プレイレポート
「MONSTER HUNTER: WORLD」プレイレポート。ノンストップで展開する新たな狩猟を一足早く体験してきた(プレイ映像あり)
また,体験会では開発陣への質疑応答も行われたので,こちらの内容もぜひ目を通してほしい。
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「MONSTER HUNTER: WORLD」公式サイト
まずは,“シームレス”となったフィールドについて触れよう。キャンプも含めてエリアは地続きになっていて,隅々まで歩き回ってもローディングが気にならず,快適に探索を続けられる。フィールド自体も高密度な環境で起伏に富んでおり,あちこちで植物が茂り,小動物(狩りに役立つ存在らしい)が生息している。
モンスターと対峙していないときは,全力で走ってもハンターのスタミナがほとんど減らないようになっていて,それがフィールド探索の楽しさを高めているようにも感じられた。
ハンターはナビゲーション役の「導蟲」(しるべむし)を伴い,これを追いかけることで,モンスターなどの場所が分かるようになっている。導蟲を追い,留まった場所にあるモンスターの痕跡を覚えさせていくと,導蟲がモンスターの場所を察知して,そこまで導いてくれるのだ。
導蟲がモンスターを見つけるといよいよ本番だ。事前に辻本氏から「プレイヤーもモンスターも,フィールド上で動きを止めないゲームシステムを構築した」と説明を受けていたが,予想以上にそのインパクトは大きかった。
例えば,薬を飲むときもその場に立ち止まることがなくなり,武器を構えるまでの抜刀アクションもスムーズ。さらに一定時間攻撃を行わないと,自動的に納刀する「自動納刀」(オプションでON/OFFを設定可能)も用意されており,狩りのスピード感が大幅に増している。
シリーズ初となる“ダメージ表示”を気にしている人も多いだろう。モンスターに与えたダメージが数字として表示される“RPG風の演出”だが,藤岡氏は「どれだけのダメージを与えたかより,自分が効果的に動けているかどうかを判断するための数値と捉えてほしい」と語っている。この数値を見ることで,初心者でも「モンスターのどの部位をどう狙えば効果的なのか」が一目瞭然というわけだ。
本作には,プレイヤーが初動でつまずかないための配慮が徹底的に施されており,ダメージ表示もその一つとして導入されたものだという。もちろん,オプションによってON/OFFを設定可能になっている。
今回試遊したクエストのターゲットは「ドスジャグラス」と「アンジャナフ」の狩猟。指定地となる古代樹の森では,どちらのクエストでも両モンスターや「リオレウス」が各々行動している。そのため,ターゲット以外のモンスターと出会うことも多い。
ドスジャグラスは初心者向けクエスト「ならず者達の大親分」のターゲットモンスター。四足歩行のイグアナのようなモンスターで,その大きな口でほかのモンスターを丸呑みにしてパワーアップする。攻撃は直線的で動きが読みやすく,少人数でも狩りやすいモンスターだ。
一方,アンジャナフは上級者向けクエスト「森よりいずるは未知の影」のターゲットだ。鼻孔が発達し,腰部に収納できる翼を備えた二足歩行のモンスターで,大きさに反して機敏な動きで迫ってくる。口から吐かれる火炎は,ハンター達を「火属性やられ」にしてしまう。
筆者達のパーティはアンジャナフにかなり手こずり,何度かクエストにチャレンジしたものの,制限時間内に仕留めることができなかった。同じフィールドに生息するドスジャグラスとの縄張り争いを利用したり,地形を生かして洪水や落石によってダメージを与えたりするといった,これまでとは違う戦略が求められるだろう。
高い人気を誇るリオレウスにも遭遇したので,もちろん挑んだが,こちらも相当に手強く,巨大な脚に掴まれて吹っ飛ばされてしまった。これまでに味わったことのない洗礼だ。アンジャナフと遭遇したら,どんな縄張り争いが繰り広げられるのか,大いに気になる。
今回,筆者にとって何よりも印象に残ったのは,従来のシリーズ作品と比べて“狩りのストレス”がほぼ解消されていたこと。シームレスなゲームプレイを意識してシステムの変更が行われていることで,さまざまなアクションがスムーズになり,スピード感も大幅に向上している。
もちろん,こうした変更に伴ってモンスターの能力も調整されることだろう。新たに生まれる“狩りの駆け引き”に期待したいところだ。
なお,本作は東京ゲームショウ2017において,国内初のプレイアブル出展が予定されている(関連記事)。シリーズファンだけでなく,これまでモンハンに縁がなかった人にもぜひ体験してほしい。
開発陣との質疑応答
――モンスターハンターシリーズを新しい形で設計することになった経緯を教えてください。
辻本良三氏(以下,辻本氏):
シリーズを10年間続けてきて,その中でモンスターの生態系を表現したり,高低差を導入したり,といったチャレンジをしてきました。そうした部分を現在の据え置き機の最新技術によって,さらに深く作り込めるのではないか,と考えたのが最初の経緯です。「最新技術を使って,ここを伸ばせばこういうゲーム性になる」というところを突き詰めた結果が,本作なんです。
――とくに「この部分を伸ばそう」と意識したところは?
辻本氏:
とくに意識したのは,「モンスターハンターのユニークな世界を最新技術で改めて描けるのか」というところですね。この世界はモンスター達が生き生きとしていることが,すごく重要です。それに対して,ハンター達もワクワクしながら飛び込んで行ける世界を実現する,というのが一つのテーマでした。
シームレスにつながったフィールドで,モンスターもハンターもいろいろな動きができるようになったのも,そのテーマがあってこそですね。
藤岡 要氏(以下,藤岡氏):
“環境利用”をゲームとして遊んでほしいという思いがあって,その一つがモンスターの生態やモンスター同士の関わりです。そうなるとフィールドもシームレスな環境が求められ,さまざまな要素を伸ばした結果として,現在の形に行き着いたということですね。
――グラフィックスの美しさが目立ちましたが,モンスターが生きている環境を描くうえで力を入れたところでしょうか。
徳田優也氏(以下,徳田氏):
やはり一瞬でも「心に残る画」というのはすごく大事で,それによってプレイヤーが感情移入ができますから。フィールドやモンスターの描写はもちろん,食事のシーンもとびきり美味しそうに見えるように力を入れました(笑)。
――ゲーム内では時間経過の概念はありますか。
藤岡氏:
昼と夜が変化するようになっています。クエストも受ける時間によって,昼か夜のどちらかのシチュエーションで挑むことになります。
――それによって何が変わりますか。
徳田氏:
モンスターの生態が大きく変わるということはありません。また,閃光玉の代わりになる虫が夜になると現れたりするので,そういった仕掛けを用意しています。
――マップの数は?
藤岡氏:
具体的にはまだ言えませんが,これまでのシリーズと同程度に感じられるくらいは用意しようと思っています。
――武器アクションの一部が一新されていたり,移動しながらの攻撃ができたりと,アグレッシブになった印象を受けました。それはフィールドがシームレスになっていることにも関係しているのでしょうか。
藤岡氏:
ハンターもモンスターも「できるだけフィールド上で動きを止めない」というコンセプトがありまして,それを軸に武器の特徴を生かせるアクションを追加しました。
そのほか,手に入れた素材を好みの設定で自動調合するような要素もあり,とにかく“動きを止めない”ということに力を入れています。
――クエストクリア後,4人のランキングが表示されました。どのような意図で導入したのでしょうか。
徳田氏:
4人で競うというより,クエスト中に行ったことをゲーム側から評価してあげることで,プレイヤー同士のコミュニケーションにつなげたいという意図があります。例えば,ダメージ効率などではなく,ちょっと変わった行動をした人を評価してあげるような仕様ですね。
――新規のモンスターはどれくらい登場しますか。
徳田氏:
フィールドごとの環境に特化した生物をより多く出したかったので,新規のモンスターは多数登場します。もちろん,リオレウスのような人気の高いモンスターは出てきますので,環境に特化した彼らも楽しみにしてほしいですね。
――本作はやはりオンラインプレイが主体になりますか。
辻本氏:
はい,据え置き機の環境を生かしてプレイしてもらうため,オンラインが主体となります。「村クエスト」や「集会所クエスト」といったカテゴリは設けていませんので,オンラインに接続したままでもシングルプレイが可能です。クエストで困ったときには,「救難信号」でほかのプレイヤーに助けてもらえる仕組みも用意しています。
――救難信号は,ほかのプレイヤーにとってどのように見えますか。
藤岡氏:
クエストボードにアクセスすると,救難信号を出しているクエストがリストアップされます。
――ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
辻本氏:
TGSではかなり大きく展開する予定で,新しい情報も出します。東京以外の地域でも,触っていただける機会を作りたいと考えていますので,続報をお待ちください。
藤岡氏:
端々まで楽しんでいただけるように,鋭意制作中です。モンスターを狩ることはもちろん,環境に浸るだけでも楽しいですので,TGSに来てもらえると嬉しいです。
徳田氏:
気になっているところはたくさんあると思いますが,触れば必ず楽しめるものになっていると思います。プレイする機会はTGS以外にも作っていきますので,ぜひ遊んでみてください。
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