プレイレポート
トライエース作品ならではの工夫しがいのあるバトルが熱いスマホ向け新作RPG「Heaven×Inferno」プレイレポート
本稿では,そんなHeaven×Infernoを実際にプレイした印象を交えつつ,ゲームの概要を紹介していこう。
「Heaven×Inferno」ダウンロードページ
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本作の舞台は,神,悪魔,人間が存在する神話をベースにした世界。神と悪魔の千年戦争が終結し,人類は平穏の日々を送っていたが,ある時から,人の身に天使や悪魔が宿り,理性を失って暴れまわるという事件が頻発するようになる。
人類は「ウォークス」と名付けた彼らに対抗するべく,人為的に神と悪魔の力を宿した戦士「ネフィリム」によって構成された迎撃部隊を結成。ネフィリムたちの活躍によって,世界に再び平穏が訪れたと思われたが,今度は,強力な神霊力の暴走によって虚無の穴が開き,世界が飲み込まれてしまう。ネフィリムたちがその身を犠牲にすることで世界の崩壊は免れたのだが……それから10数年後,人類はさらなる試練に立ち向かうことになる。
以上が,本作の簡単な導入ストーリーだ。ちなみに本作のシナリオを担当した成田良悟氏は,「バッカーノ!」や「デュラララ!!」などを代表作に持つ作家だが,一見重そうな本作の世界観を踏まえつつ,起伏に富んだストーリーをテンポよく描いている。カタすぎず,かといってユルすぎもしない本作のストーリー展開は,スマホ向けRPGにとてもマッチしている印象を受けた。
トライエース作品らしく,登場キャラクターも実に魅力的だ。生真面目な性格のクールビューティ「アルスヤ」や,お調子者のムードメーカー「ロイム」。何だか色々とワケありっぽい感じのロリっ娘「マリオフ」など,ストーリーの中核を担うメインキャラクターが丁寧に描かれている。
なお序盤の冒険に関しては,ストーリーの進行に伴って仲間が少しずつ増えていくという王道の展開が楽しめる。ネタバレを避けるために詳しくは触れないが,コンシューマ向けの大作RPGが好きな人ならすんなりと入り込めるはずなので,ぜひ注目してほしい。
トライエース作品らしいバトルシステムをスマホ向けにブラッシュアップ
タイミングよくアイコンをなぞってコンボを決めろ
本作のバトルでは,画面右下のキャラクターアイコンを指でなぞる,もしくはタップするだけで,キャラクターが自動的に攻撃を行ってくれる。攻撃の種類によって,攻撃が敵へヒットするまでの時間が異なるため,コンボを成立させるには上手くタイミングを取ることが重要になってくる。とくに,魔法系の攻撃は発動までにやや時間がかかるので,バトルを繰り返して少しずつタイミングを把握していこう。
また,味方キャラクターが使う武器には,それぞれ違った特性がある。例えば,ガンブレードと剣は敵を打ち上げるのに有効。ハンマーと鎌は叩きつけ,杖(魔法)はガード無効など,それぞれ得意とする分野が異なるのだ。
ちなみにガード状態の敵は,物理攻撃を複数回当てないとガードを崩せないのだが,魔法を使えばガードに関係なくダメージを与えられる。また“打ち上げ”と“叩きつけ”は,「フィールド・アバランチ」(後述)を発動させる際に必須のアクションだ。
バトルには,パーティ共有のAPゲージが設定されており,味方が1回攻撃するごとに1つずつ消費されていく。基本的には,APゲージの数だけ味方が攻撃ができるという仕組みと考えていいだろう。
なお,APゲージが残っている状態でターン終了すると,次のターンもしくはバトルにゲージを引き継げる。ストーリーモードにおける1回のバトルは3連戦で構成されており,クエストのバトルは5回が基本になっているので,余裕のある戦いではできるだけゲージを温存するクセをつけておきたい。……といいたいところだが,バトルでいわゆるオーバーキルを決めると,アイテムドロップ率がアップするという要素もあるので,臨機応変に戦い方を使い分けよう。
また,敵を攻撃するごとに溜まっていくスキルゲージがマックスになると,アクティブスキルを発動できるようになる。これは他のゲームでいうところの必殺技のようなもので,通常攻撃よりも多くのダメージを与えられるスグレモノ。単体系,全体系,回復系,補助系などバリエーションも豊富で,必殺技を繰り出す際の演出も凝っているので,ここぞという場面では惜しまず使っていきたい。
フィールド・アバランチで階層移動
天使を地獄に! 悪魔を天界に!
本作でもっとも特徴的なシステムは,何と言っても「フィールド・アバランチ」だ。
本作のバトルステージは,上から順に天界,地上,地獄に分かれていて,バトル中にその階層を行き来できる。
悪魔系のキャラは天界に弱く地獄に強い,天使系のキャラは地獄に弱く天界に強いという相性があるため,例えば「天使系の敵とのバトルでは地獄へ落として戦う」など,自分たちに有利なフィールドで戦うことが重要となる。
フィールド・アバランチを発動させるには,コンボを繋ぐことで溜まっていくゲージがマックスのときに,打ち上げか叩きつけを決める必要がある。ゲージは結構溜まりやすいので,一回のバトルで数回のフィールド・アバランチを発生させることも可能だ。フィールド・アバランチを発生させると,APやHPの回復玉が出現するので,手強い敵とのバトルには欠かせないシステムといえる。
ただし,敵側もフィールド・アバランチを使ってくるので,そこはご注意を。不利な階層に強制移動させられたら,有利な階層に戻すことをまず考えたほうがいいだろう。
そのほかにもバトルには,フィールドギミックという要素も盛り込まれている。これは階層ごとに設置された特殊効果のことで,敵味方関係なく影響を受けるという少々やっかいなもの。
本作のキャラクターには,火,水,風の属性が設定されており,火は風に,風は水に,水は火に強いという三すくみの関係がある。フィールドギミックはこれに干渉し,種類によってはバトルを有利にも不利にもするので,あらゆる要素を考慮したうえで,的確にフィールド・アバランチを利用していきたい。
ボタンを押すタイミングを工夫してコンボをつなげていくバトルシステムということで,トライエースの代表作「ヴァルキリープロファイル」を連想する人もいそうな本作。しかし,バトルのテンポはそれよりもやや遅めで,どちらかというと(同じくトライエース開発の)「イグジストアーカイヴ」に近いかもしれない。
コンボのつなげ方や階層の移動など,ゲームに不慣れな人にはやや取っつきにくい要素もあるが,上述したようなトライエース作品に触れたことがある人ならば,すんなりと楽しめるはずだ。
トライエースが開発ということで本作に注目しているRPGファンも多いかと思うが,ミドル〜コアなRPGプレイヤーなら間違いなく楽しめる作品といえるので,興味のある人はぜひ一度試してみてほしい。
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(C)NTT DOCOMO,INC. /tri-Ace,Inc.
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