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ついに発売された「バトルボーン」のプレイレポート。FPSとMOBAを融合させたGearbox Softwareの野心作はかなり面白い
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印刷2016/05/24 11:24

プレイレポート

ついに発売された「バトルボーン」のプレイレポート。FPSとMOBAを融合させたGearbox Softwareの野心作はかなり面白い

 「ボーダーランズ」シリーズで有名なGearbox softwareが,久々の完全新規IPとして放つ新作タイトル「バトルボーン」PC/PlayStation 4/Xbox One)。世界的な盛り上がりを見せるMOBAとFPSの融合を目指して作られたという本作だが,果たしてどういう感じに仕上がっているのか? MOBAはてんで苦手だが,FPSにはチョット覚えのある筆者がPlayStation 4版を実際にプレイしてみたので,その模様をお届けしたい。

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「バトルボーン」公式サイト


 というわけで,まず最初はシングルキャンペーンについて。MOBAと聞くと「League of Legends」「Heroes of the Storm」「Dota 2」といったオンライン対戦専用タイトルが思い浮かび,だとするとシングルプレイはないんじゃないか? という雰囲気があるが,MOBA+FPSを目指したバトルボーンには,対戦モードだけでなくストーリーモードもちゃんと用意されている。

プロローグで最初に流れるアニメ。ダイナミックに動きまわるキャラクター達がカッコイイ! 本作のグラフィックスは,いわゆるカートゥーン調
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 ストーリーの設定をザックリ紹介すると,邪悪な勢力の手に落ちかけた大宇宙で,ただ1つ残された星を守るため,一癖も二癖もあるキャラクター達が手を組み戦う……といった内容。ただし,Gearboxらしいというか,一筋縄ではいかないシナリオになっております。

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 ボリューム的には,プロローグ+エピソードが8つで,1エピソードの攻略にかかる時間は,FPS慣れしているゲーマーならだいたい40〜50分程度。マルチプレイ主体の作品としては十分なボリュームがあり,遊びごたえアリだ。

 なお,オンライン対戦に軸足を置いたゲームではたまにある,マルチプレイ用マップを使ってAIと戦うという,ちょっとお手抜きなスタイルではなく,ちゃんとシングルキャンペーン用のマップ演出が用意されていて,敵キャラクターなども登場する。したがって,シングルプレイ好きな読者も安心して大丈夫だ。


 さらに,バトルボーンのシングルキャンペーンはソロプレイだけでなく,オンラインを介した協力プレイも可能になっており,1人では厳しい局面も,フレンドの力を借りることで物語の続きを楽しむことができる。さすがに細かいストーリーを書くと怒られそうなので書かないが,宇宙の命運について,詳しくはぜひあなたの目で確かめてほしい。


キャラクターもユニークだし,MOBA+FPSは面白い


 MOBA+FPSとなったマルチプレイモードについては,MOBAにあまり慣れていない筆者でもじっくりと遊ぶことができる内容となっていた。
 そんなバトルボーンのマルチプレイには,「侵入モード」「占領モード」,そして「溶解モード」の3つが用意されており,それぞれの勝利条件は異なる。簡単に説明すると,以下のような感じだ。

遊びたいモードは,メニュー画面で選択可能。マッチング時に自動で決まるタイプではないため,プレイヤーが1つのモードに集中しないかが気になるところではある
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○侵入モード
 「フォワードセントリー」「ベースセントリー」と呼ばれる四足の自走砲が両陣営に設置されていて,敵側のセントリーをすべて破壊するか,より多くのダメージを与えたチームが勝利。



○占領モード
 マップ上にある拠点を制圧すると,少しずつポイントが溜まり,既定のポイントに達すると勝利。拠点は複数あるので,敵陣営よりも多く占領することが大事という,いわゆるドミネーションルール。



○溶解モード
 敵陣側に設置された焼却炉まで,後述する「ミニオン」を誘導し,より多くのミニオンを焼却した陣営が勝利。まさに人身御供。


 使用可能なキャラクターは全部で25人(人だかなんだか分からないのもいるが)だが,ゲームを始めたばかりだと,そのほとんどがロックされた状態となっている。しかし,既定のランクに到達するか,個別の条件を達成することでアンロックされ,以降は自由に選択できるようになる。

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 各キャラクターにはそれぞれ強力な武器パッシブ(特殊技のようなもの)に加え,固有スキルが2つとアルティメットスキルが与えられている。これらは初期の状態だと決して弱くはないものの,マッチの決定打になれるほど強くもない。そこで重要となるのがキャラクターのレベルアップ要素だ。

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 ゲーム中,プレイヤーキャラクターが敵やミニオンを倒すと経験値が入り,この経験値が一定以上溜まるとレベルアップする。レベルアップするとどうなるかといえば,そのつど用意された2つのスキルから,どちらかを選択し,キャラクターを強化していけるわけだ。レベルの上限は10となっている。

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 マップ上には,タレットをはじめとしてさまざまな防衛設備が用意されている。しかし,これらを利用するにはマップに落ちている「シェード」と呼ばれるアイテムを集めなければならない。シェードは「お金」みたいなもので,タレットのアクティベーション以外にも,さまざまな使い道がある。
 そんなシェードの中には,対戦開始後,一定時間が経過するとマップの数か所に出現するものもあるのだが,マップの中央付近に出てくるという意地悪な仕様になっており,シェードを集めに行こうとしたら敵に出くわすなどということも普通に起きる。
 そうしたリスクはあるものの,タレットは敵の進撃を食い止めて,戦況を好転させるキッカケにもなり得るので,これを手に入れるためにもシェードは積極的に集めておくといいだろう。よく分からないけど,備えあれば憂いなしということわざもある。

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 MOBAが好きな人ならご存じであろうミニオンは,本作にも登場する。「侵入モード」と「溶解モード」でマップ上に出てくるミニオンは仲間になってくれるNPCで,単体での攻撃力は低いものの複数で行動しており,「侵入モード」では敵のセントリーのシールドを剥がしてくれるし,「溶解モード」では焼却炉に突入させることでポイントが獲得できる。この2つのモードでは,いかにミニオンを敵陣に運ぶかがポイントになっているため,プレイヤーは彼らを敵の攻撃から守りつつ,ゲームを進めていかなければならないのだ。

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 また,ゲーム開始から一定時間が経過すると出現する「マーセナリー」は,倒してリスポーンポイントを確保すると,一時的に味方にすることが可能だ。マーセナリーは耐久度が高く,攻撃力もそこそこあるので,敵陣を攻める際に心強い味方となってくれる。
 ……はずなのだが,図体がでかいこともあり,敵に見つかってフルボッコにされることがほとんど。そのため,攻撃に使うというよりは,ミニオンと一緒に進ませて暴れさせておくのがベターな戦法なのかもしれない。

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 以上が本作の簡単な説明だ。でもって,実際にプレイしてみると勝つのは割と難しい。戦況を的確に判断できなければあっさりと敵に倒され,経験値を献上することになるし,それが何度も続くと敵陣営のプレイヤー達とのレベル差が生まれ,パワーバランスが一気に崩れて攻めこまれやすくなるのだ。負けるとますます負けが込むという,気の抜けないシステムになっている。

負けました……
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 また,使用可能なキャラクターには攻撃特化型や防衛型,サポート型といった感じでそれぞれにロール (役割)がある。これがチーム内で偏ってしまうと攻守のバランスが悪くなり,結果的にそれが穴となって攻めこまれて,あっけなく敗北する。スタート時のバランスがあまりにも悪いと,ゲーム開始早々に敗北宣言をするプレイヤーもいるくらいなので,このへんは意識して遊ばなくてはならない。
 1マッチの所要時間は25分程度だが,早いときはものの10分で終わることもある。三十過ぎの筆者にとって,1ゲームで1時間も集中力が持たないこともあり (つまり老化しているのである),長くても30分で終わる試合時間は嬉しいところ。


MOBAとFPSの融合を成功させた本作
世界的な広がりに期待


 見た目のカジュアルさと,ぶっとんだキャラクターから,お祭りゲーだと思っていた筆者だが,予想よりもはるかにしっかり作りこまれており,十二分に楽しめるタイトルになっている。

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 ストーリーモードはマルチプレイ専門のタイトルにありがちな,ちょっとアレな作りではなく,世界観がちゃんと作りこまれて「宇宙がヤバイことになっている!」と,プレイヤーを遊ばせる動機づけがしっかりなされている。筆者も,宇宙の将来が心配のあまり,ついプレイを続けてしまったほどだ。
 やや残念なのは,敵が波状攻撃を仕掛け,それを退けるという場面が多い点で,それが繰り返されると作業感が少しずつ増してくる。

 また,オンライン接続を前提とした作りも少々気になった。筆者がエピソード2をプレイしていたとき,回線不調でネットが切断されてしまう不運に見舞われた。普通なら,中断される前のチェックポイントから再開されるが,本作の場合はエピソードの頭からやり直しとなってしまう。せめて,チェックポイントからやり直せる仕様にしてほしかったところだ。

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 キャラクター達の生き生きとしたやり取りは「ボーダーランズ」を思い出させ,聞いているだけで楽しめる。とはいえ,英語のリスニングに堪能な人ならともかく,激しい戦闘中に字幕を読む暇はないような気はするが。

 マルチプレイについては,FPSにMOBAの要素をうまく混ぜ込んでいるという印象だ。MOBAタイトルは数本しかプレイしたことがない筆者の言うことなので割り引いて聞いてもらいたいが,ガチなFPSほどエイミングスキルを要求してくるタイトルではないが,FPSのスキルがあれば,さらに没頭できるという雰囲気だ。このへん,「ボーダーランズ」シリーズでFPSにRPGの要素を融合させ,ヒット作にしたGearboxならではの手際の良さとだろう。
 サラッと書いているが,異質な物を混ぜ合わせているのに,ちゃんと遊べるゲームを作れるのは凄いと思う。

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 日本人からすればキャラクターが若干バタ臭いというかアメコミ調すぎてとっつきにくいかもしれないが,気づけば数時間ぶっ通しで遊んでいるなんてこともザラなはず。オンライン対戦に軸足を置いているだけに,プレイヤーの数が増えてくれなければ楽しめない。あなたもぜひ,宇宙の平和のために我々と戦ってほしい。

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