プレイレポート
「妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている」プレイレポート。かつて夢中になったものを思い出させる“レベルファイブらしさ”に溢れている
妖怪ウォッチ4の舞台は,時空を超えた4つの世界である。プレイヤーはお馴染みの主人公・ケータをはじめ,それぞれの世界のさまざまなキャラクターを操作可能だ。不思議なカギを使ってトビラを開き,雰囲気の異なる4つの世界を自由に行き来することになる。もちろん,個性豊かな妖怪達も続々登場する。
ストーリーはケータの夏休みの1日から始まる。お母さんからお使いを頼まれたり,憧れの女の子・フミちゃんを探してみたりと,いかにもフツーの小学生らしく過ごしていると,いつものように妖怪がらみのトラブルに見舞われる。そんなケータを助けてくれるのは,もちろんジバニャンやウィスパーといったともだち妖怪だ。
普段どおりの生活を過ごしているうちに,ケータは神社で謎めいたトビラを発見する。そのトビラからはケータが見慣れている姿とは異なる,ちょっとホラーな妖怪が現れた!
妖怪ガシャで手に入れた不思議なカギを使って,トビラの先に踏み込んだケータ達。彼らを待っていたのは,なんと30年後の世界。そこで出会った少女・ナツメは,ケータを「お父さん」と呼ぶのだった……。
妖怪ウォッチ4はシリーズ初のNintendo Switch用ソフトということで,ゲームシステムやグラフィックスが全面的にリニューアルされている。プレイヤーの視点は従来の見下ろし型から俯瞰視点へ。フル3Dとなった町並みはかなり細かい部分まで作り込まれており,さまざまな時代の住宅地や駅前,路地裏などの雰囲気が伝わってくる。
フィールドの規模は「狭すぎず,広すぎず」のほどよい感じ。筆者はこの手の3Dフィールドの探索が大好物なので,あちこちに落ちているアイテムを拾ったり,「妖怪ウォッチ」を使って妖怪を探したり,もちろんバトルしたりと隅々まで堪能させてもらった。
とはいえ,「ほどよい広さ」といった感覚は人それぞれ。だが,安心してほしい。画面右下の2Dマップを拡大すれば,従来のシリーズ作品に近い感覚で探索を楽しめる。
さらに「探索はもう十分。とにかくストーリーを進めたい」というときは,ナビゲーション機能を活用すれば万全だ。そのときの状況に応じて,ナビ機能の有無を切り替えるといいだろう。
ちなみに,3Dフィールドを活かした要素として「ミツマタマーク探し」,通称「隠れミッチー探し」なるものがある。簡単なヒントを頼りに,壁の模様や目立たない物陰に隠されたマークを見つけるというシンプルな遊びだ。3Dフィールドがしっかりと作り込まれているだけに,あちこち探し回るのが予想以上に楽しい。発見したマークの数に応じて報酬をもらえるため,実に遊びごたえのあるやりこみ要素だ。
知的に戦える爽快なバトルシステム
妖怪ウォッチ4のバトルシステムは,アクション要素が加わったことでプレイフィールは大幅に異なる。ボタン連打で連続攻撃を出したり,機を見て大技を繰り出したり,敵の攻撃をタイミングよく回避したり。プレイヤーの判断がダイレクトに反映できるようになった。
「妖怪3体を選んでチームを作り,敵の妖怪達と戦う」という点はシリーズ作品と同様だが,妖怪ウォッチを所持する“ウォッチャー”もバトルに参加するのは大きな変更点だ。ケータはバランス型,ナツメはサポート型,トウマは「憑依召喚」によりアタッカーになるなど,ウォッチャーによって戦い方はまったく異なる。
お気に入りのウォッチャーを使い続けるか,敵のタイプに合わせて有利なウォッチャーに切り替えるか。プレイヤーの好みで遊べるのが嬉しい。
プレイヤーはウォッチャーだけでなく,仲間の妖怪を操作することも可能だ。操作キャラクターはバトル中に切り替えられるので,サボっている妖怪を行動させたり,それぞれの必殺技を発動するタイミングをコントロールしたりすると,バトルを有利に進められる。
新たな妖怪がともだち(仲間)に加わったときは,その操作感を試してみよう。
仲間の妖怪には「アタッカー」「タンク」「ヒーラー」「シューター」といったロールが設定されている。タンクが敵の攻撃を一身に受けつつ,アタッカーやシューターが敵にダメージを与え,ダメージを受けたらヒーラーが回復する。MMORPGプレイヤーにはおなじみの役割分担だ。こうしたロールを意識してパーティを編成すると,レベルが多少低くても手強いボスと対等に渡り合えるはずだ。
新しい妖怪をともだちにするには,「妖怪の魂(こん)」が必要になる。魂はバトル中に妖怪から吸い取ったり,妖怪ガシャから手に入ったりするが,武器や防具といった装備品を作るときにも欠かせないため,使いどころがかなり悩ましい。
かといって,溜め込んでいるだけでは宝の持ち腐れになってしまう……。
もちろん,ゲームと玩具の連動要素も健在だ。「妖怪アーク」や「妖聖剣」を持っていれば,コントローラのNFCエリアにタッチさせてみよう。妖怪の魂やガシャコイン,特殊な世界でバトルできるカギなど,レアなアイテムが手に入る。妖怪ウォッチ4を隅々まで遊び尽くたいなら,ぜひチェックしてほしい。
妖怪ウォッチ4はプラットフォームをNintendo Switchに移し,装いも新たになったが,最新作もまた,いかにも“レベルファイブらしさ”に溢れている。これは同社の「イナズマイレブン」や「ダンボール戦機」にも共通しているが,その物語やプレイフィールは筆者がかつて夢中になったアニメや漫画,そしてゲームをどことなく思い出させるのだ。
そんなどこかノスタルジックな世界や物語が現代の子供の心を掴んでいる。その現象は少しだけ不思議であり,同時に納得もできる。
ぼくらは同じ空を見上げている――どんなに時代を経ても変わらないものがあり,それによってさまざまな世代がつながっているのかもしれない。大人にも子供にも共通する楽しさ,それが妖怪ウォッチ4にはある。
「妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている」公式サイト
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妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている
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