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管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート
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印刷2013/01/12 00:00

プレイレポート

管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 エクスペリエンスが開発を手掛けるPS Vita用ダンジョンRPG「デモンゲイズ」が,角川ゲームスより2013年1月24日に発売される。記憶を失い,宿酒場「竜姫亭」に運び込まれた主人公・オズとなり,半機械生命体「デモン」を支配する能力を持つ“デモンゲイザー”として冒険を繰り広げるという本作。PS Vita初のダンジョンRPGであり,エクスペリエンスとしても久々の完全新作となる本作を一足先にプレイしたので,その概要をお届けしよう。

画像集#001のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート
画像集#031のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート 画像集#029のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

「デモンゲイズ」公式サイト



あわわわ,慌てるな。これは管理人さんの罠だ!

目覚めたら借金だらけの主人公の行く末やいかに


 本作における冒険の拠点となるのは,今や廃墟となったグリモダール城下に1軒だけ残された宿酒場「竜姫亭」。主人公はここに運び込まれた際,意識もうろうとしているうちに,竜姫亭の若き女主人・フランが差し出した1枚の書類にサインさせられてしまう。それは,自分が運び込まれてからの治療費や宿泊費,その他もろもろの高額請求書のサインだった。管理人さんたら,可愛い顔してやること結構えげつない!

悪そうな顔をして高額請求書をチラつかせるこの人が,竜姫亭の管理人さんことフラン。本人いわく,ケチではなく,お金にしっかりしているだけとのこと。もしかして,これってハメられた!?
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 行き倒れていた主人公にそんな大金が支払えるわけがなく,それらの借金を免除してもらう条件として,主人公はフランの依頼――デモンの討伐を引き受けることになる。これって,どう見ても管理人さんの罠だよね……。ちなみに冒頭で主人公の名前をオズと紹介したが,主人公の名前や見た目は自由に変更できる。

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続いて竜姫亭の女性陣をご紹介。まずは先輩冒険者のランスローナ。姉御肌で面倒見がいい
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こちらは管理人さんラブな竜姫亭のメイド係,ピーネ。趣味は怪しいキノコを集めること
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よく下着姿で竜姫亭の中をうろついている葬儀屋のプロメス。趣味はドクロ様の収集。胸キュンです
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最後はつるぺた冒険者,ルル。腕は確かなようだが,口は悪い。なお,男共の紹介は割愛する

 竜姫亭にはさまざまな住人が住んでおり,武器屋や道具屋,瀕死になった仲間を復活させるための葬儀屋など,各種施設(というか店舗?)も備わっている。また,本作で特徴的なのは,新たな仲間を増やすために,フランから新しい部屋を借りなければならないというところ。当然,無料ではないので,そのためにはお金が必要だ。
 竜姫亭には5つの空き部屋があり,そのうちの1つを主人公が借りている。さらに,先輩冒険者のランスローナが主人公の仲間のためにもう1部屋借りてくれるので,最初は2人パーティで迷宮に挑むことになる。

竜姫亭は3階建て。見てのとおり,3階には管理人室や武器屋,道具屋などがある
画像集#012のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 本作では部屋の数と同じ,最大5人でパーティを組むことができ,さらに控えとして3人のメンバーを郊外に待機させておける。つまり,全部で7つある職業(主人公の職業は“デモンゲイザー”固定)にぴったりな数だけ,キャラクターを作成できるというわけだ。冒険を開始したら,まずはお金を貯めて新たな部屋を借り,仲間を増やすことを第一目標に進めていくと,冒険が楽になるだろう。

新しく部屋を借りるには契約料が必要。契約料は徐々に高くなるので,優先的に予算を割り当てよう
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 ちなみに,本作には「円卓の生徒」PC/Xbox 360/PSP)や「迷宮クロスブラッド」PC/Xbox 360)にあったようなサブクラス(1体のキャラクターでメインとサブの2つの職業に就くこと)の概念は存在しない。その代わり,各職業のスキルが込められた“神器”と呼ばれる特別なアイテムが用意されており,これを装備することで,例えばウィザードの魔法をファイターが使えるようになったりする。神器は後述する“トレジャーハンティングサークル”などで入手できる貴重品で,1キャラクターにつき最大5個の神器を装備可能だ。

5つの種族と7つの職業を組み合わせてキャラクターを作成。見た目やボイスも自由自在に決められる
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 さて,迷宮に出かける際の注意点として,竜姫亭の家賃についても触れておこう。フランは可愛い顔してお金にはかなり厳しいので,竜姫亭から一歩でも外に出ると,戻ってきた際に玄関先で待ち構えており,家賃を請求してくる。ちょっと忘れ物を取りにきただけという甘い言い訳も通用しない。そのため,一度外出したら最低限,家賃ぶんのお金やアイテムを稼ぐまでは戻らない覚悟が必要だ。

主人公一行が戻ってくるなり家賃を請求するフラン。獲物を狙う目つきをしている……ッ!
画像集#008のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 竜姫亭の家賃は,パーティの人数とレベルに応じて変化する。手持ちが足りないときは滞納してあとで支払うこともできるが,連続して家賃を納めると“模範的な住人”としてフランからご褒美をもらえるので,できるだけ滞納しないようにしたいところ。フランは何やら,隠された使命のために竜姫亭を経営しており,そのためにも資金が必要なのだという。それにしても,取り立てがちょっと厳しすぎる気がするが,フランは怒らせるとものすごく怖いらしいので,きっちり家賃を支払ったほうが身のためかもしれない。

本作の舞台となるミスリッド地方の全体マップ。お出かけの際は忘れ物にご注意を
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もう自動移動なしじゃ,生きられない体に……

新機能でますます快適になったダンジョン探索


 冒険の舞台となるダンジョンは,エクスペリエンスのファンにはおなじみの3D表示になっており,オートマッピングも完備されている。ミニマップや拡大マップをいつでも確認できるので,道に迷う心配はあまりないだろう。さらに本作には,一度行ったことがある場所までオートで進んでくれる“オートパイロット”機能が用意されており,これが非常に便利というか,便利すぎてやばい。拡大マップを表示し,行き先を指定するだけで,あとは目をつむっていても目的地に向かってくれるので,一度使ったら二度と手放せなくなるほどだ。

魔法が使えない水中ダンジョンでも,マップ機能が使用できる。方向音痴の筆者も安心
画像集#030のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 オートパイロット機能には,フロアをまたいだ移動ができない,回転床に乗った際に移動が止まるといった弱点もあるが,さすがにそれくらいは自分でやるべきことでもあり,その利便性には大いに助けられるはず。また,ダンジョン内で使用できるもう1つの新機能として“ゲイザーメモ”がある。これは“魔法のチョーク”というアイテムを使ってダンジョン内に自作のメモを残すもので,それをPS Vitaのネットワーク機能を使ってほかのプレイヤーと共有できる。

行きたい場所を指定するだけで,自動でルートを検索してくれるなんて,いい時代になったものだ
画像集#026のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 メモはあらかじめ用意されたいくつかの単語を組み合わせて短文を作る形式となっており,自由に作文できるわけではないので,使いどころはやや限られてきそうだ。筆者も試しに,その先に恐ろしいモンスターが出そうなところに「この先 管理人室」というメモを残しておいたが,これはおそらく誰の手助けにもならないだろう。ごめんなさいよ!

誰の役にも立たないゲイザーメモを作っているところ。しかし,管理人さんが並みのモンスターより恐ろしいというのは,あながち間違いでもない気がする
画像集#033のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 全体的に,非常に快適にダンジョン探索が行えるよう配慮されている本作だが,1つだけ気になるのはマップ上に自分で目印などを置けないという点。そのため,ダンジョン内にせっかくメモを残しても,あとになって,どこにそれを置いたのか自分で分からなくなってしまう。筆者の記憶力が極めて残念な点は否定できないが,ここまで便利な機能を盛り込んでいるのだから,あともう一歩踏み込んでほしかったところだ。

ダンジョン内にはイベントポイントもあるが,オートマッピングでは記録されない。自分で目印を置く機能はないので,しっかり位置を頭に叩き込んでおこう
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怒らせると怖いのは管理人さんだけじゃない!?

暴走するデモンの力を制御してダンジョンに挑め


 続いて,本作の目玉となる2つの要素,“トレジャーハンティングサークル”(以下,サークル)と,“デモン”について紹介していこう。まずサークルは,ダンジョン内に点在する特殊なスポットで,ここに“ジェム”と呼ばれるアイテムを投入することで,出現するモンスターがそれぞれのジェムに対応したアイテムを持って登場するというもの。もちろん,出現したモンスターを倒すことができれば,そのアイテムを入手できる。

あっ,こんなところに温泉が! と思ったらトレジャーハンティングサークルでした。てへぺろ☆(・ω<)
画像集#032のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 似たようなシステムとしては「円卓の生徒」の“トラップエンカウント”があるが,本作では単にモンスターをおびき寄せるだけでなく,入手できるアイテムの種類をある程度,自分で絞り込める点が大きく異なる。そのため,自分のパーティに必要となる装備品も集めやすく,アイテム探しにもいっそう熱が入る。逆に言うと,ジェムがなければ始まらないわけだが,ジェムは通常戦闘で比較的容易に手に入るほか,「竜姫亭」の道具屋でも購入できるので,足りなくなる心配はほぼない(ただし,店売りのジェムは在庫数が限られている)。

お金に余裕があれば,竜姫亭の道具屋でジェムを補充しておこう。お宝探しはジェムが命!
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 ある程度サークルを制圧すると,そのダンジョンを支配するデモンが現れて軽く戦闘になるが,この初戦は言わば顔見せといったところ。ここで負けるようでは,本気を出したデモンには手も足も出ないので,そのときはレベル上げやアイテム集めをしてパーティを強化し直そう。すべてのサークルを制圧すると“デモンサークル”が出現。ここに足を踏み入れると,いよいよ本性をあらわにし,暴走状態となったデモンとの戦いになる。そして暴走したデモンを倒し,その魂をとらえてフランのもとへ持ち帰ることで,“デモンの鍵”を入手できる。

サークルをすべて制圧すると出現するデモンサークル。万全の準備を整えて飛び込むべし
画像集#035のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 デモンの鍵はデモンの力を封じ込めた特殊なアイテムで,これを付け替えることで最大3体のデモンを連れ歩き,各デモン固有のスキルを使ったり,特殊効果を得たりできる。デモンは探索型や攻撃型,防御型など,それぞれ特徴を持っているので,目的に応じて選びたいところだ。制圧済みのサークルではデモンの鍵束を変更できるほか,ゲームのセーブやロードもできるので,これを拠点にダンジョンの探索を進めていくといいだろう。

回復型のデモン,ネプトゥヌスの通常時(左)と暴走状態(右)。露出度だけでなく,いろいろな意味で危険度がアップしているので,貝殻水着に見とれている場合ではないのだ
画像集#015のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート 画像集#016のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 また,仲間にしたデモンを戦闘中に召喚し,戦わせることもできる。デモンは自分の判断で行動するため,直接命令を下すことはできないが,6人めのパーティメンバーとして強力な戦力になってくれること間違いなし。ただし,デモンの召喚中は毎ターン“デモンゲージ”が減少し,ゲージがなくなるとデモンが暴走するという点には注意が必要だ。暴走したデモンは体力と攻撃力が上昇し,敵味方関係なく攻撃するようになるので大変危険だが,暴走状態をうまく利用すれば強敵を倒すこともできる。主人公が“あるスキル”を習得するゲーム中盤以降は,暴走状態のデモンをいかにコントロールするかがボス戦の勝敗を左右すると言ってもいいだろう。

筆者のお気に入りは物理攻撃が強力なマルス。ボス戦には欠かせないお供だ。マルス師匠,出番です! あのヤバそうな敵を軽く揉んでやってください!
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ラブコメ・ミーツ・ダンジョンRPG

胸躍る恋と,謎に満ちた冒険がここにある


 以前掲載した,本作のプロデューサーである千頭 元氏のインタビューにもあるように,「竜姫亭」という設定は「めぞん一刻」や「ラブひな」などでおなじみの,同居生活やラブコメ的な要素をフィーチャーしたものだ。

竜姫亭の女性陣とお茶会の図。女の子の手作りカップケーキとか,どんなレジェンドアイテムですか
画像集#005のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 確かに,ストーリー面に目を向ければ,そうしたラブコメ作品でお約束となっているコメディ展開やサービスシーンもあり,プレイすればするほど「管理人さん可愛いよ管理人さん……お金には厳しいけど」と思わざるを得ない。このプレイレポートにしても,最初はいかに管理人さんが魅力的であるかについて万言を尽くして語ろうと思っていたほどだ。演出面に関しても,エクスペリエンス作品の中で最も凝った作りになっていると断言できる。

男子たるもの,こうまで言われてはあとには引けぬ……が,その後どうなったのかは2人だけの秘密だ
画像集#004のサムネイル/管理人さんとバラ色の将来を送りたい人のための「デモンゲイズ」先行プレイレポート

 しかし,そうしたラブコメ要素は確かに本作の魅力の1つではあるが,すべてではない。思わず顔がにやけてしまいそうな日常生活の裏では,大きな謎が隠されたメインストーリーがシリアスに展開し,竜姫亭から一歩外に出れば,そこには胸躍る戦いと冒険が待っている。

管理人さんの下着をくんかくんかする,命知らずのピーネ。このままではピーネの身が危ない! 管理人さんにバレる前に,早くその下着をこっちによこすんだ! どうなってもしらんぞー!
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 これまで,一貫してクオリティの高いダンジョンRPGを作り続けてきたエクスペリエンスだけに,基本部分はしっかり作り込まれており,そこにゲームをより快適に遊べる新要素を盛り込みつつ,ラブコメというトッピングをまぶしたような本作。エクスペリエンス作品やダンジョンRPGのファンだけでなく,より幅広いプレイヤーにお勧めしたい1本だ。

何だかんだ言っても管理人さんは可愛い。どこの世界でも可愛いは正義であり,筆者が結局いつも,この笑顔にコロッとやられてしまうのは,まったくもってやむを得ない
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