洗練された描画とGPU演算に対応する劇的な性能向上
- PowerGearing G6XTによるパワーマネジメント
- PVR3Cによるトリプル圧縮テクノロジー
- Ultra HD(4K)やDeep Colorに対応
- Design Optimization Kits (DOKs)を用意
Imaginationによれば,最少のメモリ帯域幅で,チップ面積ないし消費電力あたり最大の性能を発揮できるプロセッサだという。DirectX 11.1相当の機能に対応し,APIとしてはDirectXのほか,OpenGL ES 3.x,OpenCL 1.xをサポートしている。最大8コア(※正確にはコアではなく演算クラスタだが,慣用表記を用いる)までの集積が可能とのことだ。iPhone 5sなどに採用されている従来製品比で,性能は約50%向上しているという。
2つ目にあるPowerGearing G6XTによる省電力化について,具体的なところは明らかになっていないが,この手の電力制御で基本となるのは「使っていない部分の電源を落とす」ことなので,G6XTではかなりきめ細かく電源制御が行われているという理解でよさそうだ。Imaginationは「必要な部分にのみ電源を供給することで,クラス最高の省電力化が図れた」としている。
続いてPVR3Cというのは,G6XTで使われている圧縮技術を総称したもので,3種類の圧縮が使われていることを示す造語だ。まず,テクスチャ圧縮の「PVRTC」とChronos Groupによる「ASTC」に対応し,さらにロスレス画像圧縮である「PVRIC2」も搭載されている(G6XEでは非搭載製品もあり)。
画像データのみならず,ジオメトリデータを圧縮するPVRGCを用意することで,データ帯域幅の極小化を図っているわけだ。
6GXTの新製品はまず3モデルで展開。最大6コア仕様に
6GXEは4モデル展開に
最初に投入されるのは,型番でいうと「GX6250」「GX6450」「GX6650」の3モデルで,それぞれ2コア,4コア,6コアの製品となる。なお,Imaginationは同時に「GX6240」という2コアGPUも発表しているが,これはGX6250をベースとして,省面積に最適化したものである。
一方のG6XE系では,「G6050」が,1コアないしその半分の規模のコアを持ったGPU,「G6060」は“半コア”版のG6050にPVRIC2を加えたものとなる。
「G6100」は,「従来のマルチコアGPUと同等の性能を1コアで実現するGPU」として最適化された製品で,「G6110」はそれにPVRIC2を加えたものという理解でよさそうだ。
最下位モデルとなる“半コア”版でも,OpenGL ES 3.0のフルスペックを満たしているため,今後は高品質な映像を低価格なデバイスでも表現できるようになることが期待できるだろう。
PowerVR Series6XTプレスリリース(英文)
PowerVR Series6XEプレスリリース(英文)
The future of graphics is here: PowerVR Series6XT GPUs go Rogue at CES 2014
New PowerVR Series6XE GPUs bring OpenGL ES 3.0 graphics to everyone
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