プレイレポート
キャラクターの“残念っぷり”もシステム上でしっかり再現。「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」CBT直前先行プレイレポート
本作はその名のとおり,アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」を原作としたスマートフォン向けRPGだ。クローズドβテストを直前に控えた作品ということもあり,ゲーム内容が気になっているファンも多いことだろう。本稿では実際に遊んでみて分かったゲーム内容と,その見どころをお伝えしていく。
「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」公式サイト
本作は先述のとおり,アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」を原作としたRPGだ。というわけで,まずは簡単に原作のあらすじを紹介しておこう。
物語の主役は,不慮の事故で命を失ってしまった引きこもり&ニートの「カズマ」。若くして死んでしまった彼は女神「アクア」の導きにより,なんでも“1つだけ好きなものを持って”異世界へと転生する権利を獲得する。
最初は色々なチート能力を夢想していたカズマだったが,女神の女神らしからぬ振る舞いに怒り心頭。仕返しとばかりに転生特典に“女神アクア”を指定し,女神とともにファンタジーな異世界へと放り込まれる運びとなった。
その後もカズマの元には,燃費の悪すぎるアークウィザード「めぐみん」や,絶望的に不器用なドMのクルセイダー「ダクネス」といった(残念な)仲間たちが集結。クセの強すぎるパーティメンバーを率いて,どうにかこうにか日々を食いつないでいく。
ゲームのメインコンテンツとなるのは,書き下ろしのメインストーリーだ。スタミナを消費してクエストに挑み,そのなかで展開されるバトルに勝利すると新たな物語を読むことができる。クエスト(バトル)とストーリーが分割されているので,それぞれに集中して楽しめるのが特徴だ。
また,メインストーリーが始まる以前の物語をチェックできる「このすばストーリー」や,キャラクター個別の「キャラクターエピソード」といった,いわゆる“読み物”に特化したコンテンツも多数用意されている。これらの要素がメインストーリーに登場する各種の知識を補完してくれるので,原作を知らない人でも安心して楽しめる。
クエストに連れて行くためのメンバーは,クエストの報酬やガチャを回すことで入手可能だ。このガチャで手に入るメンバーは,特定キャラクターにおける衣装や,シーンを切り取ったものになっている。まだ仲間にしていないキャラクターが描かれたものの場合,そのキャラクターを仲間に迎えられる仕様だ。
また,キャラクターのステータスは,パーティ編成時にどのメンバーをメインに配置するかで決まる。そして,そのメンバーのステータスを成長させる要素が「絆ランク」だ。
絆ランクは,キャラクターをパーティに加えてバトルを行うほか,ご褒美(専用アイテム)を与えることで上昇していく。絆ランクを上げたキャラクターは,ステータスや必殺スキルの効果もアップするので,主に使用するキャラクターの絆はガンガン上げていこう。
先述のとおり,絆はキャラクター別に設定され,絆ランク上昇による恩恵は同一のキャラクターが描かれたメンバーすべてが受けられる。低レアリティから高レアリティのメンバーに変更しても,それが同じキャラクターであれば絆ランクの育成状況を引き継ぐことが可能というわけだ。
また,メンバーには個別にレベルが設定されていて,これを上昇させることでも能力を向上できる。ただし,バトル(クエスト)で得られるのは絆ポイントとアイテムだけであり,いわゆる経験値を得ることはできない。
レベルを上昇させたい場合は,クエスト報酬などで獲得できるアイテム「パワーポーション」を消費することになる。こういった仕様のため,成長させたいメンバーを無理にパーティに加える必要はない。ちょっと複雑に感じられるかもしれないが,これらの仕様をまとめると以下のような感じになる。
キャラクター | ゲーム内における特定の個人を示す用語。 ●役割 ・必殺スキルの決定 ・入手後に絆ランクを上げられる |
メンバー | ガチャから出現する,キャラクターの仕草やシーンを切り取ったもの。入手すると描かれたキャラクターが仲間に加わる。 ●役割 ・ステータスの基礎値を決定 ・使用できるスキルの決定 ・特性やサブスキルの決定 ・属性耐性の決定 |
絆ランク | キャラクターとの関わりの深さを示す数値。特定のキャラクターが描かれているメンバーを仲間に加えてクエストをこなしたり,ご褒美を与えたりすることで上昇する。同じキャラクターが描かれたすべてのメンバーに影響がある。 ●上昇時の効果 ・ステータスの上昇 ・必殺スキルの効果向上 |
レベル | メンバー個別に設定された,成長状況を示す数値。アイテム「パワーポーション」を消費することで高められる ●上昇時の効果 ・ステータスの向上 |
各種の強化などを行う際に必要なお金(エリス)やアイテム,絆ポイントを入手する手段はクエストだけではない。仲間を1人派遣して,一定時間ごとに各種の報酬を得られる「バイト」も有効だ。バイトに派遣してもクエストには出られるので,絆ランクを上げたいキャラクターを選ぶのが良いだろう。
このすば特有の“残念さ”を見事に再現した
リアルタイム型のコマンドバトル
ここからは,クエスト内で展開されるバトルのシステムに触れていこう。バトルの基本システムはコマンド選択式で,出現する敵をすべて撃破すれば勝利となる。
時間経過で累積する「ウェイトタイム」がマックスになったキャラクターから順に使用するスキル(コマンド)を選択して攻撃を行う格好だ。MPなどのリソースは存在しないので,スキルをガシガシ使って戦いを進めよう。
ただし,1度使用したスキルはチャージタイム(クールダウン)が完了するまで再選択できなくなってしまう。後続のボスに対して一気にスキルを使いたい場合などは,チャージタイムが0の通常攻撃スキルを使ってタイミングを合わせるのも戦略のうちだ。
また,スキルの選択中も時間は経過する。あまり考えていると仲間たちがボコボコにされてしまうので,ある程度は事前に戦略を考えておこう。素早く行動を選択したい場合は,行動を自動化してくれるAUTOボタンとゲームスピードを上昇させる倍速ボタンを使うのもアリ。
スキルのなかでもとくに強力なのが,攻撃の応酬中で累積するゲージを消費して放つ「必殺スキル」だ。必殺スキルはキャラクターごとに設定されており,発動時にはド派手な演出とともに強烈な効果を発揮してくれる。
戦略の中核となりえるほど強力な必殺スキルだが,基本的に発動までには結構な時間がかかる。発動まで生き延びられるように戦略を組み立てねばならない。
また,出現する敵には「弱点属性」がそれぞれ設定されており,それに合った属性でダメージを与えるとバトルを有利に進められる。この弱点属性は“3すくみ”や“相克”といった関係ではなく,敵ごとに個別に設定されているので,その場その場で使用するスキルを見極めるのが大切だ。
バトルで使用できるスキルや,パーティの属性耐性については,編成したメンバーによって変化する。クエストには有効な攻撃属性を示す「推奨属性」が設定されているので,クエストによって連れて行くメンバーをカスタマイズしていこう。
また,ゲームが進行すると「鍛冶」が開放され,メンバーにセットする装備品を製作できるようになる。ゲームの進行状況に応じて製作できる装備品の種類が増加していき,なかには各属性を強化する特性を付与できるものも存在する。属性相性を調整するのに役立ってくれるので,制作に必要な素材の収集も忘れずに行っておきたい。
さて,このすばに登場するキャラクターの特徴といえば,外見の可愛らしさや格好良さに反する何かしらの“残念さ”を持っているという点だろう。本作では,それをきっちりとバトルシステム上で再現しているのも大きな見どころだ。
例えば,ダクネスが持つ物理攻撃スキルには「超低命中率」の補正が付いているが,そのかわりに(攻撃の成否にかかわらず)自身や味方の防御力を高めるサブ効果が付随している。彼女の攻撃は基本的に当たらないものの,ゲーム的にはしっかりと壁役として機能するなど,原作設定を再現しつつゲームを成立させているのだ。
アクアのステータスは幸運が異常なまでに低い(そのうえ成長しない)し,めぐみんがエクスプロージョンを放てば必ず戦闘不能になる。各人の“残念っぷり”がどうやって再現されているのか,原作ファンは要チェックだ。
以上が今回のプレイレポートとなる。物語とバトル(クエスト)を明確に分割し,キャラクターのかけ合いを存分に楽しめるという設計は,キャラクター同士のかけ合いが魅力の「このすば」を原作とする作品としては大正解のあり方だと筆者は感じた。
また,原作に準じた要素を詰め込みつつもゲームをしっかりと成立させているため,キャラクターの育成と編成の妙を味わいたいRPGファンも十二分に楽しめる作品に仕上がっている。
今回はクローズドβテストということで触れられなかったものの,正式サービス時にはイベントなども展開されるとのことなので,そちらにも期待しておこう。
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