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5.7インチ液晶搭載の「AQUOS Xx」は意外な本命になるか? ソフトバンクモバイル2015年夏モデルテストレポート
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印刷2015/05/20 00:00

テストレポート

5.7インチ液晶搭載の「AQUOS Xx」は意外な本命になるか? ソフトバンクモバイル2015年夏モデルテストレポート

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 既報のとおり,2015年5月19日,ソフトバンクモバイルは,都内で新製品および新サービスの発表会を開催し,2015年夏モデルの新製品スマートフォン4機種を発表した。同時に発表されたLTE対応版の「Surface 3」の前に,やや影が薄くなってしまった気もするが,「Xperia Z4」やソフトバンクモバイルでは初となるGalaxyシリーズなど,人気の出そうなハイエンド製品を揃えた,そつのないラインナップとなっている。

  • Xperia Z4
  • AQUOS Xx
  • AQUOS CRYSTAL2
  • Galaxy S6 edge

 Xperia Z4は先行して発表されたNTTドコモ版で,Galaxy S6 edgeは同様にKDDI版でレポート済みということもあり,本稿ではソフトバンクモバイル独自のラインナップであるAQUOS Xx(アクオス ダブルエックス)とAQUOS CRYSTAL2をチェックしてみたい。


AQUOS Xx


 NTTドコモが2015年夏モデルで投入した,5.5インチサイズの「AQUOS ZETA SH-03G」(以下,AQUOS ZETA)を一回り大きくしたようなスマートフォンが,シャープ製のハイエンドスマートフォンAQUOS Xxだ。
 5.7インチサイズの液晶パネルを搭載する本体は,サイズが79(W)×146(D)×8.7(H)mmで,重量約168g。AQUOS ZETAは,サイズが76(W)×141(D)×8.3(H)mmで,重量約150gであるため,数字の上では少し大きくなった程度である。持ち心地も似てはいるのだが,大きなAQUOS Xxのほうが持ってみるとしっくりくる感じで,「わずかな違いなのにな」と不思議な印象を受けた。
 この違いはなかなか面白いので,持ちやすさ重視でスマートフォンを選ぶのであれば,AQUOS XxとAQUOS ZETAを店頭で持ち比べてみることをお勧めする。

AQUOS Xxの前面(左写真)と背面(右写真)。AQUOSのトレードマークとなった3辺狭額縁仕様で,前面下部にインカメラがあるお約束のレイアウトだ。背面にも強化ガラスをはめ込んでいて,どことなくXperiaシリーズっぽい雰囲気もある
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液晶パネルの比較デモ。S-PureLED搭載パネルのほうが色調が豊富で,トーンジャンプもほぼない印象だった
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 AQUOS ZETAと比べたときに,大きな違いとなるのは液晶パネルだろう。AQUOS Xxはシャープ自慢のIGZO液晶ではなく,「S-CG Silicon液晶」という液晶パネルを採用しているのだ。バックライトLEDには,発色の良さを特徴とする「S-PureLED」(エスピュアレッド)というLEDライトを搭載しているため,IGZO液晶よりも発色は良好に見えた。

 5.7インチという大きな画面サイズのわりに,画面解像度は1080×1920ドットとなっている。1440×2560ドットの高精細パネルを採用する製品も多い5インチ超クラスとしては,物足りなく感じる人もいるかもしれない。また,AQUOS ZETAで背面に搭載されていた指紋認証センサーも,AQUOS Xxは装備していなかったりする。
 液晶パネル解像度や指紋認証センサーの有無といった要素が,本機の魅力を損なっているわけではない。ただ,最大サイズのハイエンドAQUOSとして,いっそのこと新仕様を全部盛りにしてほしかったな,という正直な思いはある。

上側面(左写真)には,写真左からヘッドセット/ヘッドフォン接続端子,防水カバー内にnanoSIMカードスロット,microSDカードスロットがある。下側面には,写真左からマイクとスピーカーがあるだけ
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左側面(左写真)。キャップレス防水仕様のUSB Micro-B端子があるだけ。写真左に見える棒状の部分は,握るだけでロックを解除できる「マジックグリップ」のセンサー部だ。右側面(右)には,写真左から[電源/スリープ]ボタン,[音量調節]ボタン,マジックグリップセンサーが並ぶ
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 機能面での特徴としては,ハイスピードビデオ録画機能がなかなか面白い。
AQUOS ZETAにも同種の機能が搭載されているのだが,1920×1080ドットでは最大1200fps相当,854×480ドットなら最大2100fps相当(いずれもフレーム補間による)の映像を再生できるという高速度撮影がスマートフォンのカメラで可能というものだ。格闘ゲームやリズムゲームのプレイを撮影して,キャラクターのモーションや入力のタイミングをチェックしたりするのに役立ちそうである。

カラーバリエーションはホワイトとレッド,アンバーブラックの3色(左)。狭額縁デザインではあるものの,他のAQUOS 2015年夏モデルに比べると,ベゼル幅はやや太めに見えた(右)
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 スペックを見ると,SoC(System-on-a-Chip)にはQualcomm製の「Snapdragon 810」を採用しており,メインメモリ容量3GB,内蔵ストレージ容量は32GBと,2015年夏モデルのハイエンドスマートフォンでは定番の構成だ。SoCやメモリのスペックが同等であるなら,性能を決める重要な要素は,「メーカーがSoCをどう使っているか」にかかっている。その点は,先に掲載したNTTドコモKDDIの2015年夏モデルテストレポートでも明らかだ。
 とくにシャープは,他メーカーよりもバッテリー駆動時間の延長を重視したチューニングを施す傾向にある。AQUOS Xxはどうなっているのだろうか。ベンチマークテストで確かめてみよう。なお,展示会場の試用機は,完成まで8割程度の開発状況ということなので,その点は割り引いてもらいたい。

 今回もテストには,「CPU-Z」を使った各CPUコアの挙動観察,Android版「3DMark」によるグラフィックス性能の計測,メインメモリおよびストレージアクセス性能を計測する「A1 SD Bench」,そして連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」による連打の応答性計測を実施している。

 AQOUS Xxが搭載するSnapdragon 810は,登場したばかりの最新SoCということもあってか,これを採用する2015年夏モデルスマートフォンではメーカーを問わず,ソフトウェア面の最適化がまだ足りないという印象を受ける。そうした状況の中でも,シャープ製スマートフォンはバッテリー駆動時間を重視して,動かすCPUコアの数や動作クロックを控えめにするチューニングを施しているようだ。それは,2013〜2014年モデルでも同様のチューニング傾向だったので,シャープ製スマートフォンでは既定路線といったところだろう。
 それを踏まえて,CPU-ZでAQOUS Xxの動作状況を確認してみると,ARMアーキテクチャにおける「big.LITTLE」構成でbig側を担当するCPUコアは,Androidの基本的な操作やWebブラウジング程度では,ほとんど動いている様子がなかった。

CPU-Zで各CPUコアの動作を観察した様子。左写真はアイドル状態で,LITTLE側のCPUコアが2基だけ動いている。右写真はバックグラウンドでデータをダウンロードしている最中で,LITTLE側のCPUコアすべてが1487MHzで動作していた。動作するCPUコア数は2〜4基で変動しており,細かくCPUコアのオン/オフを切り替える挙動のようだ
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 3DMarkのIce Storm Unlimitedプリセットを実行してみたところ,スコアは「14240」となった。Snapdragon 810搭載機としては,はっきりいって低いほうなのだが,筐体が大きくなったぶんだけ放熱処理に余裕があるのか,AQUOS ZETAよりはマシなスコアである。このスコアでも現行のゲームは問題なく動作するだろうが,今後のチューニングでの向上を期待したい。

3DMark IceStorm Unlimitedの計測結果
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 連打応答性をチェックする「ぺしぺしIkina」の結果は「76」。Android 5.0世代のスマートフォンでは「85」前後が当たり前になりつつあるので,それに比べると低い結果だ。飽和は12タップめに発生して以降,21,25,35と前半に集中するタイミングが確認できた。とくに12タップめ,21タップめの飽和はかなり長く,露骨な取得漏れを感じている。「72」を記録したAQUOS ZETAよりはマシなのだが,少なくともリズムゲームには向かないと考えてよさそうだ。製品版で改善されるだろうか。

ぺしぺしIkinaの計測結果(左写真)とA1 SD benchの結果(右写真)。Internal memoryのWrite(書き込み)が61.80MB/sと,やや遅いのが気になる
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 ベンチマークテスト結果や連打応答性が振るわないのは気になるものの,大画面ながら持ちやすいボディデザインや発色良好な液晶パネルといった特徴に価値を見出すならば,AQOUS Xxは選択肢にあげる価値がある製品ではないだろうか。

●AQOUS Xxの主なスペック
  • メーカー:シャープ
  • OS:Android 5.0(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.7インチ液晶,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア,最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1310万画素
  • インカメラ:有効画素数約210万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約450時間/約420時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約1350分/約1300分
  • LTE通信周波数帯:2.5GHz(AXGP),2.1GHz,1.7GHz,900MHz
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:79(W)×146(D)×8.7(H)mm
  • 本体重量:約168g
  • 本体カラー:アンバーブラック,ホワイト,レッド
  • 主な対応サービス&機能:S!メール,GPS,おサイフケータイ,世界対応ケータイ,ワンセグ,フルセグ,Wi-Fiテザリング,防水


AQUOS CRYSTAL2


 額縁部分が極めて細い「フレームレス」デザインを特徴として,2014年夏モデルで登場したシャープ製スマートフォン「AQUOS CRYSTAL」。その後継機となるのが,「AQUOS CRYSTAL2」だ。

AQUOS CRYSTALの前面(左写真)と背面(右写真)。極細のベゼルに加えてエッジを目立たせない加工によって,ほとんど液晶パネルだけに見える独特のデザインだ。背面にはマットな加工が施されており,フィット感はとても良好だった
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 実のところ,搭載SoCは前モデルと同じ「Snapdragon 400」のままで,メインメモリ容量が前モデルの1.5GBから2GBに増えただけと,ゲーム用途に向いたスペックの製品ではない。典型的なローエンドスマートフォンであり,3Dグラフィックスを使わないタイトルであれば,ややもっさり感はあるがプレイはできる,という程度だろう。
 発売時期が7月中旬以降ということもあって,試用機でのベンチマークテストも許可されなかった。そうした事情もあって,ここでは簡単な紹介のみとさせていただく。

背面形状はラウンドフォルムになっていた。前面側のエッジに指をかけやすいので,グリップしやすくデザインされている点は評価したい。ちなみに, AQUOS CRYSTALにはなかった防水機能が追加された。この点は素直に喜ばしい
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近寄って見れば,ベゼルは当然存在するわけだが(左写真),実機を触っているとほとんど気にならない。3辺狭額縁デザインの集大成といったところか。カラーバリエーションは下から順に,ターコイズ,ホワイト,ピンク,ブラックの4色
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●AQUOS CRYSTAL2の主なスペック
  • メーカー:シャープ
  • OS:Android 5.0(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.2インチ液晶,解像度720×1280ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 400 MSM8926」(4 CPUコア,最大CPU動作クロック1.2GHz,Adreno 305 GPUコア)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約800万画素
  • インカメラ:有効画素数約210万画素
  • バッテリー容量:2030mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:未公開
  • 3G連続通話/LTE連続通話:未公開
  • LTE通信周波数帯:2.5GHz(AXGP),2.1GHz,1.7GHz,900MHz
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:71(W)×136(D)×11(H)mm
  • 本体重量:約154g
  • 本体カラー:ターコイズ,ブラック,ホワイト,ピンク
  • 主な対応サービス&機能:S!メール,GPS,おサイフケータイ,世界対応ケータイ,ワンセグ,Wi-Fiテザリング,防水

ソフトバンクモバイル 2015年夏モデル新製品 特設ページ

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    AQUOS

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