プレイレポート
スマホ向け新作MMORPG「黒い砂漠MOBILE」CBTプレイレポート。あの広大な世界と,底の見えない遊び応えはどこまで再現されたのか
「黒い砂漠MOBILE」公式サイト
「黒い砂漠MOBILE」ダウンロードページ
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4Gamerの読者ならばご存じだと思うが,「黒い砂漠MOBILE」は,世界各国でサービスされているPC向けMMORPG「黒い砂漠」(日本ではゲームオンがサービス中)のスマートフォン版とも言うべきタイトルだ。オープンワールドのMMORPGである「黒い砂漠」がどうスマホに収められているのか,気になっている「黒い砂漠」ファンやMMORPGファンも多いことだろう。
今回4Gamerは,そんな黒い砂漠MOBILEのCBTに参加できたので,プレイフィールやインプレッションと共に,スマホでどのように再現されているのかをお伝えしよう。
プレイヤーが選べるクラスは5種類
細かな設定ができるキャラメイクは健在だ
本作の特徴の1つとして挙げられるキャラクターメイキングは,スマホ版でも健在だ。選べるキャラクターは,「ウォーリア」「レンジャー」「ウィッチ」「ジャイアント」「ヴァルキリー」の5クラス。クラスと性別が固定されているため,性別の変更はできないが,それ以外の部分,髪型や目を始めとした顔全体や,体型などを細かくカスタマイズできる。
記憶を失い,闇の精霊に導かれて旅に出る
細かなチュートリアルで初心者も安心して楽しめる
キャラクターメイクが完了すると,オープニングムービーを挟んでゲームがスタートする。スタート地点はベリア村の海岸で,PC版とは異なるのだが,そのまま闇の精霊を通じてチュートリアルが始まる点は同様だ。
チュートリアルをこなしながら,プレイヤーは冒険に旅立つこととなる。操作や戦闘の仕方などゲームの基本的な内容は最初に紹介され,そのほかの内容についてはレベルアップなどの機会に,必要に応じてチュートリアルが挟まれる。チュートリアルを無視することもできるが,ひととおり見ておいたほうがいいだろう。
ゲームの進行は,闇の精霊や街のNPCから請け負うイベントを順次クリアしてメインイベント(本作のイベントは,一般的なクエストに相当する)を進めていくという,今どきのスマホのRPGではオーソドックスなスタイル。画面右側には進行中のイベントが表示されていて,これをタップすることで,目的地まで自動で移動できる。クリア条件を満たすと色が変わり,タップすればその場で報酬を得られる。
CBTではあったが,イベントを進めることでストーリーがどんどん展開していき,実のところどこが限界かは見極められなかった。CBTの範囲内で筆者がたどり着けたのは,ストーリー上でも重要な役割を果たすNPC「ジョルダイン・デュカス」が政略に嵌められ,ピンチに陥るところまでだった。ここまでのストーリーは,多少順番が前後することはあっても,大筋はPC版を忠実に踏襲しているような印象だ。
オープンワールドな「黒い砂漠」を本作なりに再現?
広大な世界へ自由に足跡を刻もう
PC版の黒い砂漠は,シームレスにつながるゲーム内世界を特徴とするオープンワールドゲームだ。ゲーム開始直後からでも,メインクエストなどを無視して自由に移動できる。スマホ版である本作でも,それが可能かどうか気になるファンもいるはず。ここからは本作のフィールドやマップについて紹介していこう。
最初に,CBT時点でのワールドマップについて紹介しておこう。PC版とは違い,スマホ版では地域ごとに分けられている。その地域をタップすると,その地域内の街や拠点,フィールド,ダンジョンなどを見られる。
地域内の拠点は,ラインによってつながっている。このラインは,その拠点やフィールド同士が陸続きでつながっていることを示している。つまり,自分の足で歩いていけば,未知の拠点やフィールドに行けるということだ。
ということで,CBTのメインイベントはセレンディア自治領周辺で止まっていたが,その先にあるカルフェオン地方へと行ってみることにした。カルフェオンの首都へのルートは,中立国境地帯を経た先のカルフェオン北方直轄領内だ。
結論からいえば,無事に首都カルフェオン,そして西端の港町エフェリアへ到着できた。そこまでの進路上に出現するモンスターは,レベル60以上と高いため,1〜2撃攻撃を喰らうとやられてしまうが,序盤に手に入る馬に乗ることで,攻撃を受けずに移動できる。騎乗時の移動スピードが速いため,少々操作が難しいが,時間をかければたどり着けるというわけだ。
CBTではここまでプレイヤーが来ることを想定していなかったためか,街中でサウンドが流れず,またNPCと話をしてもボイスを聞けなかった。また,どちらの街も「記憶の祭壇」を使っての瞬間移動も不可だったようだ。これについては,おそらくだがメインイベントで訪れたというフラグが立っていないと機能しないからではないかと推測する。記憶の祭壇については少々残念だが,完全な地続きではないとはいえ,広大なマップは本作でも健在であることが明らかにできたのは嬉しい限りだ。正式サービス後は,ぜひメインイベントをほったらかして,自由に活動する楽しみを味わいたい。
オートバトルで初心者でも安心
インスタンスエリアやワールドボスなど強敵バトルも
本作のバトルは,フィールド上のモンスターを倒すタイプで,インタフェースは画面左下のバーチャルパッドでキャラクターを動かし,画面右下のスキルボタン群で攻撃という,スマホRPGとしてはオーソドックスなものだ。
本作ではオートバトル機能も用意されていて,HPバーの左にある2本の剣が交差したアイコンでオートバトルのオン/オフを切り替えられる。正直なことをいえば,戦闘はほぼオートバトルに頼り切りでも問題ない。HPを消耗するとHP回復ポーションを自動で使ってくれるので,多少格上の狩り場でも,ポーションさえ買いだめしておけばオートで何とかなってしまう頼もしさだ。
オートバトル中でも,バーチャルパッドやショートカット,ポーション使用などの操作ができるため,ボス戦などでは任意に介入できる。移動や回避はともかく,攻撃についてはオートに頼ってもいいだろう。
戦闘は通常のフィールドで行われるほかに,インスタンスエリアでのボス戦や精鋭任務,ワールドボス,「古代遺跡」で戦える特殊ボスなどがある。
インスタンスエリアのボス戦は,メインイベントの1つとして発生する。インスタンスエリア内は一本道で,進むごとに次々と敵が出現し,行き止まりにいるボスを倒すとクリアだ。途中,中ボス的な存在が出現することもある。通常のイベントと比べて難度は少々高いが,それに見合った報酬が得られるのが特徴だ。
精鋭任務は,ストーリー上の重要なボス戦に相当する。内容はインスタンスエリアのボス戦と違いはないが,ボスの強さがより際だっている印象だ。オートバトルに完全お任せだとやられてしまう可能性が高いので,移動や回避などで手動操作を行うことをオススメする。
MMORPGの華ともいえるレイドボスは,本作ではワールドボスとして実装されている。CBTでは「クザカ」と「ヘッサ・マリー」の2体のレイドボスが実装されていたが,事実上,戦闘できたのはレベル30以上のキャラクターが参加できるクザカのみだった。
その強さはレイドボスに恥じないもので,戦闘フィールドの狭さもあってかコロコロとよく死んだ。回避のタイミングを見誤るとあっさりと転がるところなど,正にレイドボス戦といったところだ。筆者が参加できたクザカ戦は,多くのプレイヤーがよってたかって1時間攻撃し続けて,ようやく討伐できたほどのタフさだった。デスペナルティがないのが救いだ。
古代遺跡は,後述する「領地」からチャレンジ可能な5人パーティ専用の特殊なバトル。古代遺跡に入るとボスと戦闘できるルームを作るか,すでに作られているルームへの入場かを選ぶことができる。
古代遺跡はほかのバトルと違い,ちょっとしたギミックがある。これを解かないと,倒すことはできないようだ。今回は1番めの部屋だけしか参加する機会がなかったが,2番め,3番めには,よりやっかいなギミックが仕掛けられているかもしれない。
バトル関連の最後に,PvPコンテンツ「決闘」についても紹介しておこう。決闘は,メインメニューから参加できる1vs.1のPvP。自動マッチングで対戦する「闘技場」と,知り合いのプレイヤーと試合できる「親善試合場」の2つのモードがある。
採集や釣りなど生活系コンテンツも充実
ハウジング要素も兼ねた「領地」で
引き籠もり生活もできる!?
多様な生活系コンテンツで,バトルをしなくともレベルが上げられるのも黒い砂漠の大きな特徴だ。これについてもスマホ版に受け継がれている。ただ,その全てがそのまま受け継がれているわけではなく,少々形が変わったものも少なくない。
まず,プレイヤーキャラクターが行える生活系コンテンツだが,草花などを集める「採集」,木を切って木材を集める「伐採」,鉱石などを発掘する「採鉱」,魚を釣る「釣り」の4つのみとなった。
PC版では,伐採ならば斧,釣りならば竿を装備する必要があったが,本作では装備を変更することなく,それぞれの行動が可能になった。もちろん,それぞれの行動を行うことで,各生活レベルが上がっていく。
では,それ以外の生活系コンテンツがどうなったかというと,本作オリジナル要素「領地」へと集約された。領地はイベントの中でも特別な「家門依頼」をクリアすることで,手に入れられる。
受領した領地には,あらかじめいくつかの施設が建てられている。これをベースに,領地を発展させていくことで,さまざまな生活系コンテンツを実行できるようになる。
領地でできることは,作物を栽培したり,装備の強化に必要なブラックストーンを生成したり,装備そのものを作ったり,労働者を雇ったりと多岐にわたる。その根幹となっているのが「労働者」と「建築」だ。
領地でのプレイヤーは,領主として建築物や領地民に指示を出すことしかできない。領地を管理,発展させるには,領地民を招いて働かせる必要がある。しかし,領地をもらいたての状態では,領地民が一人もいないため,「酒場」で人を集める必要がある。
領地民を増やしたら,「採集」で資材を集めたり,「建築」で建物を建てたりしてもらえる。採集は,領地周辺での採集と,ワールドマップに遠征する「ワールド採集」の2つがある。
採集で得た資源を使って「建築」,または建築物の「増築」を行える。新しい建築物を建てれば新たな生産活動が行え,増築を行うと建築物の効率などがアップすると考えてもらっていい。それぞれに結構な数の素材が必要となるので,常に領地民を採集に派遣して,素材を集めるのがコツだ。なお,建築や増築を行うにも領地民が必要となる。
領地内の建築物の中には,戦闘に関わるものも2つある。1つは前述した「古代遺跡」へのポータルゲートだ。古代遺跡へのチャレンジはここから行うこととなる。
もう1つの「討伐掲示板」は,メインイベントで撃破したボスモンスターと,もう一度戦えるというもの。戦うためには「推薦書」というアイテムが必要だが,これはイベントのほかに,モンスターのドロップアイテムとしても入手できるので,それほど困ることはない。何度も挑戦できるだけでなく,ボスの強さも指定できるので,より歯ごたえのあるボスとの戦闘を楽しめる。何度もチャレンジすることで,ボス固有の装備品などを狙うことも可能だ。
PC版にはない「領地」は,PC版の部屋を飾るハウジングと,生産系コンテンツを組み合わせた新しいコンテンツとなっている。「シムシティ」や,町や村を発展させる「村ゲー」などが好きなプレイヤーには,ドンピシャな内容だ。領地民の採集にかかる時間をみると,本編の合間にプレイする設計だと思われるが,採集の合間に本編をこなすといった遊び方をしたくなるほど面白い。領地を発展させることで,できることも増え,またプレイヤーの強化にもつながる。
スマホ版でも小ささを感じない「黒い砂漠」
広大な世界でお手軽に冒険生活を送ろう
スマホ内に広大な世界観を有する「黒い砂漠」が収まるのか,危惧しているファンも多いのではないかと思う。筆者もその一人で,どう違うのか確認するようにプレイしていたのだが,遊んでみれば,これはまごうことなき「黒い砂漠」だと断言できる。
もちろん,PC版がそのまま入っているわけではなく,スマホでのプレイに合わせたシステムの変更やチューニングが行われており,ストーリーなども再構成されている。しかし,プレイしてみれば「黒い砂漠」であることが感じられるはずだ。PC版のファンからすれば,ファストトラベルについては賛否両論ありそうだが,これはもうスマホのタイトルとして「そういうものだ」と割り切るべきだろう。
PC版の再現にとどまることなく,初心者でも簡単に派手なバトルを体験できるオートバトルや,生活系コンテンツをまとめた領地など,スマホ向けに新たな要素が盛り込まれており,同じ黒い砂漠でありながら,新鮮な感覚でプレイを楽しめたというのが正直な感想だ。
CBT終了後,2019年2月26日に正式サービスがスタートすると発表された。現在,事前登録受付が行われているので,PC版のファンも,スマホでMMORPGが遊びたいという読者も,ぜひ一度プレイしてみて,手のひらサイズのスマホの中に再現された広大な「黒い砂漠」の世界を感じてもらいたい。
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