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Samsung,スタイラス対応の大型スマートフォン「Galaxy Note9」を発表。上位モデルは容量8GBのメインメモリと512GBのストレージを搭載
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印刷2018/08/10 19:22

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Samsung,スタイラス対応の大型スマートフォン「Galaxy Note9」を発表。上位モデルは容量8GBのメインメモリと512GBのストレージを搭載

 北米時間2018年8月9日,Samsung Electronics(以下,Samsung)は,米国ニューヨーク市で新製品発表イベント「Galaxy UNPACKED 2018」を開催し,ハイエンド市場向けスマートフォンの新製品「Galaxy Note9」と関連周辺機器を発表した。
 Galaxy Note9の世界市場における発売日は8月24日で,第1次出荷の対象国では,9日から予約がスタートしている。なお,国内での発売時期は,本稿執筆時点では未発表だ。

Galaxy Note9
画像集 No.003のサムネイル画像 / Samsung,スタイラス対応の大型スマートフォン「Galaxy Note9」を発表。上位モデルは容量8GBのメインメモリと512GBのストレージを搭載

 2016年に発生した「Galaxy Note 7」の発火事故と販売中止。そのダメージからの失地回復を図った「Galaxy Note8」の発表から1年が経ち,後継製品となるGalaxy Note9は,前モデルよりも2週間早いタイミングでの発表となった。発売時期に至っては,3週間も早い。世界市場でシェアを争うAppleや,猛烈な追撃をみせるHuawei Technologiesが2018年に投入するであろう新製品に大きく先んじる形で,SamsungはGalaxy Note9を市場に投入するわけだ。
 本稿では,Galaxy Note9の仕様と主な特徴を簡単にまとめてみたい。


クラス最大6.4インチパネルを搭載

スペックもりもりのハイエンド仕様


 Galaxy Note9は,スタイラスを用いたペン入力に対応する大型スマートフォン(ファブレット)として,事実上唯一無二の製品であり,スペックもハイエンドと呼ぶにふわさしいものとなっている。

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 たとえば,Galaxy Note8では対角6.3インチサイズだった有機ELパネル「Infinity Display」は,6.4インチサイズに若干だが大型化した。搭載SoC(System-on-a-Chip)も,Qualcomm製「Snapdragon 845 Mobile Platform」(以下,Snapdragon 845),またはSamsung独自のSoC「Exynos 9810」に変更となり(※販売地域によりSoCは異なる),従来比でCPU性能は約33%,GPU性能は約23%向上したそうだ。
 Snapdragon 845とExynos 9810は,どちらも10nmプロセスを採用したハイエンド市場向けSoCであるが,高性能ゆえに発熱量も大きい。その熱対策としてSamsungは,Galaxy Note9で新開発の銅製ヒートパイプを用いることで,高性能を維持しているという。

 メインメモリ容量と内蔵ストレージ容量も強化点の1つだ。標準的なモデルはメインメモリ容量が6GB,内蔵ストレージ容量は128GBで,これで十分と考える人も少なくないだろう。一方,日々大量の写真やアプリケーションがストレージを圧迫し続けるユーザーに向けて,メインメモリ容量8GB,内蔵ストレージ容量はスマートフォン最大級となる512GBを搭載するモデルも用意されている。

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 ちなみに,Galaxy Note9は最大容量512GBのmicroSDXCカードを装着できるので,これを使えば内蔵512GB+microSDXC 512GBで,スマートフォン内に1TBのストレージを搭載できるというマイルストーン的な数字も達成した。

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 高性能での動作を支えるバッテリー容量も大幅に増加し,4000mAhとなっている。Galaxy Note7の焼損事故を受けて,現行製品のGalaxy Note8では,バッテリー容量が3300mAhとやや控えめだったが,Galaxy Note9で再び大容量化に踏み切ったわけで,おそらくは何らかの技術的な改良による安全対策を行っているのではなかろうか。

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 本体の外観は,前面から見るとあまり変わっていないのだが,背面では,指紋認証センサーの位置が不評だったアウトカメラの横から下へと変更となり,以前より指の届きやすい場所になったことが目をひく。

 カラーバリエーションは,メインカラーに位置付けられている「Ocean Blue」に加え,「Midnight Black」「Metallic Copper」「Lavender Purple」の4色となっている。ただ,今までのGalaxyシリーズは,市場や通信事業者によってラインナップする本体カラーが異なるのが通例なので,国内向けにどの色がどの通信事業者から登場するかは,今のところ分からない。

Galaxy Note9のカラーバリエーション。左からOcean Blue,Midnight Black,Metallic Copper,Lavender Purple
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 周辺機器絡みでも,Galaxy Note9には目をひく新要素があった。
 Samsungのハイエンド市場向けスマートフォンでは,外部ディスプレイやキーボード,マウスなどを端末に接続して,PC風の画面と操作でアプリを扱える「Samsung DeX」(以下,DeX)という機能を特徴としていた。ただ,これまでのDeXは,スマートフォンをはめ込んで使う別売りのドッキングステーション「Samsung DeX Station」が必要だったので,コスト面で手軽とは言い難かった。
 それがGalaxy Note9では,本体のUSB Type-CポートにUSB Type-C - HDMIケーブルをつなぐだけで,ディスプレイと接続してDeX機能を利用できるようになったのだ(※キーボードやマウスはBluetooth接続)。ステージで行われたデモでは,外部ディスプレイのデスクトップ上でYouTubeの動画を再生しながら,手元のGalaxy Note9を操作してメッセージの送信を行い,それぞれ独立した操作が行えることを披露していた。

写真左に見えるGalaxy Note9でテキストメッセージを入力しつつ,HDMIケーブルでつないだ中央のディスプレイに,デスクトップ画面と動画を映している様子
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 Samsungでは以前から,人気のあるAndroid版ゲームアプリのいくつか――たとえば「リネージュ2 レボリューション」――がDeXに対応することでキーボードでプレイできることをアピールしていたが,この機能が手軽に使えるようになったのは,ゲーマーにとっても評価に値するだろう。


専用スタイラス「S Pen」がBluetooth LE対応に


 このようにスペックもりもりの仕様となったGalaxy Note9だが,本シリーズを“ノート”たらしめている専用スタイラス「S Pen」にも,シリーズ史上で最大と言える変更が加えられた。Galaxy Note9付属のS Penは,超小型のバッテリーを内蔵し,Bluetooth LEによる本体とのワイヤレス通信に対応したのだ。

付属のS Pen。色を除けば,見た目は従来のものとあまり変わっていないようだが,中にはバッテリーとBluetooth LE通信機能を内蔵する。基本的に本体と同色のものが付属するが,メインカラーとなっている「Ocean Blue」に限っては,特別に黄色いS Penが付属している
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 元々のS Penは,バッテリー不要で利用できることが利点であった。しかし,それは本体に収納できるサイズのスタイラスに電池を内蔵したり,充電に対応したりする難しさがあったためでもある。それが今回,大幅な方向転換をしたのは,これらの問題が解決できたからだ。
 まずS Penのバッテリーだが,スタイラスを本体に収納すると,約40秒で充電が完了し,30分間は利用できるという。とはいえ,バッテリー容量はわずかなものだろう。S Penによる手書き入力は,バッテリーが切れても使えるそうで,約40秒という充電時間と充電スタイルは日常においても違和感が少ないはずだ。

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 Bluetooth対応したS Penは,中央のボタンをさまざまなアプリのリモコンとして利用できるようになった。たとえばカメラのシャッター操作や,インカメラとアウトカメラの切り替え,動画の再生や停止,ボイスレコーダーの録音といった操作が可能である。また,Android版「PowerPoint」では,プレゼンテーションのスライド進行に使えるそうだ。ギャラリーの写真を次々に見ていくといった操作も,S Penで行えるわけだ。
 なお,Samsungは今までどおり,S Pen用のAPIとソフトウェア開発キットを公開する予定で,S Penの新しい機能をサードパーティのアプリから利用することも可能である。

 さて,変更点の多いGalaxy Note9だが,カメラ機能は例外で,国内でも発売済みの「Galaxy S9+」とほぼ同等と,基本的には変わっていないようだ。
 アウトカメラはデュアルレンズ式で,メイン側のカメラにはメカニカルな絞り調節機構を備えて,日中の明るいシーンではF2.4,夜間撮影ではF1.5の明るさでシーンにあわせた撮影ができるのが特徴だ。
 一方,サブカメラは焦点距離がメインカメラの2倍で,メインカメラとの組み合わせにより,ボケ味のある写真が撮影できるという。また,シーンの自動検出による撮影モードの最適化では,撮影した写真を自動判定して,うまく撮れていなければ再撮影をうながす仕組みも取り入れられているそうだ。

下側面には,3.5mmミニピンのヘッドセット端子を装備。ワイヤードのヘッドフォンやイヤフォンを接続すれば,伝送遅延のない音でゲームをプレイできる
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 また,最近は3.5mmミニピンのヘッドセット端子を省略したスマートフォンも多い状況であるが,Galaxy Note9は継続してヘッドセット端子を搭載している。この点は,とくにリズムゲームのファンにとって朗報だろう。

 最後に,Galaxy Note9の主なスペックをまとめておこう。先述したとおり,国内での発売時期は未発表であるが,Galaxy Note8の例を踏襲するのであれば,各通信事業者の冬モデルとして投入される可能性が高い。国内発売に期待したいところだ。

●Galaxy Note9の主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 8.1(Oreo)
  • ディスプレイパネル:6.4インチ有機ELパネル「Infinity Display」,解像度1440×2960ドット(516ppi)
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」(CPUコア Kryo 385×8,最大CPU動作クロック2.8GHz,GPUコア Adreno 630)
    Samsung製「Exynos 9810」(CPUコア 独自コア×4+Cortex-A55×4,最大CPU動作クロック2.7GHz,GPUコア Mali-G72 MP18)※販売地域により異なる
  • メインメモリ容量:6GB,8GB
  • ストレージ:内蔵128GB,512GB+microSDXC(最大容量512GB)
  • アウトカメラ(メイン):有効画素数約1200万画素(※デュアルフォトダイオード技術により約2400万画素相当),F1.5またはF2.4,光学式手振れ補正対応
  • アウトカメラ(サブ):有効画素数約1200万画素,F2.4,光学式手振れ補正対応
  • フロントカメラ:有効画素数約800万画素,F1.7,光学式手振れ補正対応
  • バッテリー容量:4000mAh
  • モバイル通信仕様:LTE Cat.18 4x4 MIMO,最大5波キャリアアグリゲーション対応,下り最大通信速度1Gbps以上
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth:5.0(2Mbpsモード対応)
  • USBポート:Type-C
  • 本体公称サイズ:76.4(W)×161.9(D)×8.8(H)mm
  • 本体公称重量:201g
  • 本体カラー:Ocean Blue,Midnight Black,Lavender Purple,Metallic Copper


Android版Fortniteの先行β版をGalaxyユーザーに提供


 スマートフォン本体の話ではないが,ゲーマーにとって見逃せない発表もあった。Galaxy Note9の発表会に,Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏が登壇し,大ヒット中のバトルロイヤルゲーム「Fortnite」のAndroid向けβ版を,Galaxyシリーズのユーザー限定で先行配信すると発表したのだ。

Android版のFortniteが,Galaxyユーザー限定で先行配信開始
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NTTドコモ版のGalaxy Note8で確認したところ,すでにダウンロード可能となっていた
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 対応するスマートフォンは,「Galaxy S7/S7+」以降のGalaxy S/S+シリーズと,Galaxy Note8およびGalaxy Note9とのこと。対応端末であれば,すでにダウンロード可能となっており,国内向けの端末でも利用可能だ。さらに,Galaxy Note9を予約した人には,限定特典のゲーム内アイテム「スキン」が提供されるとのこと。それに加えて,Galaxy Note9の予約特典として,Samsung製のイヤフォンか,Fortniteのゲーム内通貨が選択できるそうだ。
 スマートフォン新製品の発表や発売に合わせて,特定のゲームタイトルとここまで組んでプロモーションをかけるというのは,ちょっと珍しいのではないだろうか。


LTE対応の新型スマートウォッチ「Galaxy Watch」と,スマートスピーカー「Galaxy Home」も発表に


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 ゲーマーにはあまり関係のない話題であるが,イベントでは,Galaxyブランドのスマートウォッチとスマートスピーカーの新製品も発表されたので,ごく簡単に紹介しておこう。

 まず,スマートウォッチの新製品は,「Galaxy Watch」が登場した。
 最大の特徴は,SIM機能(eSIM)を内蔵して単体でのLTE通信が可能なこと。スマートフォンと併用するだけでなく,単体でもさまざまなアプリを利用可能だ。スマートウォッチ用に新規で開発したSoC「Exynos 9110」を採用することで,フル充電から約7日間のバッテリー稼働を可能とした省エネ設計も特徴と言えよう。

Galaxy Watch。直径46mmモデル(左)と42mmモデル(右)の2種類があり,さまざまなベルトや外装を用意することで,スポーツ用途からフォーマルな用途までカバーするという
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 基本的な要素は,フィットネス用途向けの製品スマートウォッチである「Gear Sport」の仕様を踏襲しており,文字盤周囲にあるリング型のベゼルを回転させて操作するインタフェース,5気圧防水,強度の高いGorilla Glassの採用,ミリタリースペックの耐久性といった要素を備えている。
 Galaxy Watchは,15カ国の通信事業者31社で利用できるそうだが,現時点では,日本国内の事業者で利用できるかどうかは明らかになっていない。

 スマートスピーカーの新製品として披露されたのは「Galaxy Home」という製品だ。といっても,今回は本当にお披露目だけで,詳細は後日開催予定の開発者向けイベントで明らかにするとのこと。

Galaxy Home
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 Galaxy Homeの特徴は,Samsungが開発しているAI技術「Bixby」(ビクスビー)に対応すること。Bixbyは,Galaxyシリーズのスマートフォンにも標準搭載されている機能だが,これをGalaxy Watchや,IoT家電のハブとなるGalaxy Homeにも導入することで,Samsungプラットフォームによるスマートホームを実現するのが同社の狙いだ。
 Appleの「Home Pod」や,Googleの「Google Home」,そしてAmazon.comの「Amazon Echo」(関連記事)といったスマートスピーカーと真っ向から競合する戦略的に重要な製品であるが,残念なことに,今のところBixbyは,英語と韓国語にしか対応していない。そんなわけで,Galaxy Homeが国内向けに展開されるかどうかは,まったく不明である。

 Galaxy Homeに関連して,音楽ストリーミングサービス「Spotify」とSamsungの戦略的提携も発表となった。この提携により,Samsung端末に対するSpotifyアプリのプリインストールが行われたり,Galaxyアカウントを使ったSpotifyへのサインアップが可能となったりするそうだ。
 ステージには,SpotifyのCEOであるDaniel Ek氏も登壇して,提携の意義をアピールしていた。音楽ストリーミングサービスの市場は成熟期に達しているうえ,Appleのストリーミングサービスである「Apple Music」が急激に追い上げていることもあり,両社にとって重要な提携となりそうである。

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Galaxy Note9製品情報ページ(英語)

Galaxy UNPACKED 2018日本語公式Webサイト

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