舞台「“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『紅』未来への誇り」のゲネプロをレポート。真田幸村を筆頭とする織田残党の若き武将達が豊臣・毛利に挑む

　2018年12月7日から12月16日まで，舞台「“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『紅』未来への誇り」の全13公演が，東京・有楽町のオルタナティブシアターにて行われる。
　この舞台公演は，カプコンのアクションゲーム「戦国BASARA」シリーズを原作とするもの。また，今回の舞台は蒼紅で対となっており，12月21日からは，「“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『蒼』THE PRIDE」の公演が始まる予定だ。
　本稿では，初日公演前に行われた「『紅』未来への誇り」の公開ゲネプロ（通し稽古）の模様をお届けする。

■出演キャスト（敬称略）
真田幸村役 ：松村龍之介
徳川家康役： 中尾拳也
長曾我部元親役：白又 敦
山中鹿之介役： 橘 龍丸
黒田官兵衛役： 伊藤裕一
毛利元就役：小谷嘉一
宮本武蔵役：西野太盛
明智光秀/天海役：瀬戸祐介
映像出演：眞嶋秀斗，沖野晃司ほか

　ゲネプロの開始前には，キャストおよびスタッフがステージに登壇。座長にして真田幸村役の松村龍之介さんを筆頭に，キャスト陣は今回の公演に懸ける意気込みを見せ，対となる公演「『蒼』THE PRIDE」にいい形でバトンを渡したいと語った。また今回，「斬劇『戦国BASARA』」初登場の宮本武蔵を演じる西野太盛さんは，「武蔵らしく全力でがむしゃらにがんばりたい」と意気込みを語っていた。


　構成，演出，映像を手がけるヨリコジュン氏は，「『紅』未来への誇り」と「『蒼』THE PRIDE」の2つの舞台が同時に稽古を進めていたことに言及し，「お互いにライバルとして高め合ってきた」と語った。物語では，誰にでもある「なぜ自分たちはこんなにがんばっているんだろう？」という局面を思い出せるような展開になっているとのことだ。


　企画・原作監修を務めたカプコンの小林裕幸氏は，連続で2つの舞台を行うことについて「無謀なチャレンジ」であったと表現。ヨリコ氏に多大な負担をかけているが，それだけにすばらしいものが仕上がっていると語った。さらに今回は，キャストと物語は同じで“笑い”に特化した限定演目「笑劇」も含まれているが，こちらも相当面白い仕上がりになっているとのことだ。さまざまな事情で舞台の公演に来られないという人は，ぜひ後日発売のDVDで鑑賞してほしいと話していた。


　「『紅』未来への誇り」の物語は，第六天魔王・織田信長が腹心である明智光秀の裏切りにより，「本能寺の変」で討死にしたあとからスタート。勢いに乗る覇王・豊臣秀吉は，さらなる力を求め，勢力を一気に全国へと広げる。その一方で，信長を討った光秀は，豊臣に敗れ天海として生まれ変わり暗躍。また，徳川家康は力なき民のためにと豊臣軍を離脱していた。


　そんな中，織田残党の若き武将達はそれぞれに行動していた。後藤又兵衛を助けるべく，家康を追撃する黒田官兵衛。瀬戸内海で豊臣と毛利元就の強襲を受ける長曾我部元親。行方不明の主君・尼子晴久を探す山中鹿之助。そして戦国最強の敵を求め，意気込む若き宮本武蔵。
　そんな4人の武将達と改めて出会い，彼らの強い志を知った真田幸村は，強敵の徳川，毛利，そして豊臣を打ち倒すために協力してほしいと申し出るのだった。自らのライバルである伊達政宗にふさわしい“真の武士”となるために……。


　キャスト8名と前回よりも小規模編成となった今回の公演。しかし“斬劇”ならではのド派手な殺陣と，それを彩る大音量のBGMとSE，そしてスクリーンに投影される映像によって醸し出される迫力は，これまでの舞台に引けを取らない仕上がりとなっている。本公演を鑑賞する予定の「斬劇『戦国BASARA』」ファン，原作「戦国BASARA」シリーズのファンは，ぜひ期待してほしい。

「斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世」公式サイト