プレイレポート
名作「うたわれるもの」がPCに帰ってきた。本日発売となる「偽りの仮面」「二人の白皇」のインプレッションを掲載
両作は2002年4月にPCゲームとして発売され,2006年以降にコンシューマ向け(PS2 / PSP / PS4 / PS Vita)にリメイクもされた「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」の続編にあたるタイトルだ。「偽りの仮面」が2015年に,「二人の白皇」が2016年にPS4とPS3,PS Vitaで発売され,人気を博している。
そんな「うたわれるもの」シリーズが,久々にPCプラットフォームに戻って来たわけで,青春時代に初作のPC版とアニメに触れた筆者として実に感慨深いものがある。
今回はこの発売に先駆け,「偽りの仮面」および「二人の白皇」をプレイする機会を得たので,物語や世界観,気になるPCでの操作性などを中心に,インプレッションをお届けしてみたい。
Steam内「うたわれるもの 偽りの仮面」ストアページ
Steam内「うたわれるもの 二人の白皇」ストアページ
記憶喪失の青年「ハク」を中心とした群像劇
物語は前作よりいくらかあとの時代,記憶喪失の青年が旅の薬師・クオンによって命を救われるところから始まる。彼女によってハクと名付けられた青年は,旅の縁から都で自警団を始めることになるが,やがて大國「ヤマト」を覆う動乱に巻き込まれていく。動乱の始まりまでを描く「偽りの仮面」と,激化する動乱を描く「二人の白皇」の物語は連続しており,さながらアニメの1クール目と2クール目といった関係である。
システム面も共通しており,両作はいずれも「アドベンチャーパート」と「シミュレーションパート」という,2つのパートを繰り返しながら進行する。
アドベンチャーパートはノベルゲーム形式で物語を追いかけていくモードだ。自警団の詰所やキャラクターの私室,ときに飲み屋といった移動先を選び,キャラクターと会話することで交流を深めていく。とくにイベントシーンでは,フルボイスによってキャラクターの心情が語られるので,立ち絵の表情や仕草などと合わせ,非常に感情移入させられること請け合いだ。
「偽りの仮面」の中盤までは,今となっては懐かしさすら感じるコメディタッチな日常シーンが盛りだくさんなのだが,物語が大きく転換する「偽りの仮面」後半以降は,王道ながら怒涛の展開が続き,目が離せなくなる。
本作の大きな魅力の一つは,この戦乱の中で成長していくキャラクター達の姿にあり,変化を余儀なくされる関係性もまた,物語に花を添える。前半の平和なコメディシーンも,個人的には少々中だるみを感じなくもなかったが,やはり読み飛ばさなくて良かったと,プレイを終えた今となっては思うばかりである。
キーボード操作に対応し,改善されたUIで楽しむシミュレーションパート
シミュレーションパートになると,SRPG風のターン制ストラテジーによる戦闘シーンが展開される。攻撃時に表示されるリングのエフェクトに合わせ,タイミングよくボタンを押すことで発動する「連撃」や,相手の攻撃時のリングに合わせてボタンを押すことで被ダメージを軽減できる「錬技」といったアクション要素もあって,飽きさせないつくりだ。
戦闘の難度は「普通」と「難しい」の2通りから選べるようになっていて,これはゲーム開始後でも変更が可能だ。過去のステージを再プレイすることでパーティを強化できる「戦闘回想」や,50手までの手番の巻き戻し機能もあるので,ストラテジーが苦手な人でもテンポよく進められるのではないだろうか。
なお「偽りの仮面」では,今回の移植に合わせて「二人の白皇」に準拠したゲームシステムへと手が加えられ,攻撃の「結果予測」の簡易表示が可能になり,連撃中の気力ゲージ表示や,必殺技発動時の技名表示なども,細かく改善されている。
またマウス操作に対応するため,「戦闘開始」など一部の操作は,画面上に表示されるボタンを押すことでも可能となった。とはいえ,この「戦闘開始」のキーアサインが,「偽りの仮面」と「二人の白皇」で異なっているのはやや残念なところ。キーボードの場合,コンフィグで変更可能とはいえ,続けて遊ぶとやはり気なってしまう。
また欲を言うなら,「二人の白皇」における装備画面でのキャラクター切り替えや,周回プレイ時のデータ引継ぎ機能は,「偽りの仮面」にも欲しかったところだ。アップデートでの対応を切に期待したい。
プレイ自体は逐次チュートリアルも表示されるので,操作方法を覚えること自体はそう苦ではないはず。「用語集」も完備されていて,ここから操作方法の確認もできるので,適宜活用するといい。PS4版のものではあるが,アクアプラス公式サイトにオンラインの説明書があるので,「こちら」を参考にするのもよさそうだ。
名作「うたわれるもの」シリーズを,リモートプレイにも対応したPC版で
内容面でのアップデートは最小限ながら,やはり往年のファンとしては,PCで「うたわれるもの」がプレイできるというのは嬉しいところ。また初めてシリーズに触れる人も,「偽りの仮面」からなら違和感なくプレイできるはずだ。
もちろん,初代である「散りゆく者への子守唄」からプレイできればそれに越したことはないので,PS4版やPS Vita版のプレイ環境があるなら,これを機に挑戦してみてほしい。また2015年に放映された「偽りの仮面」のアニメに続き,「二人の白皇」のアニメ化も発表されたこともあり,順番は前後してしまうが「二人の白皇」プレイ後に遡ってプレイするのもまた,味わい深いのではないだろうか。
お待たせしました!ようやく皆さんにお知らせできることがすごく嬉しいです!
— 下川 直哉 Aquaplus (@AP_shimokawa) October 19, 2019
この日をどれだけ待ちわびたことか…
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なお今作はSteamクラウドによるセーブデータの保存や,Steam Remote Playにも対応している。とくにSteam Remote Playはプレイスタイルの幅が大きく広がるので,スマートフォンやタブレット,あるいはゲーム用のメインPCとは別にノートPCなどを持っているならぜひ試してみてほしい。居間や布団で寝転がりながらプレイできるというのは,人にもよるがなかなか魅力的ではないだろうか。
Steam内「うたわれるもの 偽りの仮面」ストアページ
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うたわれるもの 偽りの仮面
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