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【PR】ついに「本当のゲーマー向け薄型ノートPC」がやってきた。「HP OMEN」の恐るべき完成度に惚れる
日本でも,HPの日本法人である日本ヒューレット・パッカード(以下,日本HP)から2014年12月に発売済みだ。
では,そんなOMENは,世界市場におけるHPのライバルだけでなく,台湾PCメーカー,そして「システムビルダー」と呼ばれる国内中小メーカーがしのぎを削っているゲーマー向けPC市場にあって,立ち位置を確保することができるのだろうか。今回は,日本HPの担当者に語ってもらった情報も交えながら,OMEN 15のポテンシャルを明らかにしてみたいと思う。
HPの担当者と一緒にチェックする
HP OMENの注目要素
ゲーマー向けノートPCというのは一般に,ミドルクラスからハイクラスまでのデスクトップPCを置き換えるタイプと,ノートPCとしての可搬性を重視したタイプに分かれるが,その分類でいくと,OMEN 15は後者型ということになるだろう。
そもそも,なぜこのタイミングでの市場参入となったのだろうか。HP OMENのプロダクトマネージャーを務める日本HPの園田 龍氏に話を聞く機会が得られたので,まずはその質問を投げかけてみた。以下が,その回答だ。
ただ,HPとしては,ゲーマー向けPCの市場が今後も拡大していくと考えていまして,『しっかりとしたものを出して,確実にブランド力を付けていこう』と動いていたんですね。その結果が,このタイミングということになります」。
こう聞くと,意地悪な疑問が出てくる人もいるのではなかろうか。そう,「いくら薄型とはいえ,15.6インチクラスの大型液晶パネルを搭載するノートPCで,GPUがGTX 860Mというのは,いささかバランスを欠くのではないか」という疑問である。
失礼を承知で聞いてみたところ,園田氏は次のように回答してくれた。
また,『薄くて,ゲームもプレイできるノートPCが欲しい』というのは,市場の声として確実に存在するのですが,そういったニーズに応えるPCとして,OMEN 15は最適解になるのではないかと考えています」。
薄いだけのゲーマー向けノートPCであれば,すでに先行していくつか例があるわけだが,「単純に薄くするだけでよければ,各社ともに技術を持っていると思います。しかし,弊社の製品は,排熱を含む温度管理や剛性に,厳しい仕様基準を設けています。HPはグローバルで活動するベンダーですから,世界中,さまざまな国における利用を想定しているんですね。OMEN 15は,そんなHP内部の仕様基準を満たしつつ,薄さにも挑戦した製品になっているのです」(園田氏)。
前述のとおり,OMEN 15はCPUにi7-4710HQ,GPUにGTX 860Mを搭載している。厚さ2cm未満の筐体で,これらをいかに冷却,排熱するかというのは大きなハードルとなる。
ただ,ここにもドラマがあったそうで,園田氏は「排熱管理はかなり苦労しました」と振り返っていた。「ヒートパイプはもともと2本だったのですが,それでは温度がなかなか下がらず,1本増やして3本にしたという経緯があります。また,ファンとフィン,そしてヒートパイプも,もともとは異なるパーツを組み合わせた実装になっていたのですけれども,やはり,それだと十分な冷却能力を発揮できなかったため,ファンとフィン,ヒートパイプを一体化したものへ変更しました。
放熱フィン1枚1枚の幅や,(底面カバーに取り付けられた)ゴム足の高さといった,細かな点も調整してありますね」(同氏)。
HPは,OMEN 15の発表にあたって,他社のGTX 860M搭載ノートPCよりも高い性能を得られるとアピールしているが,その根拠は,この,独自開発の冷却機構にあるわけだ。
2基用意されるファンは,それぞれがCPU用,GPU用と明確に役割分担されているわけではなく,全体で1つの冷却機構として動作するようになっており,CPU負荷が高い状況やGPU負荷が高い状況にも柔軟に対応できるという。
また,底面のトライアングルドット内部には,パンチングメタルが貼られているのだが,パンチングメタルの穴はトライアングルドットと微妙にズレており,これが防塵フィルターとしてうまく機能するようになっているのだそうだ。
いま,三角形という話をしたが,OMEN 15では,三角形のような,エッジの効いたデザインで全体が統一されている。たとえば底面で吸気孔以外の部分が三角形型の凹凸を敷き詰めた滑り止めになっていたり,本体側面が,下に向かって切れ込むようなデザインになっていたり,といった具合だ。
正直なところ,使う前は筆者もタッチパネルには否定的だったのだが,外に持ち出して使うときには,意外や意外,この大きさでも,タッチパネルで操作したほうが便利だったりする。巨大なタブレット端末的に使えるのは,モバイル用途を考えたときには,存外悪くないのだ。
実のところ,このキーボードも特注品だ。ノートPCのキーボードは一般に,メンブレンシートの上にパンタグラフ機構とキートップが載った,単体デバイスになっているのだが,「HP OMENでは,しっかりしたキーストロークを確保するのと,デザイン上の統一感をもたらす目的から,筐体と一体化してあります」(園田氏)とのこと。一味違う完成度になっているのだ。
また,キーボードの左端には,[P1]〜[P6]キーが並んでおり,これらには,プリインストールの設定用アプリケーション「HP OMEN Control」から,任意のキーやキーの組み合わせを登録できる。単体を押したときだけではなく,[Fn][Ctrl][Alt][Shift]キーと同時押ししたときの挙動も個別に設定できるため,最大では6×5で30ものキー操作を設定可能だ。
キーボードを挟むように配置されるスピーカーは2chステレオ仕様で,Beats Audioによるソフトウェアチューンが入っている。筆者の主観で語らせてもらうなら,音はかなり良好で,ステレオ感もしっかりある印象だ。
標準では,LEDイルミネーションがゲーム(やビデオ)に合わせて瞬くため,人によっては,ちょっと鬱陶しいと思うかもしれないが,気になる場合はHP OMEN Controlに用意された「照明」−「アニメーションスピーカー」のチェックボックスを外せば無効化できる。
音周りに関して続けると,液晶パネルの上部で,Webカメラを挟むようにアレイマイク(※2基のモノラルマイクを組み合わせて,指向性のある1基のマイクとしたもの)が構成されているため,ボイスチャット時にマイクの指向性を調整し,周囲のノイズを拾わないように調整できるノイズキャンセリング機能を採用するのもポイントが高い。
有線LAN端子が用意されないのは「デザインを考慮したため」(園田氏)で,PCとしてはIEEE 802.11 a/b/g/n/ac準拠の無線LAN接続のみをサポートする。ただし,「ゲーマーのなかには,有線LANを必要とする方もおられると思いますので,OMEN 15にはUSB接続で100BASE-TXに対応する有線LANアダプターを標準で用意しました」とも氏は話している。
ベンチマークで確認するOMEN 15の実力
テストはオンライン専用タイトル多めで
OMEN 15は,NVIDIA独自のスイッチャブルグラフィックス技術「Optimus」に対応しており,リファレンスのGeForce Driverを導入できることから,今回は表1のとおり,テスト開始時点における最新版ドライバである「GeForce 347.09 Driver」を導入してのテストとなる。
比較対象として用意したのは,現行世代のエントリー市場向けGPUとなる「GeForce GT 740」(以下,GT 740)を中心とするシステムだ。日本では「GTX 860Mを搭載した,ごく普通のノートPC」を手に入れるのが非常に難しい――というか,日本HPのラインナップにもない――ので,HPの謳う「他社のGTX 860M搭載機より10%速い」というのを確認するのは難しい。そこで,エントリークラスのデスクトップPCと比較してみようというわけである。
なお,GT 740はいわゆるリフレッシュ(=リネーム)品で,事実上の低クロック版「GeForce GTX 650」であることから,今回は,MSI製のオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.1.0)で,GT 740相当にまで動作クロックを落としたGeForce GTX 650カードをGT 740としてテストに用いる。この点はあらかじめお断りしておきたい。
そのほか,比較対象のシステム構成は表2のとおりだ。
テストは,4Gamerのベンチマークレギュレーション16.0から,「3DMark」(Version 1.4.828)と「BioShock Infinite」「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編」「GRID Autosport」をピックアップ。BioShock Infiniteでは「High」設定,新生FFXIVベンチ キャラ編では「標準品質(ノートPC)」「最高品質」でのテストを行う。
さらに,GTX 860MクラスのGPUが搭載されたノートPCを購入する人がよくプレイしそうなゲームジャンルから,今回は「PSO2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」(以下,PSO2ベンチ)と「MHF ベンチマーク【大討伐】」(以下,MHFベンチ)の2つを追加した。PSO2ベンチでは,最も描画負荷の高い「簡易描画設定5」を選択。MHF ベンチマーク【大討伐】にグラフィックス設定はないので,基本的には「MHF-G High Grade Edition」相当という理解でOKだ。
ゲームテストの解像度は,OMEN 15の標準解像度となる1920
対エントリークラスGPUだと,格の違いは歴然
フルHDでも多くのタイトルでプレイアブル
以下,比較対象のデスクトップPCを「i7-4770T+GTX 740」と表記すると断りつつ,テスト結果を順に見ていくこととしよう。
グラフ1は,3DMarkのDirectX 11 API採用テスト「Fire Strike」と,その「Extreme」プリセットにおけるスコアをまとめたものだが,OMEN 15の優位性は明らかだろう。とくに,より描画負荷の高いExtremeプリセットで2.5倍近いスコア差を叩き出しているのが目を引く。
この傾向自体は,グラフ2にスコアをまとめた「Bioshock Infinite」でも大きくは変わらない。OMEN 15は,i7-4770T+GT 740に対し,63〜65%程度高いスコアを示している。4Gamerのベンチマークレギュレーションが合格ラインとする平均60fpsを,OMEN 15が解像度1920×1080ドットで悠々上回っているのは要注目といえ,いわゆる最新世代のグラフィックス技術を採用したようなものを除けば,FPSも十分に高い解像度で快適にプレイできると述べてよさそうだ。
続いてGRID Autosportのテスト結果がグラフ3だが,ここでもOMEN 15はi7-4770T+GT 740に対して70%以上高いスコアを記録している。レギュレーションでは平均40fpsがプレイアブルかどうかの目安となるが,OMEN 15ではそのラインをまったく危なげなくクリアできている点に注目してほしい。
グラフ4,5は新生FFXIVベンチ キャラ編の結果だ。OMEN 15はi7
グラフ6にスコアをまとめたPSO2ベンチでは,OMEN 15とi7-4770T+GT 740のスコア差はさらに広がる。ご覧のとおり,驚きの3.5倍超えだ。グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートを表示するようにしてあり,そちらを見てもらうと,フレームレートの違いは約76%なのだが,それでも圧倒的であることに疑問を差し挟む余地はないだろう。
MHFベンチの結果も大変景気がいい(グラフ7)。こちらもグラフ画像をクリックすると平均フレームレートベースのスコアを示すようにしてあるが,OMEN 15は1920×1080ドット解像度でも75.5fpsを叩き出しているので,MHF-G High Grade Editionのプレイにあたって,性能面での不安はないと断言してしまってよさそうだ。
PCI Express接続のSSDは
文句なしに高速
さて,ここまであえて触れてこなかったが,先の表1でさらっと触れてあるとおり,OMEN 15は,ストレージとして,物理インタフェースM.2のPCI Express接続型SSDを搭載している。となると,Serial ATA 6Gbpsの限界を超えた性能を期待してしまうところだが,実際のところはどうだろうか。定番のストレージベンチマークツールである「CrystalDiskMark」(Version 3.0.3b ja)を使って,その性能をチェックしておこう。
なお,テストにあたっては,CrystalDiskMarkにおいて,スコアの揺らぎが大きいことから,テストサイズ「1000MB」でテストパターン「デフォルト(ランダム)」,テスト回数は「5回」という標準設定を採用したうえで,このセットを5回連続実行した平均値を結果として採用することとした。25回分のテストから平均値を取れば,スコアの揺らぎも無視できるレベルになるだろう,というわけだ。
こだわりの冷却機構が持つ実力は良好
消費電力も無難な枠内に
気になる冷却能力もチェックしておこう。
ゲーム用途を想定したテストとなるため,無操作時にもディスプレイ出力は有効化したままの状態としつつ,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,3DMarkの30分間連続実行時点を「3DMark時」とし,CPUの温度は「HWMonitor Pro」(Version 1.21),GPU温度は「GPU-Z」(Version 0.8.0)からそれぞれ追うことにした。テスト時の室温は24℃で,比較対象のデスクトップPCはPCケースに組み込まず,いわゆるバラックの状態で机の上に置いている。
その結果がグラフ8,9で,CPU,GPUとも,比較対象となるデスクトップPCと非常にいい勝負を演じているのが分かる。厚さ2mm未満の筐体で,PCケースに組み込んでいないデスクトップPCと同程度の温度を維持できているというのは,大いに注目できるところだろう。OMEN 15で採用されたHPこだわりの冷却機構は,きっちりと仕事をしているわけだ。
しかも,気になる動作音は,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,十分に静かだ。もちろん「ほとんど聞こえない」とまで言ってしまったら嘘になるが,ヘッドフォンやヘッドセットを用いなくても,ゲームプレイ中に,その動作音が耳に付いたりはしないレベルである。
なお,OMEN 15は,内蔵バッテリーパックを取り外せないため,フル充電した状態で接続させたままテストを行っていることを,あらかじめお断りしておきたい。
その結果がグラフ10で,アイドル時のスコアはOMEN 15が貫禄のテスト結果を示している。一方,アプリケーション実行時のスコアは,OMEN 15がi7-4770T+GT 740より2〜29W低かった。液晶パネルというハンデを抱えていることを考えれば,これは相当に優秀なスコアと言っていい。
最後にグラフ11は,Futuremark製のバッテリーベンチマーク「Powermark」(Version 1.2.0)で,バッテリー駆動時間を計測したものとなる。
Powermarkは,ワープロソフトによる文書編集とWebブラウジングを交互に実行する「Productivity」,3Dアプリケーションとビデオ再生を交互に実行する「Entertainment」,そしてそれらの2つを交互に行う「Balanced」という,3つのワークロードが用意されている。残念ながら,Optimusとの相性があまりよろしくなく,Entertainmentでも単体GPUが有効化されないため,ゲーム用途でのバッテリー駆動時間を推し測るのには向いていないのだが,それでも,外出時のバッテリー駆動時間を知る目安にはなるだろうと,実行してみた次第だ。
と言うわけでスコアを見てみると,Productivityで172分だった。外出先でちょっとした調べ物をするくらいなら,バッテリー駆動でも十分といった感じだ。ゲーム用途まで考えているのであれば,ACアダプターを一緒に持って歩くべきだろうが。
「ゲームに使える薄いノートPC」が欲しいならこれしかない
現時点におけるベストの回答となるOMEN 15
その点,OMEN 15の薄さとシルエット,そして冷却周りを含めた「機械」としての完成度は,厳しめに見ても相当に高い。個人的に気になったのは,天板に皮脂汚れが付きやすいことくらいであり,外観や総合的な完成度に不満を覚える人はほとんどいないのではないだろうか。何かの模倣ではなく,OMEN 15ならではのデザインになっているのもいい。
「OMEN 15はゲーマー向けノートPCとして1つの試金石とも言える存在で,その反応によって,今後はCPUやGPUをアップグレードしたOMENブランドの拡充を図っていきたい」とも園田氏は述べていたが,第1弾がこの完成度であれば,HPがこれから展開することになるであろう,ゲーマー向けPCシリーズの今後にも,大いに期待が持てそうだ。
オンラインゲームをメインにプレイしている人で,このルックスと薄さに惹かれたのであれば,間違いなく買いだ。後悔することはまずないと断言してしまいたい。
日本HPのOMEN 15販売ページ
■OMEN 15,メインメモリアップグレードキャンペーン
日本HPは,1月16日(金)から19日(月)の4日間限定で,OMEN 15の「スタンダードモデル」に対するメインメモリ無料アップグレードキャンペーンを実施中だ。
今回4Gamerでテストしたモデルは,標準のメインメモリ構成が8GB×1のスタンダードモデルに,通常BTO構成価格2万2000円(税込2万3760円)で8GBモジュールを1枚追加し,デュアルチャネルアクセス化した構成なのだが,より高いゲーム性能を期待できるデュアルチャネル構成に無料でアップグレードできるというのは,インパクトが大きい。
キャンペーン期間は非常に短いため,OMEN 15が気になったら,早めの決断が吉だろう。
→OMEN 15販売ページ
- 関連タイトル:
OMEN(旧称:OMEN by HP)
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