プレイレポート
「ロードス島戦記オンライン」第6のクラス「ウォリアー」を先行プレイ。大剣をやすやすと振るう漢らしいウォリアーの実力のほどは?
今回,4Gamerは,韓国でも実装されたばかりのこの新クラスを,本作のブランドマネージャー 加藤 仁氏(以下,加藤氏)の説明を受けながらプレイしてきた。そのプレイフィールを紹介するとともに,ウォリアー実装のいきさつなどについても紹介していこう。
なお,今回のテストプレイ時のクライアントは,グラフィックスやバランスなどが,まだ完全には調整されていないものだった。そのため,スキルの効果や名称など,実装時とは異なる場合があることを,ご了承願いたい。
「The Intruder」アップデート特設ページ
原作者の水野氏の要望で作られた新クラス「ウォリアー」
ウォリアー・レポートに入る前に,ロードス島戦記オンラインの設定としてのウォリアーと,その誕生秘話を紹介しよう。
実はロードス島戦記オンラインの制作にあたり,小説「ロードス島戦記」の原作者である水野 良氏から「小説第1巻の初期パーティが組める職業をそろえてほしい」という要望があったという。小説第1巻に登場するキャラクターと,ロードス島戦記オンラインのクラスとを当てはめてみると,だいたい以下のようになる。
キャラクター :小説内でのクラス / ゲーム内でのクラス パーン :ウォリアー(後に騎士) / ナイト ディードリット :シャーマン / シャーマン エト :プリースト / プリースト スレイン :ソーサラー / ソーサラー ギム :ウォリアー / − ウッド・チャック :スカウト / スカウト
見て分かるとおり,小説版の初期パーティを組むためには,パーンやギムのクラスであるウォリアーが必要になる。しかし,このクラスがまだ実装されていなかったわけだ。それが今回のアップデートで,ついに実装され,そのパーティが実現可能となる。
一方,実装されるウォリアーの種族はヒューマンだ。個人的にはギムに合わせて,未実装のプレイアブル種族でもある「ドワーフ」のウォリアーに期待したいところだったが,なぜ,開発はヒューマンを選択したのだろうか。
これについて加藤氏に聞いたところ,開発元のL&K Logic Koreaと「原作に沿うような形でドワーフにするか,より多くの人達に受け入れられるようヒューマンにするか」といった視点や,グラフィックスでの見栄えなど,多角的な視点で何度も協議を重ねた末,ヒューマンタイプのウォリアーに決まったのだという。
一方,ドワーフのウォリアーであれば,ギムをベースとしてキャラ設定などの制作は容易になりそうだが,種族が人間となると,選択肢が多すぎてそうもいかない。
そこで,ディープなロードス島ファンでもある加藤氏らがたどり着いたのが,「最も深き迷宮」から生還した「六英雄」のひとりである暗黒帝王ベルドと,小説第3巻に登場した傭兵オルソン。彼ら2人をモチーフとして,暗黒の島マーモにある「闇の森」の蛮族出身の戦士として誕生したのが,今回実装される「ウォリアー」というわけだ。
ウォリアーのイラストを見ると,「ロードス島伝説(小説)」や「ロードス島戦記 ファリスの聖女(コミックス)」に描かれている若きベルドの姿を思わせる。髪が赤いのも,「赤髪の傭兵」と呼ばれたベルドのオマージュのようだ。
ウォリアーは,同郷でありマーモの傭兵から皇帝にまでなったベルドに憧れ,自分も傭兵になって傭兵王カシューのもとで,フレイム建国のために戦ったという設定がある。その後,フレイムの内戦で傭兵として共に戦ったパーンを訪ねて,ザクソンへ向う……というのがバックグラウンドストーリーとなる。
大剣を振り回して戦うワイルドなウォリアー。その実態は……リア充!?
それでは,ゲーム上のウォリアーに迫っていこう。
イラストにもあるようにウォリアーは,身の丈ほどもある巨大な剣を武器に持つクラスだ。新しい武器「大剣」は,攻撃力の高さが特徴となる。この大剣を両手で扱うためか,盾を持つことはできない。防具はイラストの軽装ぶりからもイメージできるように「軽鎧」となっている。
大振りな剣を両手で扱うキャラクターであることから,威力は高いが攻撃が遅いというイメージを持っていたが,実際にプレイしてみるとなかなか軽快なモーションで素早い攻撃を繰り出すという,ロードス島戦記オンラインらしいプレイフィールとなっていた。
ただ,近接タイプのダメージディーラーでありながら,防具は軽鎧で盾も持てないので,防御力に少し難がありそうだ。
ウォリアーの特徴である攻撃力の高さは,パッシブスキルやチェインスキルによって支えられている。それぞれにクリティカル率をアップさせるバフや,攻撃力をアップさせるバフがあり,それらを発動させつつ戦っていくのがウォリアーの戦い方となる。既存のクラスを例に挙げるなら,同じように手数とクリティカルで戦うナイトやスカウトに近いだろう。
ただ,ナイトは盾を持てたり,スカウトはもともと回避率が高かったりと防御手段を持っているが,ウォリアーにはそれがない。受けたLP回復魔法の効果が上昇する「ファスターヒーリング」というチェインスキルを持つが,あくまでパーティ用なので,とくにソロで冒険するときはLPに気を付けたほうがよさそうだ。
スキルについては,攻撃スキルは当然として,少し面白いものを持っている。それがサポートスキルだ。この言葉をそのまま捉えると「ほかのクラスをサポートするスキルかな」と思ってしまうが,これらは「ウォリアーをサポートする」という意味でのスキルとなっている。では,いったいどのようなサポートかというと,可愛らしい傭兵を呼び出し,彼女らが何らかの効果を使ってくれるのだ。
ウォリアーは,サポートスキルのうちTankタイプの「サポート・ガード」と「サポート・アタック」を覚えられる。サポート・ガードを使用すると,効果時間内は敵に攻撃しても自身がターゲットにならないという優れものだ。ソロでは使いどころはあまりないが,パーティではかなり活躍してくれるだろう。
サポート・アタックは,遠距離物理攻撃で,離れたところに攻撃ができる。ただ,近接職のウォリアーの戦闘スタイルからすると,かみ合っておらず,使いどころが難しいような気がするのだが。
レベル20になったウォリアーは,既存のクラスと同様にアラニアの冒険者ギルドで「マーセナリー」もしくは「アヴェンジャー」へとクラスチェンジが可能になる。なお,どちらのクラスにチェンジしても武器は大剣,防具は軽鎧のままなので,引き続き使用することができる。
「マーセナリー」は仲間を活かし,協力するタイプのクラス
伝説に聞くベルドよりも,傭兵王カシューのしたたかで巧みな戦い方に憧れ,肉体頼りの戦い方から,場の流れを読み,決して負けない戦い方を目指すようになったのがマーセナリーだ。
マーモ出身のウォリアーが,ベルド皇帝を倒したカシュー王寄りの傭兵になるというのは,ちょっとした皮肉にも思える。
マーセナリーになると,ウォリアーの特徴であるサポートスキルに,使用すると一定時間LPが持続回復する「サポート・サイクリックキュアー」が追加される。さらにクールタイムを減少するスキル「ファストサポート」が加わることで,継戦能力は大幅に向上する。
そのほかにも,攻撃系スキルはもちろん,回避率アップや相手を一定時間行動不能にしたり,LPを回復したりするスキルも追加され,単独でもパーティでも有用なスキルがそろう。これにより,オールラウンドに戦えるクラスになるといってもよさそうだ。
マーセナリーの特徴は,スキルではなく職業技能に色濃く表れている。
マーセナリーの持つ職業技能は,パーティを組んだときに効果を発揮するという珍しい特徴を持っている。例えば「戦友の堅守」は物理防御力,「戦場の号令」は攻撃速度,「僚友の守護」はクリティカル耐性が,自身のパーティメンバーの数だけ累積してアップするというものだ。
これら3つの技能はマーセナリーに付与される効果だが,最後に覚えられる「同胞の支援」は,パーティメンバーの役割に応じてそれぞれバフが与えられる(タンク:被ダメージ減少,ダメージディーラー:スキル攻撃力上昇,ヒーラー:スキルでの回復量増加)のも特徴となる。習得できるレベルは45と少し高いが,パーティメンバーの1人としてマーセナリーを加える価値は非常に高いのではないだろうか。
恐怖から逃れるため暴走する「アヴェンジャー」。その神髄はPvPにあり
もう一方の1次クラスアヴェンジャーは,傭兵仲間とともに戦う道から外れ,自らの力を突き詰めたタイプとなる。自らの限界を超えるため,部族の試練に挑戦して乗り越えることはできたが,その過程で己の中にあった「恐怖」と向き合うこととなり,それを振り払うために暴走しがちになったのだという。
身体には,試練の最中に闇と恐怖の精霊シェイドに付けられた傷が露わになっており,これが周囲への威圧感や恐怖を与えて,仲間達を遠ざけてしまったという設定になっている。
見た目からすると,アヴェンジャーがウォリアーの正統進化クラスのような印象だが,スキル周りはガラリと変わっている。ウォリアーの特徴でもあったサポートスキルは一切排除され,攻撃スキルに物理攻撃力アップのバフなど攻撃に特化した,まるでバーサーカーを体現したかのようなクラスだ。
アヴェンジャーの特徴的なスキルとしては,バフスキル「フレンジィ」が挙げられる。これは,物理攻撃力と攻撃速度がアップするだけでなく,先ほど紹介した「ブラッディーテンペスト」やチェインスキルの「デモリッシュ」,「エグゾーストビガー」などに追加効果が発生するというものだ。これによる効果のデメリットはないのだが,クールタイムが少し長い。そのため,ここぞという時に使ったほうがいいだろう。
なお,「フレンジィ」状態が解除されるが,敵に攻撃スキルが発動する「フレンジィアウト」というスキルもある。
もうひとつの大きな特徴は,マーセナリーと同じく職業技能にある。
アヴェンジャーの職業技能は,敵に対してネガティブな影響を与えるものもが多い。そのなかのひとつ「詠唱妨害」は,その名のとおり攻撃することで相手の詠唱を一定確率でキャンセルでき,回復や攻撃などの手段を奪える可能性がある。また「人体破壊」は,アヴェンジャーのみならず,パーティメンバーのクリティカルダメージを増加させる効果がある。このように,アヴェンジャーはPvP特化型のクラスとも言えるのだ。
また,職業技能ではないがチェインスキル「デッドリープレッシャー」は,ダメージを与えつつ相手のバフを1つ解除するという,これまた嫌らしい効果を持っている。これらの妨害効果を持つアヴェンジャーは,ギルド攻防戦に必要不可欠な人材となりそうだ。
実のところ,プレイフィールという話なら,ナイトやスカウトとそれほど大きく変わることはない。これらよりも,攻撃の回転率は少し下がるが,一発の威力が大きいクラスという印象だ。
ただ,この感想は,あくまでソロで使用した場合のもので,パーティでは大きく印象が変わる可能性は大きい。マーセナリーは狩り,アヴェンジャーはPvPと,それぞれ活躍できる場面は異なるが,彼らの持つ職業技能は,パーティに欠かせないものとなる可能性もある。
今回のテストプレイは,筆者1人でプレイしたものなのでパーティでの真価は未知数だ。ぜひ,プレイヤーの手でその真価を確かめてもらいたい。
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