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[TGS 2012]「時と永遠〜トキトワ〜」スペシャルステージをレポート。登場10分で死ぬ主人公を演じた代永 翼さんはなぜか収録現場で“変態紳士”扱い
このイベントでは,同作のプロデューサー広野 啓氏や,開発を手がけるイメージエポックの御影良衛氏,そして登場キャラクターを演じる声優陣が登壇し,トキトワにまつわるエピソードを披露した。なお,イベントの題名から分かるとおり,ゲームの内容がやや暴露されており,序盤のあらすじなどが明らかにされているので,本稿を読み進める際は留意してほしい。
・登壇者
広野 啓氏(バンダイナムコゲームス プロデューサー)
御影良衛氏(イメージエポック 代表取締役社長)
代永 翼さん(声優 主人公/ドレイク役)
ゆかなさん(声優 レージョ役)
遠藤 綾さん(声優 マキモナ役)
May Jさん(歌手 主題歌「Rewind」)
代永さんは10分で死ぬ変態紳士?
まずは,広野氏と御影氏が簡単にトキトワの概要を説明する。
トキトワは,御影氏の「アニメを動かしてみたい」という希望から開発が始まった“HDアニメーションRPG”。キャラクターの動きが戦闘シーンまでアニメの手法で描かれているのが特徴で,これを実現するために,およそ2万カットの絵が描かれたという。
2万カットという枚数は,劇場版アニメやOVAを越えるくらいの枚数で,それらは「マクロスF」や「アクエリオン」シリーズでおなじみのアニメ制作会社サテライトが手がけている。背景だけは3Dポリゴンで表現されているが,これとアニメをうまく融合させるために,イメージエポックが新たなシェーディングを使用したそうだ。
御影氏は開発を振り返って「最初は楽しかったが,マスターアップ直前はやりたくないと思いました。悲惨でしたね。ポリゴンの3倍か4倍は大変だと思います」と苦々しく語った。
PVを見ながらひととおりの説明を終えると,ファンお待ちかねの声優陣が壇上に登場。順番に自らのキャラクターを紹介していくことになるのだが,実は主人公を演じた代永さんと御影氏は何やら因縁のある仲らしい。
実は代永さん,かつてイメージエポックの手がけたとある作品で,登場から1分で死に,その後まったく出てこないというキャラクターを演じており,あまりの扱いのひどさに「次回作では主人公役を約束された」というエピソードがあるのだ。
その約束がトキトワでついに果たされることになったのだが,なんとトキトワの主人公も開始10分で死ぬという。しかも,18歳で一国の王女トキ(美女)と結婚することになり,これからラブラブでいちゃいちゃな生活が始まるという人生の絶頂期にだ。あまりにも悲惨で,あまりにも不幸な主人公(というか代永さん)の末路に壇上は大爆笑だったが,実はこれ,物語上の演出なのである。
結婚式の真っ最中に襲撃を受けて殺されてしまった主人公の魂は,ドレイクというドラゴンに乗り移って,トキ達と一緒に冒険をすることになる。ただ,この主人公はちょっと問題のある人物で,自分がドラゴンであるのをいいことに,トキや遠藤さんの演じたマキモナ達になんやかんやとちょっかいを出していくという。
代永さんいわく「男性の,こういうことがやりたいなという欲望は,大体コイツがやってくれる」とのこと。
そんな役柄のせいで付いたあだ名は“変態紳士”。代永さんはそのあおりを受けて,収録中は音響監督に「はーい変態紳士さん,次はここ録りまーす」といったように呼ばれることになったそうだ。
登場する美女達は,みんな主人公の魔の手に?
ゆかなさんが演じたレージョは,トキの古くからの親友で大金持ちのお嬢様という役柄だが,ゲーム中にはちょっと衝撃的なシーンがあるという。ゆかなさんによれば,「レージョはトキのことが本当に大好きなんだけど,つらいことや巻き起こる問題が,彼女の弱い心をどうにかしちゃう」らしい。ただ,基本的に登場する女性キャラクター達は仲が良く,ガールズトークをドレイクがのぞいているようなシーンも多いとのこと。
遠藤さんが演じたのは,有名な占い師のマキモナという妖艶な女性だ。見た目はクールな印象だが,実はセリフがちょっとおかしいらしく,御影氏が「RPGでこんなにぶっ飛んでいるキャラクターは初めて」と評すほど。遠藤さんも「イメージがカッコイイので,言い回しとかはどこまで壊れていいのか相談しながら演じた」と話していた。
登壇した声優陣の役柄が紹介されたところで,トキ役の花澤香奈さんとトワ役の喜多村英梨さんからのビデオメッセージが流された。一部を抜粋すると,下記のような感じだ。
「主人公が,若干“普通”の変態なんじゃないかと思うシーンが結構あって,彼の崩れていく姿はちょっとおもしろかった。(会場に向けて)代永くん,もうちょっと盛り上げないと」(花澤さん)
「トワさんはちょっと短いお召し物で,そこら辺が“ごちそうさまでーす”みたいなカタチでチラッチラッとね」(喜多村さん)
花澤さんにプレッシャーをかけられつつも代永さんは,自分から見たトキというキャラクターについて「決断力のある女の子。一国の王女という立場だけど守られるだけでなく,自分の考えで行動できる意思の強い女性です。守られるだけ,という感じではないですね」と会場を納得させた。
喜多村さんからのビデオメッセージを見たあとには,御影氏が「代永さんは(トキとトワ)どっちが好きなんですか?」と究極の選択を容赦なく突きつける。
代永さんは若干悩みつつもトキと断言。「トワちゃんみたいなツンデレっぽい子も好きなんですけど,誰かに優しくされたいんです」(代永さん)。キャラクターもそうだが,実際の仕事現場でも,代永さんはいじられることが多いのだそうだ。
時間を操る戦闘シーンを含めた実機でのデモプレイ
ステージの後半では,実際にゲームのデモプレイが披露される。代永さんの演じた主人公が死ぬという結婚式のシーンでは,「永遠の愛を誓いますか」という質問にまさかの選択肢「誓います/誓いません」が現れ,しかも広野氏が「誓いません」を選んで,ああ発売前にエンディングかと思わせられたが,どうやらこの選択肢は選べないようだ。そりゃそうだよね。
続いての戦闘の実演では,遠藤さんが会場にいるということで,マキモナと戦っているシーンが取り上げられた。
トキトワの戦闘はまだ明らかになっていない部分も多いのだが,今回のデモプレイを見る限りでは,あらかじめ3つのボタンにセットしたスキルをタイミング良く発動して,コンボをつなぐように戦っていくというものらしい。
さらに,トキは時間魔法を使うことで,敵の行動をストップさせたり,逆に早送りさせたりと,時間を操って戦うことができるという。これは,時間を止めてから,詠唱に時間のかかる強力な魔法を放つといったように,戦略にも絡んでくる要素であるようだ。
また,主人公の扮するドレイクは独自AIで動くようになっており,レベルが上がるたびに強く賢くなっていくとのこと。
キャラクターの紹介から戦闘の説明までを終え,いよいよステージも終盤というところで,歌手のMay Jさんが登場し,主題歌「Rewind」を生で披露。May Jさんはこの楽曲の作詞も手がけており「ゲームの中で,過去に戻ってやり直すというシーンが何度も出てくる。自分がそれをできたなら,かつて大切に過ごした人達のところに戻ってやりなおしたい」という後悔の気持ちを綴ったそうだ。
Rewindの収録されたシングルCDは,トキトワの前日となる10月10日発売で,「トキトワ盤」には追加クエストをダウンロードできるプロダクトコードもついてくる。このクエストでは,ちょっとしたムフフな映像(またか)が見られるとのこと。
さらに,トキトワの初回限定版についてくるボイスドラマのテーマが「初夜」であることも明らかにされた。代永さんによれば,ネタバレ満載のドラマになっているそうで,ぜひ一度クリアしてから聞いてほしいと話していた。
「時と永遠〜トキトワ〜」公式サイト
- 関連タイトル:
時と永遠〜トキトワ〜
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