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Windows 10の大型アップデート第2弾「Anniversary Update」は,ゲーマーにどんなメリットがあるのか。日本マイクロソフトによる説明会をレポート
ユーザーごとに時間差を付けて配信しているとのことなので,筆者のように,すでに導入済みという人もいる一方で,まだ導入していないという人もいることだろう。
8月5日,Microsoftの日本法人である日本マイクロソフトが,このAnniversary Updateに関する説明会を東京品川のオフィスにて開催した。Anniversary Updateによって追加された機能のいくつかは,ゲーマーにも有用なものだ。説明会で示された新機能について,簡単にレポートしよう。
アップデートで機能を追加し,進化するWindows 10
Microsoftは,Anniversary Updateの以前にも1回,大型アップデートを配信したことがある。2015年7月末のWindows 10リリース後,最初に配信となった大型アップデートは,2015年11月の通称「November Update」であった。
このアップデートは,どちらかといえば新機能よりも,既存機能の改良や安定性の向上を主体としたアップデートで,目立つ新機能といえば,音声入力アシスタント機能「Cortana」(コルタナ)の日本語版が導入された程度だ。とはいえ,November Updateによる安定性の向上で,Windows 10はようやく安心して使えるOSになった,という印象を筆者は持っている。
OSとしての安定性向上に重点を置いた(ように見える)November Updateに対して,Anniversary Updateは,新機能の追加を大きくアピールしている。
なかでもゲーマーにとって注目の新機能は,なんといっても「Xbox Play Anywhere」だ。詳細は西川善司氏による解説記事を参照してほしいが,簡単に説明すると,Xbox Play Anywhere対応のゲームであれば,Xbox One用かWindows 10用のどちらかを買うだけで,もう一方のプラットフォームでも同じゲームをプレイできるようになるというものだ。
とはいえ,日本におけるXbox One販売の惨憺たる状況を反映してか,今回の説明会ではXbox Play Anywhereが導入されたことに言及があった程度で,デモやアピールの類は何もなかった。
日本のゲーマーとしては,「Xbox Oneのビッグタイトルは,今後PCでもプレイできるようになるものが増える」と,前向きに受け止めておけばいいだろう。
Xbox Play Anywhere以外のAnniversary Updateにおける新機能では,ペン入力の使い勝手を向上させる「Windows Ink」や,Cortanaの改良,Windows 10の標準Webブラウザである「Microsoft Edge」(以下,Edge)の改良といったものが,デモを交えて説明された。
Windows Inkのデモでは,タスクバーに追加されたボタンから,簡単に呼び出せる新機能「Windows Inkワークスペース」を使い,画面をキャプチャしてそこに手書きで文字を書き込んだり,使い勝手の改善を施した手書き文字入力機能で,メールの宛名を入力したりする様子が披露された。
アプリケーションの対応次第ではあるが,無理矢理ゲームにこじつけてみると,たとえばゲームプレイを録画した動画を作成するときに,強調したい場面で手書きの記号や文字を書き足したりすると,より強く視聴者にアピールするといった応用が効くのかもしれない。
WebブラウザのEdgeに関する改良点では,「拡張機能」(いわゆるアドオン)を追加するできるようになったことが大きなポイントだ。ただし,拡張機能はWindows 10の「ストア」機能からダウンロードする仕組みで,どれだけの拡張機能が登場するのかはまだ分からない。
また,Windows 10の生体認証機能「Windows Hello」を,Edgeやストアといったアプリケーションからも利用できるようにもなった。Windows HelloのAPIは公開されているので,「Google Chrome」や「Mozilla Firefox」でも利用できるように,Microsoftは各Webブラウザの開発者に働きかけているとのこと。
将来的には,ブラウザゲームのログインを指紋認証や顔認証で行うなんてことが,可能になるのかもしれない。
説明会ではほかにも,Anniversary Updateで導入となった企業ユーザー向けのセキュリティ管理機能などがアピールされたが,個人のゲーマーが触れるようなものでもないので,こちらの説明は割愛する。
先述したように,Anniversary UpdateはWindows 10にとって2回めの大型アップデートであるが,大型アップデートの提供は,今後も続けられる予定だ。具体的なスケジュールが明らかになったわけではないのだが,説明会で示されたスライドを見ると,2016年内には,テストユーザー向け配信(Windows Insider Program)で次期大型アップデートのテスト提供が始まり,2017年の中頃から後半に,一般ユーザー向けの提供を行うというプランとなっているようだ。
今後も一般ユーザーに役立つ機能が追加されることを期待したい。
Microsoft公式BlogにおけるAnniversary Updateの解説
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