インタビュー
[G-Star 2012]「RED STONE 2」の日本展開は“可能な限り速いペースで”。開発元L&K Logic KoreaのCEO Nam Taek-Won氏インタビュー
そんなL&K Logic Koreaは,G-Star 2012にて,RED STONEの後継作「RED STONE 2」と,シューティングRPG「Mirror War」を中心としたタイトルを,B2C(一般ユーザー向け)エリアに出展していた。さらに同社は,B2B(商談向け)エリアにもブースを構えるなど,海外展開にも積極的な姿勢を見せている。
今回はB2Bエリアにて,L&K Logic KoreaのCEO Nam Taek-Won氏に短時間ではあるが直接話を聞くことができた。「RED STONE 2」「Mirror War」についてや,G-Star 2012出展の狙いなどについて聞いてきたので,さっそくその内容をお届けしよう。
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[G-Star 2012]「RED STONE 2」のプロモーションムービー
アニメ調のイメージイラストによってハードルを下げる「RED STONE 2」
4Gamer.net(以下,4Gamer):
本日はお忙しい中,ありがとうございます。
G-Star 2012の出展ブースをご覧になって,どのような感想を持ちましたか?
Nam Taek-Won氏(以下,Nam氏):
「RED STONE」と「Mirror War」は共に,弊社にとって古くから愛着のあるシリーズです。その最新作をこうやって大々的に披露するのは,誇らしい気持ちと緊張が入り混じった気分ですね。とくに「RED STONE 2」に関しては,今回が初めての一般公開となるので,来場者にどのように受け入れられるのかちょっとドキドキしています。
「RED STONE 2」ブース |
キーアート |
4Gamer:
「RED STONE 2」は,2Dベースだった前作から3Dベースのグラフィックスとなってようですが,キャッチーなイラストから「ああ,あのRED STONEの続編なんだな」だと分かりました。
Nam氏:
そう感じてもらえたら嬉しいなと思いながら開発しています(笑)。
前作は2D,今回は3Dと見た目は大きく変わっていますが,前作の熱心なファンから敬遠されないことを最重要課題にしています。以前日本版「RED STONE」のサービス時,日本のイラストレーターさんにイメージイラストを描いてもらったことで,広く受け入れられた経験を今回も参考にしています。
4Gamer:
アジア系のオンラインゲームを日本向けにローカライズするとき,「まずイメージイラストで引き付ける」という手法は,もしかすると「RED STONE」が最初だったのかもしれませんね。
そのほか,前作の経験者にとって“世界の繋がり”を感じられる要素はありますか。
Nam氏:
RED STONE 2の舞台は,前作と同じプランデル大陸で,前作から100年後の世界が描かれています。前作に登場したエリアやダンジョンも数多く登場しますが,それらが3Dグラフィックスで描かれている様子は,興味深く見ていただけると思います。もちそん新しいエリアも追加しているので,体感的には前作の7〜8倍の広さを感じると思いますよ。
また一部の有名なNPCについては,今作でその子孫が登場します。プレイヤーキャラクターが彼らとどのようにやりとりするのか,期待してください。
4Gamer:
エリアを3Dグラフィックスとするとき,どういった点で苦労されましたか。
Nam氏:
カメラワークを自由に変えられたり,昼夜の概念があったりと,2Dだった前作と比較して画面内に表示される情報がダイナミックに変化します。このあたりは,前作の経験者にとって抵抗感を与えかねないなので,別の方法で親近感を持ってもらえるように努力しています。例えばNPCとの会話時に,アニメ調の絵を表示させる,といった感じです。
4Gamer:
なるほど。
今回が一般向けの初出展ということを考えると少し気の早い話ですが,「RED STONE 2」の大まかなサービススケジュールを教えていただけますか。
Nam氏:
2012年内に,関係者向けの「Focus Group Test(FGT)」を実施する予定です。そこでの反応を踏まえたうえで,クローズドβテスト以降のスケジュールを計画することになるでしょう。日本展開についても,可能な限り速いペースで行なえればと考えています。
4Gamer:
ちなみに前作の運営元であるゲームオンは,本作を見てどのように反応していましたか。
Nam氏:
公(おおやけ)に発表できるような情報はありませんが,きっと興味深く見ていただいたと信じています(笑)。日本でRED STONEがヒットしたのは,ゲームオンさんの手腕によるところが大きかったので,ぜひ再びアドバイスを頂ければと考えています。
4Gamer:
日本以外の海外についてはどうでしょうか。
Nam氏:
G-Star 2012では,世界各国のメーカーさんとそのあたりについて相談しています。彼らの話を聞いていて思うのは,昨今はハイスペックなMMORPGが注目を集めがちですが,リアル系のグラフィックスは地域によっては敬遠されたり,そもそも普及しているPCのスペックがゲームに追いついていないといった問題があるようです。ニーズは世界各国それぞれなので,RED STONE 2が受け入れられる市場もきっとあるでしょう。
4Gamer:
B2B出展では,実際にどのあたりの地域からの反響が大きかったですか。
Nam氏:
東南アジアや中国といった地域では期待どおりの反応です。そのほか,南米やヨーロッパからの引き合いもありますね。
ファンタジーの世界設定を採用したシューティングゲーム「Mirror War」
4Gamer:
続いて「Mirror War」についてうかがいます。この作品は,ファンタジーの世界設定とシューティングゲームと融合させたタイトルなんですね。
ええ。弊社が培ったファンタジーRPGのノウハウを使って,これまで他社が手がけていないジャンルに挑戦しようというのが最初のコンセプトでした。
シューティングゲームはどちらかというとマニアックなジャンルでしたが,それをもっと多くのライトユーザーに向けて作りたいという気持ちがあり,それでMirror Warの開発を決めました。難度に関しても,従来のシューティングゲームと比べて,序盤はかなり易しめのバランスになっていますよ。
4Gamer:
先ほど少しお話に出ましたが,RED STONEと同じように,Mirror Warのシリーズも昔からあるのですか? 恥ずかしながら私は今回初めて知ったのですが……。
Nam氏:
弊社は設立当初,PC用のパッケージゲームを開発していたんです。Mirror Warはその頃から手がけているシリーズなのですが,海外向けにはローカライズしていないので,ご存知ないのも無理はないと思います。ちなみに第1作は1999年に,リアルタイムストラテジーとしてリリースしています。
4Gamer:
「Mirror War」はすでに韓国でサービスが開始されていますが,海外展開,とくに日本サービスについてはどうでしょうか。
Nam氏:
現在,最終調整を進めています。まだ確定ではありませんが,早ければ年内にも正式サービスが開始できるかもしれません。
4Gamer:
おお,早いですね。
Nam氏:
弊社は日本市場を非常に重視していますからね。RED STONE 2やMirror Warを含め,開発初期段階から「どうすれば日本で受け入れられるか」というのを念頭に置いています。
4Gamer:
それは心強いですね。
さて,日本もそうですが,それ以上に韓国のゲーム市場はモバイルゲームが席巻しつつあります。この動きをL&K Logic Koreaという会社は,どのように受け止めていますか。
Nam氏:
韓国で活動している弊社の視点でも,現在のモバイルゲームの盛り上がりはすさまじいと感じています。ここまで広く浸透したということは,ユーザーがモバイルゲームを選択した,と言い換えられます。より多くのユーザーにゲームを届けるべく,ゆくゆくはモバイルゲームにも参入することになるでしょう。
しかし,カジュアルゲームが人気を博しているというこの動きは今後少しずつ変化すると考えています。例えば,カジュアルゲームに飽きて,よりゲームらしいゲームを望む声もきっと増えてくるでしょう。長年ゲーム作りに携わってきた会社として,そういった人に向けたモバイルゲームを作っていきたいな,と今は考えています。
4Gamer:
期待しています。
それでは最後に,日本のゲームファンに向けて一言お願いします。
Nam氏:
何よりも「RED STONE」を長くプレイし続けてくれている方に向けて,感謝の気持ちを伝えたいです。RED STONEの成功が今の弊社を支えているといっても過言ではありません。
現在開発している「RED STONE 2」は先ほどもお話したとおり,前作の経験者が違和感なく楽しめることを最優先課題にして取り組んでいます。お披露目できるのはもう少し先になりますが,ぜひご期待ください。よろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
――2012年11月10日収録
- 関連タイトル:
RED STONE 2
- 関連タイトル:
MIRROR WAR 〜Reincarnation of Holiness〜
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