プレイレポート
「PRIDE OF SOUL」先行プレイレポート。注目の空中戦闘や多様なインスタンスダンジョンのデキはいかに?
こちらのインタビュー記事でも紹介したように,PRIDE OF SOULは,X-LEGENDにとって“挑戦”の意味を持つタイトルである。台湾屈指のPCゲームメーカーX-LEGENDは,「Grand Fantasia -精霊物語-」や「Finding Neverland Online -聖境伝説-」といった可愛い系ファンタジーMMORPGを得意とし,それらが日本でヒットしていた。しかし,PRIDE OF SOULは路線を変更し,リアル描写のオリエンタルなMMORPGとなっているのだ。
今回は,クローズドβテストに先んじてテストプレイをする機会を得たので,気になるゲーム内容を紹介していこう。脱“可愛い系”MMORPGを目指したX-LEGENDの意欲作,その実力はいかに。
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東洋の有名な史実/伝説/物語が,PRIDE OF SOULの冒険の舞台となる
三国志,水滸伝,西遊記,項羽と劉邦,チンギス・カン,封神演義といった,東洋の有名な史実/伝説/物語が,PRIDE OF SOULのモチーフであり冒険の舞台ともなっている。ゲームの世界では各物語はそれぞれ別個のマップで構成されているが,“時空を超える秘術”により往来が可能なのが特徴だ。ここまで幅広い作品を扱ったタイトルも珍しく,どういう流れで一本のストーリーになっているのかは興味深いところ。
ゲームのストーリーは,それぞれの史実/伝説/物語が,原典と同じ展開を見せるものが多い。一般的に知られているような展開,例えば三国志なら,黄巾賊の出現から始まり,赤壁の戦いに至るといった具合だ。プレイヤーは,そうした有名な史実/伝説/物語の中を,自分の意思で自由に行動することができるのである。
ゲームというエンターテイメントである以上,プレイヤーを喜ばせるための脚色──登場人物のキャラクター設定や前述の時空を超える秘術の存在──は行われているが,原作を知っていればより楽しめることは間違いない。
史実と少し違うのは,これらの世界を混乱に陥れている敵「九霊族」が関わっている点だ。プレイヤーは九霊族から時空を守る守護者として戦いに赴くことになる。
キャラクターの設定と成長の方法について
並列でいくつもの世界観が存在するPRIDE OF SOULの世界で,プレイヤーの分身となるプレイキャラクターについて紹介しよう。
最初に決めるのはキャラクターの名前や外見だ。日本を熟知したゲームメーカーX-LEGENDだけに,日本人好みのキャラクターパーツが用意されている。そして,最後に決めるのがキャラクターが使用する“武器”の系統だ。
PRIDE OF SOULでは,戦士や僧侶といった職業の概念は存在しない。その代わりにキャラクターメイキングで選択した武器(大剣/スピア/扇子/杖/ナックル)によって,習得できるスキルが違ってくるのだ。現在のところ武器は5種類が実装されており,以下のような特徴を持っている。
●大剣
防御能力に長けた武器系統で,これを装備すると一般的なMMORPGでいうタンクの役割を担うことになるだろう。
●スピア
物理攻撃に特化した武器系統。今回のテストプレイでお勧めされた武器でもあり,初心者でも扱いやすそうだ。
●扇子
回復や補助魔法を使用できる武器だが,攻撃のスキルも習得できるため戦闘参加も可能。ヒーラーの役割だけでなく結構戦えそう。
●杖
魔法攻撃スキルをメインに戦う武器で,強力な遠距離攻撃が行えるのがメリット。一般的な魔法使い系が好きな人のための武器だ。
●ナックル
自らの拳を使って敵を攻撃するアタッカー。いわゆるモンク的な性格なのか,自己回復スキルも習得できる。戦闘では器用な立ち回りが行えるとのこと。
各武器ともに,特徴と合致したアクティブスキルと,キャラクターのステータスを上昇させる“心法”というパッシブスキルを習得できる。
最初はメイン武器のみで戦うことになるが,レベルが一定以上になると第2の武器を選択して装備できるようになる。メイン武器を大剣,サブ武器をスピアにして強力な物理アタッカーにするか,サブ武器に扇子を選択して回復ができるキャラクターにするのか。武器の選択によって戦術も変わってくるだろう。また,レベルが上がると第3の武器が使用できるようになり……さらに選択の幅が広がる模様だ。
ここで注意しなければならないのが,複数の武器を装備できるようになっても,一番影響力のあるのは最初に選んだメイン武器であるということ。メイン武器の心法スキル習得数を10とすると,第2武器は8,第3武器はそれ以下になってしまうのだ。また,キャラクターのステータスは心法によるところが大きいため,いい加減に武器を選んでしまうと中途半端なキャラクターになってしまうこともありそうだ。現状では,第2,第3の武器をメイン武器に変更……といったことはできないので,自分の思い描くキャラクター像に合った武器を選択することが大切になるだろう。
防具に関してはどの武器系統であっても,すべての防具を装備できる仕様となっている。ただし,物理攻撃向け,魔法攻撃向けといった区分はあるので,武器選択の際は注意する必要がある。例えば,ガチガチの重装備には体力や物理防御力,法衣には魔法攻撃力などといった補正パラメータが付いていることが多いわけだが,重装備を着ているときに武器を杖に持ち替えると,防具の補正の関係で思うような火力が出なかったりするのだ。
とはいえ,レベルアップしたときに入手できるポイントを好きなステータスに振れるシステムを採用しているので,ポイントの振り方次第では大剣と杖の両立ができる……かもしれない。武器の選択とステ振りに関しては,先行してサービスを開始している台湾でもプレイヤーの間で議論されているということだったので,自分なりに考え,試行錯誤を繰り返していくものなのだろう。
序盤はオーソドックスなMMORPG。サクサクとクエストを進めよう
キャラクターを作成すると,続いて初期マップ「仙人の谷」でクエストを進めていくことになる。時空の守護者となるべく,基本的な知識と戦い方などを覚えていくのだが,後述する空中戦闘についてはレベル20にならないと使えないので,序盤はごく普通のMMORPG仕立てだと思っていいだろう。(なお,クローズドβテスト期間中は特別にレベル1から空中戦闘が可能となっている。)
クエストには,X-LEGENDでは初だというカットシーン演出が盛り込まれており,クエストウィンドウの中に表示されたキャラクターがウィンドウの枠をはみ出して動くのが面白い。
初心者クエスト自体はごく一般的なチュートリアルクエストなのだが,モンスターのリポップが恐ろしく速いのには驚いた。これは初期マップのみの仕様だそうで,混み合いがちなテスト開始時などを考慮したものであろう。倒すと1秒ほどで同じ位置に出てくるので,モンスターの取り合いになることはほとんどなさそうだ。
戦術の幅が広がる「空中戦闘システム」を活用せよ
基本はオーソドックスであるものの,本作の最大の魅力である「空中戦闘システム」の存在によって戦術の幅が生まれ,エキサイティングなバトルを楽しむことができる。普通のMMORPGと同じように戦っても大丈夫だが,空中戦闘を覚えるとさらに楽しくなるという感じだ。
そんな空中戦闘システムとは,起点となる「舞翔スキル」をヒットさせることで敵を打ち上げて空中で追撃を行うというものである。格闘ゲームでいうところの空中コンボに近いシステムだ。ちなみに,舞翔スキルは全武器ともにレベル20で特定のクエストを達成することで習得可能となっている。
空中戦闘の流れは,まず通常攻撃などで敵を攻撃しつつ敵との距離を調整し,間合いに入ったら舞翔スキルを使用。舞翔スキルがヒットした敵は無防備な状態で空中へ打ち上げられるので,ジャンプして追いかけ空中で通常攻撃やスキルを繰り出して追撃するといった感じだ。舞翔スキル直後のジャンプは,敵を正面に捉えるような補正が行われるため,地上戦から空中戦へとスムーズに移行できる。
空中での追撃は,クールタイムに気を配りながら攻撃スキルを連打していくことになる。敵はゆっくりと落下していくが,攻撃が当たると少しだけ浮かび上がるようになっているので,通常攻撃やスキルをうまく使い,さらに二段ジャンプや武器の切り替えも併用していくと,かなり長い時間空中で戦い続けることができるのだ(とはいえ,長く続けるのは結構難しい)。
空中戦闘のメリットについては,空中追撃時は通常よりもダメージが上昇することと,撃破時にアイテムのドロップ内容がよくなる可能性が高いことだ。どちらもプレイヤーにとって嬉しい効果となっているので,常に空中戦闘を意識して戦うことがPRIDE OF SOULの基本となりそうだ。
コレクション要素としても魅力的な「武将システム」とは
仲間にできる武将は現状で約150名にも上るという。三国志からは関羽や呂布,水滸伝から魯智深や史進(108人出るのかどうかは不明),西遊記から孫悟空など,原作の物語を知らなくても名前だけは聞いたことがあるような,超有名な武将達が続々と登場する。その武将達を次々と仲間にしていけるのが最大の特徴だ。
仲間にする方法は2種類。ダンジョンのボスとして登場するタイプの武将は,撃破後にドロップする形で仲間にするアイテムを入手できる可能性がある。町に立っている武将については,各武将が好むアイテムをプレゼントすることで好感度を高めていき,それが一定以上に達すると仲間にできる仕組みだ。一部には仲間にすることが難しい武将もいるので,仲間武将を集めていくのもやり込み要素の一つといえるだろう。
今回のテストプレイでは,姐己が登場するクエストを体験させてもらった。非常に人気の高い姐己さんだが,入手は簡単なのか? クエストの舞台となる「火炎の山」の摩雲洞はレベル48〜52までのキャラクターを対象としたエリアだ。なぜか妖狐と化した姐己さんが複数出てきて,なかなかの猛攻を見せてくる。
仲間にした武将は自由に呼び出すことができ,一緒に戦ってくれる頼もしい存在となる。プレイヤーの近くで自動で戦ってくれるのだが,HPも設定されていて戦闘不能になってしまうこともある。戦闘不能になっても仲間から外れるといったことはなく,すぐに呼び出し直すことも可能だが,戦闘不能になることで好感度が下がってしまう点に注意したい。武将を呼び出すには,一定以上の好感度が必要なのだ。
短時間でも満足感を得られるような,クエストを中心としたバランシング
MMORPGというと長時間のプレイを余儀なくされる印象があるが,PRIDE OF SOULでは短時間でのプレイを想定してバランシングが施されている。レベル上げのためにひたすらザコ敵を倒し続けることは不要で,1000以上あるクエストをクリアしていくと自然にレベルが上がっていく。また,それらのクエスト自体も短時間でクリアできるものを多く入れたのだとか。ゲーム内で友達に挨拶するだけでモールで利用できるポイントがもらえたり,経験値が上昇するアイテムがあるので,しばらく放置してから短時間プレイしてまた放置する,そうした“ながら”の遊び方もできそうだ。
また,インスタンスダンジョンの多彩さも特筆すべきだろう。これまでのX-LEGENDのMMORPGでは,基本システムやサポートシステムは丁寧に作り込んであるものの,エンドコンテンツやサイクルコンテンツがちょっと薄いという印象のものが多かったのだが,PRIDE OF SOULではインスタンスダンジョンの種類が非常に多く用意されている。
3人用のダンジョンが特殊なのは,キャラクター自身で戦うのではなく,ほかの武将に変身して戦う仕様になっているところである。今回挑戦した巨石の祭壇のダンジョンでは,三国志演義のメインキャラに変身して戦うという仕様になっていた。
ダンジョンに入ると,橙,緑,紫の3色で燃え盛る炎が浮かんでいるのが目に入る。実は,炎に飛び込むと,劉備,関羽,張飛のそれぞれのキャラクターに変身できるのだ。スキルもその武将のものが使用できるため,いつもとは違った感覚での戦闘が楽しめる。画面を見ていただければキャラ名からも察せられるように,試用したキャラは大剣使いだったのだが,変身後は,かの「蛇矛」,このゲーム的にはスピア系の武器を持っていることが分かる。張飛さんは槍使いだったようだ。
1人用のダンジョンの例で向かった虎牢関でのクエストでは,とりあえず取り巻きを処理しつつ奥へと進んでみると,出てきたのは呂布。説明不要だろうが,三国志最強と言われる武将だ。劉備,関羽,張飛の3人と戦っている。呂布との対戦かと構えていると,貂蝉が出てきて,それを倒すとついに呂布との対決となり,さらに……と一筋縄ではいかない。
以上,テストプレイ時間が短かったため,主要な特徴をかいつまんで紹介してきたが,いかがだっただろうか。
グラフィックスに関しては,今までのX-LEGENDというブランドイメージと違った描写となっているが,クエストでの自動移動などは当たり前で,ユーザビリティの高さはさすがX-LEGENDと思わせるだけのタイトルに仕上がっている。
苦行ともいえるきついレベリングもなく,サクサクレベルが上がる点は個人的にも高評価で,舞翔スキルが習得できるレベル20までは,テンポよく遊んでいける。舞翔スキル習得後は,レベルが上がって新しいスキルが習得できると,その分,空中戦闘のバリエーションが増えていく。キャラクターの成長と同時に戦闘の自由度が増すことになるため,レベルアップの嬉しさも倍増するのだ。
空中戦闘に関しては,ダメージ効率を求めるというより,いかに敵を落とさずにスキルをつないでいけるかがポイントとなりそうだ。スキルをどういう順番で使っていくのか,自分なりに研究するのも楽しみの一つといえるだろう。
そして,PRIDE OF SOULで最も魅力的に感じたのが武将システムだ。仲間にする過程から楽しめ,お気に入りの武将達を仲間にするというコレクション要素は,やり込みという観点からもプレイヤーにとって大きな存在になるだろう。単純に有名な武将をお供にするだけでもわくわくするし,150名という大人数ゆえに脇役のマニアックな武将まで登場することになるため,原作を熟知する人にとっては堪らないものがあるだろう。
興味を持った人は,まずはクローズドβテストに応募していろいろ試してみてほしい。
「PRIDE OF SOUL -舞翔伝-」クローズドβテスター追加募集
「PRIDE OF SOUL -舞翔伝-」公式サイト
- 関連タイトル:
PRIDE OF SOUL -輪廻の章-
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