プレイレポート
ニンテンドー3DS「ハコボーイ! もうひとハコ」は,タイトル通りに“もうひとハコ”を追加して,新たな面白さを生み出した作品だ
本作は,2015年に配信された「ハコボーイ!」(開発元:ハル研究所)の続編にあたる,ステージクリア型のパズルアクション。前作の基本ルールに一部新要素が加えられ,ひと味違った手応えのプレイを楽しめる。ここでは,前作との違いなどを含めたプレイレポートをお届けしたい。
「ハコボーイ! もうひとハコ」公式サイト
「ハコボーイ! もうひとハコ」販売ページ
正方形に目と足がついた主人公「キュービィ」は,モノトーンの世界に生きる不思議なハコ。自分と同じ大きさのハコを,体の上か左右(下方向は特殊な状況時のみ可)に,ステージごとに決まった数だけ出し入れできる。
キュービィが出したハコは,切り離したり投げたり,あるいは伸び縮みさせたりできるので,それを使ってステージに仕掛けられたさまざまなギミックを解きながらゴールを目指すというのが,基本ルールとなる。
本作で大きく変わったのは,キュービィが画面に出せるハコの数が増えたということ。厳密に言うと,一度に出せるハコの数に変わりはないものの,タイトルに「もうひとハコ」とある通り,最初から画面にそれを二つ出すことができるのだ。
前作では,ハコをステージごとの規定数出した状態で,さらにハコを出そうとすると,先に出したハコが消えてしまうという仕様で,各ステージのギミックもそれに合わせてデザインされていた。一方本作では,各ステージでキュービィが一度に出しておけるハコの数が合計二つとなり,それに合わせた新規のギミックが用意されている。
最初に出したのが緑色のハコ,二つめ(厳密に言うならば「2セット」だが,ゲーム中の表記に準ずる)に出したのが水色のハコだ。ハコは切り離して置いておくこともできる |
ハコは足場にしたり,ボタンを押したり,ビームを避けたりするなど,用途は意外にも多彩だ |
ハコを出してギミックをクリアしていくという目的は同じながら,ハコを二つ出せるようになったことで,前作よりもギミックの幅が広がった印象だ。
例えば,置いたハコを2段に積んで高さを稼ぐ,最初のハコで足場を作り二つめのハコを上の足場に引っかけて移動する,最初に出したハコを二つめのハコで持ち上げる――といった具合に,できることが増えたおかげで,前作ではあり得なかったようなギミックが増えている(関連記事)。
そのため,内容が若干複雑になった印象もあるが,ハコボーイ!という作品の長所であるシンプルさが失われているわけではないので,前作から引き続きプレイする人もご安心いただきたい。
各ステージは,いくつかの同じ系統のギミックで構成された短いステージが「ワールド」の中に複数存在している。ステージをすべてクリアすると,新たなワールドが現れるという仕組みで,先へ進むとステージの難度が少しずつ上がっていく構成だ。
難しくなるといっても,ワールドごとにギミックの傾向は同じなので,それさえ分かればあとは応用次第。「ひらめき」が必要なパズルなので,どうしてもクリアできないときは一息入れるか,別のワールドのステージを試してみるといいかもしれない。また,ニンテンドー3DS本体のゲームコインを使えば,ヒントを見ることも可能だ。
なお,ステージクリアまでの手順に制限はないが,ステージ中に存在する「王冠」をすべて取ってクリアすることで成立するパーフェクトを目指すには,所定のハコの数以内で王冠を取ってクリアしなければならない。王冠を取ることを意識してプレイすると,パズルの難度は少し上がるが,後回ししてサクサク進めてしまってももちろんかまわない。
王冠はゲームプレイに関する要素だが,そのほかにもちょっとしたおまけ的な要素が用意されている。ワールドマップにはショップがあり,ゲームクリア時にもらえる「メダル」を使って「コスチューム」「サウンド」そして「ハコ漫画」を入手できるのだ。
コスチュームはキュービィの見た目が変わるアイテムで,サウンドはゲーム中のサウンドを聴けるというもの。そしてハコ漫画は,本作で加わった新要素で,キュービィが主役の4コママンガを楽しめる。本作にも前作から続くストーリーが演出程度に添えられているが,それとはまた違うネタ的な内容で,キュービィがしゃべっているのもちょっと新鮮だ。もちろんクリアには必要ないので,コレクションとして楽しみたい。
なお,これらを入手するためのメダルは,王冠をすべて集めてパーフェクトクリアすると,多めにもらえることも付け加えておきたい。
コスチュームを購入するとキュービィの姿が変化する。前作で手に入れているコスチュームも使用可能だ |
ハコ漫画はキュービィの癒し系4コママンガ。手に入れればショップでいつでも見られるように |
ワールドをクリアすると,ストーリーを匂わす演出とともに,次のワールドが現れる |
ワールドクリア時に宝箱が出てくることも。これを取るとショップで買えるものが増える |
ちなみに本作には,約130ものステージが用意されているので,遊びごたえはバッチリ。ステージクリアごとにオートセーブされ,好きなときに進められていつでも止められる手軽さで,ニンテンドー3DSというハードにマッチしている。
価格も手頃なので,もし前作をプレイしていない人はぜひ両作品とも購入して,通勤や旅のお供に,あるいは仕事や勉強の合間の息抜きに楽しんでみてほしい。
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