プレイレポート
「マリオカート ツアー」は指一本でドリフトが決まる新感覚のレースゲーム。誰でも手軽に爽快感を味わえる本作のインプレションをお届け
「マリオカート」シリーズといえば,1992年に1作目である「スーパーマリオカート」がスーパーファミコン用ソフトとして発売されて以来,さまざまなハードで展開されているお茶の間の定番タイトルだ。そんな「マリオカート」が“スマートフォン”向けにリリースされるということで,どういった操作方法で,遊び心地はどうなっているのかが気になっている人もいるだろう。
今回,配信に先駆けて本作の体験版をプレイできたので,レースでの走り心地を中心としたインプレッションをお届けする。
「マリオカート ツアー」公式サイト
「マリオカート ツアー」予約注文ページ
「マリオカート ツアー」事前登録ページ
※本稿で掲載しているゲーム画面はすべて開発中のものです。記事の内容および掲載画像は公開時点のものであり,実際の製品版の内容とは異なる場合があります。
簡単操作で誰でも爽快レース
世界を股にかけマシンで爆走だ!
「マリオカート ツアー」というタイトルから想像できるように,本作ではこれまでのシリーズに登場したコースに加え,ニューヨークや東京,パリといった,実在する世界の都市をテーマにした新たなコースでもレースを楽しめるのが特徴だ。キノピオサーキット,ノコノコビーチなどシリーズファンであれば懐かしさを感じるコースもあれば,国会議事堂やエッフェル塔がコース内に再現され,ちょっとした観光気分に浸れるものもある。
今回の体験版でプレイできたのは,キノピオカップ,マリオカップ,ピーチカップの3つのカップで楽しめる9コースと,さまざまなお題をこなす3つのボーナスチャレンジだ。ボーナスチャレンジについては後述するので,まずは大まかなレースの流れを紹介しよう。
体験版では,コース選択後にキャラ,マシン,グライダーを選択し,ライバルの手強さに影響する“CC”を選択するとレースにエントリーできた。レース開始前にハンドル操作を「かんたん」「ドリフト」から選べば,いよいよレースがスタートだ。ちなみに,ハンドル操作が「かんたん」の場合は左右へのスワイプでドリフトなしのゆるやかなハンドル操作を行え,「ドリフト」では左右のハンドル操作ですぐにドリフトを行えるテクニカルな走りが実現する。
プレイアブルキャラは,マリオ,ピーチ,クッパなどのお馴染みのキャラを確認できた。このほかにも,「マリオカートWii」以来,約11年ぶりに再登場するディディーコングや,「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」からキノピーチの参戦がアナウンスされている。さらに,キャラたちは都市に因んだ姿で登場することもあるそうで,バンドマン風のマリオや,着物姿のピーチ,コックコスチュームのヘイホーをこちらのムービーで発見できたので,正式サービス後には特別な姿のキャラたちに出会うチャンスがあるのかもしれない。
コースごとに相性のいいキャラやマシン,グライダーが可視化されているのも特徴的で,相性のいいキャラを選ぶとアイテムを所持できるスロットが3つになり,単純にアイテムの使用回数が増えるだけでなく後述するフィーバーを狙えるようになる。相性のいいマシンやグライダーを選ぶと,レース中のアクションポイントやコンボタイムに補正が入り,ポイントが稼ぎやすくなるという具合だ。
レース中はマシンが常にオートアクセル状態のため,特別な操作を行わずとも自動で前進してくれる。プレイヤーが行うマシン操作は画面を左右にスワイプしてのハンドル操作と,画面を上下にフリックしてのアイテムの使用のみとかなりシンプルだ。縦持ちプレイが前提になっている本作においては,端末を持ちながら親指1本で操作する片手プレイをスムーズに行えるようになっており,通勤,通学時のスキマ時間でもプレイしやすい印象を受けた。
体験版での仕様なのかは不明だが,レース中にコースアウトしない点にも注目したい。「マリオカート」シリーズでは,操作をうっかりミスしてコースから落ちてしまったというシーンも少なくはないかと思うが,本作では操作不能に陥るようなコースアウトが起きなかった。というのも,“基本的に”コースの左右が見えない壁で囲われており,コース外へ出ない作りになっているのだ(ショートカットの入口部分は除く)。ジュゲムにコースへ戻してもらうおなじみのシーンを見られないのはさみしい気もするが,ついついコースアウトしがちなプレイヤーにとってはストレスなくレースを楽しめる仕様だろう。
レースで上位を狙うならば,インコースを攻めるドリフト操作と,ミニターボよるダッシュが要になる。本作でもミニターボは健在で,一定時間ドリフトを続けることでマシンから青い火花が散り,ドリフト状態を解除するとダッシュ効果を得られるミニターボが発生する。より長い時間ドリフトを続けると,スーパーミニターボ(黄色),ウルトラミニターボ(ピンク)へと変化し,より長い時間ダッシュが可能になる。パッド操作のような物理的な手応えがない分,独特な操作感に慣れるまで少し時間がかかるかもしれないが,ドリフトの感触を掴めればコーナー付近をミニターボでぶっちぎる爽快感を味わえるはずだ。
本作独自のシステムといえば「フィーバー」も外せない。これは,アイテムを3つ持てるキャラでレースに参加し,アイテムスロットに同じアイテムが並ぶと発生するものだ。フィーバーは一定時間無敵状態になるほか,スロット内のアイテムを何度でも使用できるようになる優れもの。下位からの追い上げ時や,ライバルとの激しい競り合い時に引き当てられれば,一発逆転を狙えるアツイ展開を迎えられそうだ。ただし,フィーバーを狙えるのはアイテムスロットを3つ持つ“コースと相性のいいキャラのみ”というのを覚えておこう。
選択したマシンやグライダーだけでなく,レース中のアクション内容もポイントに影響する。アクション内容の項目は多岐にわたり,ロケットスタートやミニターボのほか,ジャンプアクション,アイテムのヒット,コインの取得などによってポイントが加算されていくシステムだ。レースで得たポイントは「グランドスター」の獲得数に影響するため,より多くの「グランドスター」を得るのであれば,レースのトータルスコアが高くなるようアクションにも気を配りたいところ。「グランドスター」とは何か? というのは今回体験できなかったが,App Storeプレビューにて公開されている情報によると,獲得した「グランドスター」の数に応じて,新しいコースやキャラ,カートが開放されるという。
前述した「ボーナスチャレンジ」も基本操作は同様で,ミニゲーム感覚でさまざまなお題に挑戦できる。このボーナスチャレンジでも成績に応じて「グランドスター」が得られるので,レースそっちのけでハイスコアを狙って何度もリトライしてしまった。
◎きめろジャンプアクション
ジャンプアクションを規定の回数こなすチャレンジ。ジャンプ台やマンホールから噴き出す水柱,コース内の段差を走り抜けてジャンプアクションを決めろ!
◎たおせクリボー
コース内で待ち受けるクリボーにアイテムをぶつけたり,マシンで体当たりして規定の数のクリボーを倒す。
◎VS巨大クッパ
巨大クッパと1対1のレースバトル。巨大クッパのマシンに触れるとキャラがクラッシュして減速してしまうので,コース内での競り合いはスリル満点。相手の隙をつくようにアイテムで妨害しながら1位を目指そう。
レースを主にした体験版ということで,育成まわりやマネタイズ部分といった細かなシステムまで触れられなかったが,ドリフトやミニターボ,ショートカットの活用をはじめとしたお馴染みの要素に十分触れることができた。本作は誰でもプレイしやすい手軽な操作感でありながらも,レースが大味になることもなく,いい塩梅の白熱したレースを楽しめた。
シリーズを重ねるごとに,空を飛ぶ,水中に潜る,立体感のあるコースで縦横無尽にコースを駆けるといった目にも楽しい“進化”を遂げ,よりテクニカルな走りを実現するシステムが追加されてきたわけだが,「マリオカート ツアー」では間口を広める“遊びやすさ”に特化したタイトルを目指しているように感じた。より広い層にIPを届けるという点を考えると,遊び手を選ばずスマホで快適にプレイできる“最適解”とすらも感じられた。必ず壁に衝突してしまうタイプの人でもプレイしやすいタイトルになっているので,レースゲームを敬遠しがちな人も安心してプレイしてみてほしい。
もちろん,レースのCCを高めに設定すれば,シリーズのプレイ経験がある玄人ドライバーも手に汗握る競り合いを楽しめるので,腕に自信がある人は高めのCCにチャレンジしてみるといいだろう。
なお公式サイトの情報によると,「マリオカート ツアー」のプレイには「ニンテンドーアカウント」が必要とのこと。アプリ内でニンテンドーアカウントと連携を行い,ドライバーズライセンスの取得が行えるようだ。本作をプレイする予定の人は,正式サービス開始前にニンテンドーアカウントを取得しておこう。
「マリオカート ツアー」公式サイト
「マリオカート ツアー」予約注文ページ
「マリオカート ツアー」事前登録ページ
- 関連タイトル:
マリオカート ツアー
- 関連タイトル:
マリオカート ツアー
- この記事のURL:
(C)2019 Nintendo