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ソフトバンクの2013年冬〜2014年春モデルをフォトレポート。少数精鋭路線で見どころの多い製品をラインナップ
※1 うち1機種はディズニー・モバイルブランドの製品なので,本稿では割愛する。
スマートフォン
- AQUOS PHONE Xx 302SH
- AQUOS PHONE Xx mini 303SH
- ARROWS A 301F
モバイルルーター
- Pocket WiFi 301HW
今回発表された機種は,一番早くに販売されるものでも,2013年12月の予定であり,登場は2か月以上先となる。そのため,会場で試用できた端末はいずれも,まだ製品版にはほど遠い試作機であったため,4Gamer好例のベンチマークテストや,スクリーンショットの掲載はできなかった。今回はフォトレビューを中心に,これらのスマートフォンをチェックしていく。
3辺狭額縁仕様の5.2インチスマートフォン
AQUOS PHONE Xx 302SH
まずは今冬モデルのフラッグシップに挙げられた,AQUOS PHONE Xx(ダブルエックス) 302SH(以下,302SH)から見ていこう。発売時期は2013年12月上旬を予定している。
この狭額縁ボディに5.2インチサイズの液晶パネルをはめ込んでいるため,ボディ前面の80.5%が液晶パネルで占められている。パッと見のインパクトはなかなかのものだ。液晶サイズが大きいわりに,ベゼルが非常に狭いため,後述するARROWS A 301Fと本体横幅は同じながら,0.2インチ大きな画面を搭載している点は,大きなポイントと言えよう。
ディスプレイにはS-CGSilicon液晶パネルを採用し,解像度は1080×1920ドット。シャープ製ながら「IGZO液晶」を採用していないのは,画面の発色を優先したためだという。2013年夏モデルの「AQUOS PHONE Xx 206SH」でも,同じ理由でIGZO液晶を採用していなかった前例があるので,納得といえば納得だが,消費電力を考えるとIGZO液晶を採用してほしかった,と思わずにはいられない。
中身にも目を向けよう。搭載するSoC(System-on-a-Chip)は,Qualcomm製の「Snapdragon 800」(MSM8974)で,これを2.2GHzで駆動する。まだチューニング途中とのことだったが,現時点でも操作に対するレスポンスはかなり良好で,製品版が楽しみである。
そのほかの主な仕様は,メインメモリ容量が2GBで,内部ストレージ容量は32GB。microSDXCメモリーカードに対応し,最大64GBを拡張可能など,2013年のハイエンドスマートフォンとしては,常識的なスペックを備えている。内蔵する無線LAN機能が,IEEE 802.11a/g/n/acに対応している点もポイントだ。
なお,内蔵バッテリーは容量2600mAhで,最終的な数値は未確定ながら,満充電から2日間のバッテリー駆動を目標としているとのことだ。
本体背面には,赤外線通信用の受発光部やアウトカメラ,LEDライトなどが並ぶ。アウトカメラの画素数は1630万画素で,F値は1.9。 |
独自のホームアプリは,シャープ定番の「3ライン」式デザイン。ベゼルの狭さを強調した配色になっているとのこと |
スペックの面で多少気になった点は,搭載OSがAndroid 4.2(Jelly Bean)であることだ。実は今回のスマートフォン3機種は,いずれもOSがAndroid 4.2どまり。そろそろAndroid 4.3に対応してもらいたいというのが正直なところだ。OSのアップデート提供も,今のところ未定だという。
デザインと液晶パネルサイズにこだわった製品だけに,片手で持てるサイズでの大画面スマートフォンを求める人には,刺さるところのある製品ではないだろうか。
●AQUOS PHONE Xx 302SHの主なスペック
- メーカー:シャープ
- OS:Android 4.2(Jelly Bean)
- ディスプレイパネル:5.2インチ液晶,解像度1080×1920ドット
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 800 MSM8974」(クアッドCPUコア,最大CPU動作クロック2.2GHz)
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大64GB)
- アウトカメラ:有効画素数約1630万画素
- インカメラ:有効画素数約120万画素
- バッテリー容量:2600mAh
- 連続通話/3G待受時間:未定/未定
- LTE対応:あり
- 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
- 本体サイズ:70(W)×132(D)×9.9(H)mm
- 本体重量:約147g
- 本体カラー:ラピスブルー,ホワイト,ブラック,ピンク
- 主な対応サービス&機能:SMS(S!メール),GPS,世界対応ケータイ,フルセグ,ワンセグ,おサイフケータイ,NFC,赤外線通信,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング,防水
4.5インチでもハイスペック
AQUOS PHONE Xx mini 303SH
残念ながらモックアップのみの展示だったが,製品版を想像するとワクワクしてくる製品が,AQUOS PHONE Xx mini(ダブルエックス ミニ) 303SH(以下,
AQUOS PHONE Xx 302SHを一回り小さくしたような製品で,液晶パネルサイズは4.5インチになっているが,主要スペックでは引けを取らないという,小さいながらもデキるスマートフォンだ。
AQUOS PHONE Xx mini 303SH。残念ながらモックアップだが,3辺狭額縁設計のデザインは,302SHと共通している |
本体カラーバリエーションは,今回の製品では最多の8色展開。ポップで明るいカラーが並ぶ |
本体サイズは63(W)×124(D)×9.8(H)mm。同じシャープ製の4.5インチ液晶パネル搭載スマートフォン「AQUOS PHONE EX」が幅64mmなので,横幅はわずかに小さくなっている。3辺狭額縁設計は302SHと同様で,上部ベゼル幅2.7mm,左右ベゼル幅2.1mmという数値も同一。この狭額縁のおかげで,パッと見には液晶パネルのサイズが4.5インチとは思えないほど,画面が大きく感じる。
本体正面下部に音量調節ボタンが並ぶなど,ボタンやインタフェースのレイアウトは302SHと同じだ |
本体背面。アウトカメラは約1310万画素。下に見えるメッシュ穴はスピーカーとのこと |
最大の特徴である液晶パネルには,IGZO液晶を採用。画面解像度は1080×1920ドットで,ピクセル密度はなんと487ppiと,世界最高水準の高精細さを実現しているという。とはいえ,会場には動作する実機がなかったので,その精細さを確認できなかったのは残念だ。
SoCは302SHと同じく,Qualcomm製のSnapdragon 800を採用し,これを2.2GHzで駆動する。メインメモリ容量は2GB,ストレージ容量はちょっと少なめの16GBだが,microSDXCカードによる増量も可能なので,実用上の問題は生じないだろう。
本体サイズが小さいため,内蔵バッテリー容量も2120mAhと,数字の上では少な目だ。しかしIGZO液晶を採用しているため,実際のバッテリー駆動時間には期待が持てそうだ。
●AQUOS PHONE Xx mini 303SHの主なスペック
- メーカー:シャープ
- OS:Android 4.2(Jelly Bean)
- ディスプレイパネル:4.5インチ液晶,解像度1080×1920ドット
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 800 MSM8974」(クアッドCPUコア,最大CPU動作クロック2.2GHz)
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大64GB)
- アウトカメラ:有効画素数約1310万画素
- インカメラ:有効画素数約120万画素
- バッテリー容量:2120mAh
- 連続通話/3G待受時間:未定/未定
- LTE対応:あり
- 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
- 本体サイズ:63(W)×124(D)×9.8(H)mm
- 本体重量:未定
- 本体カラー:ターコイズ,ホワイト,ブラック,レッド,ブルー,ゴールド,ライトピンク,ビビッドピンク
- 主な対応サービス&機能:SMS(S!メール),GPS,世界対応ケータイ,ワンセグ,おサイフケータイ,NFC,赤外線通信,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング,防水
10分充電で1日稼動の急速充電が魅力
ARROWS A 301F
富士通モバイルコミュニケーションズ製の「ARROWS」シリーズ新製品となるのが,このARROWS A(エース) 301F(以下,ARROWS A)だ。こちらも発売時期は2013年12月上旬を予定している。
フル充電でのバッテリー駆動時間も,3日間程度なので,そのスタミナぶりはかなり優秀なものだ。ただし,フル充電までかかる時間については,明言されなかった。一般的な急速充電対応機器では,80%程度までは短時間で終わるものの,満充電までは時間がかかるものが多い。ARROWS Aも似たような傾向を持っているのかもしれない。
5インチサイズで解像度1080×1920ドットの液晶パネル(詳細未公開)を備える本体は,サイズが70(W)×141(D)×10.3(H)mmで,重量約157gと少々大きく重い。ただし,背面のラウンドフォルムが長く緩やかなカーブを描いているため,5インチ級の液晶パネルを備えた大型スマートフォンの中でも,手にしたときのフィット感が一番いいように思えた。
本体上部。ヘッドフォン端子の横にあるカバーは固定されていたが,内側にはSIMカードスロットとmicroSDXCカードスロットがあるという |
本体下部。ストラップホールとマイク,USB Micro-B端子,スピーカーが並ぶ。ちなみにUSB Micro-B端子はキャップレス防水仕様だ |
本体左側面。音量調節ボタンと[電源/スリープ]ボタンが並ぶ。片手持ちでも親指で操作できる位置にあるので使いやすい |
本体右側面にはクレードル用の接点があるだけだ |
SoCはほかの2製品と同じく,2.2GHz駆動のSnapdragon 800を採用する。メインメモリ容量も同じ2GBだが,ストレージ容量だけは64GBと大きい。microSDXCカードにも対応するため,容量にはかなりの余裕がありそうだ。
画面サイズだけは302SHに一歩譲るものの,解像度では互角。そのうえ急速充電機能は,かなり実用性が高いと思われるので,今回の新製品では,スペックや機能面で最も注目すべき製品が,ARROWS Aであると言っても過言ではないだろう。
●ARROWS A 301Fの主なスペック
- メーカー:富士通モバイルコミュニケーションズ
- OS:Android 4.2(Jelly Bean)
- ディスプレイパネル:5インチ液晶,解像度1080×1920ドット
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 800 MSM8974」(クアッドCPUコア,最大CPU動作クロック2.2GHz)
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ:内蔵(容量64GB)+microSDXC(最大64GB)
- アウトカメラ:有効画素数約1310万画素
- インカメラ:有効画素数約125万画素
- バッテリー容量:2600mAh
- 連続通話/3G待受時間:未定/未定
- LTE対応:あり
- 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
- 本体サイズ:70(W)×141(D)×10.3(H)mm
- 本体重量:約157g
- 本体カラー:コンフォートホワイト,ブラック、ピンク
- 主な対応サービス&機能:SMS(S!メール),GPS,世界対応ケータイ,フルセグ,ワンセグ,おサイフケータイ,NFC,赤外線通信,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング,防水
1.5GHz+1.7GHz+2.5GHzのモバイルルーター
Pocket WiFi 301HW
4つめの製品はスマートフォンではなく,モバイルルーター「Pocket Wifi」の新製品であるPocket WiFi 301HW(以下,301HW)だ。製造はHuaweiである。
モバイルルーターとしては異色な特徴が,表面に2.4インチサイズのタッチパネル液晶パネルを備える点だ。スマートフォンのように,タッチやフリックでメニューを操作していくので,モバイルルーターとしては使いやすく感じた。
301HWは,周波数2.5GHz帯と1.5GHz帯および1.7GHz帯の3つの周波数帯でのデータ通信に対応したモバイルルーターである。LTEでの通信は2.5GHz帯と1.7GHz帯を使用し,最大通信速度は110Mbpsになるという。ただし,接続する周波数帯は自動選択で,ユーザーが任意に選ぶことはできないそうだ。バッテリー駆動時間も長く,連続通信時間は約10時間を謳っている。
発売時期は2013年12月以降とのことだ。
ソフトバンクモバイルが土管屋としての強みをアピール?
まず孫氏は,発表会冒頭で端末の数を絞ったことについて,「膨大な数の端末を出すよりも,ネットワークの優劣を競走する時代になった,クラウドサービスやアプリが重要だとそんな時代がくる」と述べた。ソフトバンクモバイルは2012年から,NTTドコモやKDDIよりも端末数を絞っていたが,2013年はその傾向に拍車がかかったように思える。
ことiPhoneでは,ソフトバンクモバイルが非常に強いものの,Androidスマートフォンでの存在感は低い。そのうえKDDIに続いて,ついにNTTドコモがiPhone 5s/5cの取り扱いを始めたため,「日本のiPhone=ソフトバンク」という図式は,もう成り立たなくなっている。それを反映してなのか,孫氏自ら,“土管屋”としての強みをアピールしていたことは,印象に残った。
なお2014年4月には,いわゆる「プラチナバンド」と呼ばれる900MHz帯での通信も可能になるという。今回紹介する端末すべてとiPhone 5sが,このHybrid 4G LTE対応スマートフォンとなるわけで,幅広い周波数帯に対応することでのスムーズな通信が期待できる。とはいえ,実際にこれらの端末で快適に通信できるかどうかは場所や条件にもよるので,孫氏の言葉だけを鵜呑みにするわけにはいかないのが難しいところだ。
ソフトバンクモバイル 2013冬モデル 特設ページ
- 関連タイトル:
AQUOS
- 関連タイトル:
arrows(旧称:ARROWS)
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