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【PR】ついに「本当のゲーマー向け薄型ノートPC」がやってきた。「HP OMEN」の恐るべき完成度に惚れる
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印刷2015/01/17 12:00

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【PR】ついに「本当のゲーマー向け薄型ノートPC」がやってきた。「HP OMEN」の恐るべき完成度に惚れる

画像集 No.056のサムネイル画像 / 【PR】ついに「本当のゲーマー向け薄型ノートPC」がやってきた。「HP OMEN」の恐るべき完成度に惚れる

HP OMEN 15-5000
メーカー:Hewlett-Packard
問い合わせ先:日本ヒューレット・パッカード 問い合わせ先一覧ページ
BTO標準構成価格:19万9800円(税別,2015年1月17日現在)
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 全世界のPC市場においてトップシェアを誇る1社であるにもかかわらず,これまで,ゲーム用途に向けたPCを積極展開はしてこなかったHewlett-Packard(以下,HP)。そんな同社が昨年,「HP OMEN 15-5000」(以下,OMEN 15)という,まったく新しいノートPCで,ゲーマー向けPC市場へ参入してきた。
 日本でも,HPの日本法人である日本ヒューレット・パッカード(以下,日本HP)から2014年12月に発売済みだ。

OMEN 15に標準で用意されている壁紙の中央に浮かぶのは,VoodooPCのロゴマークだ
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 少し昔話をさせてもらうと,HPは2006年に,北米のハイエンド&ゲームPCブランド「VoodooPC」で知られるVoodoo Computerを買収した。その後,しばらくしてVoodooPCブランドは終了となり,製品コンセプトは主に,HPのエンターテイメント向けPCシリーズ「HP ENVY」(以下,ENVY)に引き継がれたという過去があるのだが,「兆し」「よい兆候」という意味を持つ今回のOMEN(オーメン)は,そんなVoodoo PC時代の製品名が復活した,記念すべきモデルでもある。

 では,そんなOMENは,世界市場におけるHPのライバルだけでなく,台湾PCメーカー,そして「システムビルダー」と呼ばれる国内中小メーカーがしのぎを削っているゲーマー向けPC市場にあって,立ち位置を確保することができるのだろうか。今回は,日本HPの担当者に語ってもらった情報も交えながら,OMEN 15のポテンシャルを明らかにしてみたいと思う。


HPの担当者と一緒にチェックする

HP OMENの注目要素


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 HP OMENは,15.6インチワイド,解像度1920×1080ドットで,10点タッチ操作に対応したグレア(光沢)仕様のIPS液晶パネルを採用するノートPCだ。4コア8スレッド対応となるHaswell Refresh世代のCPU「Core i7-4710HQ」(以下,i7-4710HQ)と,第1世代MaxwellアーキテクチャベースのGPU「GeForce GTX 860M」(以下,GTX 860M)を搭載しつつ,本体サイズは383(W)×251(D)×15.519.9(H)mm(※ゴム足除く)と,非常に薄い筐体に仕上げてあるのが特徴となっている。

 ゲーマー向けノートPCというのは一般に,ミドルクラスからハイクラスまでのデスクトップPCを置き換えるタイプと,ノートPCとしての可搬性を重視したタイプに分かれるが,その分類でいくと,OMEN 15は後者型ということになるだろう。

 そもそも,なぜこのタイミングでの市場参入となったのだろうか。HP OMENのプロダクトマネージャーを務める日本HPの園田 龍氏に話を聞く機会が得られたので,まずはその質問を投げかけてみた。以下が,その回答だ。

園田 龍氏(日本ヒューレット・パッカード プリンティング・パーソナルシステムズ事情統括 コンシューマービジネス本部 プロダクトマネージャー)
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 「現在のPC市場は,安価な製品と,ゲーマー向けのような高価な製品とで,二極化が始まっています。そんな市場にあって,HPは長らく,ENVYというエンターテイメント色の強い製品は用意していたわけですが,残念ながら『これがゲームPCだ』といえるものをラインナップに抱えてはいませんでした。
 ただ,HPとしては,ゲーマー向けPCの市場が今後も拡大していくと考えていまして,『しっかりとしたものを出して,確実にブランド力を付けていこう』と動いていたんですね。その結果が,このタイミングということになります」。

 こう聞くと,意地悪な疑問が出てくる人もいるのではなかろうか。そう,「いくら薄型とはいえ,15.6インチクラスの大型液晶パネルを搭載するノートPCで,GPUがGTX 860Mというのは,いささかバランスを欠くのではないか」という疑問である。
 失礼を承知で聞いてみたところ,園田氏は次のように回答してくれた。

HP独自の品質基準を確実に満たしつつも,薄く,可搬性が高いというのが,OMEN 15における大きな特徴の1つである。ちなみに重量は約2.15kg
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 「ゲーマー向けノートPCによっては,高性能なパーツをとにかく詰め込んだものもありますが,私達はデザインを作り込んでいますので,そこが1つの差別化になっていると思います。
 また,『薄くて,ゲームもプレイできるノートPCが欲しい』というのは,市場の声として確実に存在するのですが,そういったニーズに応えるPCとして,OMEN 15は最適解になるのではないかと考えています」。

 薄いだけのゲーマー向けノートPCであれば,すでに先行していくつか例があるわけだが,「単純に薄くするだけでよければ,各社ともに技術を持っていると思います。しかし,弊社の製品は,排熱を含む温度管理や剛性に,厳しい仕様基準を設けています。HPはグローバルで活動するベンダーですから,世界中,さまざまな国における利用を想定しているんですね。OMEN 15は,そんなHP内部の仕様基準を満たしつつ,薄さにも挑戦した製品になっているのです」(園田氏)。

 前述のとおり,OMEN 15はCPUにi7-4710HQ,GPUにGTX 860Mを搭載している。厚さ2cm未満の筐体で,これらをいかに冷却,排熱するかというのは大きなハードルとなる。

本体底面。本体前面側の「HEWLETT-PACKARD」と背面側の「OMEN」プリント部を除いて,縁(ふち)はゴム足で覆われている。ゴム足の隙間から給気することにより,エアフローが調整される点も要注目だ
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 OMEN 15の冷却システムは,本体をゴム足で実測約1〜1.2mmほど浮かせたうえで,2基のファンによって底面から吸気し,本体後方へ排気するタイプだ。
 ただ,ここにもドラマがあったそうで,園田氏は「排熱管理はかなり苦労しました」と振り返っていた。「ヒートパイプはもともと2本だったのですが,それでは温度がなかなか下がらず,1本増やして3本にしたという経緯があります。また,ファンとフィン,そしてヒートパイプも,もともとは異なるパーツを組み合わせた実装になっていたのですけれども,やはり,それだと十分な冷却能力を発揮できなかったため,ファンとフィン,ヒートパイプを一体化したものへ変更しました。
 放熱フィン1枚1枚の幅や,(底面カバーに取り付けられた)ゴム足の高さといった,細かな点も調整してありますね」(同氏)。

左は底面カバーを取り外したところ(※底面カバーの取り外しはメーカー保証外の行為です。取り外した時点で製品保証は失われるので,くれぐれも注意してください)。右はそこから放熱フィン部へ寄ったところだ
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 HPは,OMEN 15の発表にあたって,他社のGTX 860M搭載ノートPCよりも高い性能を得られるとアピールしているが,その根拠は,この,独自開発の冷却機構にあるわけだ。

基版部に寄ったところ。3本あるヒートパイプの先に放熱フィンとファンが取り付けられている構造自体は「よくある仕様」なのだが,HP OMENでは,フィンとファンが一体化しており,冷却効率の引き上げに一役買っているとのことである。その実力は後段で検証したい
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 2基用意されるファンは,それぞれがCPU用,GPU用と明確に役割分担されているわけではなく,全体で1つの冷却機構として動作するようになっており,CPU負荷が高い状況やGPU負荷が高い状況にも柔軟に対応できるという。

天板部のトライアングルドット。ちなみに写真左下に見えるHEWLETT-PACKARDロゴはアルミ削り出しだ。ちなみに天板部はアルマイト加工されており,とてもかちっとした印象がある。皮脂汚れがやや付きやすいのは玉に瑕か
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 ファンに絡んで続けておくと,OMEN 15では本体の天面および底面に,三角形の形をした凹み,その名もそのまま「トライアングルドット」が無数に用意されているのだが,これは単なるデザインではなく,とくに底面側では,一部が吸気孔として利用されている。
 また,底面のトライアングルドット内部には,パンチングメタルが貼られているのだが,パンチングメタルの穴はトライアングルドットと微妙にズレており,これが防塵フィルターとしてうまく機能するようになっているのだそうだ。

本体底面カバーの外側(左)と内側(右)。ゴム足に囲まれた底面の半分弱が吸気孔になっているのと,内側にはパンチングメタルが貼られているのが分かる。ヒートパイプ部も吸気孔になっているのは面白い
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 いま,三角形という話をしたが,OMEN 15では,三角形のような,エッジの効いたデザインで全体が統一されている。たとえば底面で吸気孔以外の部分が三角形型の凹凸を敷き詰めた滑り止めになっていたり,本体側面が,下に向かって切れ込むようなデザインになっていたり,といった具合だ。

OMEN 15では三角形的なモチーフが多用されている
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赤色LEDが埋め込まれた排気孔と,それによって焼けたマフラーのようなデザインになっているヒンジ部
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 園田氏によれば,このデザインはフォーミュラカーに代表される競技車両をイメージしたものとのことで,液晶パネル部を支えるヒンジ部が,まるで排気孔からの熱で焼けたような見た目になっているあたりはなんとも“にくい”。全体が黒に近い灰色のなかで,青というのはインパクトが大きいのだが,イヤミにならず,うまく調和できているのは,実に見事といえる。

ちなみにこちらは製品ボックス。製品ボックスのデザインコンセプトもOMEN 15本体と統一されているのが分かる
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HP OMENには標準で液晶パネルのクリーニングクロスが付属する
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 使い勝手の面で,最も賛否が分かれるのは液晶パネルがタッチ操作に対応している点ではないかと思う。光沢がイヤだとか,タッチパネルを廃してくれればその分だけでも軽くなるのにといった意見は出てくるはずだが,この点について園田氏は,「Windows 8.1の機能をフルに活かすためにはタッチパネルが必須であろうと判断しました。また,タッチパネルを採用すると,必然的にディスプレイパネルは(汚れを拭き取りやすい)グレアタイプになります」と述べている。
 正直なところ,使う前は筆者もタッチパネルには否定的だったのだが,外に持ち出して使うときには,意外や意外,この大きさでも,タッチパネルで操作したほうが便利だったりする。巨大なタブレット端末的に使えるのは,モバイル用途を考えたときには,存外悪くないのだ。

キーボードは比較的ゆったりした配列。目を引くのは,1.8mmというキーストロークだ。アイソレート仕様と相まって,慣れればミスタイプなく打鍵できるようになる
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 組み合わせられるキーボードは,日本語109キー配列。ゆったりとしたアイソレート仕様で,やや窮屈なのは上下の矢印キー程度である。HP OMENの厚みからするとにわかには信じがたいのだが,キーストロークは1.8mmとかなり深く,しっかりした打鍵感が得られた。

 実のところ,このキーボードも特注品だ。ノートPCのキーボードは一般に,メンブレンシートの上にパンタグラフ機構とキートップが載った,単体デバイスになっているのだが,「HP OMENでは,しっかりしたキーストロークを確保するのと,デザイン上の統一感をもたらす目的から,筐体と一体化してあります」(園田氏)とのこと。一味違う完成度になっているのだ。

 また,キーボードの左端には,[P1]〜[P6]キーが並んでおり,これらには,プリインストールの設定用アプリケーション「HP OMEN Control」から,任意のキーやキーの組み合わせを登録できる。単体を押したときだけではなく,[Fn][Ctrl][Alt][Shift]キーと同時押ししたときの挙動も個別に設定できるため,最大では6×5で30ものキー操作を設定可能だ。

HP OMEN Controlの「キーの割り当て」で,[P2]〜[P6]キーに[6]〜[0]キーを割り当てたところ。割り当てられるのは単一のキーか,修飾キーと単一キーの組み合わせだけなので,使いどころは難しいが,ホームポジションに置いた左手から届きにくいショートカットを割り当てるといった用途は有用だろう
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HP OMEN Controlの「照明」からは,左右スピーカーと電源ボタン,[P1]〜[P6]キー,[W/A/S/D]キーと,メインキーの残りを3つに分けたブロックについて,それぞれ異なる色を設定できる。バックライトの輝度は弱めながら,色の再現性は高い
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Beats Audio印のサウンドイコライザ
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 そのほかの仕様もチェックしておこう。
 キーボードを挟むように配置されるスピーカーは2chステレオ仕様で,Beats Audioによるソフトウェアチューンが入っている。筆者の主観で語らせてもらうなら,音はかなり良好で,ステレオ感もしっかりある印象だ。
 標準では,LEDイルミネーションがゲーム(やビデオ)に合わせて瞬くため,人によっては,ちょっと鬱陶しいと思うかもしれないが,気になる場合はHP OMEN Controlに用意された「照明」−「アニメーションスピーカー」のチェックボックスを外せば無効化できる。

 音周りに関して続けると,液晶パネルの上部で,Webカメラを挟むようにアレイマイク(※2基のモノラルマイクを組み合わせて,指向性のある1基のマイクとしたもの)が構成されているため,ボイスチャット時にマイクの指向性を調整し,周囲のノイズを拾わないように調整できるノイズキャンセリング機能を採用するのもポイントが高い。

Webカメラを左右から挟むように2基のマイクが搭載されており,HP OMEN Controlの「録音体験」−「HP Noise Cancellationを有効にする」−「私の声のみ」を選択すると,マイクの正面,限られた範囲だけの音を集音できるように調整できるため,スピーカーを使いながらでもボイスチャットを利用できる
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本体右側面にはSDカードスロットが用意されるのみ
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 インタフェース類は,SDカードスロットのみが本体右側面の前後中央部に用意され,それ以外のUSB 3.0×4,HDMI(1.4,Type A)×1,mini DisplayPort×1,4極3.5mmミニピンのヘッドセット端子×1,そしてACアダプター接続端子は,すべて本体背面で排気孔に挟まれた場所へ配置される。
 有線LAN端子が用意されないのは「デザインを考慮したため」(園田氏)で,PCとしてはIEEE 802.11 a/b/g/n/ac準拠の無線LAN接続のみをサポートする。ただし,「ゲーマーのなかには,有線LANを必要とする方もおられると思いますので,OMEN 15にはUSB接続で100BASE-TXに対応する有線LANアダプターを標準で用意しました」とも氏は話している。

主要なインタフェースはすべて本体背面側に集中している(左)。USB 3.0ポートはいずれもPCの電源がオフの状態でもモバイルデバイスなどの充電が可能だ。右は付属のUSB−LANアダプター
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ベンチマークで確認するOMEN 15の実力

テストはオンライン専用タイトル多めで


NVIDIAコントロールパネルからGTX 860Mのスペックを確認したところ。CUDA Core数が640基なので第1世代Maxwell版コアなのが分かる
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 OMEN 15が,ただ薄いだけのノートPCではないことが分かってきたところで,気になるその実力を検証してみよう。

 OMEN 15は,NVIDIA独自のスイッチャブルグラフィックス技術「Optimus」に対応しており,リファレンスのGeForce Driverを導入できることから,今回は表1のとおり,テスト開始時点における最新版ドライバである「GeForce 347.09 Driver」を導入してのテストとなる。

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 比較対象として用意したのは,現行世代のエントリー市場向けGPUとなる「GeForce GT 740」(以下,GT 740)を中心とするシステムだ。日本では「GTX 860Mを搭載した,ごく普通のノートPC」を手に入れるのが非常に難しい――というか,日本HPのラインナップにもない――ので,HPの謳う「他社のGTX 860M搭載機より10%速い」というのを確認するのは難しい。そこで,エントリークラスのデスクトップPCと比較してみようというわけである。

 なお,GT 740はいわゆるリフレッシュ(=リネーム)品で,事実上の低クロック版「GeForce GTX 650」であることから,今回は,MSI製のオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.1.0)で,GT 740相当にまで動作クロックを落としたGeForce GTX 650カードをGT 740としてテストに用いる。この点はあらかじめお断りしておきたい。
 そのほか,比較対象のシステム構成は表2のとおりだ。

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 テストは,4Gamerのベンチマークレギュレーション16.0から,「3DMark」(Version 1.4.828)と「BioShock Infinite」「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編」「GRID Autosport」をピックアップ。BioShock Infiniteでは「High」設定,新生FFXIVベンチ キャラ編では「標準品質(ノートPC)」「最高品質」でのテストを行う。
 さらに,GTX 860MクラスのGPUが搭載されたノートPCを購入する人がよくプレイしそうなゲームジャンルから,今回は「PSO2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」(以下,PSO2ベンチ)と「MHF ベンチマーク【大討伐】」(以下,MHFベンチ)の2つを追加した。PSO2ベンチでは,最も描画負荷の高い「簡易描画設定5」を選択。MHF ベンチマーク【大討伐】にグラフィックス設定はないので,基本的には「MHF-G High Grade Edition」相当という理解でOKだ。

 ゲームテストの解像度は,OMEN 15の標準解像度となる1920×1080ドットと,アスペクト比16:9でその一段下となる1600×900ドットを選択している。


対エントリークラスGPUだと,格の違いは歴然

フルHDでも多くのタイトルでプレイアブル


 以下,比較対象のデスクトップPCを「i7-4770T+GTX 740」と表記すると断りつつ,テスト結果を順に見ていくこととしよう。
 グラフ1は,3DMarkのDirectX 11 API採用テスト「Fire Strike」と,その「Extreme」プリセットにおけるスコアをまとめたものだが,OMEN 15の優位性は明らかだろう。とくに,より描画負荷の高いExtremeプリセットで2.5倍近いスコア差を叩き出しているのが目を引く。

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 この傾向自体は,グラフ2にスコアをまとめた「Bioshock Infinite」でも大きくは変わらない。OMEN 15は,i7-4770T+GT 740に対し,63〜65%程度高いスコアを示している。4Gamerのベンチマークレギュレーションが合格ラインとする平均60fpsを,OMEN 15が解像度1920×1080ドットで悠々上回っているのは要注目といえ,いわゆる最新世代のグラフィックス技術を採用したようなものを除けば,FPSも十分に高い解像度で快適にプレイできると述べてよさそうだ。

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 続いてGRID Autosportのテスト結果がグラフ3だが,ここでもOMEN 15はi7-4770T+GT 740に対して70%以上高いスコアを記録している。レギュレーションでは平均40fpsがプレイアブルかどうかの目安となるが,OMEN 15ではそのラインをまったく危なげなくクリアできている点に注目してほしい。

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 グラフ4,5は新生FFXIVベンチ キャラ編の結果だ。OMEN 15はi7-4770TGT 740に対し,安定的に55〜62%程度のスコア差を付けている。スクウェア・エニックスは,ベンチマークスコアの指標として,スコア7000以上がベストの「非常に快適」,スコア5000〜6999をセカンドベストとなる「とても快適」としているが,OMEN 15は,最高品質の1920×1080ドットでとても快適,それ以外では非常に快適のラインをクリアした。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのスコアを表示します
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 グラフ6にスコアをまとめたPSO2ベンチでは,OMEN 15とi7-4770T+GT 740のスコア差はさらに広がる。ご覧のとおり,驚きの3.5倍超えだ。グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートを表示するようにしてあり,そちらを見てもらうと,フレームレートの違いは約76%なのだが,それでも圧倒的であることに疑問を差し挟む余地はないだろう。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのスコアを表示します
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 MHFベンチの結果も大変景気がいい(グラフ7)。こちらもグラフ画像をクリックすると平均フレームレートベースのスコアを示すようにしてあるが,OMEN 15は1920×1080ドット解像度でも75.5fpsを叩き出しているので,MHF-G High Grade Editionのプレイにあたって,性能面での不安はないと断言してしまってよさそうだ。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのスコアを表示します
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PCI Express接続のSSDは

文句なしに高速


 さて,ここまであえて触れてこなかったが,先の表1でさらっと触れてあるとおり,OMEN 15は,ストレージとして,物理インタフェースM.2のPCI Express接続型SSDを搭載している。となると,Serial ATA 6Gbpsの限界を超えた性能を期待してしまうところだが,実際のところはどうだろうか。定番のストレージベンチマークツールである「CrystalDiskMark」(Version 3.0.3b ja)を使って,その性能をチェックしておこう。

 なお,テストにあたっては,CrystalDiskMarkにおいて,スコアの揺らぎが大きいことから,テストサイズ「1000MB」でテストパターン「デフォルト(ランダム)」,テスト回数は「5回」という標準設定を採用したうえで,このセットを5回連続実行した平均値を結果として採用することとした。25回分のテストから平均値を取れば,スコアの揺らぎも無視できるレベルになるだろう,というわけだ。

5回取得したテストから,4回めのスクリーンショットを代表して掲載
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 表3がそのスコアで,逐次読み出し性能を見る「Sequencial Read」で,Serial ATA 6Gbpsの限界を超えたスコアが出ており,端的に述べて非常に立派。実際,ゲームのインストールや起動,ゲーム中の読み出しに,ストレスを感じることはまったくなかった。あえて懸念を挙げるなら,容量が256GBしかなく,BTOによるカスタマイズも行えないことくらいだろうか。「持ち運べるオンラインゲーム環境」を構築するときは,ゲームタイトルを絞るといった対応が必要かもしれない。

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こだわりの冷却機構が持つ実力は良好

消費電力も無難な枠内に


 気になる冷却能力もチェックしておこう。
 ゲーム用途を想定したテストとなるため,無操作時にもディスプレイ出力は有効化したままの状態としつつ,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,3DMarkの30分間連続実行時点を「3DMark時」とし,CPUの温度は「HWMonitor Pro」(Version 1.21),GPU温度は「GPU-Z」(Version 0.8.0)からそれぞれ追うことにした。テスト時の室温は24℃で,比較対象のデスクトップPCはPCケースに組み込まず,いわゆるバラックの状態で机の上に置いている。

 その結果がグラフ8,9で,CPU,GPUとも,比較対象となるデスクトップPCと非常にいい勝負を演じているのが分かる。厚さ2mm未満の筐体で,PCケースに組み込んでいないデスクトップPCと同程度の温度を維持できているというのは,大いに注目できるところだろう。OMEN 15で採用されたHPこだわりの冷却機構は,きっちりと仕事をしているわけだ。
 しかも,気になる動作音は,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,十分に静かだ。もちろん「ほとんど聞こえない」とまで言ってしまったら嘘になるが,ヘッドフォンやヘッドセットを用いなくても,ゲームプレイ中に,その動作音が耳に付いたりはしないレベルである。

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付属の専用ACアダプターは定格120W仕様。重量はケーブル込みで実測約649gと,ゲーマー向けノートPCの付属品としては小型軽量だ。持ち運びもそれほど苦にならないと思われる
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 消費電力も,念のためチェックしておきたい。ここではログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用意。アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値が記録された時点を,アプリケーションごとのスコアとしつつ,アイドル時ともども,スコアをまとめてみることにした。
 なお,OMEN 15は,内蔵バッテリーパックを取り外せないため,フル充電した状態で接続させたままテストを行っていることを,あらかじめお断りしておきたい。

 その結果がグラフ10で,アイドル時のスコアはOMEN 15が貫禄のテスト結果を示している。一方,アプリケーション実行時のスコアは,OMEN 15がi7-4770T+GT 740より2〜29W低かった。液晶パネルというハンデを抱えていることを考えれば,これは相当に優秀なスコアと言っていい。

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 最後にグラフ11は,Futuremark製のバッテリーベンチマーク「Powermark」(Version 1.2.0)で,バッテリー駆動時間を計測したものとなる。
 Powermarkは,ワープロソフトによる文書編集とWebブラウジングを交互に実行する「Productivity」,3Dアプリケーションとビデオ再生を交互に実行する「Entertainment」,そしてそれらの2つを交互に行う「Balanced」という,3つのワークロードが用意されている。残念ながら,Optimusとの相性があまりよろしくなく,Entertainmentでも単体GPUが有効化されないため,ゲーム用途でのバッテリー駆動時間を推し測るのには向いていないのだが,それでも,外出時のバッテリー駆動時間を知る目安にはなるだろうと,実行してみた次第だ。

 と言うわけでスコアを見てみると,Productivityで172分だった。外出先でちょっとした調べ物をするくらいなら,バッテリー駆動でも十分といった感じだ。ゲーム用途まで考えているのであれば,ACアダプターを一緒に持って歩くべきだろうが。

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「ゲームに使える薄いノートPC」が欲しいならこれしかない

現時点におけるベストの回答となるOMEN 15


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 「ゲーマー向けの薄型ノートPC」というと,「うん,まあ,ほかのゴツすぎるノートPCと比べれば薄いよね……」というものだったり,薄さを優先しすぎた結果,最終製品としての完成度にほころびが出てしまったりというものが,ほとんどだった。
 その点,OMEN 15の薄さとシルエット,そして冷却周りを含めた「機械」としての完成度は,厳しめに見ても相当に高い。個人的に気になったのは,天板に皮脂汚れが付きやすいことくらいであり,外観や総合的な完成度に不満を覚える人はほとんどいないのではないだろうか。何かの模倣ではなく,OMEN 15ならではのデザインになっているのもいい。

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 それでいて,GPU性能は,現行世代の3Dオンラインゲームをプレイするのに十分過ぎるほどの水準を獲得できている。園田氏は,「かねてより本社に対して,単体GPUを搭載したノートPCをリクエストとして挙げていました。そして,ようやく日本市場にマッチした製品,OMEN 15が登場しました」と,嬉しそうに語っていたのだが,確かにOMEN 15は,薄型ノートPCが人気の日本市場に出しても恥ずかしくないゲームノートPCになっているといえるだろう。
 「OMEN 15はゲーマー向けノートPCとして1つの試金石とも言える存在で,その反応によって,今後はCPUやGPUをアップグレードしたOMENブランドの拡充を図っていきたい」とも園田氏は述べていたが,第1弾がこの完成度であれば,HPがこれから展開することになるであろう,ゲーマー向けPCシリーズの今後にも,大いに期待が持てそうだ。

 オンラインゲームをメインにプレイしている人で,このルックスと薄さに惹かれたのであれば,間違いなく買いだ。後悔することはまずないと断言してしまいたい。

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日本HPのOMEN 15販売ページ


■OMEN 15,メインメモリアップグレードキャンペーン
 日本HPは,1月16日(金)から19日(月)の4日間限定で,OMEN 15の「スタンダードモデル」に対するメインメモリ無料アップグレードキャンペーンを実施中だ。
 今回4Gamerでテストしたモデルは,標準のメインメモリ構成が8GB×1のスタンダードモデルに,通常BTO構成価格2万2000円(税込2万3760円)で8GBモジュールを1枚追加し,デュアルチャネルアクセス化した構成なのだが,より高いゲーム性能を期待できるデュアルチャネル構成に無料でアップグレードできるというのは,インパクトが大きい。

 キャンペーン期間は非常に短いため,OMEN 15が気になったら,早めの決断が吉だろう。

OMEN 15販売ページ
  • 関連タイトル:

    OMEN(旧称:OMEN by HP)

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