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Huawei,5G対応スマートフォン「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」を国内販売。Google Play非搭載端末は日本で受け入れられるか
HiSilicon Technologies製のハイエンド市場向けSoC(System-on-a-Chip)「Kirin 990 5G」や,4基のアウトカメラを採用するほか,Huawei独自のサービス基盤である「HUAWEI Mobile Service」(以下,HMS)の搭載が見どころとなる。
3月下旬から4月上旬にかけて先行販売,4月中旬以降に一般販売を行う予定で,メーカー想定売価は12万8800円(税込14万1680円)だ。
ディスプレイには6.53インチサイズの有機ELパネルを採用。解像度は1176×2400ドットで,アスペクト比は18.4:9となる。最近のスマートフォンは,縦長アスペクト比を採用する製品が増えているが,Mate 30 Proはそれらに比べると横方向に気持ち広いといったところか。
アウトカメラは,HuaweiがLeicaと共同開発する「Leica Quad Camera System」を採用している。これは,約4000万画素で開放F値1.8のメインカメラと,同じく約4800万画素で開放F値1.6の広角カメラ,約800万画素で開放F値2.4の望遠カメラ,それに深度センサーを組み合わせたものだ。ISO感度にして最大40万9600という超高感度への対応や,4K/60fpsの動画撮影,7680fpsのハイスピード撮影といった豊富な機能を備えるのが特徴である。
一方のインカメラは,約3200万画素で開放F値2.0となっており,ディスプレイ上部に切り欠きを設けたいわゆる「ノッチ」タイプとなっている。
このほかのスペックも確認しておくと,メインメモリ容量は8GBで,内蔵ストレージ容量は256GB。バッテリー容量は約4500mAhである。また,デュアルSIMデュアルスタンバイに対応しており,5Gと4Gの同時待ち受けが可能だ。
アプリはHuawei独自の「App Gallery」からインストール
Mate 30 Proにおける最大のポイント,というかネックは,Google関連サービスを利用するために必要な「GMS」(Google Mobile Service)を搭載しない点にある。搭載OSは,Androidをベースにカスタマイズした「EMUI」で,これは既存のHuawei製スマートフォンと変わらない。しかし,Mate 30シリーズ以降の製品では,米国政府からの制裁措置によって,「Google Map」や「Gmail」「YouTube」といったGoogle製のアプリを端末に搭載できないうえ,アプリストアである「Google Play」も利用できないのだ。
そこで,GMSの代わりとして,Mate 30 Proに搭載するのが,冒頭でも触れたHMSというわけだ。HMSでは,アプリストアとしてHuawei独自の「App Gallery」を用意している。日本国内で販売しているHuawei端末の中には,すでにApp Galleryをプリインストールしているものもあるが,今まではあくまでセレクトショップ的な位置付けだった。しかし,Mate 30 Proでは,App Galleryが唯一のアプリストアとなるので,ユーザーにとっては大きな影響があるだろう。
Huaweiは,App GalleyをGoogle PlayやAppleの「App Store」に並ぶ配信プラットホームに育てると意気込むが,規模の面では大きな差があるというのが実情だ。ゲーマーにとっては,アプリの本数というよりは,遊びたいゲームが配信されるかどうかが重要なわけだが,現時点で確認できる人気ゲームとしては,「Fortnite」や「アスファルト9:Legends」の名が挙がっている。
先行販売は限定100台。4月中旬から一般発売も
さて,Mate 30 Proの国内販売は,事前申込制の先行販売と,一般販売の2段階を予定しているという。先行販売は,3月16日から3月25日にかけて,Huaweiの公式Webサイトで申し込みを受け付ける。販売予定数はわずか100台で,申込数が100を超える場合は抽選になるそうだ。それに加えて,3月28日から30日までは東京・銀座の,4月4日から6日までは大阪・梅田のHuaweiカスタマーサービスセンターでしか受け取れないそうで,いずれかの店舗に足を運ぶ必要があることに注意したい。
なお,先行販売の特典として,本体価格から1万円を割り引くほか完全ワイヤレスイヤフォンの「HUAWEI FreeBuds 3」や,「HUAWEI Super Charge Wireless Charger(27W)」などの純正アクセサリがもらえるとのことだ。
続く一般販売は,ヨドバシカメラやビックカメラの店舗内にある「ファーウェイ・ショップ」や,ファーウェイ楽天市場店,ファーウェイ PayPayモール店で4月中旬からスタートする。一般販売では,製品保証期間の延長や保護フィルム貼り付けサービス,App Galleryで利用できる500円分のポイントを特典として用意するという。
Mate 30 Proは,5Gに対応するSIMロックフリースマートフォンの先駆けであり,日本国内では初のGMS非搭載という挑戦的な製品だ。本製品が日本のゲーマーに受け入れられるかはまったく未知数なだけに,売れ行きやユーザーの評価には注目が集まりそうである。
メーカー | Huawei Technologies |
---|---|
OS | Android 10(EMUI 10) |
ディスプレイパネル | 6.53インチ有機EL, |
プロセッサ | HiSilicon Technologies製「Kirin 990 5G」 ・CPUコア:Cortex-A76×2(最大2.86GHz) Cortex-A76×2(最大2.36GHz) Cortex-A55×4(最大1.8GHz) ・GPUコア:Mali-G76 ・AI処理プロセッサ「NPU」:Bigコア×2,Tinyコア×1 |
メインメモリ容量 | 8GB |
ストレージ | 256GB |
アウトカメラ | ・標準:約4000万画素,F1.8,画角未公開 ・広角:約4000万画素,F1.6,画角未公開 ・望遠:約800万画素,F2.4,画角未公開 ・深度センサー |
インカメラ | 約3200万画素,F2.0 |
対応5Gバンド | NR FDD Band n1/n3/n28 NR TDD n77/n78/n79 |
対応LTEバンド | FDD-LTE Band 1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28/32 TD-LTE Band 34/38/39/40/41 |
対応3Gバンド | WCDMA Band 1/2/4/5/6/8/19 |
無線LAN対応 | IEEE 802.11ac |
Bluetooth対応 | 5.1 |
連続待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
バッテリー容量 | 4500mAh |
USBポート | USB 3.1 Type-C |
公称本体サイズ | 73.1(W) |
公称本体重量 | 約198g |
本体カラー | オレンジ |
HuaweiのMate 30 Pro製品情報ページ(英語)
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