インタビュー
“放置”で育てて戦略バトルに挑む。「オーブジェネレーション〜攻防する異能力少女〜」試遊レポートと制作者インタビューをお届け
DMM GAMESと韓国のデベロッパDBROSが共同開発した本作は,オーブと呼ばれる異能力少女と共に人類存続を懸けた戦いに挑む“アニメーションRPG”だ。オートで進む気軽さが特徴の「オフェンスバトル」と,戦略性あるバトルが楽しめる「ディフェンスバトル」という2つのゲームモードを軸に,圧倒的なボリュームのシナリオと多種多様なサブコンテンツがプレイヤーを楽しませてくれる。
正式サービスを前に,先行試遊の機会を得たので,実際にプレイして分かったゲームの魅力をお伝えしよう。開発と運営を担当するDMM GAMESの小池浩真氏と遠藤賢太郎氏に,制作の経緯やリリース後の展開なども聞けたので,合わせてお届けしたい。
「オーブジェネレーション〜攻防する異能力少女〜」公式サイト
“放置”でキャラクターを育てて戦略バトルに挑む
2種類のバトルをこなしていくゲームサイクルが特徴
まずは物語の紹介から。OVEの舞台となるのは,長きにわたる「あらそい」が終結し,平和が訪れる……はずだった世界。「あらそい」の影響により,生き残った生命体の一部が遺伝子の突然変異によって異形の怪物「クリーチャー」と化してしまう。
その中で,怪物とならず異能に目覚めた少女たちがいた。少女たちは,クリーチャーを狩る力を持つオーブと呼ばれる存在となり,オーブを率いる主人公(プレイヤー)のもとで世界の再構築を進めるための戦いに挑むことになる。
本作では,2019年3月までサービスが行われていた,DBROS制作の「女神にキスを!〜Goddess Kiss〜」(BROWSER / iOS / Android)の数百年後の未来が描かれており,「あらそい」というキーワードは「女神にキスを!」での戦いを指している。世界観がつながっているとはいえ遠い過去の話なので,「女神にキスを!」を知らないと物語が分からないということはなく,そこは心配ご無用だ。
世界観やシナリオは,文明の崩壊や人類が死に絶える様を色濃く打ち出した“終末モノ”となっているが,決して陰鬱としたものではない。
例えばオーブの少女たち。彼女たちは力の使い過ぎや感情の高ぶりによってクリーチャー化する可能性があり,それを抑えるため「抑制剤」を投与しながら日々を暮らしている。絶望的な状況下にある彼女たちだが,キャラクター個別のシナリオでは健気に生きる様子も描かれており,それが可愛いキャラクターイラストとともに,暗いイメージになりがちな世界に彩りを与えてくれているのだ。
ゲームの流れとしては,バトルステージをクリアしながらメインシナリオを進めていき,並行してキャラクターの育成も行っていくというお馴染みのシステムが採用されている。
メインストーリーに関わるシナリオは,「オフェンスバトル」というバトルをクリアすることで進んでいく。バトル自体は,あらかじめ設定しておいた部隊のメンバーがオートで戦い,スキルをプレイヤーが任意のタイミングで発動することになる。
オート機能が充実しており,放置しているだけでも着実にキャラクターが強くなっていく。
周回だけではなく,自動で次のステージに進む「連戦」があるので,放置している間にステージが進めばストーリーも開放される。基本はフルオートでバトルを行い,ステージを開始するときに消費される「体力」(時間の経過で回復)が無くなるタイミングで成果を確認するというプレイスタイルとなるだろう。
ある程度キャラクターが揃い,育成も進んだところで挑戦したいのが「ディフェンスバトル」だ。マス目で区切られたバトルエリアを侵攻する敵からゲート(自陣)を守り抜くというタワーディフェンス型のバトルコンテンツで,プレイヤーレベル15になるとプレイが可能となる。
オーブやトラップを配置して守りを固め,敵の行動を予測して対応するという,なかなか戦略性のあるバトルが楽しめる。手塩に掛けて育て上げたキャラクターを活躍させられる場所でもあり,少数精鋭のオーブたちがクリーチャーの大群を殲滅していく様を見守るのも一興だ。
ほかにも,巨大なボスと対峙する「ボス戦場」や,自分だけの空間をカスタマイズできる「宿舎」,特定の素材を集めるのに便利な「曜日戦場」など,さまざまなコンテンツが用意されている。キャラクターの育成を含め,長く遊んでも飽きがこないよう,やり込み要素が数多く詰め込まれている印象だ。
放置ゲーの要領でキャラクター育成や素材集め,ストーリー開放をこなし,じっくりゲームをする時間があるときにストーリーを読み進めて,キャラ育成や戦略バトルを楽しむ。この,プレイヤーの気分に合った楽しみ方ができるのが本作の魅力だろう。
プロデューサーとディレクターが語る
「OVE」開発の経緯や今後の展開
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは開発の経緯を聞かせてください。
プロデューサー 小池浩真氏(以下,小池氏):
企画の立ち上げは2018年5月ごろです。「女神にキスを!」の世界観の延長線上にある作品を作りたいと。ちょうど放置ゲームの流れがきている時期で,ゲームシステムは“放置ゲー”でというのは定まっていたのですが,このあたりは“悩み”からスタートしました。
4Gamer:
どのあたりで悩みがあったのでしょう。
小池氏:
手軽に楽しめることを前提にしつつも,やり込みがいのあるゲームにもしたいというところですね。私自身,放置ゲーが好きでよく遊ぶのですが,気軽さがある反面,ゲーム性の部分がどうしても弱くなってしまい,ゲームとしての奥深さを出すことは難しいという感覚がありました。
4Gamer:
ゲームシステムについて聞かせてください。まず,「手軽に楽しめる」という部分で工夫した点はどこでしょうか。
小池氏:
「連戦」という機能を入れていて,自動でステージを攻略していき,戦闘に勝ったら次のステージへ進みます。これは設定次第ですが,負けても1つ前のクリアしたステージに戻って再度挑めるようにしています。自動で同じステージを周回するゲームは少なくないと思いますが,そこから一歩進化させ,ログインしているあいだは自動でステージが進むようにしました。
4Gamer:
ゲームの奥深さという部分はいかがでしょう。
小池氏:
タワーディフェンス形式の「ディフェンスバトル」で,プレイヤー自身が考えて挑む戦略性のあるバトルが楽しめます。
「オフェンスバトル」では放置ゲーの手軽さを,「ディフェンスバトル」でしっかりしたゲーム性を。この2つが本作の特徴で,うまい具合にミックスできたかなと考えています。
4Gamer:
ほかに開発時にこだわった要素や苦労した点はありますか。
小池氏:
ビジュアル面でしょうか。放置で進むところが特徴の1つなので,見ているだけで楽しめるものにしたいという思いは強かったです。
その点でいうと,物語の重要人物となるキャラクターの最高レアの一部には,バトル中のアニメーション演出を加えましたが……これがすごい大変でしたね。
4Gamer:
それはどのあたりでしょうか。
ディレクター 遠藤賢太郎氏(以下,遠藤氏):
アニメーションは,ラフから線画でおこしてチェックし,修正を加えたうえで彩色,さらに彩色後もチェックを入れるといった感じで,さまざまな作業段階でチェックと修正を行いました。
小池氏:
当初はDBROSが単独で担当していたのですが,DMM GAMESとDBROSの双方が納得できるものにするため,途中から我々の方からも人員を投入してクオリティアップに努めました。結果として満足できるものに仕上がったのですが,制約の多いブラウザ版でこれをどう処理するかという別の問題が出てしまい,ここでも苦労しましたね。
遠藤氏:
プレイヤーの皆さんには高いクオリティのゲームを遊んでもらいたい。その思いが強かったので,当初は計画になかったPCクライアント版(DMM GAME PLAYER版)も制作しました。PCクライアント版なら,音声を含めて高品質なキャラクターたちを堪能できるのでオススメです。
4Gamer:
アニメーションが付いているキャラクターはどのくらいいるのでしょうか。
小池氏:
ローンチ時に55キャラが登場しますが,アニメーション付きは最高レアと初期配布キャラを中心とした合計12キャラです。
バトルの際,2Dキャラがスキルを使うときの動きもキャラ固有のものとなっていて,ここもこだわりの1つですね。ぜひ注目してください。
4Gamer:
あらためてゲームの進め方について聞かせてください。
遠藤氏:
主人公がオーブたちとともにクリーチャーと戦い,物語の謎に迫っていくという流れになります。
メインストーリーに関するものは基本的にオフェンスバトルで進展します。そして,凶悪なクリーチャーから自分たちが生活する拠点を守るという形で,ディフェンスバトルが行われます。
4Gamer:
プレイヤーはオフェンスバトルで物語を進めつつキャラ育成や資源集めをして,ディフェンスバトルに備える,と。
遠藤氏:
はい。放置してゲームが進んだ分,次々と物語が開放されていきますが,シナリオ一覧で好きなときに新しい物語を読んだり,過去エピソードを振り返ったりできます。
放置でゲームを進めて,空いた時間で物語を読み進めるというのが基本のサイクルになるかと思います。
4Gamer:
ほかにどのようなコンテンツが用意されているのでしょうか。
遠藤氏:
曜日ダンジョンや「ルーム」のカスタマイズ要素,キャラクターの固有シナリオなどがあります。
また,「女神にキスを!」に引き続き,本作でも巨大なロボットが登場し,その巨大ロボを倒すことでレア装備などの報酬が手に入る「巨兵戦」というコンテンツも用意しました。
小池氏:
ある程度キャラクターの育成が進んだら,PvPコンテンツの「模擬戦」と「階級戦」にチャレンジしてほしいですね。
模擬戦は,レアリティなどの縛りがなく自分の中で最も強い編成で対戦できるもので,階級戦は決められたレア度のキャラクターの編成で挑むバトルです。
ゲームを進めていくと,レア度の低いキャラクターが使われなくなるということがありますが,個人的にそれが嫌で。そういった意味でも階級戦のようなものはやりたかったんです。
4Gamer:
思い入れがあるキャラなのに,もっと強いキャラが手に入って戦力外になってしまうというのはよくあることですが,その救済措置があるのは嬉しいですね。
小池氏:
あと,ディフェンスバトルでは,レア度に応じてリソースがコントロールされる仕組みになっているので,きちんと育成していけばレア度の低いキャラでも戦力になるんです。
プレイヤーのアイデア次第でどんなキャラでも輝き続けられるようにしたいと。
4Gamer:
キャラクターの育成要素についてはいかがでしょうか。
遠藤氏:
これは「女神にキスを!」もそうだったのですが,どんなレア度でも最高レアまで昇級できるのが特徴となっています。
バトルで経験値を稼いでレベルが最大になっても,特定の素材を使って「昇級」させることでさらにキャラクターを強くできます。
ほかにもスキルの強化や上限開放,装備品の強化など,育成に関わる要素は多いです。装備は,同じ武器でもサブステータスがランダムで付与されるので,周回機能を使ったハクスラに近いアイテム収集が楽しめると思います。
4Gamer:
メインストーリーのボリュームはどのくらいあるのでしょう。
遠藤氏:
本作の世界は,Vアーク,ニューケーブ,イエシャール,カイラスという4つのエリアに分かれています。各エリアは10の地区から構成されていて,1地区につきシナリオがだいたい5つ,つまり1つのエリアに50個くらいのストーリーがあることになります。ローンチの時点ではニューケーブの途中まで実装する予定ですね。
小池氏:
オーブの少女たちそれぞれの日常を描いた個別シナリオもあるので,こちらも楽しみつつ本作の世界の全貌を掴んでいってほしいですね。「女神にキスを!」を遊んでいた人がピンとくるような要素もありますが,完全新規のゲームとして楽しめるようになっています。
遠藤氏:
本作のキャラ個別のシナリオはかなりブッ飛んでいまして(笑)。個人的にプッシュしたいポイントです。いくつか例を挙げて紹介したいところですが,詳しくはプレイしてのお楽しみということで。
4Gamer:
リリース後のシナリオやキャラクターの追加は,どのようなペースで行う予定ですか。
遠藤氏:
メインストーリーとなる4つのエリアすべてのシナリオは,リリースから半年を目安に公開する予定です。それに応じて月別のイベントなどを行いながら新キャラクターも実装していきます。
小池氏:
毎月3体以上は新キャラを追加したいと考えています。
また,プレイヤーが協力して戦う「ワールドボス」というコンテンツや,「巨兵戦」の追加ボス,立ち絵からして変化する育成要素の「覚醒」など,遊びの幅を増やすようなアップデートも行っていく予定です。
4Gamer:
コラボの予定などはありますか。
小池氏:
時期は決まっていませんが,「女神にキスを!」とのコラボは実施します。まだ発表はできませんが,ほかにもコラボの企画は進んでいるので,続報をお待ちください。
4Gamer:
最後に,リリースを心待ちにしているファンや読者に向けてメッセージをお願いします。
小池氏:
「気軽な成長と成長結果を楽しむこと」をコンセプトに開発をしてきました。実際にプレイして本作が目指した遊びの要素を体験してみてください。
55人の可愛い女の子たちが戦う様子は見応えのある仕上がりにで,こちらにも注目してほしいですね。サービス開始後にアップデートされるコンテンツを含め,長く遊んでいただけるようコンテンツも豊富に用意しましたので,末永くOVEをお楽しみください。
遠藤氏:
ほかのゲームをしたり,アニメや映画を観たりしながら「オフェンスバトル」でキャラクター育成を進めて,強くなったキャラクターたちを使って「ディフェンスバトル」に挑む。ながらに最適というだけではなく,しっかり遊べる価値のあるゲームを目指して制作し,良いものができたという手応えを感じています。
昨今は複数のゲームを並行して遊んでいる人も多いと思いますが,そういった方にもぜひ本作を試してもらって,遊ぶゲームのラインナップに加えてほしいですね。
4Gamer:
ありがとうございました。
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