プレイレポート
「装甲娘 ミゼレムクライシス」を先行プレイ。世界観はより「ダンボール戦機」に近く,バトルシステムは装甲娘の魅力を引き出す奥深いものに
本作は,レベルファイブが手掛ける「ダンボール戦機」の世界観をベースに,同作中に登場するメカ「LBX」をモチーフとした“装甲”を身に纏った少女たちが活躍する世界を描くRPG。2018年1月30日に「装甲娘」のタイトル名で正式サービスが開始したのち同年6月に戦闘システムやシナリオの改修を含むリニューアル期間に入り,約2年の時を経たいま,まさに“再起動”の時を迎えようとしている。
こういった経緯を持つだけに,サービスの再開を心待ちにしていた隊長も多いことだろう。そんな“新生”装甲娘のiOS版を先行してプレイできたので,そのレポートをお届けしよう。
「装甲娘 ミゼレムクライシス」公式サイト
LBXの技術が軍事転用された“IF”の世界で
ミゼルの残滓「ミゼレム」との戦いが描かれる
まずは本作の世界観を解説しておこう。少々長くなるが,リニューアルによって大きく変化した物語は,装甲娘オリジナルでありながら“ダンボール戦機らしさ”も感じられるものとなっているため,ダンボール戦機シリーズのファンや,リニューアル前の本作をプレイしていた人も是非読んでほしい。
物語は2050年代の近未来世界で展開する。この時代では,あらゆる衝撃を吸収する新素材「強化ダンボール」を活用したホビー用の小型ロボット「LBX」が爆発的な人気となっていた。
そんな大ブームの裏で,驚異的な力を持つミゼルが世界中のLBXをハッキングし,その力を持って世界中を制圧。人類は自ら作り出したLBXによって存亡の縁に立たされる。人類を救ったのは,LBXをホビーの世界に取り戻そうとする少年たち。彼らの奮闘によってミゼルの野望は止められ,戦いの末に炸裂した超メガトン級ミサイルも,世界中のLBXプレイヤーの協力によって被害は最小限に抑えられた。
そののちの“いくつかの可能性がある世界”の一つとなる,ダンボール戦機のパラレルワールドを描く装甲娘では,LBXが軍事転用された世界の物語が描かれる。
LBXのハッキングという事態の再発を恐れた各国の政府は,LBX技術を応用したパワードスーツ「LBCS」の開発に着手。制御を奪われる可能性のある自律制御型を避け,人間が直接制御できる兵器としてLBX技術を活用しようというわけだ。
それから3年後。「ミゼルクライシス」と呼ばれるミゼルが引き起こした事件に酷似するテロ事件が勃発する。人類はこの敵性存在を「ミゼレム」と名付け,対ミゼレム用のLBCSを装着した部隊「装甲娘」を組織し,再び訪れた人類存亡の危機へと立ち向かうのだった。
プレイヤーは,そんな装甲娘で構成された世界初の部隊「ファーストケース」こと,チーム・アテナスの隊長だ。隊長自身は戦えないが,ファーストケースに選定される以前からチームの指揮を執っていたこともあり,部隊内外の装甲娘からの信頼は厚いようだ。
ゲーム進行は,スタミナを消費してクエストに挑戦して経験値や資源を集めてユニットを強化し,さらに新しいクエストやコンテンツに挑戦していく……という,ブラウザゲームやスマホアプリでおなじみのものとなっている。
一方でシナリオの扱いは少し変わっており,メインクエストをはじめとするバトルとストーリーが展開するシナリオが分離されている。バトルを楽しみたいときはバトル,物語を読み進めたいときはシナリオと,自分のペースでゲームを進められるのは嬉しいポイントだ。
必殺ファンクションの発動順が勝敗を分ける
自由な編成が楽しめる新たなバトルシステム
ここからは,クエストなどで展開されるバトルのシステムに触れていこう。戦闘はリアルタイムで進み,通常攻撃は自動で行ってくれる。倍速やオート戦闘などの便利機能も揃っているので,ストレスなくクエストを進められる。
一度にバトルに参加できるユニットは最大5人で,クエスト開始前に参加メンバーを選ぶことになる。戦闘に入るとユニットは特性に合わせて前衛・中衛・後衛のいずれかに自動的に割り振られるのだが,それぞれの列に人数制限は存在しない。
コスト制限なども設定されていないので,かなり自由にチームを組むことができる。キャラクターが魅力的な作品だけに「あのユニットを使いたいのに制限で使えない」といった事態が発生しないのはありがたい。
なお,ユニットは「斬(青)」「貫(黄)」「衝(赤)」のいずれかの物理属性を持っており,属性相性によって与えるダメージと受けるダメージが大きく変化する。クエストの情報画面では出現する敵の属性も表示されるので,可能な限り相性の良いユニットを連れて行きたい。
各ユニットのステータスは一覧から確認できる。クエストに合わせて,必要な強みを持ったユニットをチームに加えよう |
バトルのキモとなるのが,一定時間ごとに使用可能になるユニット固有の必殺技「必殺ファンクション」と,仲間たちが力を合わせて攻撃する「連携ファンクション」だ。とくに使用頻度が高い必殺ファンクションの扱いは極めて重要で,誰がどの順番で技を発動するかが勝敗を分ける要因となる。
というのも,育成状況によっては敵の一撃が手痛いものとなるため,可能なかぎり攻撃の隙を与えずに殲滅するのが基本戦略となる。敵チームの中でも数の多い属性を見極めて全体攻撃を先に発動し,残った敵を単体攻撃の高威力な技で撃破するといった流れを構築できると,戦闘を有利に進められるだろう。
発動までに時間が掛かる連携ファンクションは,発動時に残っているユニットが多いほど高い効果を発揮してくれる。出し惜しみせず必殺ファンクションを発動して敵の手数を減らすと,結果的に後半戦が楽になるだろう。
そして,戦いを重ねてクエストを進めていくと,装備することで戦闘中に「援撃ファンクション」を発動できる「ACCM」が利用可能になる。必殺ファンクションに比べて再使用可能になるまで時間がかかるが,敵が1体だけ残ってしまった場合や全体攻撃後のダメ押しなどに有効だ。
※2020年5月14日16:20,「援撃ファンクション」の発動条件に仕様変更があったため,該当箇所を修正いたしました
装備できるACCMの種類はユニットのウェポンタイプによって決まっているので,編成の幅を広げるためにも色々な種類のACCMを揃えておこう |
ACCMを入手する主な手段はユニットを「探索」に出すこと。時間は掛かるが,探索に出ているユニットも問題なくクエストに連れていけるのでデメリットは存在しない。空いた時間には忘れずに探索を利用しておこう |
コツコツとためたリソースが力に変わる
好きな装甲娘を限界まで育て上げられる育成システム
編成を工夫するのも大事だが,各ユニットの能力自体を強化してあげるのも隊長の務めだ。
戦力を強化する最も手っ取り早い方法はユニットのレベルを上げることだが,本作に登場するユニットは初期レベル上限が一律10に設定されており,さらに育成するためにはレベル上限を解放する「リミット解放」が必要になる。
リミット解放のために必要なアイテムはメインクエストの中で入手できるので,クリア済のクエストを周回して入手しておこう。
信頼度レベルを上昇させると個別のキャラクターシナリオが開放され,これを読み進めることでユニットの能力が強化される。能力の上昇幅もゲーム序盤としてはかなり高めなので,バトルによく編成するユニットとは仲良くなっておこう。
ユニットはガチャから入手することになるのだが,本作ではいわゆるレアリティにあたる要素が「スロット解放数」という概念に置き換えられている。スロット解放数は,特殊なスキルをユニットに付与する「コアパーツ」を装備できる上限数を定義する要素で,ユニット別の「ユニットチップ」を消費することで上昇させられる。
ガチャ排出時の初期スロット解放数はユニットごとに異なるが,どのユニットでも最大値であるスロット5まで成長させられるので,実質的にほかのゲームでいうところのレアリティの差は存在しないと言っていい。育て方次第でどのキャラクターでも戦力となるのだ。
今回のリニューアルで,本作はダンボール戦機という原作を活かした世界観へと生まれ変わり,単なる“LBX擬人化”ではない,シリーズの一端を担う作品へと進化したように感じられた。レアリティがユニットの能力に介入する余地を限界まで減らし,さまざまなユニットを活躍させられるよう調整されたシステムの感触は非常に良好だ。
個人的に感じた不満点を挙げるとするなら,主にシステム面で説明が足りない箇所があったことだろうか。とくに射撃タイプと格闘タイプの攻撃力の違い,配置による変化や影響などの把握が難しかった。このあたりが分かりやすくなると,より遊びやすくなるはず。
“ダンボール戦機らしさ”を感じながら,装甲娘ならではのオリジナリティある物語が楽しめる本作。リニューアル以前に隊長業を務めていた人はもちろん,プレイしたことがないというシリーズファンもプレイしてみてはいかがだろうか。
「装甲娘 ミゼレムクライシス」公式サイト
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(C)2020 EXNOA LLC/LEVEL-5 Inc.
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