プレイレポート
任天堂×アトラスのコラボタイトル「幻影異聞録♯FE」プレイレポート。異世界での戦いと芸能界でのサクセス,二つのストーリーが進行するRPG
「真・女神転生」や「ペルソナ」シリーズでおなじみのアトラスと,「ファイアーエムブレム」(以下,FE)のコラボレーションタイトルである本作は,夢を抱き現代に生きる若者達が,異世界の英雄達と共に世界に迫る脅威と戦う,日常とファンタジーが共存したRPGだ。
そんな本作を少しだけ触ることができたので,さっそくプレイレポートをお届けしよう。
「幻影異聞録♯FE」公式サイト
主人公達は芸能界で輝く夢を追いながら
ミラージュマスターとして異世界の敵と戦う
本作の舞台となるのは現代の東京の,華やかな芸能界だ。しかし,そんな芸能界を中心に,多くの怪異や失踪事件が起きていた。それを引き起こしているのは,人間の心に宿る表現力の結晶「パフォーマ」を奪いに,異世界から侵攻してくる「ミラージュ」。
絶大な力をもつ侵略者ミラージュだが,強いパフォーマを持つ人間は,一部の特別なミラージュと邂逅することで「ミラージュマスター」となり,この侵略者と対峙しうる力を得ることができる。とある事件でミラージュマスターとしての力が覚醒した主人公「蒼井 樹」と,その幼馴染み「織部つばさ」は,裏で怪異の調査を行う芸能事務所「フォルトナエンタテイメント」にタレントとして所属しながら,事件の真相を追うことになる。
主人公の樹と幼馴染みのつばさ,そしてパトーナーとなる英雄達
共に戦う「フォルトナエンタテイメント」の仲間達
“能舞”のように神事としての芸能に通ずるものがあるというミラージュマスターの力は,エンターテイナーとしての力に比例する。例えば,歌や演技,楽器演奏など,芸能に関わる技術を磨けば,ミラージュの力を使う技術が高まっていくのだ。つまり,タレントとしてのサクセスがミラージュマスターとしての成長にもつながっていくというわけである。
そのため,主人公の樹は,事務所の仲間達とともにミラージュマスターとして戦いながら,表の世界では芸能人として活動することになる。
異世界「イドラスフィア」で待ち構える敵ミラージュ
仲間と連携して攻撃を与える「セッション」が勝利の要
ミラージュの襲撃があると,現実の風景が異形化したダンジョン「イドラスフィア」のゲートが開く。いわばシンボルエンカウント方式のダンジョンで,事件やそのゲートが開いた場所に関連したステージギミックが用意されている。ここでは武器を振るうことができ,敵シンボルに攻撃を加えて戦闘を回避することや,先制攻撃を仕掛けることができる。
バトルにはコマンド方式のターン制が採用されている。まるでコンサートステージのような,華やかな演出が魅力的なバトルにおいて,ミラージュマスター達はパートナーのミラージュの力を借りて華麗な戦闘用スーツ,「カルネージフォーム」に変身。そしてミラージュが武器へと変化した「カルネージ」を手に,多彩なスキルを使用しながら敵に挑むこととなる。
また,敵味方共に得意 / 苦手属性があるのだが,近年のアトラスRPGではおなじみである魔法の属性はもちろん,FEの特徴的なシステムである兵種や武器同士の相性も取り入れられているようだ。
このバトルでカギとなりそうなのが,仲間との連続攻撃「セッション」だ。これは敵の弱点を突くスキルを使用した際,それに呼応する「セッションスキル」を持つ仲間が続けて攻撃を仕掛けてくれるというもの。強力な攻撃であることはもちろん,テンポ良く立て続けにスキルを発動させられるこの連続攻撃は,うまく決まるとかなりの爽快感が得られる。
しかし,敵もセッション攻撃を仕掛けてくるため,弱点を突かれてあっという間に仲間がピンチになってしまうこともある。アトラスのRPGには,自分の弱点を守りながら敵の弱点を突くという,定石ともいえる戦術があるが,本作でもこの考え方は重要となりそうだ。
そのほかバトル中には,ミラージュとミラージュマスターのやりとりも楽しめる。とくにミラージュ達の話しぶりは,妙に人間味があって面白く,ピンチのときに気遣う言葉をかけることもあれば,女子トーク(?)を始めるときもあったりと,その内容は関係性によりさまざまで,なかなかクセになる。華やかで賑やか,そしてテンポの良いバトルは,飽きることなく楽しめるはずだ。
儀式「ユニティ」で秘められた才能を開花させ
「カルネージ」と「レディアントスキル」を入手しよう
フォルトナエンタテイメントの奥には,ミラージュマスターや高いパフォーマを持つものだけが入れる特別な場所「ブルームパレス」がある。幻想的な風景が広がるこの施設では,ミラージュやミラージュマスターに“パフォーマが秘めている力”を融合させることで,新たな才能を開花させる儀式「ユニティ」を行える。
ユニティには2種類ある。まずはミラージュにパフォーマを融合させて,新たなカルネージに変化させる「カルネージ・ユニティ」だ。これによりミラージュの新たな武器形態を生み出し,攻撃力はもちろん,そのカルネージによって得意 / 苦手属性や覚えるスキルが変化する。どのようなミラージュマスターに育てるか,どのようなパーティを編成するかなどを考えながら,新たに生み出すカルネージを決めたい。
ここで必要なパフォーマは,バトルでセッション攻撃を決めたり,敵を倒したりすることで手に入る。
もう一つは「レディアント・ユニティ」。こちらはミラージュマスター自身が持つ芸能の力とパフォーマを融合させることで「レディアントスキル」を習得できるというもの。このレディアントスキルは,カルネージ・ユニティで覚えるスキルとは違うミラージュマスター固有のスキルで,持っているだけで効果を発揮する。ストーリーの進行に必要となる重要なスキルもあるので,積極的に習得しよう。
このスキル習得に必要なパフォーマは,バトルで活躍することで上昇する表現者としてのランク「ステージランク」によって入手できるほか,ストーリーやイベントで新しい才能の扉が開き,新たなパフォーマが生まれることもある。
美麗なライブシーンで楽しめる豪華な楽曲
サイドストーリーでは仲間達のパーソナルな一面も
華やかな芸能界を描いている本作で欠かせない要素なのが,仲間達の芸能活動を彩る豪華な楽曲の数々だろう。織部つばさ役の水瀬いのりさん,Kiria(黒乃霧亜)役の南條愛乃さんをはじめ,歌手としても定評のある豪華声優陣による歌唱や,エイベックスの全面プロデュースで制作された楽曲のクオリティはもちろん,仲間達の輝く姿を見ることができる美麗なライブシーンは必見だ。ストーリーのみならず,今後どのような楽曲を,そしてステージを堪能できるのかも楽しみなところ。
そのほか,ストーリーを進めるうえで重要な内容から,日常での何気ない会話まで,まるで現実の友人とSNSでやりとりをしているかのような気持ちになれるコミュニケーションツール「TOPIC」にも注目したい。
TOPICでは,芸能人としての悩みや夢,そして秘密を持つ仲間達のパーソナリティーに迫ったミニドラマ形式のクエスト,「サイドストーリー」を受注できる。
「TOPIC」はWii U GamePadの画面で使用できる。仲間のよりパーソナルな部分が垣間みられるタイムラインといった機能のほか,現実世界では街全体のマップが,イドラスフィアではオートマッピングのダンジョンマップとして使用できる | |
芸能人として走り続ける仲間達の葛藤や成長を描いたサイドストーリーは,クリアすることで仲間が芸能人としてステップアップし,ミラージュマスターとしての力も向上する |
ミステリー要素が多分に含まれたミラージュの謎に迫るストーリーと,芸能界で夢を追い,そして花開いていくサクセスストーリー。その二つの物語がていねいに描かれている本作は,FEやアトラスのRPGをプレイしたことがない人でも,きっとこの世界に入り込んで楽しめるはずだ。
「幻影異聞録♯FE」公式サイト
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