スマホで遊べる本格的リズムゲーム「Cytus II」プレイレポート。新ノーツや“ソフラン”の追加で舌を巻く難度に進化していた

　2018年1月18日，人気リズムゲーム「Cytus」（iOS / Android）の続編となる「Cytus II」がiOS向けに配信された（Android版は3月に配信される予定）。iOS版の価格は240円（税込）で一部アプリ内課金もあり。

「Cytus II」公式サイト

「Cytus II」ダウンロードページ

　本作を開発しているのは「DEEMO」（iOS/Android）や「VOEZ」（iOS/Android）など，スマホ向けリズムゲームでも定評を得ているRayarkだ。リズムゲーム好きならやるっきゃない！　ということで，さっそくプレイしてみた。

　前作の「Cytus」は，膨大な楽曲を自由気ままにプレイするという至ってシンプルなリズムゲームだったが，本作には遠い未来を題材とした独特な世界設定や，キャラクターたちのストーリーが採用されている。

　登場キャラクターは，いずれも超が付くほど個性的な演奏者たち。人気女性アーティストやバンドマン，さらには実況者や考古学者など，原稿執筆段階では5人のキャラクターが用意されている（そのうちのXenon，ConneRは有料の追加キャラだ）。

キャラクターごとに選曲画面と，それに合わせた楽曲のビジュアルも用意されている

　本作ではキャラクターごとに楽曲がグループ分けされているのだが，これがキャラクターの個性や特徴と見事にマッチしていて面白い。人気女性アーティストのPAFFなら，女性ボーカルの入ったポップな楽曲が用意されているし，バンドマンのXenonなら，ギターの旋律がキレキレなロックな楽曲を楽しめる。

　ゲーム内には，某巨大SNSのような「iM」システムという要素があり，楽曲を演奏してキャラクターのレベルを上げていくと，ここへ次々に書き込みが寄せられてストーリーが展開していく。キャラクターによっては，楽曲解禁の際に「新曲作りました！」なんてSNSで告知できるような演出もあるので，まるで本当にそのキャラクターが作曲しているような気にさせてくれる。

Twitterのような「iM」システムによる交流の演出がとても面白い。キャラクター達のカジュアルな書き込みや，それに対するファンの書き込みが妙にリアル。遠い未来になっても，やっぱりアンチはいるんだなぁ……。

フリックやロングホールドが増えた，リズムゲーム本編を紹介

　さて，ここからはゲーム本編となるリズムゲーム部分に触れていこう。操作方法は基本的に前作の「Cytus」と同じだ。もぐら叩きのように，画面全体のあちこちから浮かび上がってくるノーツを，リズムに合わせて上下するスキャンライン（判定ライン）にぴったり合わせてタップしていく。


　ノーツの種類は複数あり，通常のタップするノーツに加え，矢印方向へドラッグするノーツ，ホールドし続けるノーツ，さらに本作から斬るようにフリックするノーツと，半往復分以上のより長い時間ホールドするノーツが登場し，全部で5種類となった。

タップ

ドラッグ	ホールド
フリック	ロングホールド

　ノーツ以外にも，プレイヤーが悪戦苦闘しそうなスキャンラインのSPEED UP/DOWNも追加された。プレイヤーから“ソフラン”とも呼ばれるこの手法は，スキャンラインのスピードが突然変化するため，感覚がずれたり，早すぎて目で追えなくなってしまったりと，より一層楽譜が難しくなる。

　楽譜の大まかな難度はEASY＜HARD＜CHAOSの3段階で表され，数字の大きさで細かい難度を示している。初心者にはPAFFの楽曲がオススメだ。ボーカル付きの曲はノリが良く，楽譜も優しいので，ノーツの出てくるタイミングも分かりやすい。

　EASYとHARDの楽譜は，リズムゲーム慣れしている人なら難なく楽しめると思うが，CHAOSは桁外れに難しい！　CHAOSとはよく名付けたものだと感心してしまうほどの難度になっていて，上記で説明している5種類のノーツ，スキャンラインのSPEED UP/DOWNが入り乱れて襲い掛かってくる。め，目が追い付かない……。

静止画にしたらなんかイケそうな気がする。でも実際流れてくると頭が大混乱する譜面たち

　「Cytus」シリーズの面白いポイントとして，スコアが2種類あることについても紹介しておきたい。まず1つは，どのリズムゲームにも存在する通常のスコア。本作ではタップのタイミングによって「Good」と「Perfect」の2種類でスコアが計算されていく。すべてPerfectを取ると，MM（ミリオンマスター）というランク付けがされ，基本はこのMMを取得していくことが目標となるだろう。


　そしてもう1つ存在するスコアが，TP（Technical Point）だ。上にMMの画像を紹介したが，中央に書かれたTPが100％になっていないことがお分かりだろうか。実は，TPはより精密にタップを判定するもので，普通にプレイしていると気づかないかもしれないが，「Perfect」の判定がさらに2種類に分けて判定されている。

よく見ると若干色合いが違う「Perfect」。右の黄色く濃い色の方が精密度が高く，高ポイントとなっている。

　通常スコアは少し緩めに判定されているので，MMを取るのは案外簡単。モチベーションにつなげることもできるだろう。これに物足りない上級者は，TP100％を目指す遊び方もできるというわけだ。

　個人的には，「DEEMO」などの上から下へノーツが降ってくるタイプのリズムゲームより，本作は格段に難しく感じた。今回はiPhoneでプレイをしていたのだが，中央付近をタップしていると，自分の手でノーツが隠れてしまい，気付かないうちにmissになっていることがしばしばあり，これほど自分の手を憎いと思ったことはない。もしタブレットを持っているなら，無論そちらでプレイしたほうが良さそうだ。

　ちなみに，収録曲の多くは日本のアーティストから提供されているもので，中には黒沢ダイスケさんやM-Project，mikito（みきとP）など知る人ぞ知る豪華アーティストの名前もある。M2UやIceなど，人気コンポーザーたちの楽曲ももちろん収録されているので，リズムゲーム好きにはたまらないラインナップとなっているはずだ。

The Spark Scott Brown & M-Project feat. Lrystal

Body Talk M2U

　前作の操作方法に，新ノーツやスピードの変化を加えたのは，プレイヤーからすると凶悪な初見殺しではあるものの，パンチが効いている進化のさせ方だと思った。そしてビジュアルのカッコよさや，良曲揃いの収録楽曲はさすがRayarkといったところだ。
　新しい要素を紹介すると，どうも難しく見えてしまうが，初心者向けの優しい楽譜も豊富に用意されているので，初心者から玄人まで，リズムゲーム好きな人にぜひプレイしてみてほしい。

「Cytus II」公式サイト

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