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初公開の実機プレイに現役レスラーも大興奮。「ファイプロ」トークイベントレポート
「FIRE PRO WRESTLING WORLD」(PC / PlayStation 4。以下,ファイプロW)の発売元であるスパイク・チュンソフトの協力のもと,最新“ファイプロ”の実機プレイが世界初お披露目されるなど,盛りだくさんの内容となった本イベントの模様をお伝えしたい。来場者はもちろん,出演者であるプロレスラー達までもが大興奮,大感激したイベントの様子を,ぜひ感じ取ってほしい。
約12年ぶりとなるファイプロの復活を見届けるべく,開場前から熱いファンが行列を形成。当日,足を運んでくれたファンも多く,急きょ座席を増やすほどの盛況ぶりとなった。たくさんのご来場,本当にありがとうございました |
開場前には出演者をエディットする一幕も。その場に居合わせた関係者一同があーでもない,こーでもないといいながらエディットを完成させていく姿は,それだけでもイベントになりそうな楽しさ! |
「FIRE PRO WRESTLING WORLD」公式サイト
ファイプロネイティブ世代のレスラーによる
熱烈トークで幕開け
イベントはまず,互いのファイプロ愛を語り合うクロストークからスタート。司会のDJ急行さんが,DDTプロレスリングの男色ディーノ選手,彰人選手,竹下幸之介選手,プロレスリングBASARAのトランザム★ヒロシ選手,LinQ&東京女子プロレスの伊藤麻希さんを呼び込むと,ステージ上は一気に賑やかに。
「自分なりの遊び方」「DDT操作の方向」といったテーマが語られていくなか,最も盛り上がったのが「エディットについて」。ヒロシ選手が「2017年の元旦に『ファイヤープロレスリングX』で自分をエディットしました。ファイプロネームはコルベット★マサシ」と明かしたほか,ディーノ選手の作るエディットレスラーは本人のスタイルとは真逆の超シュートスタイルなことが明かされるなど,場内は大きな笑いに包まれた。
だが極めつけは,竹下選手が少年時代に考案したメキシコからの逆輸入ファイター・スカイマン(全身水色のテクニックスタイル)をエディットしていたというエピソードだろう。その小学生らしい設定の妙味に,ファイプロファンは手を叩いて大喜びしていた。
クソマジメにスカイマンの設定を語る竹下選手。ともすれば隠したくなるような過去もすべてさらけ出していく姿勢はすがすがしく,実にプロレスラーらしい |
竹下選手の発言には,ディーノ選手も「ファイプロがあったお陰で自分のプロレスを客観視できた」と同意。プロレスラーにとってファイプロが教科書だったことは事実なのだ |
締めの質問として,ファイプロが自身に与えた影響を聞かれるとそれまでの爆笑トークから一転してマジメなトーンに。彰人選手が「(ほもいろクローバーZとしての活動で)プロレスがイヤになった時期があったが,ファイプロで理想の試合をすることが救いになった」と告白。竹下選手は,「僕の小さいころは(子供同士での)プロレスごっこが存在しなかったから,ゲームでプロレス論が鍛えられた」と熱弁。圧倒的なフィジカルを持ちながらも,幅広いレスリングスタイルを見せる竹下選手の源流にファイプロが一役買っていたのだから興味深い。
考えてみれば,この日出演したプロレスラーは,レスラーになる前にファイプロが存在していた,いわば“ファイプロネイティブ”世代。「ファミリースタジアム」や「ウイニングイレブン」好きが高じてプロスポーツ選手になった事例があるように,ファイプロがプロレスに与えた影響も,また多大なモノであるわけだ。アイツもファイプロが好きなんだなあ。
ディレクター松本氏が,
熱すぎるファイプロLOVEを激白
冒頭から「なぜここまで新作が出なかったのか」という質問を投げかけられた松本氏は,「売れなかったからです!」とド直球に返答。聞けばここ9年の間に7〜8回も新作ファイプロを出すための社内プレゼンを行っていたそう。採算面からボツになり続けていたが,スパイク・チュンソフトのタイトルがSteam販路で好調なこともあって,ついにゴーサインを勝ち取ったのだそう。
伝説のゲームを復活させるプレッシャーについては,「それを背負って期待にこたえるのが仕事だと思う」とキッパリ。
新作を作るにあたってこだわったのは“ファイプロっぽさを残す作業”であると語った松本氏は,その一例としてレスラーのグラフィックスに関して,「ファイプロ・リターンズ」で使われたパーツをHD化して再構築していることを説明。新たにグラフィックスを描き起こすより手間のかかる作業だが,そうしないことには「ファイプロっぽくならないから」とのことだった。
実は一度3Dモデルでのファイプロも試作しているが,納得するファイプロ感は出せなかったとのこと。「(2Dなのは)妥協の産物ではなく,そうしたくてそうした」という松本氏の言葉には,ファンとして胸が熱くなった。
ファイプロWの特徴であるオンライン対戦については,“プロレス”と“セメント”という二つのマッチングルームを用意していることが明かされた。いちおう説明しておくと,前者は魅せることが前提,後者は勝ちに徹底したスタイルという区分けだ。
これについて松本氏は,「だって走ってラリアットばかりされたらムカつくじゃないですか」と,ファイプロファンにとっては実に説得力のある言葉で説明した。なお,後述する実機プレイでは試合後に「Match Evaluation」(観客満足度)が表示されていたので,これがプロレスルームでの一つの指標になるのかもしれない。
なお,従来のファイプロの特徴であった実在風のレスラーに関しては,すでに明かされているように収録はされない。ただし,Steam Workshop(PlayStation 4版も同様の仕組み)を介して自作のエディットレスラーをやり取りすることで,自分だけのファイプロWの世界を広げていくことができる。
ちなみに,本作では技名のリネームも可能らしいので,小指の角度が違うあの技にも対応できる理不尽知らずの親切設計といえそうだ。日本のエディット職人は,いまから額にねじり鉢巻きで待っておこう。
気になるエディット機能に関しては,パーツを複数のレイヤーで重ねられるなど,「リターンズとは比べ物にならない自由度」と松本氏は説明。事実エディット画面では,頭や腕のサイズを5%単位で拡縮できることが確認できた。新たに追加される技としては,アーリーアクセス時点で60,正式リリース時で100個程度を予定しているとのこと。
「最新の技はどうなるの?」というレスラー達からの質問には,「ちくちく作っています。求められるものには応えられるんじゃないかな」(松本氏)とのことなので,いろいろと期待してよさそうだ。
世界初お披露目の実機プレイでは,
エディットで再現されたご本人が登場
ヒロシと松本氏が操作するデフォルトレスラーの攻防になると,とたんにファイプロらしいキビキビとした展開に。興が乗りすぎてイスチャンバラや花道を使ったエクストリームな攻防となり,来場者のボルテージは高まる一方だ。
試合終盤には,ついに竹下 vs. ディーノのマッチアップが実現。スキの無い技を駆使してセメントファイトで攻め立てたディーノは,ダウンを奪った竹下に「ナ」アピールからの男色ナイトメアをお見舞い!
リターンズで二丁目ビーノの技として実装されていたとはいえ,初プレイでここまで魅せるプレイを行ったディーノのショーマンシップには,大きな拍手が贈られた。
続いての2戦目は,来場者2名を加えての8人にバトルロイヤル形式の電流爆破マッチをプレイ。
8人がリング狭しと暴れまわる展開の中,起爆時間の5分が経過すると,リングは巨大な爆風に包まれ全員が被爆。試合は続くものの,全員が額から流した血でリングが赤く染まる(これも新要素)という泥仕合の様相に。最後は,一瞬のスキを付いて竹下が繰り出したスクリューボム(現実世界でいうブルーサンダーに酷似)にて,ピンフォールを奪った。
このほか,正式リリース時では女子パーツが増えること,好きなMP3データを入場曲として使えることなどがサプライズ発表され,イベントは終了となった。
なお,6月21日には同じLOFT9 Shibuyaにて,ペイデザイン主催の記念イベント「待っていてくれて本当にありがとう!ファイプロ復活祭!」が開催される(イベント概要)。こちらには,スーパー・ササダンゴ・マシン選手,飯伏幸太選手に加え,松本氏も出演予定。「当日はもっと具体的な話ができると思います」とのことなので,こちらも要注目だ。
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