プレイレポート
かつてない規模の合体ヒーローアクション! 「The Wonderful 101」先行プレイレポート
プレイヤーがWii U GamePadに特定の図形を描くと,ヒーロー達はさまざまな形態へと合体し,敵に強力な一撃を繰り出したり,新たな道を切り拓いたりできる「ユナイト・モーフ」というユニークなシステムを搭載しているのが,本作最大の特徴となっている。
なお,開発を担当するのは「ベヨネッタ」や「メタルギアライジング リベンジェンス」など,ダイナミックなアクションゲームで定評のあるプラチナゲームズ。ディレクターを神谷英樹氏,プロデューサーを稲葉敦志氏が務めているという点でも,ゲームファンの注目を集めている。
今回4Gamerは,発売に先駆けて本作を体験する機会に恵まれた。本稿ではそのプレイレポートをお届けしていくので,「どんなゲームなんだろう?」と気になっている人,とくにアクションゲームファンは,ぜひチェックしてほしい。
「The Wonderful 101」公式サイト
ヒーロー最大の武器は団結=ユナイト
コンセプトを“体現”したシステム
それを体現しているのが,冒頭でも軽く説明したユナイト・モーフという独特のシステム。本作のヒーロー達は合体することで自らを巨大な武器とし,敵を蹴散らしていく。
使用できるユナイト・モーフはヒーローによって異なり,例えばワンダ・レッドならばWii U GamePadのタッチパネルに指で円を描くか,Rスティックで円を描くかのように操作することで巨大な拳を作り出す「ユナイト・ハンド」,ワンダ・ブルーならば同じくタッチパネルかRスティックで直線を描いて巨大な剣を作り出す「ユナイト・ソード」が発動するのだ。
ヒーローは,ストーリー進行で自動的に仲間に加わってくる主役級の数名を除き,ステージ上の至るところで見つけることができる。彼らはタッチパネルかRスティックで丸く囲むような操作をすることで,チームに合流してくれる。
それぞれ個別に国籍や普段の職業,ヒーローとしての能力などが設定されており,ビジュアルも正統派のカッコイイものから,「なんでそれをモチーフにしちゃったの!?」というものまで,非常に個性豊かだ。
なお,一度仲間に加えれば,以降のステージや繰り返しプレイをするときなどには,最初からチームに加わってくれているので,戦力として頼れるのはもちろん,コレクションしていく楽しみも大きい。
また,ステージ上で助けを求めている一般市民も同様に丸く囲めば救出することができるのだが,その際に彼らは一時的に特殊能力を与えられ,大人から子供まで即席のヒーローとしてチームに組み込まれる。正式なヒーローだけでなく,1ステージで大量に確保できる彼らをしっかり助けておくことも,ステージを進行するうえで重要だ。
あくまで即席ヒーローなので,ステージクリア後には解散してしまうのだが,道中でなるべく多くの市民を救出しながら戦力を増強していくのが本作のキモとなっている。
なぜなら,引き連れている仲間が多ければ多くなるほどに巨大な図形を描くことが可能となり,それに比例してユナイト・モーフも強大になっていくからだ。
ユナイト・モーフは使い続けることで経験値が溜まっていき,新たな攻撃スキルを獲得できる |
攻撃手段はユナイト・モーフだけではない。チーム全体で体当たりしたり,隊員を敵によじ登らせることで動きを封じたりもできる |
そのほかにも,ゲーム中のステータス画面にはO・パーツと同じようにステージ内で入手できる「スペースピーマン」「スペースキャロット」といった素材で消費アイテムを作り出す,「調合」機能も存在する。
テンポ良くストレスフリーなゲーム進行
攻略への熱中度が高く,止め時を見失う
本作ディレクターの神谷氏が手掛けたタイトル,「ベヨネッタ」をプレイしたことのある人ならイメージしやすいと思うが,かなりテンポ良くゲームが進行していくために,止め時が見つからず延々とプレイを続けてしまう。今回の先行体験でも,筆者は体験部屋に5時間居座り,ノンストップで本作を遊び続けてしまった。
カートゥーン風のポップなビジュアルから,本作にライトなイメージを抱いている人も多いと思うのだが,実際はかなり歯応えのある難度で,ナメてかかると痛い目を見る。
難敵やボスの攻略法が親切にチュートリアルで説明されるなんて甘いことはなく,何度もゲームオーバーを繰り返しながら攻撃パターンや攻略法を探っていくゲームだ。その分,敵の弱点や対処法を見つけ出した時の「してやったり」感は非常に大きく,それがまたプレイヤーを本作に熱中させるスパイスとしてうまく機能している。
本作には,的確かつ強力な攻撃を仕掛けてくる敵が多く,回避手段がないままでは,かなり苦しい戦いを強いられることになる。とりわけボス戦においては,上記二つのユナイト・モーフが攻略の要となることも少なくない。というか,持っていないとぶっちゃけ「縛りプレイ」に近い状態となる。
こんなにも重要なスキルが任意取得だというのは少々イジワルにも感じるが,恐らくこれも「プレイヤーに攻略法を探らせる」というゲーム性の表れなのだろう。……だとすれば,これってネタバレ?
とはいえ,以上はあくまで筆者が難度「ノーマル」でプレイしたときの印象だ。初期状態では,ほかに「イージー」と「ベリー イージー」があり,ベリー イージーに至っては,最初からオートガードを行なってくれるカスタムブロックを所持しているので,難度は大幅に低下している。
なお,難度はインターミッション時にいつでも変更可能なので,とりあえずは本来の歯応えを味わえるノーマルで開始してみて,厳しいようなら下げるというプレイスタイルをオススメしたい。なお,一度クリアしたステージは自由に再挑戦が可能。隠れたヒーローを探したり,最高評価のピュア・プラチナ獲得を目指したり……といったやりこみプレイを楽しめる。
純粋にパーティゲームとしてワイワイ遊べる作りになっているが,難度「ハード」のステージは真面目に攻略しようと思うと高いチームワークを要求されるだろう。
とにかく実際にプレイしてもらうのが一番
好きな人はとことん好きになるタイトル
あえてもう少し語らせてもらうならば,ポップなビジュアルから,本作に「キッズ向けじゃないか?」という印象を持つのは,余りにもったいないということ。登場するヒーローは一癖も二癖もある奴ばかりで,意外と毒の効いたユーモアが多分に含まれている。
また,カートゥーン風の世界観かと思いきや,往年の特撮ヒーローものへのオマージュが豊富に盛り込まれているなど,大人でも……いや,大人だからこそニヤニヤしてしまう場面が非常に多いのだ。
現在,体験版がWii Uのニンテンドーeショップで配信されているので,本稿で少しでも興味がわいたなら,とにかくまずは触ってみてほしい。プレイヤーを引き込む“フック”が豊富に用意されており,好きな人はとことん好きになる,The Wonderful 101はそんなゲームだ。
「The Wonderful 101」公式サイト
- 関連タイトル:
The Wonderful 101
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