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デュエル・マスターズ2017年度戦略発表会が開催。15周年を迎え,原点回帰でさらなる発展を目指す
2017年に発売15周年を迎えるデュエル・マスターズは,“デュエマ”の略称で親しまれている2人対戦型のカードゲームだ。小学生から大人まで,幅広い年齢層に親しまれており,とくに小学生の人気が高く,長年にわたって小学生No.1TCGとしての地位を獲得している。
本稿で2015年に続いて2回めの開催となった,戦略発表会の模様をお伝えしていこう。
「デュエル・マスターズ トレーディングカードゲーム」公式サイト
2年間でユーザー数や販売金額は2倍に増加
まず最初に,タカラトミー カード企画部部長の佐戸憲一氏が挨拶し,売れ行きが非常に好調であると語った。次に登壇したタカラトミー カード企画部 デュエル・マスターズマーケティング担当の尾形俊幸氏が明かしたのは,営業報告や今後の戦略についてだ。
満面の笑みを浮かべながら売れ行き好調を語った佐戸憲一氏 |
営業報告や今後の戦略を明かした尾形俊幸氏 |
2015年戦略発表会で表明されていた,「アニメ・まんが革命」「商品革命」「イベント革命」という3つの革命。“デュエル・マスターズをNo.1ホビーに戻す”という方針のもと行われたこの取り組みの結果,2016年度の店頭販売金額とユーザー数は200%に,店頭大会参加者は120%に,それぞれ2014年度に比べて増加したという。
さらに超大規模大会のGP参加者は2015年度に比べて2016年度は200%に増加,大規模大会のCS参加者は2014年度に比べて2016年度は500%に増加。現在のユーザー数は90万人以上にも達し,日本一を決める「革命ファイナルカップ」の予選参加者は15万人に達したそうだ。
続いてデュエル・マスターズの売上推移のグラフを示し,2014年はどん底であったが,2015年以降V字復活を遂げており,「2015年の戦略発表会で示した方針と革命は大成功であった」と語った尾形氏は,「『小学生No.1カードゲーム』と『15年続く幅広いファン層』がデュエマの強み」であるとした。
好調にあるデュエル・マスターズだが,しかし山でいうとまだ中腹であり,目指すべき“頂”は遙か先にある。その頂とは,「長く楽しまれ,愛されるデュエマであり続けたい!」ということである。
2017年度のテーマは「原点回帰」
その“頂”を目指して,デュエル・マスターズは大きく生まれ変わる。そのテーマが「原点回帰」であり,これから10年,20年先も安心して遊べるゲームにすることが目標だという。
原点回帰の意味を込め,シリーズ名も「デュエル・マスターズ」となる2017年。原点回帰の施策の3本柱となるのが,新しく生まれ変わる「原作まんが&アニメ」「商品」「イベント」である。
漫画とアニメの新タイトルはその名もずばり「デュエル・マスターズ」に
漫画とアニメの新タイトルは,「デュエル・マスターズ」で,こちらも原点回帰というテーマに沿ったタイトルである。テーマはデュエルの達人を意味する「デュエルマスター」で,主人公が真のデュエルマスターを目指して奮闘していく物語になりそうだ。
主人公は小学4年生であり,小学生の等身大の日常を,夢と共に描くことで,子供たちに親近感をもってもらうとのこと。また,これまでの漫画やアニメでは,基本的に主人公達が生活する現実世界で話が進んでいたのだが,新しく始まるものは,クリーチャーたちが生活する「クリーチャー世界」での大冒険も描かれる。
テーマは「デュエルマスター」であり,小学生の等身大の日常を夢と共に描くことと,クリーチャー世界での大冒険を行うことがポイントだ |
新しい主人公は小学4年生の切札ジョー。これまでの主人公であった切札勝太と滝川るるの息子である |
既存の文明の枠を飛び出した「ジョーカーズ」や新能力の名前が明らかに
また,新ギミックとして,主人公の切札ジョーの落書きから生まれるカード「ジョーカーズ」が紹介された。既存の文明の枠を飛び出した新文明と説明されていたが,新文明といっても6色めというわけではなさそうだ。
以前登場したゼロ文明と同じように,特定の文明のマナを必要とせず,コストさえ満たせば召喚できるものだと思われるが,詳細についてはまだ明らかにできないとのことであった。
新商品では,「最上レアリティ」「SR」(スーパーレア)「カードデザイン」「能力」「封入率」の5つの要素が生まれ変わり,最上レアリティは,レジェンドカードからマスターカードに変更される。
マスターカードだけの新能力が「マスターWブレイク」であり,こちらも名称のみしか明らかにされなかったが,かなり強い能力とのこと。マスターカードはデザイン的にもド派手な金箔押しの黄金フレームが採用され,切札としての存在感が増している。
SRには,これまではレジェンドカードにしかなかったシークレット版が登場。通常版と効果は同じだが,絵がもっと派手で豪華になるため,コレクション欲をかきたてるものになるとした。
カードデザインについては,フレームのデザインが変更され,イラストがより大きくなることで,絵の魅力がよりダイナミックに伝わるものになる。カードの説明テキストエリアも広くなり,読みやすくなったほか,レアリティ表記も従来の[●]や[★]といった記号から,[C]や[U]といった英字に変更されており,より分かりやすくもなっているようだ。
デュエル・マスターズには,これまで通称「旧枠」と,E1から採用された「新枠」と呼ばれている2種類のデザインがあったのだが,この新弾の登場によって,3種類めのデザインに切り替わることになる。
これまで,レジェンドカードにしかなかったシークレット版がSRにも登場。通常版と効果は同じだが,絵がもっと派手で豪華になる |
カードデザインも一新される。新カードデザインでは,フレームが狭くなり,イラストがより大きくなる |
イラストが大きくなることで,よりダイナミックに魅力が伝わる |
レアリティ表記も変更され,コモンはC,アンコモンはUといったように英字表記になり,より分かりやすくなった |
また,「スーパー・シールド・トリガー」という名前の新たな能力が追加されることも明らかにされた。これは,従来のシールド・トリガーの上位に位置する能力であり,新弾でのシールド・トリガーのすべてがスーパー・シールド・トリガーになるわけではなく,一部のカードのみがこの能力を持つという。こちらも,発表会で明らかにされたのは名称のみだが,かなり強い能力ということで期待したい。
最後の要素が,封入率の変更だ。実は,デュエル・マスターズは2年前に封入率を大きく変更し,レアリティの高いカードがより多く出るようになった。
デュエル・マスターズの人気が復活した要因の一つに,この封入率の変更が挙げられるが,今回は,2年前ほどの変更ではないが,上から3つめのレアリティであるベリーレアの枚数を1BOX(30パック)あたり6枚から7枚へと増量したという。
この増量により,従来は,確率的には3パック買えばベリーレア以上のレアリティのカードが1枚出ることが期待できるようになっていたのが,2.5パック買えばベリーレア以上のレアリティのカードが1枚出ることが期待できるようになった(もちろんこれはあくまで確率的な話なので,3パックや2.5パック買えば絶対出るというわけではないが)。
新弾と新スターターデッキが3月25日に同時発売
この生まれ変わったデュエル・マスターズの第1弾の名称は,「DM新1弾 ジョーカーズ参上!!」であり,2017年3月25日に150円(税抜)で発売。同時に,買ってすぐに遊べるスターターデッキ「ジョーのジョーカーズ」と「キラのラビリンス」の2製品もそれぞれ900円(税抜)で発売となる。
これまでは,最初にスターターデッキのみが発売され,その後に第1弾の拡張パックが発売されるというのが通例であったが,今回は同時発売になるため,すぐに新弾を使ったスターターデッキの改造が可能だ。また,BOXの形状も従来とは代わり,より細長い形になっている。
さらにスターターデッキのパッケージだが,前回はカップ麺をイメージしたパッケージで話題を集めたが,今回はレトルトカレーをイメージして作られたとのことだ。
生まれ変わったデュエル・マスターズの第1弾が,「DM新1弾 ジョーカーズ参上!!」であり,2017年3月25日に150円(税抜)で発売される。価格などはこれまでと同じだ |
第1弾のパックと同時に,買ってすぐに遊べるスターターデッキ2種類が発売される。左が「ジョーのジョーカーズ」で,右が「キラのラビリンス」。パッケージは,レトルトカレーをイメージしたという。価格は共に900円(税抜)である |
賞品が3倍もらえる超デュエマフェスを開催。デュエル・マスターズ初の公式ランキングシステムを導入
再度登壇した尾形俊幸氏からは,マーケティングプランについて説明があった。
今回のマーケティングの大方針が,「常に新規獲得戦略!」と「子供・大人2軸戦略を強化!」であり,新シリーズの立ち上げにあわせて,TV CMも全国に投下するという。
また,イベント施策としては,楽しくデュエルを楽しみたい人向けの新店頭大会「デュエマフェス」と,激しくデュエルしたい人向けのGP(グランプリ)やCS(チャンピオンシップ)の2本柱を引き続き展開するとのことだ。
店頭大会の名称は,従来の「デュエ祭り」から「デュエマフェス」に変更される。また,レギュラーパックの発売週末のみ,特別店舗大会「超デュエマフェス」が開催される。
超デュエマフェスでは,賞品が通常の3倍になるため,通常では参加者全員が1パックもらえる参加賞パックが3パックになるほか,じゃんけん賞も3倍になるそうだ。
さらに,通常では参加賞パックの袋6パック分と交換でもらえるプロモカードも,超デュエマフェス開催時のみ3パック分で交換できるようになるため,1回の参加でプロモカードがもらえるようになるとのこと。
1人で6パック集めるのはなかなか大変だったので,こうした特別イベントの開催はファンも嬉しいはずだ。
GPやCSについては,2015年以降力を入れているが,今後はさらに拡大して実施していきたいという。
これまでに3回行われている超大型大会であるGPは,4回めとなる「GP 4th」は2017年4月16日に池袋で開催されることが決定している。GP 4th当日は,秋開催予定の「GP 5th」と,新たに夏に開催される予定の「GPミニ1st(仮)」についての情報が解禁されるとのことだ。GPミニ1stは,これまでのGPの開催地である東京と神戸以外の場所で開催される。
さらに,動画配信も生まれ変わる。現在配信中の「デドカミチャンネル」だけでなく,新規獲得を目指して,新チャンネルも企画検討中であるという。
40周年を迎えるコロコロコミックとのコラボ企画が決定! 12か月連続でプロモカードが付録に
ここでスペシャルゲストとして,コロコロコミック編集長のまこ殿様が登場し,コロコロコミックとデュエル・マスターズのコラボ企画について説明した。
コロコロコミックも今年で40周年を迎えるため,今年15周年を迎えるデュエル・マスターズと大規模なコラボ企画を行うことを決定したという。コラボ企画は2つあり,1つはコロコロコミック限定の「コロコロキャラデュエマデッキ」が付録になるという。
これまでにも2回,そのまま遊べる40枚デッキが付録となったことがあるが,3回めとなる今回はコロコロのキャラクター達がデッキに登場するという,これまでとは違った試みが行われるとのことだ。
もう1つのコラボ企画が,12か月連続でデュエマのプロモカードが付録としてついてくるというもの。これまでも年に数回,プロモカードが付録となったことはあるが,12か月連続でついてくるというのは前代未聞だ。どちらも企画を進めている最中とのことで,詳細については語られなかったが,順次コロコロコミック誌上で明らかになるだろう。
アニメの声優がトークショーのゲストとして登場
新アニメの製作発表では,アニメで主人公の切札ジョーを演じる小林由美子さん,デッキーを演じる佐藤せつじさん,キラを演じる豊永利行さん,小学館集英社プロダクション クロスメディア事業部 プロデューサーの長谷川友紀氏が登場し,トークショーが行われた。
また,発表会終了後,会場のホワイエでは「DM新1弾 ジョーカーズ参上!!」のBOXやスターターデッキ2種類の実物が展示されたほか,スターターデッキを使ったデッキ体験会も行われていた。
「デュエル・マスターズ トレーディングカードゲーム」公式サイト
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TM &(C)Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids