プレイレポート
[JAEPO2019]独特の操作が戦術性を生み出す。「ソードアート・オンライン アーケード ディープ・エクスプローラー」プレイレポート
「ソードアート・オンライン アーケード ディープ・エクスプローラー」は,人気ライトノベル「ソードアート・オンライン」(以下,SAO)を原作とする初のアーケードゲームだ。ゲーム世界を現実のように感じられる「VRMMORPG」をテーマに,凄腕ゲーマーのキリトや仲間たちが活躍する様子を描く。
本作を端的に表現すると“斜め上からの見下ろし視点(アイソメトリックビュー)によるアクションRPG”だ。PCゲームを遊ぶ人であれば馴染みがあるシステムだろう。プレイヤーは,新型ゲーム機「ViSTer」を通じ,謎の空間「Unknown」を探るキリトたちに力を貸す。ViSTerとは,もちろん本作のゲーム筐体のことで,タッチパネルになっている画面越しに,ゲーム世界にダイブしているキリトとハイタッチする演出が面白い。
本作は3人のキャラクターでパーティを組めるが,出展バージョンはキリト,アスナ,リズベットでメンバーが固定されている。筐体には「グリップコントローラ」と3つのボタンが備え付けてあり,これに画面タッチを加えて移動や攻撃を行う。
グリップコントローラは飛行機の操縦桿にも見えるが,これ自体は動かない。動かすのは上部にある小さなスティックで,親指で操作してパーティを移動させる。人差し指と中指が当たるところには,ダッシュとガードを行うための「L1」「L2」ボタンがあり,PS4など現世代機のコントローラに慣れている人ならすぐに馴染めるだろう。
3つのボタンにはそれぞれ「1」「2」「3」という数字が振られており,それぞれのボタンを押すとパーティの1番目,2番目,3番目のキャラクター(出展バージョンではそれぞれキリト,アスナ,リズベット)が攻撃する。複数のキャラクターを1人で操るゲームの場合,切り替えの操作やボタンが必要となることが多いが,本作では切り替えを意識することなく,直感的に3人を使い分けることができるのがユニークだ。
武器には「斬」「打」「突」の属性が設定されており,ゴーレムだと打属性に弱いといったように敵に弱点が設定されている。もしゴーレムが出てきた場合,普通だと打属性の武器を持つリズベットに“切り替える”一手間が入るが,本作だとリズベットに割り振られたボタン(出展バージョンの場合3ボタン)を押すだけですぐに弱点を突けるのだ。
また,ボタンをしばらく押し続けてから離すとタメ攻撃が発動するのだがこれを利用して「2ボタンを連打してアスナが突いている間に,3ボタンを押し続けてリズベットにタメを作り,アスナの攻撃が終わった際に,すかさず3ボタンを離してリズベットのタメ攻撃を放つ」という独特の連係もできるようで,工夫のしがいがあると感じられた。
画面右下に並ぶ赤のアイコンを見て察している人もいるかもしれないが,画面のアイコンはタッチできるようになっており,触れると「スキル」が発動する。さらに冒険を続けて「スキルレベル」が上がると,キリトの「スターバースト・ストリーム」など大技も使える。連続でスキルを当てると威力が増していくので,温存したスキルを一気に叩き込むのも爽快だ。
本作をプレイしていて面白く感じられたのは,戦術性のある動きが直感的にできるところだ。3つのボタンに3人のキャラクターが割り振られているという独特のシステムは最初こそ複雑に感じられた。しかし,ある程度分かってくると,「敵の数が多い時は1ボタンを連打してキリトの二刀流でなぎ払う」「遠くに敵が出現した際は2ボタンを押してアスナの突きで踏み込む」「耐久力の高い敵が出たら3ボタンでリズベットのメイスを叩き込む」といったように,状況に合わせた動きができるようになっていた。また,前述したタメ攻撃の連係も面白く,スキルの倍率と合わせれば色々なコンボが構築できそうだ。
出展バージョンの感想をまとめると「オーソドックスなアイソメトリックビューのアクションRPGの楽しさに,キャラクターを切り替えることなく使い分けられる操作によって,スピード感をプラスした作品」といったところだろうか。SAOシリーズには多くの魅力的なキャラクターが登場するが,彼らの個性が本作のシステムでどのように表現されるのかも楽しみだ。
「ソードアート・オンライン アーケード ディープ・エクスプローラー」公式サイト
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ソードアート・オンライン アーケード ディープ・エクスプローラー
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