インタビュー
[インタビュー]CBT後に2万6000字以上の超ボリューム開発者ノートを公開した「Chrono Odyssey」。発表の意図と今後について開発者に聞いた
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2025年6月には,第1回クローズドベータテストが行われたが,4Gamerでもメディア向け先行テストでのプレイレポートを掲載している。その際のクオリティは,基本的なコンテンツはよく練られていた一方,手触りとパフォーマンスの部分に調整すべき要素が見え隠れする印象だった。
[プレイレポ]「Chrono Odyssey」は“ソウルライク×オンラインRPG”な新作。荒削りな部分もあるが,コンセプトには光るものを感じさせる
Kakao GamesとChrono Studioが手掛ける新作タイトル「Chrono Odyssey」のメディア向け先行テストが開催された。Unreal Engine 5を用いた美しいグラフィックスや,荘厳な世界観が特徴的な本作は,実際にはどんな手触りなのか。今回はゲーム序盤を実際に遊んでみてのプレイレポートをお届けする。
ファンとしては,これをベースに改善が重ねられれば良くなるだろう――という見方だったわけだが,第1回CBTを終えた約1か月後の7月30日に,今後の改善方針を語る開発者ノートが公開された。
その量,前後編合わせて実に2万6000字以上だ。単に長いだけでなく,フィードバックに対する調整内容の提示,それぞれの意図などもガッツリと取り上げられている。
硬派なアクションが魅力の新作MMORPG「Chrono Odyssey」,戦闘面などを大幅に改善予定。6月に開催したCBTでの意見に対する改善方針を発表
Kakao Gamesは本日(2025年7月30日),Chrono Studioが開発を進める「Chrono Odyssey」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)について,6月に開催したクローズドβテストにおけるプレイヤーからのフィードバックを受け止め,改善の方針を共有する開発者ノートを投稿した。戦闘面を含む大幅な改善を予定している。
これは非常にありがたい一方,内部資料並の情報がドカンと提示されたわけで,内容を把握するのもなかなか大変である。というわけで今回は,本作のプロデューサーを務めるYun SangTae氏にメールインタビューを行い,発表の意図と今後について聞いた。
調整内容についても解説してもらったので,開発者ノートを読む際の補助線としても活用してほしい。
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完成度を高めるために必要なのはプレイヤーの声を継続的に聞き,反映すること
4Gamer:
今回のCBTは,どんな情報を収集する目的で実施したのか,振り返りも兼ねて教えてください。
Yun SangTae氏:
ゲームコンテンツの完成度を把握し,プレイヤーのニーズや「どこを面白いと感じるのか」を確認しつつ,強化すべき点を洗い出したいと考えていました。
ゲームに直接触れていただくのは今回が初になりますので,プレイ中に不自由さを感じる可能性がある部分について,できるだけ多くのフィードバックを集める意図がありました。それをもとに,要素の面白さや限界点を綿密に検証し,より良いサービスにつなげるのが目的です。
4Gamer:
用意したコンテンツを,どの程度のプレイヤーが遊びきると想定していましたか。また,その予測がどの程度当たっていたのか教えてください。
Yun SangTae氏:
予想以上に多くのプレイヤーにご参加いただき,本作への高い関心を実感しました。それ自体が,今後の改善や開発を進める大きな原動力になります。また,コンテンツを最後までしっかりプレイしてくださったプレイヤーの割合も想定より高く,ゲーマーの皆さんの集中力と実力には驚かされました。
一方で,想定よりも利用率が低かったコンテンツもあったため,バランス調整などさまざまな改善を計画しています。初めて皆さんにお見せするタイミングだったこともあり不安も多かったのですが,非常に高い関心と愛情を感じられました。
4Gamer:
その要因はどういった部分にあると考えていますか。
Yun SangTae氏:
不必要な不自由さにつながるアクセシビリティの問題によって,難度やシステムが複雑で不親切に感じられ,プレイヤーの興味が集まりにくい部分がありました。今後はそれらを遊びやすく,楽しくプレイできるようにブラッシュアップしていく方針です。
4Gamer:
プレイヤーから高く評価されたコンテンツには,どのようなものがありましたか。
Yun SangTae氏:
コズミック・ホラーというゲームコンセプトや,全体の方向性については評価が高かった印象です。コンテンツとしては,1対1の戦闘コンテンツである「クロノゲート」,探索の流れのなかで自然に遊べる「指名手配」などは,とくに好評でした。
4Gamer:
逆に,改善要望が多かったコンテンツには,どのようなものが挙げられますか。
Yun SangTae氏:
バランス的な部分の改善を求める声がありました。また,初期バージョンゆえに発生した,戦闘のバランスや動き,ライティングおよび最適化への愛情のある心配や関心を確認できました。
4Gamer:
CBT終了後には,非常に詳細な改善内容が提示されました。ここまで具体的にゲームデザインの調整内容を公開するケースは,あまり多くない印象です。今後もこのような形でプレイヤーと意見交換を行っていくのでしょうか。
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はい。今後も,同じような方式でプレイヤーの皆さんとのコミュニケーションを続けていくつもりです。1次開発者ノートでは,プレイヤーからのフィードバックを単に要約するだけでなく,具体的な問題分析や技術的な改善の方向性まであわせて共有しました。
我々の真摯な姿勢に対して,多くのプレイヤーからポジティブな反応をいただき,非常に感謝しています。
今後公開していく開発者ノートについても,同様のアプローチを維持しつつ,コアとなる変更点やデザイン調整の方向性を,より透明性をもってお伝えしていく予定です。プレイヤーのフィードバックを中心にゲームが有意義な進化を遂げられると信じており,こうしたコミュニケーションを開発の重要な軸として位置付けています。
4Gamer:
今後も,さらなる意見を収集する機会が必要になると思います。プレイヤーとのコミュニケーション手段として,CBT以外に何か用意しているものはありますか。
Yun SangTae氏:
CBT以外にも,プレイヤーと持続的に意見交換ができる,さまざまな手段を用意しています。代表的なものとしては,FGT(Focused Group Test)によって,より整った環境下で細部の検証を行う予定です。また,定期的な開発者ノートの公開や,SNSを通じたフィードバックの収集も並行して行っていきます。
プレイヤーの声を継続的に聞き取り,開発に反映していくプロセスそのものをゲーム制作の重要な軸と捉えており,その積み重ねこそがゲームの完成度を高めるための重要な手段だと考えています。
第2回CBTで目指すのは「RTX 2070クラスの環境」での快適動作
4Gamer:
想定していたバトルデザインについて,雑魚戦とボス戦それぞれでどのようなものを目指していたのか,教えてください。
Yun SangTae氏:
本作のバトルは「Easy to Play, Hard to Master」(遊ぶのは簡単,極めるのは難しい)という方針を軸に制作しています。
雑魚戦はスタイリッシュかつ派手で,手ごたえがあるように設計しています。対してボス戦は,プレイヤーがボスに合わせてより戦略的な戦闘ができるように意図しています。
4Gamer:
そうした狙いは,実際にはどのように受け止められたのでしょうか。プレイヤーから寄せられた,ポジティブな意見とネガティブな意見の両方を教えてください。
Yun SangTae氏:
1対1の戦闘コンテンツであるクロノゲートは,多くの方から好評をいただきました。MMORPGでは珍しい,ハードコア形式のバトルコンテンツでしたが,我々の意図した方向性どおりに楽しんでいただけたことを確認しています。
一方,MMORPGにおける1対1コンテンツに対しては,「疲れ」を感じるという意見も確認できました。いろいろな方法で,難度を選択できるように検討し,それを反映しているところです。
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4Gamer:
改善にあたって,具体的にどのような変更を加えたのでしょうか。攻撃動作中の怯みの仕様や,先行入力のタイミングなど,ある程度専門的な内容でもかまいませんので,とくに大きなものがあれば教えてください。
Yun SangTae氏:
全体的な最適化を通じて,ガードやパリー,回避といったアクション対応のネットワーク遅延性が小さくなるように調整しています。また,バトル体験でキャラのリアクションが足りなかった部分を補うため,被撃方向ごとにリアクションを追加し,武器やモーションの特徴に合わせて小さい単位のノックバック効果なども追加。相互間の戦闘体験に対するフィードバックを強化しています。
4Gamer:
探索の順序や成長スピードについて,プレイヤーの行動は開発チームの想定とどの程度合致していましたか。
Yun SangTae氏:
本作は“非直線的な探索と冒険”をコンセプトとしています。戦闘だけでなく,採集や生活系コンテンツでもレベルアップが可能な設計になっており,全体としての成長スピードは,おおむね想定どおりだったと見ています。
4Gamer:
想定外の行動や,ゲーム側が意図していなかった進行方法などは見られましたか。
Yun SangTae氏:
村の外から爆弾を持ち込んで,村で投げているのを見ましたね。個人的には,とてもクリエイティブなプレイで関心しました。ほかのユーザーの被害がないレベルに調整はしますが,さまざまなプレイで自分だけのChrono Odyssey旅程を楽しんでいただければ開発チームとしては本望です。
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4Gamer:
フィードバックを送信したプレイヤーのうち,おおよそどの程度の割合が「快適な環境でプレイできた」と感じていたのか,またそれが想定どおりだったのかどうかを教えてください。
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1次CBT時点では,ハイスペックなPC環境でプレイしたプレイヤーを除き,多くのプレイヤーにとって快適なプレイ環境とは言い難かったと見ています。
我々の想定より多くのプレイヤーに参加していただき,大規模プレイ状況下での最適化や,コンテンツの安定性確保において至らない部分があったことを確認できました。
快適とはいえない環境でテストに参加していただいた多くのプレイヤーには申しわけない気持ちであり,そんな環境でもゲーム性の検証とフィードバックを惜しまなかった皆様には,開発チームみんなが感謝しています。
4Gamer:
今後,快適にプレイできる環境はどの程度まで広げていく予定でしょうか。
Yun SangTae氏:
現在,プレイ環境に関する改善項目のうち優先度の高いものから段階的に対応しており,全般的なパフォーマンス最適化を継続的に行っています。
第2回CBTでは,RTX 2070クラスの環境で快適にプレイできることを目標としており,最終的には,ミドルクラスのGTX 1060搭載PCでも,適切なオプション設定を行えば,スムーズにプレイできる状態を目指して改善を続けていくつもりです。
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