プレイレポート
2K Sportsの「NBA 2K15」を体験プレイ。実写さながらのクオリティで表現された選手達のアクションと,NBAを知らなくても楽しめる育成モードなどに注目
「NBA 2K15」公式サイト
そんな「NBA 2K15」を,2Kジャパンのオフィスで体験する機会を得たので,ここでゲーム内容やプレイの模様をお伝えしたい。体験できたのは,日本語ローカライズされたPlayStation 4版だった。そのため,グラフィックスの印象や,用意されたフィーチャーなどが,他機種向けのものとは異なる可能性もあるので,その点はご了承願いたい。
筆者が最初に驚いたのは,PlayStation 4版のグラフィックスクオリティの高さだった。試遊機の置かれた部屋に入ったとき,室内の大画面テレビにNBAの試合の模様が映し出されていた……と思ったのだが,それは本作のデモ画面だったのだ。これが宇宙人やモンスターとの戦闘場面なら,ああ,ゲームの映像だな,リアルにできてるな,といったところなのだろうが,なまじテレビなどで見慣れた光景だけに,うっかりダマされてしまったわけだ。スポーツゲームはあまりプレイをしないという人でも,引き込んでしまうパワーがその画面から感じられた。
そんなデモ映像から切り替わったメニュー画面の中央には,NBAをテーマにしたテレビ番組が映し出されていた。一瞬迷ったが,これは実写で「2KTV」という情報番組だそうだ。驚くのは,これがこのゲームのためだけに撮られている映像であり,実際のNBA情報を週1回のペースで放送していくとのこと。
ゲームプレイに直接関係のない映像にしては豪華すぎる仕様で,10月下旬に開幕したばかりのNBAの2014‐15シーズンの最新情報が,ゲームをプレイするたびに確認できるという,ファンにはたまらないサービスだ。週1回というハイペースで更新される関係上,日本語に対応していないところが残念だが,シーズンが始まったばかりの現地の雰囲気だけでも十分に味わえるだろう。
というわけで,ようやくゲーム本編について話ができるが,操作法は,過去にバスケットボールやサッカーなど,多人数の選手を操作するゲームをプレイした経験があるなら,数分遊べばすぐに分かるようなもの。PlayStation 4版の場合,オフェンス時は[×]でパス,[□]か右スティックでシュートとなり,ディフェンス時は[□]でスティール,[△]でブロック/リバウンド,[×]で選手の選択というところだ。つまり,基本のアクションはボタン3つで行うことが可能になっており,ずいぶん久しぶりにバスケットボールゲームをプレイした筆者だったが,とくに戸惑うことはなかった。
また,NBAならではの派手なアクションは,[R2]によるダッシュや,右スティックとの組み合わせによって繰り出せる。これらは戦術的に重要なファクターなのだが,特殊な操作が必要なアクションはすべてチュートリアルで覚えられるようになっており,さらにそれらを本作のカバーアスリートであるケビン・デュラント選手のほか,現役NBA選手がムービーで解説してくれるというのもポイントが高い。
試合中継と同じアングルで,選手達を簡単ながら奥の深い操作で動かし,華麗なプレイをビシッときめる……文章に書けばシンプルなことに見えるが,筆者のように普段スポーツゲームをあまりプレイしない人でも夢中になれる魅力と楽しさを十分に備えていると感じられた。これも,10年以上の長い歴史を持つ,唯一のNBA公認タイトルならではのものかもしれない。
ゲーム中の選手データは,NBAの2014‐15のシーズンのものが反映されるが,合わせてユーロリーグのデータも入っているので,ユーロリーグvs.NBAという夢の対決を実現することも可能だ。
また,実際のリーグでは有力選手が活躍できなかったり,無名の選手がスポットライトを浴びたりなど,いろいろなことが起きるが,そうした選手達の好不調もネットを介してリアルタイムにゲームに反映されるという。シーズンで好調の選手はゲームでも調子がよくなり,ケガで戦線離脱した選手はゲームでもレギュラーから外れるなど,かなり生々しい仕様で,ゲーム中でも現実同様シビアな競争が繰り広げられる。
実は前述のケビン・デュラント選手も,足の怪我でリーグ開幕から欠場を続けているのだが,そのため(2013‐14シーズンの得点王であり,本作のカバーアスリートであるにも関わらず)ゲームには登場しないという徹底ぶりを見せている。
このほかのフィーチャーとしては,現役の選手以外に,1960年代から2000年代頃までのNBAにあった,伝説的なチームが収録されていることが挙げられる。NBAの歴史をたどるデータベースとしても価値のあるもので,筆者も当時スポーツ番組でよく目にしたマイケル・ジョーダン選手やデニス・ロッドマン選手が所属した1996年のシカゴ・ブルズを実際に使い,そのレジェンドぶりを感じてみた。
本作には以上のようなNBA選手としてプレイするモードのほか,「Myキャリア」というモードが用意されている。このモードでは,プレイヤーはドラフト落ちしてしまった1人の選手となり,各チームのトライアウトを受け,それに合格してNBAに出場し,最終的に殿堂入りを目指すことになる。
今回の試遊では,Myキャリアを短時間しか体験できなかったため,筆者はその後の展開が非常に気になって仕方がない。1人でじっくりプレイするモードとして,楽しめるのではないだろうか。
このモードをプレイする際,プレイヤー本人の顔を取り込んで,それをゲーム中の「Myプレイヤー」として使用できるのも面白いところだ。これはPlayStation CameraまたはXbox OneのKinectを使って,プレイヤーの顔を3Dスキャンし,そのデータをレンダリングしてリアルなCGフェイスを作ってくれるという,かなり本格的な機能だ。取り込みは明るい場所のもとで,画面の指示に従ってカメラを固定し,一定時間顔を左右に動かすという少々面倒な手順が必要となる。
取材のときには残念ながらうまくスキャンできなかった(部屋の明るさが原因らしい)ため,仕方なく成功した例を見せてもらったのだが,それを見る限り,かなりリアルな顔が作れることが分かった。
完成したMyプレイヤーをMyキャリアで成長させて,それを「ザ・パーク」というオンラインのストリートバスケモードで使うこともできるほか,NBAプレイヤーが描かれたカードゲームが楽しめる「Myチーム」や,プレイヤーが選手ではなくGM(ゼネラルマネージャー)となってチームを運営するシミュレーションゲーム的な「MyGM」など,さまざまなモードでNBAを堪能することができ,ボリュームは十分すぎるほどだ。
最近のNBAについてほとんど知識がなかった筆者だが,このゲームをプレイすることで多少なりともその事情を知ることができたような気がしている。何よりバスケットボールゲームとしての完成度が高いので,アメリカで人気のNBAにちょっとでも興味があるなら,試してみるのもいいかもしれない。
「NBA 2K15」公式サイト
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