新作PCブラウザゲーム「超銀河船団」が発表。「YU-NO」大人版ユーノ初お披露目など，さまざまなサプライズに沸いた「5pb.祭り 2015」レポート

　2015年3月1日，5pb.初の単独イベント「右も左もゲームだよ！　5pb.祭り 2015」が，東京のベルサール秋葉原で開催された。当日はあいにくの雨模様ではあったが，会場には最新ゲームの試遊台や原画の展示，そして各種ステージイベントが開催され，初お披露目となる新作ゲームの発表や，トークイベント，ミニライブなどで，ファン達が多く集まった。
　本稿ではそのイベントの模様を，ステージイベントを中心にお伝えしていこう。

女の子達と新たなフロンティアを目指す，5pb.初のブラウザゲーム「超銀河船団」

　事前に「新プロジェクト発表ステージ」と題して告知されていたものは，5pb.とゲームポータルの「にじよめ」がタッグを組んだブラウザゲーム「超銀河船団」であった。ステージではまずはPVが流れ，女の子達を率いた移民船団の司令官となったプレイヤーが，宇宙を舞台に戦っていく……というなかなかワクワクさせる内容が明らかにされた。
　なおPVでは，女の子の隊員のほかパートナードロイドやパートナーミュータントも登場。彼女達は普段は女の子の姿だが，バトル時にはロボットや宇宙人，宇宙怪獣などに変身して戦うのだという。


　ステージでは，その後総合司会の吉田仁美さんに続き，本作のプロデューサー谷 亮太氏，声優の緒方恵美さん，生天目仁美さん，大久保瑠美さん，にじよめのプラットフォームディレクター清瀬大輝氏が登壇し，ゲームの内容が紹介が行われた。


　そして，いきなりばばんとモニター一杯に映し出されたのは，本作のストーリーの導入部分。異星人の侵略にさらされ，人口の三分の一を失った人類は，起死回生の策として異星人から手に入れた技術を元に，外宇宙へと乗り出すことにした。かくしてプレイヤー達は，敵母星の探索と移民可能な惑星の調査に挑むのだった……という内容だ。


　気になるのは，船団の隊員達（女の子）やパートナーミュータント，パートナードロイド，宇宙怪獣などのデザインを手がける豪華なクリエイター陣だ。人間の隊員などを「閃乱カグラ」などでおなじみの八重樫南氏が担当し，ミュータントを「ウルトラ怪獣擬人化計画 The４コマ（仮）」を手がける爆天童氏と，プラモデルのパッケージアートなどで知られるマーシーラビット氏などが担当。そして星人や怪獣のデザインを，「ゴジラ」など特撮作品で活躍するデザイナーの西川伸司氏と，怪獣絵師・開田裕治氏などが担当する。まさに各ジャンルの重鎮揃いの面々だ。

八重樫南氏が手がけた隊員のキャラクターデザイン。声の担当は，右端のキャラクターを生天目さんが，その隣を緒方さんが担当，また赤い制服の二人のうち，背が低いほうのキャラクターを大久保さんが担当する

　声優陣は，主に女の子キャラクター同士が仲良くなるコミュニケーションパートで声を担当しているとのこと。このコミュニケーションパートは，一定の条件で発生し，十分に仲良くなると，いわゆる合体技――アンリミテッド・デュオが発動できるようになる。

　緒方恵美さんは，実戦経験のある隊員で構成される青チーム（PVでは3rdチームとなっていた）のウカイアヤカなどを担当する。「女の子を振っていただいてありがとうございます。某姫の声でお願いしますと言われたりもしました。この歳だけど頑張った」とコメントし，会場の笑いを誘っていた。またキャラクターの設定があまり細かくなかったことから，現場で話し合いながら演技を詰めていったエピソードなども語られた。

　生天目仁美さんは，同じく青チームでハルナサキを担当。親父ギャグをつぶやいて，一人フフフ……と悦にいるキャラクターだという。また，いくつものキャラクターを担当しているので，収録していて自分のキャラクター同士が仲良くなるというシーンもあって，「これまでにない体験だった」と語っていた。

　大久保瑠美さんが担当するモリモトマユカは，背が低くて可愛らしい容姿ではあるが「実はお姉さんなキャラで，ほかの女の子に妹になりたいと思われている」という。ちなみにツンデレだそうだ。


　谷プロデューサーによれば，バトルシーンはリアルタイムで進行し，やり込み甲斐のあるものとなっているそうで，勝利するとパートナーミュータントなどをドロップすることもある。仮に全滅してもコンティニューアイテムがあり，また体力が減ったらスター湿布（もちろんダジャレ）もあるのでご安心を，とも語っていた。


　また原案を高野 肇氏，ロゴデザインを松原達也氏，音楽を阿保 剛氏というMAGES.スタッフ達が手がける。またPVでも流れた主題歌「unlimited destiny」は，fripSideが楽曲を担当するとのこと。

　ローンチは今春予定で，すでにさまざなコラボ企画も進行中だという本作。発表イベントと同時にオープンした公式サイトでは，事前登録もスタートしており，今登録すれば特典として先に紹介した緒方恵美さん演じるウカイアヤカがプレゼントされる特典もある。さらに3月15日までに事前登録したプレイヤーの中から，抽選で1000名がクローズドβに招待されるそうなので，興味が湧いた人はさっそく登録しておくといいかもしれない。

ステージ終了後，「超銀河船団」ブースもオープン。メインビジュアルが公開され，隊員のパネルや，宇宙怪獣の顔出しパネルなどが飾られていた

お祭りっぽくはっぴ姿でショッパーを配るスタッフさん。背中もお祭り風

「超銀河船団」公式サイト

スタッフとキャスト陣の想いの丈が語られた「ミステリートF 〜探偵たちのカーテンコール〜」ステージ

　未完だった第1作目のリメイクと，新作の続編がセットになって発売される予定のXbox One用ソフト「ミステリートF 〜探偵たちのカーテンコール〜」。故・菅野ひろゆき氏の遺したプロットを，5pb.のプロデューサー浅田 誠氏が引き継いで制作が進められているという同作のステージでは，主人公・八十神かおる役の緒方恵美さん，東西役の川田紳司さんをゲストに迎え，作品への想いが語られるものとなった。

プロデューサーの浅田氏ももちろん登壇。MAGES.に移籍したばかりの氏が，「このままお蔵入りさせるくらいなら自分でやりたい」と決心してスタートしたのが，本作の発端だという

　初めてボイスがついたPS2版の発売は2006年ということで，収録から考えると8〜9年越しの再会になったという緒方さん。今回は制作会議にも出席し，かおるというキャラクターをスタッフと共に作り上げているという。1作目から長く関わっていた緒方さんだけあって，その思い入れは深く，収録自体もリメイク部分だけで足かけ30日以上かかったとのこと。

　収録に時間がかかった理由としては，単に思い入れが深いだけでなく，画面の気になる場所をクリックしたときに表示される「駄文」というメッセージの台詞を，いちから録り直しているというのもある。こちらを含め，緒方さんのパートだけで4万ワード。ちなみに一般的なアドベンチャーゲームなら，全キャラクターの全台詞を合計しても2万ワードほどというから，どれだけ大変な収録か分かってもらえるのではないだろうか。

　ここから画像を交えつつキャラクターを紹介するコーナーに移るのだが，あっさりと映し出されたキャラクターイラストは，なんとこの場が初お披露目だ。

変装のときはなぜか女装をするかおる。緒方さんは趣味なんじゃないかと話していたが，かおるの真意は謎である

東は前作での派手な薔薇柄ネクタイが一新されている

　東 西役を演じる川田さんは，続編部分のみの収録だったそうで，かかった時間は緒方さんほどではなかったそうだが，非常に印象的なキャラクターだと感じているとのこと。お調子者で，推理も外すことがあるなどコメディリリーフなキャラクターだが，かおるとは違う視点で物事を見ていて，芯は一本通ったところがあると語っていた。
　緒方さんも，「かおるは中二病っぽいキャラクター」と言いながら，とある一言で「ああ，きちんと考えている人なんだな」と，東への見方が変わる瞬間があったという。川田さんも続編では，彼の人としての成長が描かれていると感じたそうだ。

　気になる発売日についてだが，先のとおり，ようやくリメイク部分の再収録が終わったところで，まだまだ具体的に話せる段階にないという。発売を心待ちにしているファンにとっては残念ではあるが，続報を楽しみにしていてほしい。

「ミステリートF 〜探偵たちのカーテンコール〜」公式サイト

クリア後には三木眞一郎さんのご褒美ボイスも。「PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福」スペシャルステージ

　というわけで幕となったミステリートFのステージだが，ここでサプライズが。なんと，予定にはなかった「PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福」のステージが，急遽開催されることになったという。これはゲームオリジナルキャラクター・剱 拓真を演じる三木眞一郎さんが，会場に遊びにくるという連絡を受けて決まったものだそうで，先のステージに続いての登壇となる浅田プロデューサーが，三木さんを迎える形でスタートとなった。

　本作のアフレコを終えたばかりという三木さんは，とにかく台本が面白く，家で台本を読んだ勢いのまま収録に臨んだとのこと。「ドラマが面白いので，ゲームが苦手でも大丈夫だと思うし，登場人物の生き様，心意気，心配りがちゃんと描かれている。心の景色が広がっている」と，シナリオを大絶賛していた。

三木さん演じる剱 拓真はまっすぐなキャラクターで，アニメ版にはいないタイプだとか

　一方，浅田氏をはじめとするスタッフ側も，三木さんの演技には大満足のようで，「かっこいいなあ……」「胸に響く」と感想を漏らしていた。とくに本編の収録が終わってから録った，クリア後のご褒美ボイスはとても癒されるものとのことなので，三木さんファンはお楽しみに。拓真が「何が食べたい？」「誕生日おめでとう」「疲れたの？」などと囁いたり，告白してきたりする内容だそうだ。なお，Xbox SmartGlassにも対応しており，自分のスマホからボイスを再生できることもできるとのこと。

　浅田氏は，「もしアニメ3期があるなら，ゲームをアニメ化してほしい」とアニメ版のプロデューサーに話したこともあるそうで，実現するかどうかは分からないものの，やはりシナリオには自信があるようだ。最後は三木さんから，「ゲームをプレイして，良かったらご褒美ボイスを聴いてみてください」とファンへのメッセージが送られ，ステージは締めくくられた。

ブースに設置されていた缶バッジのガチャには，女性ファンを中心とした長蛇の列ができていた

会場には試遊台も用意されており，とある少女の失踪事件のあらましが語られるシーンがプレイできた。この事件を発端に，物語はスタートする

Xbox SmartGlassの機能を使い，ドミネーターの使用認証をする場面も。ちなみに，開場と同時に整理券は瞬殺だったそうだ

会場には公安局のマスコットキャラ，コミッサ太郎くんと花子ちゃんの姿も

「PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福」公式サイト

3DS版の新要素も明らかとなった「コープスパーティー」スペシャルステージ

　続いてのステージは，ニンテンドー3DS版「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」の発表（関連記事）に加え，先日実写版映画の情報が公開されたばかりの「コープスパーティー」。篠崎あゆみ役の今井麻美さんをはじめ，中嶋直美役の佐藤利奈さん，原作の祁答院慎氏，野村泰彦プロデューサーといったお馴染みの面々が登壇し，手慣れた雰囲気でステージが開始された。

　最初の話題は，「そもそもなんで3DSで発売されるのか？」という疑問に答えるもので，これは映画を見てゲームにも興味を持ってくれた人のために，現行機種で遊べるものを用意しておきたかったとのこと。
　しかし単なる移植には止まらず，Team GrisGrisによるエクストラチャプターが追加されるというオマケも用意されている。これは，これまでスポットの当たっていなかった白檀高等学校の生徒達について，より掘り下げたものになるとのことだ。


　また既存のチャプターについても，会話や展開が変わる部分があり，なんとバッドエンドも「敢えて（今井さん弁）」増やしているという。声優陣からは「もうヒドイ目に会うのは十分なので，幸せな恋愛要素を楽しみたい」との声もあったが，こちらは前向きに検討しつつも，少なくとも現在開発中のものに，そういった要素は含まれてないそうだ。

　そして，ここで実写版のPVが流されたことで，話題は実写版へ。祁答院氏は「ゲームのあれやこれやといったグロテスクなシーンが実写になるかと思うとぞくぞくします」とコメントしたのち，同作の主演女優を発表。乃木坂46の生駒里奈さんが，中嶋直美役を演じることが明らかとなった。


　生駒理奈さんはビデオメッセージの中で，「人生初の主演映画で，自分でいいのかなとも思ったけど，二度とないことかもしれないので頑張ります。映画館やニコニコ動画で会いましょう」と語っていた。また，篠崎あゆみ役には前田希美さん，持田哲志役には池岡亮介さんがキャスティングされている。なおストーリーは「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」がベースになるとのことだ。

実写版では，ニコニコ動画で撮影現場から中継なども予定されているとのこと。こちらも期待しておこう

　実写版の情報では，さらに主題歌を今井麻美さんが歌うことも発表され，今井さんは「PSP版1作目の主題歌『シャングリラ』は，自分がソロ活動を始めて最初の曲。『コープス』の曲には特別な思い入れがある」と語った。これまでの楽曲では，とくに「BLOOD DRIVE」の主題歌「化身」が印象的だが，実写版の曲もそれを越える「女の情念」を歌いあげたいと意気込みを見せていた。

　今後の展開について語る場面では，祁答院氏は「フィギュアを出して欲しい。それに赤いスライムみたいな血糊をぶしゃーって……」とブレない発言。野村Pは「ここまできたらハリウッド！　あとは舞台！」。舞台と聞いた祁答院氏は「ポロリはプロジェクションマッピングで！」と言い，佐藤利奈さんからは，お化け屋敷というリクエストもあって，夢はまだまだ尽きないようだ。

会場では今夏に発売される「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」の試遊台も用意されていた

「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」公式サイト

志倉千代丸社長も緊急参戦した公開録音＆ミニライブ

　ステージイベントもいよいよ佳境に入り，続いてはHiBiKi Radio Stationの「彩音のChoco-Bana-Radio」の公開録音がスタート。5pb. Recordsの彩音さんがグータッチで登場したほか，いとうかなこさん，吉田仁美さん，そして志倉千代丸社長がゲストとして迎えられた。
　千代丸社長は，今回拝み倒されてのゲスト出演とのことで，最初はやや乗り気でない様子……だったのだが，あっという間にグータッチの極意を会得。さらに，コーナーが進むと，ノリノリでリスナーからの質問に回答するなど，終始大暴れしていた印象だ。

吉田さんは念願のゲスト出演がかなったとグータッチ。いとうかなこさんは，「東京新世録 オペレーションバベル」の主題歌をアカペラで披露した

　そして最後は彩音さん，吉田仁美さん，いとうかなこさんによるミニライブが行われ，この日一番の盛り上がりを見せつつ，ステージを締めくくった。

彩音さんは「STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム」の主題歌「フェノグラム」を熱唱

急遽歌うことが決まった吉田さんは，昨年発売された初のソロアルバム「.htm」から「スペクトル」を披露した

いとうかなこさんが歌ったのは，ファンにとっては定番と言えるこの1曲。アニメ版「STEINS;GATE」のオープニングテーマ「Hacking to the Gate」

　ステージイベントの後には，来場者への感謝を込めた「お楽しみ抽選ステージ」が行われ，長かった1日もいよいよ終わり……かと思いきや！　なんとここにもサプライズが。プレゼントの賞品の中にさらりと紛れ込んでいたサイン色紙に，コミックマーケット87でリメイクが発表されたばかりの「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」から，ヒロインであるユーノの大人バージョンが描かれていたのだ。このイラストを描いたのは，もちろんキャラクターデザインの凪良氏で，大人バージョンは今回が初披露だという。

左がリメイク版ユーノで，その成長した姿が右。ただのプレゼント抽選会と思いきや……のサプライズとなった

　また，来る3月28日には，志倉千代丸社長自らが，ツイキャス（TwitCasting）を利用して新作タイトルを発表するという，「新作発表会 in ツイキャス」の告知もここで行われ（関連記事），大盛り上がりのままイベントは終了となった。最後の最後までサプライズを忘れないあたり，さすが千代丸社長といったところだろう。
　まだまだ隠し球が用意されていそうな，2015年の5pb.。ファンは今後の情報にも注目しておこう。

---

多彩なゲストを迎えてのステージイベントもさることながら，展示ブースや試遊ブースも趣向を凝らしたものとなっていた。ここからは，その一部を写真で紹介していこう

5pb.作品がプロットされた年表のコーナー。2007年の「ウミショー」から始まり，歴代タイトルがずらりと並ぶ

「LOVELY×CATION1＆2」のヒロイン等身大パネル展示。なんと，おっぱいマウスパッドならぬおっぱい等身大パネルである。おさわり自由とのことだが，実行に移すのはちょっと勇気が必要かも

科学アドベンチャーシリーズ第4弾「CHAOS;CHILD」の原画展示。こうした資料が公開されるのは，実は初めてのことだとか

「STEINS;GATE」に登場した，新聞や鈴羽の手紙の原版！　ファンには堪らない展示だろう

「IS2 ラブ アンド パージ」ブースでは，ルーレットで当たるとシャルに扮したコスプレイヤーさんがトントンもみもみしてくれるという癒し系サービスが行われていた

PS4「ファントムブレイカー： バトルグラウンド オーバードライブ」「冴えない彼女の育てかた - blessing flowers -」などの試遊台も用意されていた

ファン達が思いの丈を綴る「メモオフ15周年寄せ書きボード」。予め書き込まれていた開発陣のイラストやコメントも，ファンのお楽しみとなっていた

「ファントムブレイカー」のコーナーでは，知る人ぞ知る懐かしいアーケードゲームのオマージュポスターも