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6000万DLを誇るスマホ向けアプリ「Rodeo Stampede」の開発者が講演。決め手のひとつは“動物園の経営者”という演出
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印刷2017/05/01 14:31

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6000万DLを誇るスマホ向けアプリ「Rodeo Stampede」の開発者が講演。決め手のひとつは“動物園の経営者”という演出

Featherweight GamesのDylan Bevis氏Tim Kaldor氏
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 ネクソングループが主催するゲーム開発者向けカンファレンス「Nexon Developers Conference 17」(NDC 17)が,2017年4月25日から27日まで韓国で開催された。

 ゲーム業界の発展のためにノウハウや知見などを共有する目的で行われたNDCでは,ネクソングループ以外のタイトルに関する講演も実施された。たとえば今年だと,Blizzard Entertainmentの「Overwatch」や,コーエーテクモゲームスのIPに関する講演なども行われている。
 そういった中,2016年に配信され,現在6000万ものDL数を記録しているインディーズスマホ向けアプリ「Rodeo Stampede」iOS / Android)の講演も行われたので,本稿でその内容を紹介しよう。

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「Rodeo Stampede」公式サイト

「Rodeo Stampede」ダウンロードページ

「Rodeo Stampede」ダウンロードページ



ゲーム好き2名が創業したインディーズ開発会社

3作目にして6000万ものダウンロード数を記録


 Rodeo Stampedeは,オーストラリアのゲーム好き2名が起こしたFeatherweight Gamesが手がけたアクションゲームだ。

 最初にゲーム内容を軽く紹介しておくと,プレイヤーが操るキャラは,突き進む動物たちの群れ(=Stampede)の中に飛び込み,投げ縄を手に次々と飛び乗っていく(=Rodeo)。シンプルな操作で爽快感溢れるプレイフィールを実現しており,またリプレイ性の高さなども好評を博し,2016年に各所で話題になったアプリだ。ちなみに4Gamerでも,2016年末に掲載した特集記事で,(個人的な)イチオシアプリとして紹介している。

「Sking Yeti Mountain」
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 講演で登壇したFeatherweight Games創業者のTim Kaldor氏によると,設立当初は遊び半分でゲーム開発を行っていたが,同社にとって2作目となる「Sking Yeti Mountain」というアプリが200万DLという予想外のヒットを記録したことから,考えを改めたという。

 というのも「Sking Yeti Mountain」では,開発資金などの理由からアクションゲームとして必要最低限のシステムしか搭載していなかったのだ。たとえば報酬システムやマネタイズ,長期的なアップデート計画などが欠けていたのである。もし,自分たちの100%の実力を示せたら……という思いが,Rodeo Stampedeを開発する直接のきっかけになったそうだ。

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スマホでも自分で操作する手応えを味わえるように

数ある“ランゲーム”との差別化を目指す


 Rodeo Stampedeの操作システムを説明すると,プレイヤーがタップしている間は,そのときに乗っている動物がオートで突き進んでいく。そのまま左右のフリックで向きを調整しつつ,飛び移る動物を見定めたら,指を離すと大きくジャンプ。そして再タップで飛び移ることに成功したら,再び突き進んでいく。これを繰り返してゲームが進行していく。このように,実にユニークなプレイフィールを実現している本作の開発は,試行錯誤の連続だったそうだ。

 ざっくりというと本作のゲームジャンルは“ランゲーム”に属するが,当時はこのジャンルのアプリが世界中で続々とリリースされていた。それらの大半が(ランゲームとして)似たり寄ったりのプレイフィールで,後発の,しかも小さな開発会社が作ったアプリでは注目されにくいだろう。

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 氏によると,ランゲームが似たり寄ったりのプレイフィールなるのには理由があり,マイキャラが自動で進んでいくため,プレイヤーの操作が介在する余地がもともと少ないからだという。
 そこで試しに,プレイヤーの操作を積極的に盛り込んだ,テクニカルなアクションゲームを目指してみることに。ところがスマホの小さな画面では,繊細な操作による爽快感溢れるアクションゲームは,想像以上に難しかったようだ。

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 それではということで次は,双方の中間あたりを試行錯誤し,“動物を飛び移る”アクションを考えた。
 この際は,ジャンプした瞬間の気持ち良さの演出に,とくにこだわったという。マイキャラが動物に乗っている間は猛スピードで突き進んでいるが,ジャンプした瞬間は画面全体がスローモーションになり,一気に浮遊感が得られる。そして飛び乗った直後の動物はブーストされ,緩急のメリハリがたっぷりと効いているわけだ。

 また,ジャンプ中にスローにさせることで,プレイヤーが投げ縄を決めやすくするメリットも得られる。こういった工夫により,スマホの片手持ちやライトゲーマーでも,「ランゲーム」と「自身で操作する手応え」の両方を味わえるのだ。

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ゲームの環境周りは「クロッシーロード」を参考に

自分流のアレンジを盛り込む


「クロッシーロード」
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 「Sking Yeti Mountain」では100%を出し切れなかったと語る環境周りに関してだが,Rodeo Stampedeの開発初期に「クロッシーロード」の登場を目の当たりにし,大きな衝撃を受けたという。

 クロッシーロードの経験者ならお分かりかと思うが,シンプル操作のアクションゲームを主軸に,キャラのコレクションやログインボーナス,SNSでのシェアなどなど,スマホアプリとしての環境が丁寧に作られている。そこでFeatherweight Gamesは,クロッシーロードを参考に,自分たちのアレンジを加えることが得策だと考えたようだ。

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 具体的には,「動物を次々と飛び移る」アクションゲームだった開発初期のRodeo Stampedeに,「動物園の経営者」としての側面を持たせることに。このアイデアを起点に,動物のコレクションや成長要素,そして動物を獲得した際は自撮り画像をSNSで共有するなどといったシステムを実装していったのだ。

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 また,プレイヤーに経営者気分を満喫してもらうべく,さまざまな演出を盛り込んでいった。たとえば,多くのアプリではログインボーナスを直接受け取るが,本作では経営する動物園を“一般客向けに開園”させ,その入場料を受け取る演出となっている。また,いわゆるロード画面は見せずに,その際はステージへ飛び降りる際に“雲”を数秒間表示させて誤魔化す,などといった感じだ。

 ゲーム内で広告動画の視聴を行い,それによりボーナスがもらえるシステムも,クロッシーロードを境に急速に普及したシステムである。このシステムに関しては,多くのプレイヤーは動画を見てボーナスをもらうだけで,ゲームを遊ばずにアプリを終了してしまう人が多いのではとTim氏は分析した。
 そこでRodeo Stampedeでは,ゲームオーバーになった際に,動画視聴でコンティニューを行うか,あるいは視聴しない(&コンティニューも行わない)を選べるようにした。この仕組みによって実際にゲームを遊ぶ人と動画の視聴回数が増え,またゲームの継続率にも良い影響を与えているとのことだ。

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 このようにさまざまな工夫を盛り込み,100%の力を出し切って作られたRodeo Stampedeは,配信開始から1週間で400万のダウンロード数を記録。現時点で6000万にも達しているとのこと。
 前作をさらに洗練させたアクション,偉大な先駆者を参考にしつつ,二番煎じではなく自分流のアレンジを加えたこと。そしてプレイヤーに動物園の経営者という側面を持たせたことが,現在の成功の大きな要因だと振り返っていた。

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 今回の講演を聞いたあと,あらためてRodeo Stampedeをプレイしてみたが,やはりついつい繰り返し遊びたくなるアプリだと感じた。2016年を代表するアプリのひとつと呼んでも過言ではないと思うので,まだプレイしていない人には,あらためてオススメしたい。


「Rodeo Stampede」公式サイト

「Rodeo Stampede」ダウンロードページ

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