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[E3 2012]これがRTSの進化型だ。THQブースで見た驚愕の作品「Company of Heroes 2」をレポート
Company of Heroes 2では,モスクワへと侵攻を開始したドイツ軍に反撃するロシア軍の葛藤が描かれている。「東部戦線」と言われたポーランドからウクライナ,そしてロシア本土における戦いでは,冬将軍の訪れとともにドイツ軍は撤退を余儀なくされたが,兵力に劣るロシアでは,撤退した兵士に対して厳重な懲罰をかけるという,いわゆる「Order 227」をスターリンが出さざるをえないほどの劣勢でもあった。このゲームでは,プレイアブル勢力がロシア軍となることから,プレイヤー側でありながらも,そういった“戦争のダークな部分”が描かれる。
今回のデモは,ドイツ軍の砲撃に対して撤収し始めたロシアの歩兵団に対し,背後の友軍がマシンガンを発砲するというカットシーンから始まった。このカットシーンには,ゲーム自体と同じエンジンが使われているのだが,同志殺害の命令を下す部隊長から,後悔の念をかみ殺すようにマシンガンを発砲する兵士の表情までが描かれているのが驚きで,これまでのRTSにはない演出が光る。
ゲームシステムで前作から大きく変わっているのは,「ライン・オブ・サイト」(視界)が個々のユニット単位になっているだけでなく,柵,樹木,家屋などのオブジェクトがあれば視界が遮られるということである。このことにより,森林地帯や住宅地などでは慎重にユニットを動かさないと,待ち伏せにあう可能性もある。面白いのはスモークを焚くことによって,その背後の視界もすべて消せたりすることだ。デモ中にも,進軍しているといきなりスモークグレネードが投げ込まれ,煙の中から次々とドイツ軍が登場してくるというような局面があった。
ロシア軍らしく,歩兵に重点が当てられた改良も行われており,ユニットは石や板の塀を迂回するばかりでなく,一人一人がきちんとそれらを乗り越えていくような動作もする。また,乗り越えられないような高さの塀であれば,エンジニアが爆弾を仕掛けて突破することも可能になっているようだ。
デモでは搭乗兵器ユニットの紹介も行われたが,本作では対戦車砲に乗る兵士だけを狙撃して,そのユニットを乗っ取ることも可能だ。また,氷雪地帯が舞台となっているだけに,氷の上の戦車はスリップして身動きが取りにくくなるような場面もあった。
今回,マルチプレイヤーモードに関する情報は発表されなかったものの,こうした新しいゲーム性がプレイヤーの戦略に大きな影響を与えるのは間違いないだろう。
ゲーム評価サイトとしては世界的なmetacriticで93点という,ストラテジージャンルでは現在でも破られていない大記録を打ちたてた前作。これに続く新作となるCompany of Heroes 2は,2013年第1四半期にもリリースされる予定だ。
Relic Entertainmentが新たに開発した「Essence 3.0 Engine」は,今回のデモから判断する限り,そのグラフィックスだけでなく細かいゲームプレイでも革新的な技術を採用しているようで,ストラテジーファンには楽しみな一本になりそうだ。
「Company of Heroes 2」公式サイト
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