連載
結のほえほえゲーム演説:第146回「『Deep Insanity ASYLUM』,約束された絶望と,立ち上がるヤバい奴ら」
もうすぐ本連載も6周年ですね。読者の皆さん,結の好むゲームの傾向,なんとな〜くお分かりじゃないですか? ダークファンタジー,ミステリーアドベンチャー,クセの強い登場人物達などなど。
今回お話しする「Deep Insanity ASYLUM」(PC / iOS / Android)は,そんな私の大好物要素が満載のゲームです。
「 Deep Insanity ASYLUM」って?
近未来。眠ったまま起きることがない難病「ランドルフ症候群」が萬延している。その原因と思われるのは南極の巨大地下世界アサイラム。内部で発見されたのは,地上とは異なる生物群,未知の資源。ランドルフ症候群解決のため,人々は命をかけた潜行に挑む……といったストーリー。
この作品は,TVアニメ,マンガ,ゲームにおいて,共通の世界を舞台としながら,異なる時間軸で,それぞれの主人公の物語が,それぞれのメディアで展開されるとのこと。これが非常に興味深いんです。どんなことが起きているのか,時系列順に見ていきましょう。
【202X年】ランドルフ症候群発生。南極の巨大地下世界アサイラム発見。
【漫画】ランドルフ症候群による昏睡患者数が全世界で8千万人突破。
【アニメ】???
【ゲーム】ランドルフ症候群による昏睡患者数が全世界推定5億4千万人に到達。
……ん? ちょっと待て?
ランドルフ症候群,まったく解決してないよね!?!?
最終的に5億4千万人という恐ろしい数字に増えていますが,一体何が起こったっていうんだ……。連載中の漫画も,10月に始まるアニメでも,ランドルフ症候群を解決できないことが,もうすでに判明している。ということは,どうしたって彼らには絶望が待っているってことじゃないか。
主人公や登場人物達が幸せになるビジョンが,まったく見えない。全員志半ばで死んじゃうんだろうか。新しいキャラが出てくるたびに,あぁこいつはどんな不幸な目に遭うんだろうなぁなんて考えてしまうんだろう。
そんなの……そんなのって……最高じゃないか!!!!
世界を救うのはクズ!?
本作の登場人物は,誤解を恐れずに言うと,クズが多いです。普通の人がいません。ブッ飛んでます。どのキャラもワケありっぽかったり,腹黒そうだったりと,強烈な個性を放っています。その中でも個人的にとくに気になっているキャラ2人をご紹介しましょう。
●餅木スミレ
元地下アイドル。悪徳事務所によってアダルトビデオに出演させられそうになっているところ、サニティアンカーとしての才能があるため、南極行きが決定。配属当初は、ランドルフ症候群を解決して英雄になり知名度をアップさせてトップ芸能人を目指したかったので、戦闘員でない事に不満を持っていた。
動機は不純だが、努力家で頭もいい。両親は医師。本当は医者になってほしかったので勘当されている。
過去に出した際どいイメージビデオの話をされると不機嫌になる。
闇が深すぎる。自己顕示欲が強くて野心のある女の子が心身共にボロボロになる姿にドキドキしちゃうタイプなので,彼女には期待せざるをえません。
●小鳩玲香
百合とBLギークな同人作家。
もともとは厳格な家庭で生まれ育った大金持ちのお嬢様。中学生のころは薙刀競技で日本一だった。しかし大怪我で右足がほぼ動かない状態に。どん底の状態でアニメに出会い、希望を見出し、同人漫画を書くようになる。
車椅子の生活を続けていたが、南極は最先端技術の実験場で最新の義足が手に入るという話を聞きつけ、アンタークティカ・フロントに志願書を送り、スリーパーに。
同人漫画で覚醒したお嬢様。戦場でカップリング妄想したりするんだろうか。どんなテンションの子なのか気になります。
この二人の共通項は「若くして絶望を経験している」ことと,そこから「這いあがっている」こと。捨てるものがないからこそ,欲望に忠実になれるのかもしれません。
ほかにもスラム出身,少女騎士,元いじめられっ子の空手世界チャンピオンなど,気になるキャラがたくさん。世界の危機を救うストーリーにも関わらず「人のため」より「自分のため」に戦う子が多いのが印象的。数多くのゲームで世界を救ってきた私ですが,自分のためであればあるほど,感情移入しちゃいそうです。
東京ゲームショウ2021にて
2021年10月3日19:00〜,「SQUARE ENIX PRESENTS at TGS 2020 Online」にて「『ディープインサニティ アサイラム』リリース直前!TGS2021 特別番組」が配信されます。なんと光栄なことに,この番組の収録でMCを担当させていただきました。
とっくに事前登録済みだったので,MCのお話をいただいたときは「なぜバレてる!?」と驚きました。偶然だったそうですが,嬉しかったですね。収録では世界観原案の深見 真さんと海法紀光さん,そしてプロデューサーの石井諒太郎さんにお話をうかがいました。
深見さんは,小説「ヤングガンカルナバル」や,アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」脚本などを担当。海法さんはアニメ「ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園-」「がっこうぐらし!」「アクダマドライブ」シリーズ構成を担当されています。
海法さんといえば「GUILTY GEAR X」「GUILTY GEAR XX」のストーリーモードのゲームシナリオも書かれた神なんですよね。私がギルティにハマったキッカケは完全にゼクス,イグゼクスのストーリーなので,まさかご一緒できる日が来るなんて……という気持ちでした。小説版「俺の屍を越えてゆけ」も大好きです。小説版ならではの描写が多くて,今でも時折読み返します。
皆さんが心から楽しんでゲームを作っている様子が伝わってきて,収録はとっても楽しかったです。自分も大概ミステリーやTRPG好きだと思っていましたが,まだまだ奥深い世界を感じました。ぜひご覧ください。
最近プレイしているゲーム(2021/10/1)
Steam:「Among Us」
PlayStation 4:「GUILTY GEAR -STRIVE-」
PC:「インペリアル サガ エクリプス」
iOS:「ロマンシング サガ リ・ユニバース」
iOS:「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」
■■結(女優・タレント)■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ,数多くのゲーム番組でMCを務め,イトキチ(糸吉)の愛称で親しまれている。
公式サイト:http://yui-monogatari.com/
公式Twitter:https://twitter.com/xxxjyururixxx
ニコニコチャンネル「結チャンネル」:http://ch.nicovideo.jp/yuichannel
YouTubeチャンネル「結ちゅーぶ!」:https://www.youtube.com/channel/UCNwmczTygyPzEnouz9tR_Fg/
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(C) 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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