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「ぷよぷよテトリスS」メディア先行体験会が開催。Nintendo Switchとの相性は抜群,全世界の強豪と戦えるネットワーク対戦にも注目
Nintendo Switchと同日発売となる「ぷよぷよテトリスS」は,2014年に発売された「ぷよぷよテトリス」(PS4 / Xbox One / PS3 / Wii U / PS Vita / ニンテンドー3DS)の内容に加えて,海外のプレイヤーとのネットワーク対戦にも対応している。
「ぷよぷよ」と「テトリス」で対戦する「VS(ぶいえす)ルール」をはじめとする豊富な対戦ルールは4人まで参加可能だ。もちろんNintendo Switchの3種類のプレイモードに対応しており,Joy-Conのヨコ持ちでもプレイできる。
本体だけなら2人まで,Joy-Conを2セット用意すれば4人対戦が可能。また,人数分の本体とソフトがあれば,個別画面でのローカル通信対戦にも対応している。
「ストーリーモード」や「とことんモード」といった1人でじっくり挑むモードは,携帯モードでプレイするのに向いているだろう。
インターネット対戦では,「全世界パズルリーグ」を収録。国内のみならず,北米や欧州,そのほかの地域のプレイヤーとも対戦可能だ。
そうなると気になるのは,やはり通信におけるラグ。「ぷよぷよテトリスS」プロデューサー 片野 徹氏によれば,テスト段階では互いのインフラが整ってさえいれば,北米や欧州が相手なら気になるほどのラグはないとのこと。また,マッチング条件に対戦相手の通信状態を選べるため,本気で対戦したいプレイヤーにも嬉しい仕様となっている。
TVモードやテーブルモードでプレイするなら,Joy-Conのおすそわけによって,その場で2人対戦が可能な手軽さが魅力だ。ダウンロード版なら持ち歩くのも便利だろう。テーブルモードの4人対戦はややチマチマした印象を受けるが,そこはパーティーゲームならではの楽しさがカバーしてくれる。
Joy-Conのおすそわけを使えば,本体1台とソフト1本で2人対戦が可能 |
携帯モードではローカル通信対戦となる。ただし,ニンテンドー3DSのようなダウンロードプレイは非対応なので,人数分のソフトが必要 |
Joy-Conの操作感覚は若干好みが分かれる印象だ。ぷよとテトリミノの移動はLスティックまたは方向ボタンで行うのだが,Lスティックでは何度か入力ミスをしてしまった。とくにテトリスはハードドロップ(テトリミノの即時落下)を行うときに,上方向を入力する必要があり,方向ボタンのほうが確実さが勝る。
なお,ゲーム中,Lスティックと方向ボタンはどちらも使えるので,自分に合ったほうを選ぶといい。
Joy-ConのHD振動を使った演出にも触れておく。ぷよとテトリミノが落ちたときの振動が,前者はプルッと軽い感じ,後者はカツンとしっかりした感じで,明確に差別化されている。この感触の違いは,なかなか面白い。
今回の体験会では,「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーである細山田水紀氏と片野氏への合同インタビューも行われた。その模様も以下にまとめておこう。
――Nintendo Switchで「ぷよぷよテトリスS」を発売することになった経緯から聞かせてください。
片野 徹氏(以下,片野氏):
任天堂さんから新しいハードが発売されるということで,弊社では最初にどんなソフトを用意するのかと考えたとき,そのコンセプトに一番マッチした,みんなで遊べるゲームが一番いいのではないかということで,「ぷよぷよテトリス」に白羽の矢が立ちました。
細山田水紀氏(以下,細山田氏):
「ぷよぷよテトリス」自体,出せる機種にはすべて出していこうということもありまして,間に合ってよかったと思います。
――本作のセールスポイントを教えてください。
片野氏:
「ぷよぷよ」と「テトリス」という王道のパズルゲーム2つが揃い踏み,というのが最大の売りなのですが,本作はNintendo Switchのモードに合わせた対戦プレイも大きな特徴です。
また,このタイトルは対戦に重きを置いていて,幸い全世界で発売させていただくことが決定しましたので,全世界での対戦もセールスポイントになると思います。
細山田氏:
本作を最初に発売してから3年が経過していて,「プレイしたい」という海外の方からの要望も大きかったので,やっとそれに応えることができました。
それと,触っていただくと分かることなのですが,振動ですね。発売済みの他機種版を触っていると,その違いが分かるかと思うので,ぜひ試してみてください。
――他機種版とゲーム内容は変わりますか。
細山田氏:
ゲーム自体はPlayStation 4版を準拠に移植しています。見た目の演出的な部分で微調整をしていますが,操作やバランス調整はしていません。PS4版と同じ感覚で全世界対戦ができると考えていただければと思います。
――Nintendo Switchでの開発はいかがでしたか。
細山田氏:
「大変でした」のひと言ですね。何としても本体の発売日に合わせるために,弊社の優秀なプログラマーやデザイナーが全力投球していましたからね(笑)。
片野氏:
その昔,ドリームキャストで発売した「ソニックアドベンチャー2」を当時,任天堂さんの最新ハードだったゲームキューブの発売に合わせるという作業を経験していて,それを思い出しました(笑)。
細山田氏:
「ぷよぷよフィーバー」をニンテンドーDS本体の発売日に出すときもそうでしたね。その時はぷよぷよチームではなかったので,「大変そうだな」と横で見ていましたが,それを自分が体験することになるとは思いませんでした(笑)。
片野氏:
とはいえ,任天堂さんのサポートなども含め,前世代のWii U以上に開発はしやすかったです。技術的な話としては,TVモードと携帯モードの動作に若干の違いがあるので,その調整が必要ということがありましたが,開発環境はすごくよくなっていますね。
――具体的な開発期間はどのくらいですか。
片野氏:
動き始めたのは昨年夏ぐらいでした。元々,いろいろな機種で展開していたタイトルなので,移植作業自体はそれほど大変ではなかったです。ただ,やはり新ハードなので開発機材が揃うまでに時間がかかったり,新しいツールに対応する必要があったりと,新しい環境ならではの苦労はありましたね。
――Nintendo Switchのプレイモードでオススメのものは?
片野氏:
僕はテーブルモードですね。
細山田氏:
僕も同じです。片野とは「大阪出張のときに,新幹線の中でやりましょう」って話していたんですよ(笑)。誰かを気軽に誘って遊ぶということができるハードなので,その方向性にもマッチしているのではないかと思っています。
――プレイヤーの皆さんにはどう遊んでほしいですか。
片野氏:
繰り返しになりますが,世界での発売が決定して,インターネット対戦で日本にすごいプレイヤーがたくさんいるということをアピールしていただきたいですね。先日もPV撮影で有名プレイヤーのプレイを目の当たりにして,本当に凄いと思ったので,そういう人達はまだ国内にたくさんいらっしゃると思うんです。
細山田氏:
テーブルモードや携帯モードもありますけど,ドックとアダプターを持っていけば,旅行先のテレビにつないで遊ぶこともできます。それで,このゲームを広めてもらえれば嬉しいですね。海外での発売も含めて,ぷよぷよやテトリスのプレイヤー層の拡大は我々の目標でもあります。
――クリエイター目線でご覧になったNintendo Switchというハードはいかがでしたか。
片野氏:
本体の画面が大きく綺麗なので,これまでは据え置き機でしか遊べなかった高画質なゲームなども,携帯してプレイできるというのが一つの売りなのかなと思います。弊社でも現在開発中の「ソニック」シリーズの新作などはかなり力を入れて作っていて,今後,何か新しいことができればと考えています。
細山田氏:
個人的にはコントローラーを分割できることを,何か面白いことに使えないかなと思いました。あのギミックを使った周辺機器による遊びが広がっていけば,弊社も乗れる機会ができそうですよね。
――「ぷよぷよテトリスS」を使った大会の構想はありますか。
細山田氏:
何かやりたいとは考えています。昨年のセガフェスではぷよぷよの大会が大いに盛り上がりました。「Redbull 5G」でも5年連続でぷよぷよを採用していただきましたので,「ぷよぷよテトリスS」でも何かできないかと相談している最中です。Nintendo Switchなら機材も小さいので,大会の準備もしやすいかもしれませんね。
――体験版の配信予定はありますか。
片野氏:
体験版は現在制作中です。準備が整い次第,配信させていただく予定です。
――HD振動に対応しているとのことですが,これはハード側とソフト側のどちらで制御していますか。
片野氏:
基本的にはソフトです。任天堂さんにご用意いただいたツールを使って,振動のためのサウンドデータを準備することで,それに準じて振動するようになるんです。最初はSEをそのままデータとして用意したんですが,振動に若干の違和感があったので,専用に調整したSEデータを使っています。
――ファンの方にメッセージをいただけますか。
片野氏:
3月3日,Nintendo Switchの発売と同時にお届けできる運びとなりました。ソフトがまだ少ない最初の時期に,じっくりとプレイしていただけるソフトですので,ぜひご購入いただければ幸いです。
細山田氏:
「ぷよぷよ」シリーズとしては,昨年末に「ぷよぷよクロニクル」をニンテンドー3DSで発売させていただきました。それとは立ち位置が違う本作でぷよぷよとテトリスをさらに広げて,続編が作れるぐらいに世界にアプローチして,ひいてはパズルゲーム全体を盛り上げていきたいです。
「ぷよぷよテトリスS」公式サイト
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