「Maneater」がついにリリース。この夏は，人喰いザメになって広い海を暴れ回ろう

　Tripwire Interactiveは北米時間の2020年5月22日，人喰いザメを主人公にしたアクションゲーム「Maneater」（PC / PS4 / Xbox One。※Switch版は今秋予定）の販売を開始した。

「Maneater」公式サイト

Epic Gamesストア「Maneater」販売ページ

　開発メンバーが「ロールはサメしかないので，RPG（Role-Playing Game）ではなくSPG（Shark-Playing Game）」だとする本作では，テレビ番組の出演者であるシャークハンターが，捕えた母ザメから引き摺り出した子ザメが主人公となる。種類は英語でブルシャーク（Bull shark）と呼ばれるオオメジロザメで，全長4mに成長するほか汽水域や淡水域でも生存できるという。本作でも，子ザメは最初，アメリカ南部を思わせる湿地帯で小魚やカメなどを食べたり，ワニと戦ったりして成長していく。


　サメの基本的な攻撃パターンには，「バイト」（噛みつき）と，まっすぐに突進する「ナイフ攻撃」，そして尾びれを叩きつける「ウィップテイル」の3種が用意されており，加えて，海面上に大ジャンプしたり，横動きで相手の攻撃をかわしたりできるので，それらを組み合わせて戦う。
　サメが人間を襲うと「悪名」のレベルが上がり，やがて銃やモリを装備した海上警察やシャークハンター達が命を狙ってくることになる。


　成長要素には，「プロテイン」「脂肪」「ミネラル」，そして「遺伝子」の4つが用意されており，とくに遺伝子は，成長の重要なポイントだ。遺伝子によって水の外でも長時間活動できる肺や，周囲の状況をチェックできるセンサーが手に入るのだが，そうした遺伝子は「汚染物質をうっかり食べてしまうことで得られる」という，本作のテーマにもかかわる皮肉な設定になっている。
　サメの成長には，電気を放出して広範囲の攻撃ができる「生体電化」と，肌を岩のように硬くする「外骨格化」の2つの系統が存在している。



　「Maneater」のマップは7つのエリアに分かれており，それぞれの中でなら自由に移動できる。各エリアは，「子ザメ」「ティーン」「大人」……，そして「メガ」といった成長段階に応じてアンロックされる仕組みだ。また，2つめ以降のエリアには，プレイヤーキャラクターと同じように遺伝子異常で狂暴化した，バラクーダ，ワニ，シュモクザメ，マッコウクジラなど「エイペックス・プレデター」と呼ばれるヌシがおり，プレイヤーはこれらのヌシや，10人ほど存在するシャークハンターを倒すことで王者を目指すのだ。


　地球温暖化や汚染物質の不法投棄といった環境問題がストーリーに背後にあるため，かつては陸地で今は海に沈んでしまったような場所がところどころに存在するなど，海中といってもマップデザインはバラエティに富んでおり，飽きることなくプレイできそうだ。
　特徴的な場所を「ランドマーク」としてアンロックしたり，海上にある車のナンバープレートを集めるといった要素も用意されており，人喰いザメが主人公という一発ネタのような雰囲気はあるものの，意外にしっかりとしたRPG……いやSPGであることが分かる。
　アメリカの有名なコメディアンで，最近は声優としても活動するクリス・パーネル（Chris Parnell）さんが，サメの心の声を演じており，生態や海洋学について解説するという点もユニーク。


　日本語対応とはいえ，日本語化されているのはインタフェースと字幕だけで，本当なら「子ザメ」であるはずが，なぜか「子犬」になっていたりなど，機械翻訳的な部分も残る本作だが，サメの操作さえ覚えてしまえば，あとはマップとログをチェックしながら普通に楽しめるはず。
　今のところ日本での展開は発表されていないようだが，Epic Gamesストアのタイムエクスクルーシブタイトルとして販売中のPC版が手に入れやすいだろう。この夏は，普通は悪役として登場するはずの人喰いザメになり，環境問題について考えてみよう。