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梶 裕貴さん&SCRAP共同制作リアル脱出ゲーム「潜入捜査官エウレカの願い」は,なかなかの歯ごたえ。でも初心者向け救済策も満載!
声優の梶 裕貴さんと,リアル脱出ゲームで有名なSCRAPの共同制作となるリアル脱出ゲーム「潜入捜査官エウレカの願い」(以下,「潜入捜査官エウレカ」)が,2022年4月26日に発売されました。リアル脱出ゲームといえば,当然ながらみんなが一か所に集まって,あれやこれやと謎解きをして,時には会場を探し回ったり走り回ったりしながら制限時間内での脱出を目指す……というイメージですが,本作は【自宅で1人でもプレイできるリアル脱出ゲーム】とのこと。
この「潜入捜査官エウレカ」を自宅でプレイしてみました。また,複数人でもプレイできるとのことだったので,2人プレイにもチャレンジしています。気になっている人は,ぜひチェックしてみてくださいね。
ちなみに,これまでにも数回,リアル脱出ゲームにチャレンジしたことはあるものの,筆者の攻略レベルはそんなに高くなく,むしろ謎解きは大の苦手だったりします。他のプレイヤーさんが足がかりになるようなヒントをくれれば,あとはそこから推理を進められるのですが,何せその「最初の取っ掛かり」が見つけられないタイプなんです。なのに1人で挑むという,このリアル脱出ゲーム……果たして筆者はクリアできるのか,そんな不安もよぎりました。
ですが! 実は筆者,朗読劇にも通うほどの梶 裕貴さんファンでもあったんです。梶さんボイスを堪能できるリアル脱出ゲームと聞き,「これは迷う場合ではない。プレイせねばなるまい!」と固く決意。こうして,「潜入捜査官エウレカ」へのチャレンジが始まったのでした。
「潜入捜査官エウレカの願い」公式サイト
◆「潜入捜査官エウレカ」って,どんなゲーム?
「潜入捜査官エウレカ」をプレイするためには,まずゲームキットを購入する必要があります。基本的に遊ぶ人数分が必要で,今回は2人でのプレイも想定しているため,2つ用意しました。
中を開けると,ノートブックと,何やら謎解きに必要らしいグッズのようなものが入っていました。CDなどはなく,URLが記載された用紙が入っているので,そこから指定のサイトにアクセスすれば,音声が聞けるようになっています。
アクセスはPCからでもスマートフォン(タブレット)からでも可能ですが,「通信機をとおしてコミュニケーションを取っている」という設定からも,スマートフォンのほうが雰囲気が出ます。とはいえ,プレイ中に着信などがあると困ることもあるでしょうし,スマートフォンでのプレイについてはあくまで個人的に推奨するだけで,PCでもまったく問題はありません。
また,プレイの際にはイヤフォンかヘッドフォンがあると良いでしょう。どちらも必須ではありませんが,「音を聞いて遊ぶ」だけに,あったほうが断然分かりやすいです(詳細は後述)。
あとはサイトの手順に従って,順番に音声を聞きながら進めていくこととなります。基本的に音声は手順通りにしなければ(謎解きに正解しなければ),その先が開放されないようになっているので,間違って別の音声を先に聞いてしまうようなこともなく,安心です。
では,まずノートブックで公開可能な箇所を紹介しましょう。本作にはかなりしっかりとしたストーリーがあります。
●ストーリー※公式サイトより引用
あなたは私立探偵。
腕試しで警察のネットワークに侵入したことをきっかけに、その閃きやセンス、そして謎を解き明かす力を買われ、「分析官」として警察に協力することになる。
あなたのパートナーとなるのは、捜査官エウレカ・ミッケ。変装と演技を得意とし、あらゆる場所や組織に潜入し、捜査を行う。
その現場の音声を聞きながら、謎解きを進めるのがあなたの役目だ。待ち構えているのは、強盗、詐欺師、武器商人などクセモノ揃いの犯罪者たち。
はたしてあなたはエウレカとタッグを組み、7つの事件を解決することができるだろうか?
主な登場人物は4人。まず主人公のエウレカ・ミッケは,梶 裕貴さんが演じる潜入捜査官です。元は役者を志していましたが,父の死をきっかけに警察へ。卓越した演技力で数々の潜入捜査を成功させてきたという実績を持っています。
そのエウレカを補佐するのが,公安第五課課長の南雲みずき(CV:泊明日菜)と,情報コンサルタントの本田パブロ(CV:鈴木崚汰)。そしてエウレカのパートナーとなる“プレイヤー”です。
プロローグでは,プレイヤーと各キャラクターとの出会い,そして最初の謎が提示されます。まずはガイドに従って,プレイを進めてみましょう。基本的に本作の謎は“音声を聞くことで解けるもの”が多いので,ここで本作ならではの特徴をつかむのが大事です。
◆まずは2人プレイで始めてみました
前述のとおり,謎解きには少々(大分)自身のない筆者。最初は協力者を募り,2人でのプレイに挑戦してみました。
2人でプレイする場合,基本的にお互いにそれぞれのキットで音声を聞きつつ,ノートブックを見ながら謎を検討していくので,何らかのチャットツールが必要となります。音声で話し合えれば楽ですが,文字チャットでもまったく問題ありません。「どう解いていけばいいのか?」を話し合いながらお互いに答えを入力して同時に進めていくような感じです。
つまり,どんなに離れていても,キットさえあれば全国の誰とでも,何人とでも遊べます。……が,「三人寄れば文殊の知恵」とも言いますように,参加人数が多ければ多いほど謎解きの難度としては下がっていきますので,そこは自身の謎解き自信度と比べてみると良いでしょう。
何はともあれ,まずは「CASE1. ヌーボー美術館窃盗事件」からスタートです! 謎解きのネタバレはありませんのでご安心を。
エウレカの役目は,コソ泥となって美術館窃盗事件を企てている窃盗団に潜入すること。プレイヤーとエウレカとは通信機で常につながっていますが,エウレカのサポート役に就いたばかりとあって,エウレカの態度もどことなく冷たく,言葉数も少な目でした。
エウレカは潜入捜査には慣れているようで,終始落ち着いた様子。そもそも分析官なんて必要ない,と拒んだだけあり,エウレカはまさに一匹狼という言葉が似合うツンツンぶりです(ちょっと悲しい……)。
そんなエウレカからつっけんどんに渡された1問目の問題は,クロスワードのようなもののようです。さっそく2人で音声を聞きながら「ここはこうじゃない?」「ならこっちはこうかな?」と話し合いながら進めていきます。2人で知恵を振り絞ったおかげで,幸い1問目はあっさりクリアできました。
ここから先は一切公開不可となりますので詳細は明かせませんが,その後といえば
筆者「は? 分からないんだけど」
相棒「ここはね……ここでこうなるじゃない……」
筆者「は〜,なるほど〜」
……の繰り返しが大半になったことは,ご想像のとおりとも言います。
いや〜,2人プレイにしておいてよかったですね!
一方で,2人ともとくに問題なく進められる謎については,黙々と解いていた時間もありました。2人でプレイするためには進行度だけはあわせておく必要があるので,その際は相手の進行を待ったり,待たせたり……なんていう時間も発生します。人数が多くなればなるほどそこらへんもちょっと面倒になるかもしれないので,2〜3人までがオススメです。
◆謎解きが苦手な筆者が1人で遊んでみた
とはいえ,相棒にばかり頼ってもいられません。幸いこのゲームは好きな時に中断し,好きな時にまた再開できるので,CASE3からは1人でプレイしてみることにしました。
でも,やっぱり分からない。自分ってば本当に謎解きのセンスがない……。
そんな私に差し込んだ光が,「ヒント」です。
このヒントは何段階かに分かれており,押すたびに謎の解き方(考え方)を丁寧に教えてくれます。最初は本当に一番最初の取っ掛かりから始まり,2回目を押すとそこからさらにどのように考えていけばいいのか,3回目になるともっと詳細を……(問題によってヒントの数は違います)。
これのおかげで,謎解きが苦手でも「なるほど!」という具合で謎を解いていけるようになっていますが,それでもどうしても解けない謎がある場合は,答えまで見ることも可能です。筆者は幸い今回は答えを見ずに済んだのですが,謎解きが苦手だけれど遊んでみたい人はもちろんのこと,リアル脱出ゲームを体験してみたいけれどいきなりイベントにいくのはハードルが高い,という人にもぴったりな内容になっています。
なお,答えを見てしまってもとくにペナルティもありませんし,ストーリーに変化もありません。できればせっかくの謎解きを楽しんでほしいところですが,極論としては全部答えを見てしまい,ただエウレカのドラマを楽しむだけ,という遊び方もできるのは事実です。
◆謎解きの難易度は(多分)高い方ではない
曖昧な言い方になりますが,恐らく謎解きの難度そのものはそこまで高くないかと感じました。筆者が致命的にセンスがないからこそヒントに頼る箇所もありましたし,逆に“最初から解法は分かっているのに正解が分からない”というような問題もありました。
この“最初から解法は分かっているのに正解が分からない”というのは,本作が“音で聞いて謎を解く”作品だからです。何をすれば良いのかはすぐに分かる。ですが,ノートブックとにらめっこしても,私の残念なセンスではなかなか正解にたどり着けない。
ちなみにCASE3以降は別々にプレイしていましたが,相棒は1人ですらすら解いていけたようですので,こればかりは本当に物事の考え方が謎解きに向いているかいないかの差だと思います。
普段からリアル脱出ゲームなどで高難度の謎を解いている人にとっては,どちらかというと小手調べ程度の謎が多いかと思いますので,内容としては“謎解き初心者向け”というイメージで問題ないでしょう。
ただ,家にいながらにしてリアル脱出ゲームが遊べる,というのも斬新ですし,“音を聞き分ける”というのも面白い試みです。なかにはステレオのイヤフォンのほうが確実に解きやすい謎,なんていうのも存在します。
CASEが進むごとに少しずつ難度は上がっていくので,後半になればなるほど解き甲斐のある謎が待ち受けています。
◆いろいろな梶さんの演技が楽しめる!
本作の魅力として,やはり「さまざまな姿に変装するエウレカ」と,それに伴う梶さんの演技の変化も挙げたいです。
CASE1のコソ泥では一匹狼だったエウレカですが,CASE2ではホストに。しかもホストといっても,クールだったり,キュート系だったり,真摯だったり,チャラ男だったり,渋い系だったりと,客の好みによってキャラクターを変えるという完璧なホストを演じてみせるエウレカ。女性に変装するような場面もあって,とにかく驚かされます。
CASE3では,ちょっと年老いた社長秘書に。CASE4では,ヒーローショーに出演する熱血ヒーローに。CASE5では,人見知りが激しい家庭教師に。CASE6では破天荒な芸術家に。CASE7ではエウレカが元々志していた舞台役者を演じます。
これだけさまざまな役柄を全てこなしてみせる梶さんの演技も素晴らしく,コメディチックな役柄も多々あり,梶さんのファンか否か問わず,くすっとしてしまう場面も多々! それにCASEが進むごとにパートナーであるプレイヤーへの態度が軟化してくるエウレカも,必見(必聴)です。
先程少々「謎解きは全部飛ばしても……」といった理由も,ここにあります。つまり,「元々は役者を目指していた」という設定のエウレカが,捜査でさまざまな役を演じていく姿や,プレイヤーとの関係性の変化を含め,充分に楽しめる内容なんです。
また,エウレカにまつわるお話も最後まで遊ぶと一本の物語としてきちんと完結していますので,そういった面で普段のリアル脱出ゲームと違う面白さがあります。
リアル脱出ゲーム初心者はもちろんのこと,リアル脱出ゲームに慣れているものの普段とは違った雰囲気の“音に頼る”謎解きを楽しんでみたい人,梶 裕貴さんのファン,さまざまな人に楽しんでもらえる内容なのは間違いありませんので,ぜひ「潜入捜査官エウレカ」,プレイしてみてくださいね!
「潜入捜査官エウレカの願い」公式サイト
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