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[TGS 2012]「逆転裁判5」の新たな探偵パートをステージ上で初披露。新システムや,キャラクターデザインの見どころも明かされたステージイベントレポートを掲載
「逆転裁判5」公式サイト
逆転裁判シリーズの最新作となる「逆転裁判5」。ステージでは最初に,本作のプロモーションムービーが上映された。ムービーは「逆転裁判3」以来,久々に登場する主人公・成歩堂龍一や,その助手を務める新人弁護士・希月心音,そして新システム「ココロスコープ」など,本作の見どころが詰まった内容のものだ。
さて,今作のプロデューサーである江城元秀氏と,シナリオディレクターの山﨑 剛氏といえば,これまで「逆転検事」シリーズに携わってきた二人だ。逆転検事チームが本作を開発するに至るまでには,どういった経緯があったのか,具体的なゲーム内容の紹介に移る前に,江城氏によって経緯が明かされた。
江城氏は,逆転検事シリーズの開発中から「逆転裁判の続編はいつ出るんですか? 早く欲しい」といったリクエストを受ける機会が多かったらしく,そういった要望に応えるべく,以前からその準備を進めていたそうだ。その準備の甲斐あって,2011年秋に開発がスタート。そして,2012年1月のイベントで正式発表に至った――とのこと。
久々のシリーズ最新作ということでファンからの期待度も非常に高く,それを受けて江城氏も「これは気合い入れて作らないといかん」と,あらためて実感しているとのことである。
本作のストーリーは,前作「逆転裁判4」の1年後が舞台となっている。山﨑氏によると,前作で成歩堂龍一が語っていた「法曹界では暗黒の時代が訪れている」というセリフが大きなヒントになっているらしく,本作では「法廷崩壊」を一つのキャッチコピーにしてストーリーを構築しているそうだ。
冤罪やねつ造などが横行し,法の秩序が崩壊している時代において,主人公達がどのように真実を見つけていくか――といった話を目指しているのだと,山﨑氏は語る。そのため,本作の第1話では「法廷崩壊」の象徴として,実際に法廷が爆破されるという衝撃的なシーンで幕を明けるという。
また,シリーズのファンにとって目が離せないのは,前作で弁護士を引退していた成歩堂龍一が,主人公として再び弁護士バッジを身に付けているという点だろう。
江城氏によると,本作の主人公選びについては開発スタッフ内でも喧々諤々の議論があったそうだが,前作の最後で成歩堂自身が「もう一度弁護士の資格を取ろうかな」と述べていたことから,成歩堂龍一の復帰が決定したのだという。
なお,本作の時代設定が「3」から8年後となっていることから,成歩堂自身の外見や中身もより大人らしく描かれているそうだ。具体的なデザイン面に関していうと,スーツのボタンを留めずに開いていたり,前髪の先を垂らしていたりといったところから,“大人の余裕”を表現しているのだという。また,胸ポケットからはチェーンが垂れているが,これは前作で身に付けていたネックレスであるらしい。
その成歩堂の新たな助手を務めるのは,新人弁護士である希月心音。彼女は,勝ち気で負けず嫌いな性格で,アメリカで心理分析を学んでいたという経歴の持ち主だ。外見としては明るい黄色のジャケットが目を引くところだが,山﨑氏によると,胸のネックレスや右手の手袋には,ゲームシステムに大きく関わる秘密が隠されているそうだ。
本作の新システムとしては「ココロスコープ」という要素も明らかになっているが,これは心音の心理分析の能力を活かしたものである。証人の証言と感情との矛盾を突くことで,新たな証言を引き出すというシステムになっている。
ここで,山﨑氏による実演が行われた。
まず披露されたのは,TGS 2012のカプコンブースで出展されている体験版と同じシークエンスだ。成歩堂龍一が弁護士として久しぶりの法廷に立っているほか,心音や,シリーズファンにはお馴染みの裁判長や亜内検事の姿も見られた。
シリーズ初のニンテンドー3DS用ソフトということで,本作ではキャラクターにも3Dグラフィックスが用いられている。そのため,キャラクター達のアニメーションもより滑らかで派手になった印象だ。
続いて山﨑氏が披露したのは,今回の体験版ではプレイできない「探偵パート」の部分だ。逆転裁判シリーズといえば,証人を相手に矛盾をつく法廷パートと,証拠品集めに奔走する探偵パートを交互に攻略していく構成となっている。
本作ではこの探偵パートにも新要素が加わっているらしく,山﨑氏は今回のステージのために特別に用意したというデモンストレーション用の探偵パートを使って,その新要素を詳しく見せてくれた。
本作では背景も3Dグラフィックスでモデリングされているらしく,さまざまな視点に切り替えられる。従来のシリーズでは1枚絵の背景を捜査するしかなかったが,本作では証拠品を探しにも,より熱が入ることになりそうだ。
以上で今回のプレイデモは終了となった。なお,会場のカプコンブースで本作を試遊した場合,記念のノベルティとしてチャームがもらえるそうだ。このチャームは2種類あり,どちらが貰えるかはランダムだとのこと。このチャームがかたどっているキャラクターが何者なのかは,実際に体験版を試遊すれば判明するそうである。
さらにここで,本作のもう一つの新要素である,アニメパートのムービーが公開された。本作ではストーリーの重要な場面でアニメパートが挿入されるらしく,ここで公開されたのは,(恐らく)物語の序盤,成歩堂龍一が再び法廷に立つ直前のシーン。
残念ながらアニメパートの映像については写真等の掲載ができないが,「鋼の錬金術師」や「エウレカセブンAO」などで知られるアニメーション制作会社・BONESが手がけているだけあって,非常にクオリティの高いアニメーションとなっていた。
とくに新キャラクターの心音は魅力的に描かれており,アニメパートを通して,キャラクターや物語への思い入れもグッと増しそうである。
なお,本作の発売時期は「2013年発売予定」となっている。来年の発売に向けて,山﨑氏は「新しい逆転裁判を作るべく,3DSでパワーアップしたナルホドくんや法廷バトルを見せたいなと思っておりますので,ぜひご期待ください」と語った。また江城氏も「今後もどんどん新しい情報をお出ししていきたいと思ってますので,ぜひぜひ期待して,これからも応援してもらえたらと思います」と挨拶し,今回のステージを締めくくった。
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