シンデレラ（保守派）と白雪姫（革命派）のどちらを選ぶ？　スマホでPC向けオンラインゲームの醍醐味を楽しめる「タワー オブ プリンセス」のプレイレポートを掲載

　フィールズは2015年8月27日より，スマートフォン向けオンラインRPG「タワー オブ プリンセス」（iOS / Android）を配信している。

　「ことこと-ラセツとコトダマの国-」や「アニマル×モンスター」といった，スマートフォン向けのオリジナル作品を展開してきた同社だが，オンラインRPGをリリースするのは今回が初となる。
　ほかのプレイヤーとの協力要素や，水樹奈々さんをアーティストに迎えたプロモーションなど“気になる要素”はチラホラと見える本作だが，実際にはどんなゲームに仕上がっているのだろうか。本稿では，そんな本作を実際にプレイして分かったゲームシステムの詳細と，その魅力をお伝えしていく。

「タワー オブ プリンセス」公式サイト

「タワー オブ プリンセス」ダウンロードページ

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保守派のシンデレラか，革命派の白雪姫か

自らの仕える“姫”を決めて戦おう

ナビキャラクターとしてプレイヤーを導いてくれる妖精エインセール（CV：洲崎 綾）。色々と重要なことを教えてくれるので，彼女が話す内容はくまなくチェックしておこう

　「タワー オブ プリンセス」の舞台となるのは，シンデレラや白雪姫といった童話でお馴染みの“姫”達が統治するファンタジー世界だ。プレイヤーは彼女らに仕える騎士となり，世界に災厄を振り撒く呪いの塔と化した「いばらの塔」を攻略して，呪いの正体を探ることになる。

　本作の世界を治める姫は全部で6人いるが，彼女らは一枚岩ではなく，シンデレラを筆頭とする“保守派”と，アンネローゼ（白雪姫）が中心の“革命派”に分かれている。プレイヤーはその中から，自分が仕える相手を決めることになる。

2000年間にわたって世界を統治してきた聖女・ルクレティア（CV：水樹奈々）が「いばらの塔」に取り込まれたことで，塔は禍々しい姿に変貌してしまった。これを発端として，アンネローゼの奪還をもって以前の平穏を取り戻そうとする“保守派”と，前体制からの脱却を目指す“革命派”による対立が生じたのだ

　とはいっても，プレイヤーが体験できるシナリオが大きく変化することはないので，最初は見た目や声でピンと来た姫様を選ぶと良いだろう。後から仕える姫を変えることも可能だ。

神聖都市ルヴェールの貴族，シンデレラ（CV：田村ゆかり）。聖女に忠誠を誓っており，彼女の以前の統治を再び取り戻そうと奮戦する保守派の筆頭。真面目で正義感が強く，何事にも真面目に対応するが，真面目が行き過ぎてしまうことも少なくない

魔法都市ノンノピルツに住む不思議な少女，アリス（CV：矢作紗友里）。都市を統治する赤の女王から多くの権限を与えられている。無邪気な性格で，ネジの外れた言動も少なくないが，頭は非常に良い。白雪姫よりもシンデレラのほうがが面白いという理由で，今の所は保守派に属している様子

海底の人魚姫，ルーツィア（CV：原 由実）。やや卑屈な性格で，自分に自信を持てないでいる。シンデレラには愛情に近い憧れを抱いているようで，彼女に続く形で保守派側に付いている

城塞都市シュネーケンの王女，アンネローゼ（CV：中原麻衣）。聖女は腹違いの姉にあたる存在だが，真に統治者に相応しいのは自分だと信じている。呪いの塔が現れた際に革命派勢力となり，自身の力を証明しようと動き出した

赤い頭巾を纏った，ルチコル村に住む少女，リーゼロッテ（CV：内田真礼）。ただの村娘だが，幼少の頃にアンネローゼと偶然出会い，共に遊んだ経験から親友となった。現在もアンネローゼの理解者として，革命派となっている

鉱山都市ピラカミオンのまとめ役，ラプンツェル（CV：田村睦心）。行動力のある一本気な性格で，人情に厚いリーダーとして人々に慕われている。白雪姫の高潔さに心酔しており，彼女のもとで革命派として活動しているが，世界の情勢などはよく理解していないらしい

　ゲームの大目標は，呪いによって巨大化した「いばらの塔」の攻略だ。塔は階層ごとに分かれており，各階層の扉を開くためには「ローズリーフ」と呼ばれるアイテムが必要になる。階層の開放はストーリー進行のカギになるので，まずはこれを集めなければならない。

　ローズリーフは，拠点の施設「クエスト屋」で受注できる通常クエストをクリアすることで入手可能だ。まずはいばらの塔を攻略し，開放されたシナリオを進行させ，行き詰まったら通常クエストに挑戦する……といった形が，本作の基本的な流れとなる。スマートフォン用アプリに多く採用されているスタミナの概念は存在しないので，自分のペースでゲームを進めよう。

いばらの塔には，各階層ごとにロックがかかっている。各階層には有用なアイテムが落ちているので，入れるようになった階層にはガンガン挑戦すべし

クエストは街の施設で受注できる。「魔物を10体討伐する」といった，メインストーリーの進行中にも達成できる依頼もあるので，効率よくこなしていこう

シナリオの中では，姫様以外にも童話のキャラクターが登場する。姫様同様に役どころもさまざまなので，そうした配役をチェックするのも，本作の楽しみ方のひとつだ

仲間とリアルタイムに協力して

強大なボスを打ち倒せ

　本作のゲームシステムはPC向けのオンラインゲームに近く，多くのプレイヤーが行き交うフィールド上を冒険できる。その中で発生するのが，モンスターとの戦闘だ。
　本作の戦闘は，フィールド画面（拠点などを除く）の移動中にランダムエンカウント方式で発生する。戦闘の進行はリアルタイムだが，通常攻撃は一定間隔ごとに自動で行ってくれるので複雑な操作は必要ない。

フィールドは円形のマスで区切られており，目標地点をタップすることで移動できる。表示の拡大縮小も可能なので，一気に移動したい時はマップを縮小して遠くをタップすればOK

　戦闘を進めるにあたって最も重要なポイントは，プレイヤーと敵の属性相性だ。有利な相性の敵に対するダメージは増加するが，不利な属性で攻撃すると威力が減ってしまう。プレイヤーの攻撃属性は装備している武器によって変化するので，出現する敵に合わせて装備を変えるとスムーズに攻略できる。

　さらに，戦闘には2種類の武器を持ち込むことが可能で，いつでも装備を切り替えられる。対応力を高めるために，最初のうちは属性相性が存在しない“無属性”の装備か，防御力の高い“盾”を含めた装備を用意しておくのがオススメだ。

属性は全部で6種類。木に強い火属性，火に強い水属性，水に強い木属性という“3すくみ属性”と，互いに大ダメージを与えられる光属性／闇属性の“相克属性”に加え，いずれにも属さない“無属性”が存在している

相性の良い相手をターゲットすると「有利！」，相性の悪い相手には「不利！」というアイコンが表示される。相手の数を素早く減らすため，有利な属性で攻撃を仕掛けていきたい

装備には，両手が塞がる代わりに攻撃能力が高い“両手持ち武器”と，盾などのサブ武器を装備できる“片手持ち武器”が存在する。性能は一長一短なので，状況に合わせて使い分けよう

　戦闘中には，プレイヤーが習得したスキルも使用できる。スキルは戦闘画面に表示されているアイコンをタップするだけで使用できるが，個別にリキャストタイム（再使用時間）が設定されているので，同じスキルを連続して放つことはできない。また，スキルは発動時にHPかSPを一定量消費するので，いざという時にガス欠にならないように注意が必要だ。

スキルは特定の敵からドロップするので，手に入れたスキルに合わせて装備を組み立てていくのもアリ。盾を持つと防御力が向上するので，相手の攻撃時に合わせて片手武器（片手に盾持ち）に切り替えるなどの小技も有効だ

　なお，使用できるスキルは武器によって異なり，スキルに対応した種類の武器を装備していなければ発動が不可能となる。装備品の組み合わせを考えるときは，手持ちのスキルも考慮に入れると良いだろう。

　こうしたテクニックを駆使しても，初遭遇したボスを単独で倒すのは難しい。そこで必要になるのが，仲間となる他プレイヤーとの協力だ。本作には固定パーティという概念がなく，その場で出会った仲間と合流する形で戦闘を行える。誰かがフィールド上で戦闘を開始するとその場が“戦場”となり，飛び入りで最大5人まで戦闘に参加できるのだ。

　多人数での戦闘も基本は同じだが，ここではとくに「みんため」という独自システムが重要な役割を果たす。みんためは，味方をタップすることで，自身のエネルギーを分け与えられる特殊アクションだ。効果的な攻撃方法を持つ味方を強化することで，戦闘を有利に進めよう。

　経験値や戦利品は分割されず，全員に一定量が配布されるので，味方と多少の実力差があっても気にする必要はない。マップ上に見えた戦闘には積極的に参加するのが吉と言える。

みんための効果は大きく，これを活用すればレベルが低いプレイヤーキャラもボス戦で活躍できる。回復スキルを持って味方を回復しつつ，みんためを発動させ続けるというのも立派な戦術だ

装備品は敵からドロップするほか，ガチャを回すことでも入手できる。ガチャを回すために必要なアイテム「輝晶石」はクエストの報酬として手に入るので，ゲームを続けていれば確実に戦力を増強できる

装備品の強化は，不要な装備品を消費して行える。レベルアップ時の効果上昇値が非常に高いので，よく使う装備はガンガン強化していこう

戦闘に敗北すると拠点に強制移動させられるが，その際にペナルティとして，集めた経験値の一部が消滅してしまう。ペナルティは小さめなので，敗北してもそんなに落ち込むことはない

アバターのカスタマイズ要素も充実

今後のコンテンツ拡充にも期待大だ

　そのほかにも本作には，アバターの自由なカスタマイズや，フレンド登録などのソーシャル要素といった，オンラインゲームらしい要素がふんだんに盛り込まれている。
　ゲーム内の交流も非常に活発で，筆者がプレイして確認した限りでは，どの時間帯のチャットも大いに賑わっており，ボス討伐の人員が不足するような状況は発生しなかった。やはり活気あるオンラインゲームは居心地が良いものだ。

エモーションも初期から充実しており，コミュニケーション手段には不自由しない。大人数で集まってエモーションで遊ぶ姿も各地で見られた

装備品は“性能”と“外見”を分けることが可能で，最高の性能を保持しつつ，手持ちの装備から好きな外見を選ぶことができる

アバターのカスタマイズは自由度が高く，拠点にある「アバター屋」という施設で後から変更することも可能だ

　「タワー オブ プリンセス」は，PC向けオンラインRPGのゲーム性を，スマートフォンアプリの枠組みに無理なく落とし込んだ良作だ。プラットフォームの特性である“手軽さ”を保持しつつ，PC向けオンラインゲーム独特の“密度ある連携”を実現しており，誰でもオンラインRPGの醍醐味を味わえる。
　今のところ追加のアナウンスはないが，ギルドやパーティなどの機能が実装されれば，楽しみはさらに増えることだろう。よく出来たコンセプトの作品だけに，今後のコンテンツ拡充にも大いに期待できる。そうした「先の展開」を楽しむためにも，今のうちからゲームを始めておくことをオススメしたい。

無名の拠点NPCも姫様級に可愛い。正直言ってワープ屋の子に仕えたくて仕方がないのだが，そう思っているのはきっと筆者だけはないはず

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