新作アプリ「世紀末デイズ」CBTレポート。最大4人のキャラを操作してランダム生成ダンジョンに挑むローグライクゲーム

　ディー・エヌ・エー（DeNA）は，2018年夏に配信を予定しているスマートフォン向け新作アプリ「世紀末デイズ」（iOS / Android）のAndroid端末限定クローズドβテストを，4月19日〜4月26日の日程で実施した。

　本作は，DeNAと，スパイクチュンソフトの「不思議のダンジョン」シリーズ制作陣が共同開発中のタイトルで，スマホで遊べるローグライクゲームを謳っている。本稿では，そのCBTをとおして確認できたゲーム内容を紹介していこう。

ストーリーを盛り上げる豊富なインゲームムービーも見どころ。縦持ちで遊ぶゲームだが，ムービーは横持ちで見る形となっている

「世紀末デイズ」公式サイト

“サバキの日”を境に日常は一変，世界は絶望に満たされる

　ゲームの舞台となっているのは現代の東京。主人公「天霧 葵」（アマギリ アオイ）は高校生として平穏な日常を送っていたが，ある日，謎の放送ジャックが発生し，その直後に空から無数の槍が降り注ぐ。のちに”サバキの日”と呼ばれるこの日を境に，世界は破滅への道を進むことに──。そんな絶望的な状況の中，消息の分からない妹を探しつつ，日常を取り戻すために敵と戦っていくというのが大まかなストーリーラインだ。

主人公の天霧 葵（アマギリ アオイ）

消息不明の主人公の妹，天霧 黒羽（アマギリ クロハ）。かわいい

電波ジャックの様子

　なお，世界に降り注いだ槍には特殊な鉱物“オモイカネ”が含まれており，葵をはじめとする主要キャラクターたちは，このオモイカネの影響で“レゾネーター”と呼ばれる特殊な能力者となっている。危険な敵が棲むダンジョンと化してしまった街で生き延びるには，レゾネーターの能力が必要不可欠だ。

　まさに「終わりの始まり」的な形で幕を開ける物語は，アートワークのイメージもあって全体的に重めのテイストとなっている。ただし暗さ一辺倒ではなく，どこか軽快でおしゃれな雰囲気もあり，そのバランスは絶妙だ。

“サバキの日”に，都心部へと降り注ぐ無数の槍

　ゲームの流れは，先に進むほど敵が強力になるダンジョンの攻略を繰り返していく形だ。クリア済みダンジョンに戻り，周回プレイでキャラクター育成に励むこともできる。
　新たなダンジョンへの入場時やボス戦の直前といった要所でストーリーが進行するので，話の続きも気になり，攻略のモチベーションも高まる。なお，ダンジョンの入場には「スタミナ」（時間経過で回復）が必要となる。

ホーム画面とダンジョン選択画面

ランダム生成ダンジョンの最奥でボスを撃破せよ

　ダンジョン探索は，3人のキャラクター（＋ほかのプレイヤーのゲスト枠1人）でチームを組んで行う。内部の構造はランダム生成で，基本的に部屋と通路の組み合わせになっている。ダンジョンごとに設定されたフロア数を踏破し，最奥に待ち受けるボスを撃破すればクリアだ。


　操作方法は，移動は目標地点のマスをタップ，攻撃は敵のいるマスをタップといった具合にシンプルで，片手でも問題なくプレイできた。探索はターン制で，自分が動くと同じフロアにいる敵も同時にアクションを起こす（自分が1回行動すると敵も1回行動する）ため，敵の動きを予測することもダンジョン攻略のカギとなっている。ターンに時間制限はないので，難所では周囲を観察しつつ，最適な動きを考えながらゲームを進めたい。

カメラアングルの切り替えも可能

　なお，「アクションボタン」を押すと，その場で素振りができる。これによって自キャラを移動させずにターンを経過させ，意図的に自キャラの近くへと敵を引き付けること（不思議のダンジョンにおける基本的なテクニック）も可能だ。
　アクションボタンをロングタップした場合は，その場でターンを早送りし，HP回復も行える。しかし，自キャラはターン経過に応じて「満腹度」が減少し，ゼロになるとHPが減っていってしまう。このあたりも不思議のダンジョンシリーズではおなじみのシステムだが，本作ではキャラごとに満腹度が設定されていて，満腹度が少なくなったら操作する自キャラを切り替えることでも対処できる。また，あくまでCBTのバージョンに限った話だが，満腹度を回復させる「保存食」が比較的手に入りやすいアイテムだったので，飢えで行き倒れることはなかった。

　バトルでは，直接攻撃だけでなくスキルの発動も織り交ぜるのが重要だ。スキルはバトル中に少しずつ溜まるスキルポイントを消費して発動できる，いわゆる必殺技に相当する強力な攻撃。各キャラのスキルは事前に把握しておき，適切に使っていきたい。

スキルの発動時にはカットイン演出も

　さまざまな効果を持つアイテムも有効に活用すべきだ。アイテムボックスの容量には限りがあり，ダンジョンから戦利品を持ち帰るための宝箱や，いざというときの食料も詰め込んでいると，いずれ限界を迎える。ダンジョン内で拾える消費型のアイテムはどんどん使っていくのがオススメだ。

モンスターが大量に出現するモンスターハウスも健在

　チームメンバーについては，操作している自キャラの後ろからついてくるが，個別操作も可能となっている。キャラの数に応じて操作量は増えるが，防御力の高いキャラを前に出して，その後ろに配置したキャラに回復させるなど，戦略的に戦えるのは大きな利点だ。危険な攻撃を繰り出してくるボスが相手のときはぜひ活用しよう。

　本作は，不思議のダンジョンシリーズをベースとしたゲームシステムを採用しつつ，オート機能も充実している。すべての部屋を通過しつつアイテムを拾いながら，バトルもソツなくこなすという有能ぶりを発揮していたので，基本的な攻略はオートに任せて，主要なところではマニュアル操作に切り替えると遊びやすかった。

今後の進化にも期待大

スマホアプリへの落とし込み具合をチェック

　不思議のダンジョンシリーズといえば，ダンジョンに入るたびにレベル1からスタートするゲームだが，本作においてはレベルが引き継がれる仕様となっている。そのためにダンジョン周回によるキャラ育成が必須となっており，難所をプレイヤーのアイデアと幸運で突破するという古き良きローグライグゲームらしさは，そのまま保たれているというわけではない。

　この部分を指して「これはローグライクゲームなのか？」と首をかしげる人もいるかもしれないが，これはこれでおもしろいというのが筆者の正直な感想だ。スマホアプリとして開発するにあたって，ローグライクゲームの要素をどう落とし込むか，どこまで手軽にするかは制作陣もかなり試行錯誤したのではないだろうか。

キャラクターはストーリーやイベント，ガチャ等を通じて獲得できる

キャラクターのレベルは，不要なキャラをトレーナーとして消費する「強化」でも上げられる

　かつては「1000回遊べるRPG」と謳われたこともある不思議のダンジョンシリーズ。ランダム要素によって1000回とも違うプレイを楽しめるという意味だが，世紀末デイズは「1000回『続けられる』RPG」だと言えるだろう。ランダム生成のダンジョンを踏破し，キャラのレベルを上げ，武器や防具を製作/強化するための素材を集めるプレイサイクルは中毒性が高く，かつ基本的に持ち歩いているスマホで楽しめるのだから，遊ぶなと言われたほうが困る。
　CBTの時点でも非常に完成度の高いタイトルだと感じられたので，このテストでのフィードバックを受けて，今後どのように進化していくのかにも期待が高まるところだ。配信時期は今夏に予定されているので，続報を待とう。

「世紀末デイズ」公式サイト

※画面は開発中のものです。正式版とは異なる可能性がありますので，ご了承ください。